英雄伝説 異能の軌跡Ⅱ   作:ボルトメン

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今年最後の投稿になります。


灼獣

「見事、辿り着いたか」

 

ヴィータ、オーレリアの試練を乗り越え、月の霊場最奥に到達した新旧Ⅶ組をローゼリアが出迎えた。

 

「お祖母ちゃん、来たわ」

 

エマは覚悟を決めた眼差しをローゼリアに向ける。

 

「それが例の水鏡ですか」

 

「うむ──月冥鏡という」

 

(あれが……)

 

「なんて清冽な……」

 

「あれが、歴代の巡回魔女が管理していたという……」

 

「なるほど、古代遺物の一種だったか……」

 

星杯騎士のガイウスは月冥鏡の正体を察知した。

 

「そ、そうなんですか!?」

 

「確かに……クロスベルの鐘に雰囲気が少し似ているような」

 

アルティナはクロスベルにあった鐘を思い浮かべた。

 

「フフ、あれはクロイス家が受け継いできた古代遺物じゃな。リベールでは《四輪》や《方石》、アルノール家の《史書》──おっと、オリヴァルト皇子の《貝殻》も同じ部類なんじゃろう」

 

「いずれも旧き一族に伝えられし、太古より女神より授かった神具──」

 

「そしてその内の一つである魔女が受け継いだのがその鏡というわけか」

 

「うむ、各地の霊脈と結び付き、黒の史書とも連動する──ヌシらが各地で見た幻視などもこの水鏡が大元になっているのじゃ」

 

『!?』

 

ローゼリアから語られる真実に新旧Ⅶ組は驚きを隠せなかった。

 

「そうだったのか……」

 

「じゃあ、内戦中に見た幻視も……」

 

「大元はここというわけね」

 

「そのとおり。ああ、記憶の部屋は別物じゃ」

 

「それはどうだっていい。それより、そいつで隠された真実とやらは見れるのか?」

 

キリコはローゼリアを問いかけた。

 

「無論じゃ。ただし──」

 

ローゼリアは肯定した直後、真剣な表情に戻った。

 

「この水鏡は妾や巡回魔女にすら滅多に啓示を与えぬ神具でもあった。じゃが、黄昏が最終段階に入り、大いなる闘気がこの地を包み──巡回魔女たるエマ、呪いの贄たるシュバルツァー。妾とセリーヌが一堂に会したこの刹那ならば話は別じゃ」

 

ローゼリアがいい終えるや否や、緋色の闘気が揺らめきだした。

 

「な……!?」

 

「くっ……早速やり合うつもり!?」

 

「《赤い月のロゼ》……吸血鬼の真祖でしたか」

 

「クク、その吸血鬼というのは眷族どもによる風評被害じゃな。だが──精気を操るという意味では間違っているわけでもないか」

 

次の瞬間、緋色の闘気が膨れ上がり、ローゼリアと重なりあうように巨大な獣の姿が揺らめいた。

 

 

 

「……!?」

 

「なん……だ……?」

 

「……獣………」

 

「ま、まさか──!」

 

「……アタシやグリアノスの存在の大元……」

 

「フフ、我が名ローゼリアとは元々は古の獣のこと。その正体は1200年前、災厄を御するため焔の一族の長と融合した存在にして……女神が遣わした聖獣……《翼ある灼獣》というわけじゃ」

 

「…………ぁ………………」

 

「おばあ……ちゃん……」

 

セリーヌとエマは呆然となった。

 

「……消えたもう一柱の聖獣……教会もその行方を探っていたが………」

 

「……まさか人間と融合して新たな存在になってたとはな………」

 

「繰り返すようじゃが、妾が二代目じゃな。先代の長は800年前に消えたことは知っておるな?」

 

「ヘクトルⅠ世と共に暗黒竜討伐の際、その血と瘴気を受けて亡くなったと」

 

「……どうやらその裏で地精どもが関与しておったようなのじゃ」

 

「ここでも地精が……」

 

「七の騎神を生み出して以来、袂を別ったと聞いていましたが」

 

「話を戻す。そしてここにいる妾は、元は使い魔──セリーヌたちと同じ立場にあった」

 

「あ……」

 

「先代は生前、妾をこの地に連れて、己に何かあらば再訪するように言い残した。そして妾は、この月冥鏡により先代の記憶の一部と使命を受け継ぎ……二代目ローゼリアとなったわけじゃ」

 

「…………………………」

 

セリーヌは再び呆然となった。

 

「そういえば、深淵が使役したあの鳥も蒼い翼だったわね……」

 

「思えばどちらも焔の聖獣の特徴を別の形で受け継いでいたわけか……」

 

「そ、それじゃあ今回、セリーヌを呼んだのって……」

 

「うむ、黄昏が最終段階を迎えた今、地精たちとの対決も近いじゃろう。相克とは別に──場合によっては妾自らが刺し違えることもあり得よう。その時の保険みたいなものじゃな」

