英雄伝説 異能の軌跡Ⅱ   作:ボルトメン

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 短めです。


ガルガンチュア級戦艦①

 それぞれの活動を終えて新旧Ⅶ組、鉄機隊、皇族らが合流を果たした。

 

 互いを労う暇もなく、カレイジャスⅡはアグリア旧道外れにある龍霊窟を目指して針路を取った。

 

 相克も三度目とあってか、新旧Ⅶ組とセドリックの士気は高まっていた。

 

 

 

 「あれが龍霊窟、なんだね」

 

 初めて訪れるトワは龍霊窟を見つめる。

 

 「ええ、月霊窟と同じく奥に霊場があるはずです――」

 

 その時リィンは何か違和感を感じた。

 

 「……?」

 

 「リィンさん、どうかしましたか?」

 

 見かねたセドリックが声をかけた。

 

 「いえ、なんというか……少し静かすぎるような」

 

 「ええ……場の気配を感じません」

 

 「おかしいわね本当にここに――」

 

 【ハハ、残念だがそこはもうハズレだな】

 

 『!?』

 

 声のする方向に慌てて振り向くと、上空からゼクトールが降りてきていた。

 

 「あれは……!」

 

 「紫の騎神!!」

 

 「団長――!」

 

 【よう、フィー。キリコにシュバルツァーにアームブラストもまた会ったな。まさか皇子さまもご一緒とはな】

 

 【せっかくここまで来てくれたのに無駄足を踏ませちまったみたいだな】

 

 「……!?」

 

 「どういうことですか!?」

 

 【クク、あっちを見てみな】

 

 ゼクトールが視線で示すと、ハーメルの廃村の方角から巨大な光の柱が立ち上がった。

 

 「光の柱……!?」

 

 「オイ、あの方角は……!」

 

 「!?」

 

 リィンは相克の気配を感じ取った。

 

 「この気配――まさか!!」

 

 【ああ、この霊窟の奥にあった相克の場――龍の霊場】

 

 【その亜空間だけが、昨日のうちに引っ越ししちまったようでな】

 

 「そ、そんな事が……!?」

 

 「もともと地精が築いた場所みたいですが……」

 

 「……少なくとも不可能ではないと」

 

 「だからってそんな裏技ありかよ……」

 

 クロウはげんなりした。

 

 「それで団長は何しに来たの?」

 

 【アルベリヒから警告されてたから様子を確かめに来たんだよ。まさかあの因縁の地に引き寄せられちまう事になるとはな】

 

 【――で、あれがダメ押しってワケだ】

 

 ゼクトールは東の方角に指を指した。

 

 

 

 どこからともなく現れたガルガンチュア級戦艦は、光の柱からかなり距離を取りつつゆっくりと静止した。

 

 次の瞬間、ガルガンチュア級戦艦から一筋の光線が照射され、光の柱の周囲が巨大な魔導障壁に包まれた。

 

 「ああっ……!?」

 

 「魔導の障壁……!?」

 

 『――どうやら成功のようね』

 

 空中に画面が顕れ、三人の人物が映し出された。

 

 「貴方がたは……!」

 

 『……また会ったね。リィン君にトワたちも』

 

 『フン、こんなに早い再会とは思わなかったが』

 

 無表情のゲオルグと不遜さを隠さないシュミット博士が新旧Ⅶ組を見下ろす。

 

 「ジョルジュ君……!」

 

 (博士もようやくお出ましか)

 

 『……貴女も出たらどう?』

 

 イリーナ会長の促しに、もう一人の人物が映し出された。

 

 『………………』

 

 「あ……」

 

 「シャロン……」

 

 『……結社より《告死線域》としてRFの実験に遣わされました。あくまで今回限りの任務ですわ』

 

 シャロンは表情を崩すことなく機械的に答えた。

 

 「っ……」

 

 アリサは拳を握りしめる。

 

 「……あの障壁はその艦から発生させているんですね?」

 

 切り換えたリィンはイリーナ会長に向かって問いかけた。

 

 『ええ、あの人――いえ、“依頼人”の要請で急遽仕上げた“魔導障壁発生器”ね。結社のマリアベルさんからの技術も導入されているわ』

 

