ハイスクール・ディスガイア   作:ボルメテウスさん

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受け入れるとは

その日、俺はバイトをしていた。

 

「それにしても、驚いたよ。

まさか大地がここにいるとは」

 

「俺も驚きですよ、まさか邪神ヴァルヴォルガさんがこっちに来るなんて」

 

そう言いながら、俺はカレーを皿に移して、渡す。

 

「あれ?

僕の名前は言わないの?」

 

「いや、少しやばいと思って」

 

そう言いながらカレーを受け取った邪神ヴァルヴォルガさんの上半身が答えた。

 

凶悪な見た目とは違って、優しく気弱な性格な彼には何度も助けられているいるが

 

「今、この場で名前を呼んだら消されそうな気がして」

 

「???」

 

なぜか先程からネズミが俺の頭から離れない。

 

未だに出しても良いか分からない状況なので、あえて出さない。

 

そんな風に接客していたら

 

「おい、藤木はいるか?」

 

「んっアザゼル先生、珍しいですね」

 

そうしていと、入ってきたのはアザゼル先生だった。

 

少し困った顔をしているが、すぐ近くにいる邪神ヴァルヴォルガを見るとさらに驚いた様子だった。

 

「たくよぉ、お前の所には本当に常識外れな事ばかり起こるな」

 

「えっ常識外れな事?」

 

「嘘っ!?どこどこ?」

 

俺と邪神ヴァルヴォルガさんはすぐに周りを見渡すが特に変わった様子は見られない。

 

「いや、なんでもない。

まぁ、そんなお前だからこそ頼めるかもな?」

 

「???」

 

アザゼル先生はそこから頼み事について、話始める。

 

ーーー

 

オーバーワークによって、倒れてから私はずっとベットにいた。

 

イッセー先輩や部長、仲間達に心配されてしまい、同時に自分の力の弱さを実感してしまう。

 

そんな中

 

「失礼、入るぞ」

 

「えっ?」

 

部屋に入ってきたのは、なんと藤木先輩だった。

 

「どうして」

 

「んっ、まぁ、なんだ。

アザゼル先生に頼まれて見舞いだ。

まぁ、困っている後輩を助けるのは当たり前だしな」

 

そう言いながら、先輩はそのまま座る。

 

私が知る限り、一番才能がなく、それでいて一番強い存在。

 

そんな先輩を前にして私は

 

「すいません、帰ってください」

 

情けなくなってしまった。

 

イッセー先輩が来た時、力を確実に上げていたのを分かっていた。

 

魔王レッドマグナスによる特訓の成果なのか、その力は以前とは段違いなのは見ただけで分かる。

 

だけど、それ以上の先輩を前にして、私は

 

「事情はアザゼル先生から聞いたよ。

まぁ、受け入れられない部分を使えという感じで」

 

だが、先輩はそのまま座る。

 

既に見た目ではあまり戸惑いを見せず、未だに悪魔などの存在をただの人間である先輩に対しての説明だろう。

 

「だからこそ、似たような人を俺は知っているから、少し放っておけなくてな」

 

「似たような人?」

 

その言葉に私は少し、気になってしまった。

 

「俺に護身術を教えてくれたキリアさんの話になるけど、良いかな?」

 

「キリア」

 

その名前を聞き、私は少し興味を持った。

 

私達よりも遥かに強大な存在である魔界の悪魔。

 

その中でも特に最強と呼ばれる5人の悪魔の一人である暴虐の魔王キリディア。

 

少し前に先輩の様子を見る為に訪れて、見たが、噂で聞いたような狂暴な力をまるで感じられなかった。

 

「キリアさんは昔、大切な人の仇を討つために戦っていたらしいんだ。

その中で、キリアさんを苦しめたのは昔の自分にあった破壊衝動だったんだ」

 

「破壊衝動」

 

「あぁ、抑えるのが難しく、ずっと否定していたんだ」

 

その話を聞くと、私は恐れながらも今の自分と重ねてしまう。

 

暴虐の魔王と呼ばれる程の破壊衝動、それに飲み込まれてしまうかもしれない恐怖は私と同じだった。

 

「けど、キリアさんはそんな過去を打ち勝てたんだ。

どんな方法だと思う?」

 

「それは、力を使いこなす?」

 

「いいや、キリアさんは『過去の自分を拒絶し押さえ込むのではなく受け入れてさらけ出す事』なんだ」

 

「受け入れる」

 

それはアザゼル先生からも言われた。

 

けど、そんな簡単な事では

 

「キリアさんもそれをするのには苦労したんだ。

当たり前だよ、それは当たり前の事であり、とっても難しい事だから」

 

「当たり前で難しい」

 

そう言いながら、藤木先輩はそのまま私を見つめた。

 

「この二年間、俺は色々な人と出会った。

夢だったかもしれないような現実味のない出来事を。

その中には俺自身も信じられないような真っ黒い物があったし、受け入れにくかった。

けどさ、ゆっくりで良いんだ、オーバーワークしても悪い事だけど、やっても良いと思う。

だって、それも何かを見つけるにはきっと必要な事だから」

 

そう言った先輩の言葉は温かく、心地好かった。

 

そうして、話してみて、少し分かったかもしれない。

 

普通に当たり前のようにいる暖かさ。

 

そんな先輩だからこそ、集まって、力を貸してくれるんだと。

 

だからこそ

 

「先輩、私に護身術を教えてください」

 

「いや、俺は教えるのは苦手なんだけど」

 

「後輩は先輩に甘えたら駄目なんですか?」

 

そう私は訪ねると困ったように頭をかく。

 

「下手くそでも、良いか?」

 

「はい」

 

少しでも自分の中にある力に勝つために。

 

 

D×Dヒロインで出番は

  • リアス・グレモリー
  • ゼノヴィア
  • 小猫
  • 黒歌
  • ロスヴァイセ
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