忙しく、執筆時間が取れませんでした(><)
「"クロススター"かあ……なんか厄介なのに絡まれちゃったね、私……」
「そこを悔やんでも仕方ないぞ。それに、お前は元々何もしていないのに絡まれただけだ。それなら返り討ちにするしかないだろ」
対オレの雷用の服が完成したので、オレと服をもったコルルは店を出てのどかな道をのんびり歩いていた。
……と言っても、話の内容は穏やかとは言い難いが。
「――私もクロススターのことはよく知らない。ただ、育てていたメロンを理由もなく滅茶苦茶にされたのだァ、ベリーシィィィィット!! そして、私が文句を言おうとすると、『俺達クロススターに逆らえると思うな、クソアルファベット』と言い捨てて逃げていったんだよコンチクショウウウウゥ!!」
「……だから、なんでお前らがついてきてるんだ?」
オレは背後でぎゃあぎゃあ喚いている二体の魔物を振り向いてギロリと睨みつける。
この二体、オレがクロススターのことを訊ねると、なぜか店の外までついてきてクロススターの説明を始めたのだ。その癖、もっている情報は雀の涙程。全くもって役に立たん。
アルファベットの"V"の形をした魔物の名は、ビクトリームというらしい。どうやら、人間界でガッシュ達と戦った『千年前の魔物』のようだ。そして、なぜかメロンを異常に愛している。
もう片方は、キース。三日月をヨットのような形に変えたような頭部が特徴的な魔物だ。そういえば、どこかで見たような気がしないでもないが、恐らく気のせいだろう。
……という思考は、次の瞬間発されたキースの一言によって塗り替えられてしまった。
「ところでお前。どこかで見たような気がする……魔界か……イヤ、人間界か……そういえば、ファウードでお前みたいなのを見たような気が……」
「……あ」
そこで気がついた。
こいつ……ファウードにいた、あいつか。"逃れられないビーム"の部屋を任せた……あの、ファウードに二回も強化してもらったにも関わらず負けた……、
「あの時の魔物、か」
「あ、うぁぎゃああ!? そ、そうだ! ゼオン!! ゼオンだ! とんでもなく強くて……途中で割り込んできたかと思えば、リオウをフルボッコにしてファウードの主にのし上がった、」
「……やめろ、もういい。それ以上言うな」
キースが言葉を紡けば紡ぐほどあの時の光景が脳裏に蘇ってきて、思わず顔をしかめてしまった。
すると、それまで黙って歩いていたコルルが突然声を上げる。
「そ、それより! その『クロススター』って、結局なんなのかな? どうして私を狙うのかな?」
「ウーム、他人を困らせたいのではないか? でなければ、私の育てた愛しい愛しいメロンをあんなにも無惨に……クソゥ……クソゥ……!! この無念、必ず晴らしてやるうぅ……!」
「確かに、それもあるだろうな。でもそれだけにしてはやることが幼稚じゃないのか? 女の魔物を集団でつけ回すなんてこと、何かハッキリとした理由がないとしないだろ。しかも特定の魔物をな」
ビクトリームは相変わらず馬鹿なことしか言わないので、メロンの恨みへの語りを遮って自分の考えを述べる。
そう言われてみれば、『クロススター』の目的が気になってきた。何のためにコルルを狙っているのか。そして、元々レイラとチェリッシュとコルルを狙っていたハズなのに、強さだけでターゲットをコルルに絞れるものなのか。
「……まあいい。コルル、とりあえず今日は家に帰れ」
「えっ!?」
「ベリーシィィィィット!! ゼオン、貴様ァ、か弱い女の子を置いて帰る気か!!」
「そうだ、置いて帰るにしてもせめていも天ぐらい用意してやれ!」
「黙れ、それはお前が食いたいだけだろうが!! ……クロススターについて情報を集めるんだよ。上手くいけば、オレの一存だけではなく、魔界の牢獄に王宮公認でぶち込めるかもしれん」
ったく、本当にこのVと三日月は余計なことしか言わない……。
どうせまた意味分からん理由で反論してくるんだろうと身構えていると、返ってきた言葉は意外なものだった。
「フン、私がそこまで付き合ってやる理由はないわ! まあ、暇だったら少しくらいクロススターについて調べてやっても構わないがな」
「私も、いも天食いに行くついでに少し調べてみるか……」
「お前ら……」
結果は恐らく「成果なしだ、ハッハッハ!」だろうが、反論の言葉ではなく協力を申し出るようなその言葉に思わず言葉に詰まってしまった。
一方コルルはニッコリと微笑んで、
「ありがとう、二人とも。私とは初対面なのに、そんなに優しくしてくれて……だから、尚更無理はさせたくないよ。今日は一回解散して、また今度みんなで集まろ? そして、そこで情報交換とかしようよ!」
その一言で今回の謎会合は終了したのだった。
☆
王宮に戻ると、大広間から何やらギャーギャーと騒ぐ声が聞こえた。
嫌な予感……イヤ、的中しないことを祈ろう。
しかし、大広間に入った瞬間、そんな儚い希望は音を立てて崩れ去った。
「あ、ゼオン! どこ行ってたのよ?」
「……お前ら、何やって……」
そこに居たのは、いつものガッシュの仲良しメンバーズ……ティオ、キャンチョメ、ウマゴン、パティと、ガッシュの五人だった。
まーたくだらない事で集まって騒ぎやがって……と思ったのは刹那のこと。すぐに様子がおかしいことに気がついた。
「おい、ティオ……お前……」
「そうなのよ……今、そのことをみんなで話してたの!」
ティオの腰辺りまである桃色の長い髪が、今は肩辺りでサラサラと揺れていた。
これはこれでまあ違和感はないのだが、それとこれとは話が別だ。
「どういうことだ? 自分で切った……なら、ギャーギャーやかましく騒ぐこともないか」
「やかましいとは失礼な! ……でもまあ、私が切ったワケじゃないのは正解よ」
「通り魔よ! ティオの髪は、通り魔にやられたの」
体をグイッと乗り出してパティが説明を始める。
「私達、いつものように公園で遊んでたんだけど……あ、ガッシュちゃんは除いてよ? 今日はガッシュちゃんは公務が何たらで遊べなかったから。
そうしたら、突然、黒いスーツに星柄のネクタイを締めた三人組の男が茂みから飛び出してきてね! ナイフをもってたから、攻撃される! と思って、ティオがセウシルを張ろうとしたの。でもそいつらは攻撃なんかせずに、ティオの髪をナイフでバッサリ切って持って行っちゃったのよ!」
「黒いスーツに、星柄のネクタイ……」
その特徴……それは、もしや――
「もうワケが分からなかったよ! どうしてティオの髪を持っていったのかも、なんでティオを狙ったかのように茂みから飛び出してきたのかも! 攻撃とかされたワケじゃないから、反撃も出来ないし……」
「メル……」
ウマゴンとキャンチョメも『?』マークを頭上に浮かべそうな声音でそう言って、最後はガッシュが締め括る。
「……と、言うことがあって、困ってどうすればいいか分からなかったから、とりあえず私の所に来たらしいのだ。ゼオンは何か知っておらぬか?」
「それは多分――オレも詳しくは知らないが、『クロススター』という団体だろう」
「「「クロススター?」」」
こうして、オレは話し始めた。
レイラとチェリッシュ、コルルから話された内容と、さっき起こった出来事を――