 『フン、魔導科学とやらの組み込みも面倒だったが上手くいったようだ』

 

 【相克を早めに前倒しされんのはアルベリヒも避けたいらしくてな。退屈だがXデイ直前までは俺も引き籠もらせて貰うことになる】

 

 (納得はしていないようだが、高見の見物を決め込むつもりのようだな)

 

 キリコはルトガーの口調から隠れた本心を推察した。

 

 【クク……早めに喧嘩を始めたけりゃ頑張って乗り越えて来るんだな】

 

 ゼクトールは踵を返して光の柱へと飛翔して行った。

 

 「くっ……」

 

 『――こちら艦に乗り込むつもりなら好きにしなさい。ただし、相応の防衛体制が敷かれているから注意するのね』

 

 『……死線の領域、踏み入れるならお覚悟を』

 

 『僕も戦術殻と共に相手をさせてもらおう。もはや容赦はしない――覚悟だけはしておくことだ』

 

 『フン、私はあくまでゲストとして高見の見物をさせてもらうつもりだ。小要塞の最終テストを超えたお前たち入学何が出来るか、楽しみにさせてもらう――』

 

 シュミット博士の言葉を最後に画面は遮断された。

 

 新旧Ⅶ組はカレイジャスⅡに戻り、策を練ることを決めた。

 

 

 

 「……まさかこんな事態になるとはね」

 

 報告を聞いたオリヴァルト皇子は顔をしかめた。

 

 「ティータ君たちに解析してもらったところ、どうやらクロスベルの独立時に現れた結界に似ているものらしいんだ」

 

 「あ、あの時の……!?」

 

 「僕たちも内戦時に半壊したガレリア要塞から見たけど……」

 

 エリオットは1年半前の記憶を呼び起こす。

 

 「許可したもの以外は完全に遮断しちまうあの障壁か……。だがあれは至宝の力あってのモンだったはずだぞ」

 

 ランディは鉄機隊に目を向けながら言った。

 

 「うむ、そのとおりだが……」

 

 「まあ、同じ条件だった神機の力も後継機である程度再現していましたし」

 

 「第三柱の魔導科学も加わればそれくらいは実現しそうね」

 

 (やはり相当なものだな。それはそうと……)

 

 キリコは未だ沈んでいるアリサに目をやった。

 

 「………………………………」

 

 「……アリサさん………」

 

 「博士もどうしてそんな手伝いを……」

 

 「……考えがあるのかもしれないがもはや想像がつかないな。そして霊場が移動した場所が……」

 

 「ああ――よりによってハーメルとはな」

 

 アッシュは顔を上げた。

 

 「ったく、毎度毎度、少しは静かにできねぇのかよ」

 

 「アッシュ……」

 

 「……いずれにせよ」

 

 リィンが前に出た。

 

 「あの障壁を突破しなければ相克似ている挑むどころじゃない。やはりあの飛行戦艦に乗り込んで障壁発生器を止めるしかなさそうだ」

 

 「ああ、我らも異存はない」

 

 「かなりの危険は伴うだろうがまあ、今更だろう」

 

 「ええ、ここで引き下がってちゃ光なんて見い出せません!」

 

 「乗り越えましょう――何としても、みんなで」

 

 「リィンさん、皆さん……」

 

 「……心配ですけど私たちも可能な限りサポートします」

 

 「ああ、そのためのカレイジャスⅡだからね。あの戦艦と正面からやり合うのはさすがに厳しそうだが……」

 

 「だったら俺はオルディーネでサポートに回るぜ。カレイジャスと連携すりゃ何とか隙を作れんだろ」

 

 「……確かに飛翔に長けた蒼なら活路は見い出せるかもしれんな」

 

 「で、でもクロウ君……」

 

 トワは心配そうに友を見つめる。

 

 「ああ、そんな心配すんな。あくまで撹乱で動くだけだ。龍の霊場での相克にはバッチリ付き合うつもりだしな」

 

 クロウはニヤリと笑った。

 

 「そういうことなら、僕はテスタ=ロッサで砲座を務めましょう。なあに、皆さんが帰って来る頃には回復しているでしょうから」

 