 

「そんな……」

 

「ロゼ、アンタ……」

 

「ああ、別に死ぬつもりはない。どちらかというとオマケじゃ。本命は、闘争の果てに水鏡が見せる黒の史書と連動した幻視──巡回魔女と真なる贄がいれば呪いの全貌が明らかになるじゃろう」

 

「……!」

 

「そうか、俺たちが各地で見た幻視の大元にあるものを引き出すために……」

 

「そのために必要なのが闘争……」

 

「ここでロゼさんとガチででやり合う必要があるってことですか……!」

 

「うむ──始めるとしようか」

 

ローゼリアは膨大な闘気を揺らめかせつつ臨戦体勢に入った。

 

 

 

「っ……!」

 

「おおっ……!?」

 

「なんというオーラ……!」

 

「でも、こちらも退けない……!」

 

「ええ──ここが正念場よ!」

 

「立ちはだかるなら、倒すだけだ……!」

 

「新旧Ⅶ組──これより最大級の試練に挑む!」

 

「示すとしよう、ミリアムが護り、繋いでくれた俺たちの今を!」

 

「よろしくお願いします!隠された真実を引き出すために!」

 

「ロゼ──色々文句はあるけど全力で行かせてもらうわよ……!」

 

新旧Ⅶ組は闘志を燃やし、ローゼリアを見上げる。

 

「うむ、かかってくるがいい。Ⅶ組の子らにセリーヌよ。魔女の長にして女神の聖獣──《灼獣ローゼリア》、参るぞ!」

 

月の霊場最大最後の試練が幕を開けた。

 

 

 

「それは本当かな?ルスケ大佐?」

 

「ええ。真です、殿下」

 

一方、カレイジャスⅡは物々しい雰囲気に包まれていた。

 

ヴィータとオーレリアが合流し、艦を去った時を見計らい、ロッチナが来訪した。

 

皇族を始め、艦にいる者全員が呆気にとられたが、重大な話があるというロッチナの言葉に平静を取り戻した。

 

ミハイルとトワは話はⅦ組が帰還してからにと主張したが、嫌な予感を抱いたオリヴァルト皇子が直ぐに会いたいと反対意見を押しきった。

 

そこでミハイルはⅧ組Ⅸ組分校生徒らを総動員し警戒体勢を取らせ、オリヴァルト皇子と分校教官三名で話を聞くことになった。

 

ブリーフィングルームに通されたロッチナは、ある情報をオリヴァルト皇子らに語った。

 

 

 

「ば、バカな……」

 

「脱走したとされていた共和国軍工作員がテロを起こそうとしている!?」

 

思いもよらない情報にブリーフィングルームは騒然となった。

 

「残念ながら事実のようだ。エイボン丘陵にある立ち入り禁止区域に出入りする者を見たという話を聞きつけてな。部下に慎重に探らせた所、九割方間違いないとのことだ」

 

「……………」

 

「おいおい、だったら何で分校に話を持ってくるんだよ」

 

言葉をなくすトワをよそにランディが挙手をした。

 

「そういうのは軍かアンタら情報局、TMPのやることじゃねぇのか?」

 

「ラ、ランディさん……」

 

「そうしたいのはやまやまなのだが、そうもいかなくなってしまってな」

 

ロッチナは目を瞑る。

 

「……やはり、手が出せないのかい?」

 

「ええ。開戦まで残り猶予もない以上〝小事〟として扱う他ない状況です」

 

「小事だぁ!?」

 

「落ち着け、オルランド。だからこそ、我々に回ってきたのだ」

 

ミハイルはいきり立つランディを抑える。

 

その右手はブルブルと震えていた。

 

「ミハイル教官……」

 

「……チッ!」

 

ランディはドカリと座った。

 

「その小事というのは、宰相殿が?」

 

「そう仰りたいところなのですが、違います」

 

「え……?」

 

「なるほど、ルーファス君か」

 

オリヴァルト皇子はため息混じりに言った。

 

「総督殿が……」

 

「リィン君たちからある程度聞いてはいるが、ルーファス君は宰相殿一派とは別の思惑があるようだ。彼にしてみれば、今さら共和国軍工作員──ハーキュリーズのことなど二の次だと言いたいのだろう」

 

「ええ、まさにそうだと」

 

「そんな……」

 

トワの表情は青ざめた。

 

「如何致しましょう、殿下」

 

「答えるまでもない。そんなモノを認めるわけにはいかない」

 

オリヴァルト皇子は毅然と答えた。

 

「では殿下……」

 

「お引き受けくださると?」

 

「最終的な判断はリィン君たちが戻ってからにしよう。それでどうかな?ルスケ大佐」

 

「構いません」

 

ロッチナは笑みを浮かべた。

 

「では、Ⅶ組が帰還するまで待たせていただいてもよろしいですかな?」

 

「構わないよ。貴公とは少々、話をしてみたくてね」

 

「フフ、殿下のお耳を楽しませるような話があればよいのですが」

 

オリヴァルト皇子とロッチナは互いに意味深な笑みを浮かべる。

 

(煮ても焼いても食えねぇなこの二人……)

 

(オルランド……)

 

(聞こえますよ……)

 

 

 

「どうしたどうした!その程度か!」

 

月の霊場最奥では、ローゼリアが暴れ回っていた。

 

「これほどとはな……」

 

「深淵とルグィンの方がマシだぜ……!」

 

「唯一の救いは的がデカいことだがな」

 

そう言ってキリコは引き金を引いた。

 

「確かに的は大きいね」

 

「では、アーツも狙い放題ですね」

 

フィーとミュゼも追撃に出る。

 

「とにかく、固まるのは悪手だ。後衛は出来る限り下がって射的を拡げろ。前衛と遊撃は全体に散らばってくれ。とにかく走れ」

 

「無茶を言ってくれる……!」

 

「だがそれしかないならば……!」

 

「やってやりましょう!」

 

「行くぞ、新旧Ⅶ組!」

 

『おお!』

 

『イエス・サー!』

 

新旧Ⅶ組は距離を取り、狙いを絞らせないように動きだした。

 

 

 

「ほう、考えよったな。ならば範囲を──」

 

「アーマーブレイクⅡ」

 

「メイルブレイカー!」

 

「双剋斬!」

 

ローゼリアが力を籠めるや否や、妨害の効果を持つクラフト技が炸裂した。

 

「くっ!?」

 

「フレアバタフライ!」

 

「エクスクルセイド!」

 

アリサとユーシスが火属性と空属性のアーツで追撃する。

 

「真・螺旋撃!」

 

「真・獅子連爪!」

 

入れ替わるようにリィンとラウラが高威力のクラフト技を叩き込んだ。

 

「おのれ!」

 

ローゼリアは前肢を振り上げ、二人を狙う。

 

「ハンターウイング!」

 

「イクリプスエッジⅡ!」

 

ガイウスの呼んだゼオとエマの魔力で形成した剣が襲いかかる。

 

真横から受け、ローゼリアの攻撃は空振りに終わった。

 

「足場を崩しましょう。ブリューナクⅡ、照射!」

 

「ランブルスマッシュⅡ!」

 

アルティナとアッシュがローゼリアの足元を攻撃する。

 

「ぬうっ!」

 

ローゼリアはこらえた。

 

「ほれ、クロノドライブ!」

 

「ありがとうございます!ブレイブスマッシュⅡ!」

 

クロウの支援を受けたユウナが特攻を仕掛ける。

 

「ぐっ!?小癪な……!」

 

ローゼリアはさらにぐらつく。

 

「ノクターンベルⅡ!」

 

エリオットのクラフト技がローゼリアの視界を狂わせる。

 

「ダイヤモンド・ノヴァ!」

 

ミュゼが水属性の最上級アーツを放った。

 

「一斉に攻撃を!」

 

『応!』

 

全員一致のバースト攻撃が叩き込まれた。

 

「ぐううっ!これ以上は……!」

 

「後二発だ」

 

キリコがローゼリア目掛けて手榴弾を投げつける。

 

「教官、詰めを」

 

「わかった、緋空斬!」

 

リィンの放った斬撃が手榴弾に直撃した。

 

「ぬおおっ!?」

 

爆風を受けたローゼリアは崩れ落ちるように後退した。

 

 

 

「ようやく一矢報いたか……」

 

「だがこれで終わるはずがない」

 

「ああ、そのようだ……!」

 

「来ます……!」

 

新旧Ⅶ組が体勢を整える間に、ローゼリアが起き上がる。

 

「やるではないか……人の身でありながら妾を追い込むとはな」

 

ローゼリアは焔のような闘気を揺らめかせる。

 

「おいおい……」

 

「さっきまでのはウォーミングアップだったって言う気かよ?」

 

「フフフ、だとしたらどうかの?」

 

「関係ない」

 

キリコはアーマーマグナムの銃口を向ける。

 

「叩きのめすだけだ……全員でな」

 

「キリコ……!」

 

「言わずもがなだ」

 

「全員で乗り越える……!」

 

ラウラとフィーも得物を構える。

 

「負けられない……!」

 

「みんなと一緒に……!」

 

アリサとエリオットはARCUSⅡを起動させる。

 

「一歩も退いてなるものか!」

 

「最後まで抗ってみせよう!」

 

「聖痕よ、我に力を……!」

 

エリオット、マキアス、ユーシス、ガイウスが闘志を燃やす。

 

「あたしたちも忘れてもらっては困ります!」

 

「僕たちだってⅦ組です!」

 

(見てて……お姉ちゃん………)

 

「まだまだ倒れねぇぞコラァ!」

 

「参りましょう!」

 

二代目Ⅶ組も気合い十分だった。

 

「真実を掴むために!」

 

「行くぞ、Ⅶ組!」

 

エマとリィンの言葉を皮切りに、新旧Ⅶ組は動き出した。

 

「来るがよい、Ⅶ組よ!!」

 

ローゼリアは焔のような闘志を燃やし、迎え討つ。

 

 

 

[キリコ side]

 

ローゼリアは先ほどよりも苛烈な姿勢で攻撃をくり出してくる。

 

その威力の前に、俺たちは何度も膝を屈しそうになった。

 

(攻撃力は勿論だが、覆っているオーラは確かに危険だな)

 

どんな攻撃だろうと、必ずインターバルが存在する。

 

爪や前肢からの攻撃なら、次の攻撃に備えて一旦下がるものだ。

 

だがローゼリア全体を覆っているオーラが俺たちの攻撃を受け流してしまうのだ。

 

下がった瞬間を狙って発砲するが、あまりダメージは見られない。

 

「フレアバタフライ!」

 

「カルバリーエッジ!」

 

「……チッ!」

 

だが、ラインフォルトとミルスティンの放ったアーツを受けたローゼリアが煩わしそうに払う所を見ると、完全に受け流せるわけではないようだ。

 

「クリアブラストⅡ」

 

ここからは一点集中に切り換える。

 

[キリコ side out]

 

 

 

「どうやら糸口が見つかったみたいだな……」

 

マキアスは弾丸を籠めながら呟いた。

 

「とりま、あの面にぶちかましてやりゃいいんだろ?」

 

「出来るだけ派手にね……!」

 

「やることは決まった」

 

回復を終えたリィンが正面を向く。

 

「行くぞ。ここが正念場だ!」

 

『おおっ!』

 

新旧Ⅶ組は再び動き出した。

 

 

 

「カルバリーエッジ!」

 

「エクスクルセイド!」

 

「ガリオンフォート!」

 

時、空、幻属性のアーツが叩き込まれる。

 

「メルトストームⅡ!」

 

「クリアランスⅡ!」

 

続けざまにアリサとフィーのクラフト技が放たれた。

 

「調子に乗るでない!」

 

ローゼリアは闘気を放出した。

 

「受けよ、我が力を!!」

 

「うぐっ!?」

 

「こ、これは!?」

 

「なんて……霊圧……!」

 

闘気を受けたⅦ組は苦痛に歪む。

 

「まだ……終わらせない!レメディファンタジアⅡ!」

 

フラフラになりながらも、エリオットはSクラフトを発動し、新旧Ⅶ組は気力を取り戻した。

 

「ありがとうございます、エリオットさん!」

 

「どういたしまして。それよりリィン!」

 

「ああ、反撃開始だ!」

 

リィンは根源たる虚無の剣を正面に構える。

 

「鬼気解放!!」

 

リィンの体から黒い闘気が迸った。

 

「極・緋空斬!」

 

リィンは極太の斬撃を放った。

 

「くっ!?」

 

防御したローゼリアに隙が生じた。

 

「仕掛ける、リードスナイプ」

 

「こちらも、オワゾーブルーⅡ!」

 

キリコとミュゼが長距離のクラフト技を放つ。

 

「お足元ご注意ってなぁ!ディスペアーアロー!」

 

「業刃乱舞Ⅱ!」

 

アッシュとクルトがローゼリアの足元を崩す。

 

「チッ!またしても……!」

 

ローゼリアは二人に狙いを定めた。

 

「させん!プラチナムシールドⅡ!」

 

ユーシスが障壁を張って防御した。

 

「ありがとうございます、ユーシスさん!」

 

「助かったぜ」

 

「礼はいらん。ユウナ、行け!」

 

「了解です!グラヴィオン・ハンマー!」

 

ユウナは地属性の最上級アーツを放った。

 

「ぐうう……小癪な!」

 

ユウナの予期せぬ攻撃にローゼリアは苦々しげな表情を浮かべた。

 

「続けて行くぜ!ロスト・ジェネシス!」

 

クロウは時属性の最上級アーツを放った。

 

「調子に乗るでない!!」

 

ローゼリアはアーツを受けながらも前進する。

 

「クリアブラストⅡ」

 

「ソリッドカートⅡ!」

 

「ヴォーパルフレアⅡ!」

 

キリコ、マキアス、エマがローゼリアを止めるべく応戦した。

 

「そんなにモノで妾を止められるかあっ!」

 

ローゼリアは前肢を振り上げる。

 

「決めろ、アルティナ!」

 

「了解しました……!」

 

ステルスモードで身を潜めていたアルティナがローゼリアに迫った。

 

「何っ!?」

 

「起動、フラガラッハⅡ!」

 

直前で気づくも間に合わず、ローゼリアはアルティナ渾身のカウンターをまともに食らった。

 

傷を付けられたローゼリアの身体からオーラが減衰した。

 

 

 

「見て、ローゼリアさんから!」

 

「ようやく鎧を剥ぎ落としたというわけか……」

 

「しばらくしたらまた戻るでしょう。今のうちがチャンスです──」

 

「そうはいかぬ!!」

 

ローゼリアは再び立ち上がった。

 

「まだ倒れぬ!まだやられはせぬぞ!」

 

ローゼリアの咆哮は新旧Ⅶ組に直撃した。

 

「チッ!しぶてぇババアだな!」

 

「後一息ってところなのに!」

 

「こちらもギリギリ……このままでは……」

 

(ここまでなのか……)

 

新旧Ⅶ組に迷いが生じた。

 

「……まだだ」

 

キリコを除いて。

 

 

 

「キリコさん……」

 

「しかしどうやって……」

 

「アルティナ」

 

キリコはアルティナに目をやった。

 

「武装はともかく、膂力なら申し分ないはずだ」

 

「膂力?」

 

「……わかりました」

 

アルティナは右手を掲げる。

 

「皆さん、下がってください」

 

アルティナの言葉に従い、新旧Ⅶ組はアルティナから距離を取った。

 

「何をするつもりかは知らぬが……!」

 

「ゼルエル・カノン」

 

キリコは火属性の最上級アーツでローゼリアの出鼻を挫いた。

 

「召喚します。ゴライアス・ノア!」

 

アルティナはクラウ=ソラスからゴライアス・ノアを出した。

 

「ゴライアス・ノア!?」

 

「もう動かせるのか!?」

 

「はい」

 

アルティナはそう言って乗り込んだ。

 

「くっ……よもやそんなモノを……!」

 

【行きます……!】

 

アルティナはゴライアス・ノアを操縦し、ローゼリアを抑え込む。

 

如何に灼獣といえど、消耗した状態では為す術がなかった。

 

【抑えました!】

 

「わかった!みんな行くぞ!」

 

リィンの号令と共に、新旧Ⅶが一斉に動き出した。

 

その瞬間、不思議なことが起きた。

 

戦いで失われた体力と魔力が回復し、得物を握る手に力が宿った。

 

結果、戦術リンクのバースト攻撃とは比較にならない威力となった。

 

だが新旧Ⅶ組は止まらなかった。

 

不可思議な現象に生じる迷いよりも、帝国を覆う呪いの真実を掴もうとする気概が勝った。

 

「ぐうう……み、見事じゃ………」

 

新旧Ⅶ組の想いを受けたローゼリアは今度こそ崩れ落ちた。

 

 

 

「はあ……はあ……!」

 

「ハッ……どんなもんだっつーの……!」

 

「厳しかったけど……何とか上回れたハズ……!」

 

「そうだな。しかし……」

 

リィンは顎に手をやった。

 

「最後のアレは何だったんだろう……?」

 

「明らかに戦術リンクではないな」

 

「体力やEPが多少だが回復しています。ですが……」

 

「ええ。そんな機能、実装されていないわ」

 

「アリサさん……」

 

「後で詳しく調べてみるわ。それより……」

 

「ぐぬぬ……」

 

ローゼリアはゆっくりと人の姿に戻っていった。

 

「人の子ごときにここまで食い下がられるとは……レグナートやアルグレスの悔しさが今更ながら分かるようじゃ……」

 

「……アルグレス……?」

 

「古竜はともかく……その名前は………」

 

「聖女の騎神にも似ているが……」

 

(確かアルグレオンだったか。偶然と考えるのは早計か?)

 

「フフ……既に人の世では喪われてしもうた名であったな……」

 

ローゼリアは懐かしそうに腕を組んだ。

 

「まあよい。よくぞ我が試練を乗り越えた。エマ、シュバルツァー、皆もしかと心するがよい」

 

ローゼリアの視線の先で月冥鏡が起動し、輝き始める。

 

「……!」

 

「月冥鏡が……!」

 

(いよいよか……)

 

キリコは拳を握りしめる。

 

「水先案内をします……!皆さん、どうか心を落ち着けて!」

 

エマは魔導杖を掲げた。

 

「っ……」

 

「……こ、これは………」

 

「妾も知らぬ真実……黒の史書の残された欠片たち。目も逸らさずに見届けるがよい!」

 

新旧Ⅶ組は光に包まれた。

 

 

 

[キリコ side]

 

光に包まれたかと思えば、俺の目に様々な光景が映った。

 

黒のアルベリヒが猟兵王を不死者として、紫の騎神の起動者として甦らせたこと。

 

闘神と猟兵王の激突は最初から仕組まれていたことのようだ。

 

晩年のドライケルス大帝に毎晩忍び寄る名状しがたい闇。そしてその闇を聞き出そうとする槍の聖女。

 

ジョルジュ・ノーム──銅のゲオルグの深層意識。どうやらそれなりに葛藤があったようだ。

 

赤子のリィン教官を慈悲深げに微笑む夫婦。若い頃のオズボーン宰相とその妻なのだろう。

 

その様子を見た槍の聖女はどこかに赴くようだ。あの方というのはおそらく結社のトップのことだろう。

 

黒のアルベリヒことフランツ・ラインフォルトの場面に変わった時、俺は思い違いをしていたと気づかされた。

 

どうやらフランツ・ラインフォルトは身体と意識を何かに乗っ取られたようだ。響いてきた声からあの闇と同じかもしれない。

 

そして執行者でもあるクルーガーに倒されたのだろう。

 

最後に、オズボーン宰相の半生を見た。

 

およそ16年前に家を猟兵に襲われ、妻を喪い、今にも事切れそうな幼いリィン教官を抱きしめながら慟哭していると、あの声が響いた。

 

その声は、〝どらいけるす〟と言った。

 

気にはなるが、今は置いておく。

 

最後にオズボーン宰相はあの声──イシュメルガに魂と肉体を譲り渡した。

 

その場面を最後に、光は収まっていった。

 

どうやら俺の求めるものはなかったようだ。

 

[キリコ side out]

 

 

 

『…………………………………………………』

 

その場にいる者たちは茫然自失となった。

 

「これが…………残された真実の全てか……」

 

クロウは気落ちしながら言った。

 

「……団長が亡くなったのも、ううん、決闘を仕組んだのも………」

 

フィーは拳を握りしめる。

 

「黒のアルベリヒ………でも、彼さえもまた……」

 

「どうやらジョルジュ先輩とはまた違う形みたいですね……」

 

「ああ、アリサの父上の自我を乗っ取るように現れた別の自我……?」

 

「……地精の長という人格が乗っ取ったってことなのかしら?」

 

「うむ……妾とは違う形で不死を実現した存在のようじゃな。恐らくは、優秀な地精の子孫に寄生・融合することで永らえる……」

 

「………………父様………………」

 

アリサは何も考えられなかった。

 

「そしてアリアンロード──いやリアンヌ・サンドロットの真実。250年に渡り〝彼〟と帝国の行く末を真摯に案じ続けていたとは……」

 

「……まさに聖女と呼ばれるに相応しい人物ですね」

 

「で、でもその人が気にかけていたのって……」

 

「……ずっと疑問だった事がある」

 

ユーシスはおもむろに口を開いた。

 

「疑問?」

 

「ああ。どうしてユーゲント陛下はあそこまで宰相を立てるのかとな」

 

「〝どらいけるす〟……答えはそれだろう」

 

キリコはリィンたちを見ながら言った。

 

「そうか……そうだったんだ。陛下は知ってらっしゃったんだ!皇帝家の黒の史書によって……!」

 

「……250年前の獅子戦役を終わらせた帝国中興の祖にしてトールズの創設者………かの獅子心皇帝の生まれ変わりがギリアス・オズボーン宰相であることを」

 

「………………ああ…………………………」

 

リィンは絞り出すように言った。

 

「生まれ変わり……そんな事が……」

 

「オカルト……じゃなさそうだな。つーか、コイツが既にいるしな」

 

「………………」

 

キリコはアッシュの手を払った。

 

「……よもや残されし真実がそのようなものじゃったとはのう……」

 

ローゼリアは両拳が真っ赤になるほど握りしめ、悔しさを滲ませる。

 

「阿呆共が──リアンヌもドライケルスも何故妾に一言相談せぬ!?妾はヌシたちの朋友……!そう言ってくれたではないか……!?」

 

「いや……どうして妾はこの250年ずっと気づけなんだ……」

 

「お祖母ちゃん………」

 

「…………ロゼ………………」

 

エマとセリーヌも悲痛な表情を浮かべる。

 

「結局の所……」

 

キリコが切り出した。

 

「あの黒い騎神──イシュメルガとやらが関わっているんだな?」

 

「…………ぁ……………」

 

「た、確かに……どう考えても全ての元凶って……」

 

「……黒の工房の本拠地で見た時、尋常じゃないオーラを漂わせる騎神だと思ったが……」

 

「以前にも話したとは思うが、千年もの間も殆ど姿を現さなかった謎の騎神じゃ。250年前の獅子戦役は勿論、900年前の暗黒竜の時も居なかった。じゃが──」

 

「その両方………いえ、帝国の忌まわしき歴史のほぼ全てに関わっていたとすれば……?」

 

ミュゼの頭脳が最悪の答えを導き出した。

 

「ま……さか………」

 

「……………………………………」

 

アッシュは呪いに侵されていた場所を覆った。

 

「ヴァリマールにせよ、オルディーネにせよ、騎神にはそれぞれ自我があった。だが、その自我に何らかの形で悪意に目覚め、力を付けていけば……」

 

「……元々争っていたとはいえ、1200年前、地精と魔女は和解しました。巨イナル一の封印のみならず帝国の創設にも共に力を貸したそうです。なのに800年前帝都奪還を最後に彼らは一切の交渉を断った……」

 

(800年前……年代は符号するな)

 

「恐らく背後にいたのが黒の騎神。それこそ地精を眷族として取り込んじまったのかもしれねぇな。いや、むしろ都合のいい駒・下僕として魂まで隷属させたと言うべきか……」

 

「……そして団長の件以外にも色々な所にちょっかいをかけて……黒い種を撒き散らしていった……」

 

「……ええ、この瞬間にも。まさにアルベリヒ自身が言っていた呪いそのものね」

 

「その目的は巨イナル一……?」

 

「七の相克の果てに自分自身がそれになろうと……?」

 

「そんな事のために………わたしたちOzは………ミリアムさんは………………」

 

「……………………ッ…………………………」

 

「……吐き気がしてくるわ………」

 

新旧Ⅶ組は怒りと憎しみに包まれていった。

 

「……ああ………許せないな」

 

 

 

リィンから禍々しいオーラが漂い始めた。

 

「……!」

 

「ちょ、アンタ……」

 

「……そいつのせいで帝国は……周りの地もずっと苦しみ続けてきた……。クロウや聖女、猟兵王も不死者となり、ミリアムは命を落とした……。クレア少佐の家族やレクター少佐の父親、これまで犠牲になった無数の人たち……。アリサの父親にジョルジュ先輩………俺の母親やオズボーン宰相すら………」

 

リィンの身体は鬼気にどんどん侵食されていく。

 

「リィン、落ち着きなさい!」

 

「贄としての呪い……!」

 

「くっ……刺激が強すぎたか!」

 

「チッ、何とか押さえて──!」

 

「落チ着クガイイ、我ガ起動者ヨ」

 

次の瞬間、転位してきたヴァリマールと根源たる虚無の剣が月冥鏡と連動するように輝き、周囲が光に包まれた。

 

 

 

「ヴァリマール……!?」

 

「なんて温かな光……」

 

「そ、それよりここって……」

 

「騎神が起動者と契約する位相空間……?」

 

「いや……それとは違うみたいだな」

 

同じ起動者でもあるクロウは違いに気づいた。

 

「……ヴァリマール………」

 

徐々に鬼気を薄れさせるリィンは相棒に語りかける。

 

「喋れるようになったのか……?工房の本拠地の時とも違う状況みたいだな……?」

 

「ウム、一時的ニデハアルガ呪イノ枷ヲ外セタヨウダ。カツテノヨウニ感情れべるハ大幅ニ抑エラレテイルガ……イズレ現実世界デモ言葉を取リ戻シテミセヨウ」

 

「そうか……」

 

「よかった……本当に」

 

「聞クガイイ──りぃんニ準起動者タチヨ」

 

涙ぐむエリオットをよそに、ヴァリマールは真剣な眼差しを向ける。

 

「全テガ黒ノ仕業トイウ訳デハナイ。人ノ未熟サガ招イタ事デモアルノダ。ソノ事ヲ理解セネバコノ先ノ相克モ越エラレマイ。タトエ剣を取リ戻シタトシテモ」

 

「え……」

 

「…………ぁ………………」

 

ヴァリマールが言い終えると、根源たる虚無の剣はミリアムの姿へと変えた。

 

「な………」

 

「ミリアム──!」

 

『あはは、ブリオニア島以来だね、みんな。クロウはホントに久しぶりだけど』

 

「ああ。だな……」

 

クロウは懐かしむように見つめた。

 

「し、しかしどうして……」

 

『ここならある程度は大丈夫みたい。それよりみんな……』

 

『ゴメン、やっぱりボク、まだまだ未熟だったみたい。みんなの事を守るとか、力になれた──なんて聞こえはいいけど。あんなにもみんなを哀しませるなんて夢にも思ってなかったんだ』

 

ミリアムは頭を下げて謝罪した。

 

「……ミリアム………」

 

「謝らないでちょうだい……!」

 

「それはいい……そんなことはいいんだ……!!」

 

ユーシスは必死に叫んだ。

 

「……二人とも……また何かを伝えに来てくれたんだな?」

 

『うん、この状態になってからようやく見えてきたことだけど、相克が奪い合いっていうリィンたちの認識は合ってるよ。本来、不死者であるクロウは負けたら消えちゃう所だったけど……決着に持って行ければしばらくは猶予は稼げると思う』

 

『……黄昏が終了したらその限りじゃないのは確かだけど』

 

ミリアムは最後は言いづらそうに言った。

 

「ハハ……だろうな」

 

クロウは何でもないように答えた。

 

「……クロウ…………」

 

「モウヒトツ──黒ニツイテダガ。カノ騎神ノ力ハ余リニ絶大………理カラ外レタ存在ト言エルダロウ。極言スレバ全テニ勝利デキルガ、ソレデハ闘争ノ果テの再錬成ノ条件ハ満タセヌ」

 

(……自身が頂点に立てれば良いというものでもないようだな)

 

「そうなると、最後に出来る構図は一つか」

 

「他ノ騎神の力ヲ手ニ入レタ一騎ガ僅カデハアルガ勝利ノ可能性ヲ手ニシ──黄昏ノ極マリシ刻ニオイテ黒ノ騎神ト対峙スルトイウ構図ニ」

 

『候補は猟兵王の紫、聖女の銀、ルーファスの金。そしてクロウの蒼と皇太子の緋を味方につけたリィンの灰の4騎ってことになるね』

 

「それならリィンが──いや俺らが行く道は既に決まってるぜ」

 

クロウは笑みを浮かべる。

 

「ああ、そうだな」

 

「既に殿下という強い味方を得ていますから!」

 

「ん、団長だって何とか説得できれば……」

 

「聖女については鉄機隊の方々との約定もある。何としてでもな」

 

「ああ、本来だったら共闘してもおかしくない立場だ!」

 

「行けますよ、絶対に……!」

 

「甘くはねぇだろうが……何とか光は見えてきたかよ」

 

「まあ、ルーファス総督は味方には引き込めないでしょうけど……」

 

「それでも相克に打ち克てば彼の騎神の力は取り込めるでしょう」

 

「そうして味方を増やし、力を蓄えてオズボーン宰相と対峙できれば……」

 

「たとえ僅かな可能性でも──〝真の元凶〟を倒せる勝機に繋がる!」

 

(真の元凶……)

 

「ああ、俺が贄でも鬼でもなく、己自身としてヴァリマールを駆り──ミリアムの剣を使いこなせるなら!」

 

「ウム、ソレデヨイ」

 

『うんうん、ボクも全力で協力するつもりだよ!』

 

新旧Ⅶ組は進むべき道を見つけた。

 

 

 

「……俺の質問にも答えてくれるか?」

 

キリコはヴァリマールとミリアムに問いかけた。

 

「キリコ……」

 

「質問って……そうか!」

 

「黒の史書にも存在を示唆されている賢者にして、キリコの宿敵……」

 

「その正体は異世界アストラギウスの神……」

 

「どうなんだ?」

 

「ウウム……」

 

ヴァリマールは考えるような仕草をした。

 

『ボクにも分からないんだ。相克に関することは見えたんだけど、そのワイズマンっていうのに関しては全く……』

 

「……そうか」

 

「う~む、ここでもダメとなると……」

 

ローゼリアは腕組みをして考え込んだ。

 

「記憶の部屋でじっくり向き合うしかないみたいだね……」

 

「済まぬ。ここまで来させておいてこのような結果になってしまって」

 

「構わない」

 

キリコはもはや、月冥鏡に興味はなかった。

 

「しかし神サマが相手なんだろ?」

 

「……そうだな」

 

「キリコさんは姿をご覧になられたことがあるんですよね?」

 

「もちろんだ」

 

「興味本位になるが、そもそもワイズマンとはいったい……」

 

「そうだな──!?」

 

突如、どこからともなくノイズのようなものが流れる。

 

「ううう……!?」

 

「な、何この音……!?」

 

「まるで赤子が呻いているような………!」

 

『み、みんな!?』

 

「クッ……!」

 

「これは……!」

 

ヴァリマールと突然現れたオルディーネは片膝立ちになった。

 

「ヴァ、ヴァリマール!?」

 

「オルディーネまで何を……!」

 

「……………………………………………」

 

周囲が苦しむ中、キリコは反対側を見つめる。

 

「キ、キリコ………?」

 

「いったいどうした──」

 

「皆さん、あれを!」

 

エマの視線の先に、ローブを纏った者が立っていた。

 

「……………………………………………」

 

キリコはそれをジッと見つめる。

 

「キリコさん、どうし───ヒッ!?」

 

キリコの顔を見たミュゼは思わず立ち竦んだ。

 

キリコの両目に光は無く、冷たい殺気に満ちていた。

 

見たことのないキリコの表情に新旧Ⅶ組は声も上げられなかった。

 

「やはり……さっきから感じていたのは………」

 

キリコは一歩を踏み出した。

 

「お前だったのか………」

 

 

 

「………ワイズマン!!」

 

 

 

アストラギウスを影から支配し続けた神とアストラギウス最大の禁忌たる異能者

 

異世界を故郷とする者たちが遂に邂逅した。

 




次回、ロッチナの依頼をを受けます。

今年も良いこと悪いこと色んなことがありましたね。

皆様、良いお年を。
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