 セドリックはおどけたように発言した

 

 「セドリック殿下まで……」

 

 「まあ、あの紫を相手にするのに蒼と緋抜きだと灰の戦力もガタ落ちするでしょうしね」

 

 「……分かりました。よろしくお願いします」

 

 「無理だけはしないで下さいね」

 

 

 

 「あとは飛行戦艦に乗り込むメンバーだが……」

 

 「――私が行くわ」

 

 アリサが名乗りを上げた。

 

 「行かせてちょうだい。母様やシャロンが待っている以上、おめおめと引き下がるわけにはいかない……!」

 

 「アリサ――ああ、勿論だ」

 

 リィンは頷いた。

 

 「当然、私も付き合わせてもらうよ。ようやくあいつと本当の意味で再会できそうだしね」

 

 「執行者がいるなら遊撃士も同行するのがスジね。特にあの澄ました万能メイドには個人的な借りもあることだし」

 

 「でしたら私も――今後のためにガルガンチュア級をこの目で見ておきたいです」

 

 アンゼリカとサラとミュゼが続いた。

 

 「ミュゼちゃん……」

 

 「アンちゃんにサラ教官も……」

 

 「……これでメンバーはある程度固まりそうですね」

 

 「ん、いいと思う」

 

 「――残り時間を考えると明日の前半には戦艦を乗り越え、そのまま霊場に挑む必要があるだろう。長い一日になる――万全の準備を整えてくれたまえ!」

 

 『イエス・ユア・ハイネス!』

 

 「ガルガンチュア級・防空体制の突破プラン検討に入ります……!」

 

 

 

 [キリコ side]

 

 「…………………」

 

 ガルガンチュア級戦艦の突破プランが七割方固まり、それぞれが明日の準備に奔走していた。

 

 俺はティータたちと共に機甲兵の最終チェックに追われていた。

 

 その時、俺が使用しているパソコンに一通の導力メールが届いた。

 

 差出人は不明だった。

 

 対ウイルスプログラムを準備し、導力メールを開いた。

 

 そこに載っていたのは例の戦艦の見取り図だった。

 

 (このタイミングで送られてくる以上、罠の可能性は十分に考えられる。だがこのアドレスを知る者は限られている)

 

 (となるとシュミット博士が怪しいが、わざわざこんな真似をするとは思えない。やはりロッチナか……?)

 

 このままでは埒があかないので、教官らを呼ぶことにした。

 

 

 

 「まさかこんなモンが送られてくるなんてな……」

 

 「ええ……それにしても、これがガルガンチュア級……」

 

 「全長250アージュ……大きさだけならパンタグリュエルと同等ですが……」

 

 「あちらは貴族派のフラッグシップとしての意味合いが強い。搭載されている兵装や魔煌機兵の数はその比ではないだろう」

 

 駆けつけて来た教官たちは画面に映るガルガンチュア級戦艦の見取り図に感嘆していた。

 

 「なあキリコ。これってやっぱ……」

 

 「……おそらくロッチナによるものかと」

 

 「……ハァ………」

 

 俺の推測にリィン教官から大きなため息が出た。

 

 「…………………………」

 

 ミハイル教官に至っては何も聞きたくないと言わんばかりだな。

 

 「今さらながら、厄介な御仁に目を付けられたもんだよな」

 

 「……そうですね」

 

 「聞く限りだと、キリコ君の力を計るためだそうですが」

 

 「だからといって、こんな真似は――」

 

 「奴ならやりかねません。あれも関与していたそうですから」

 

 「あれ?」

 

 「ッ!」

 

 思わず口に出てしまったようだ。

 

 「キリコ?」

 

 「何か隠しているのか?」

 

 ミハイル教官から疑いの目を向けられる。

 

 「……………………」

 

 「キリコ、話してくれるよな?」

 

 リィン教官と目が合う。

 

 ここまできては仕方ない。

 

 俺はロッチナが貴族連合軍残党やハーキュリーズの一件に関わっていたことを全て話した。

 

 『……………………』

 

 教官たちは一言も発しなかった。

 

 「キリコ……」

 

 「はい」

 

 「言いたいことは色々あるんだが……全部本当のことなんだな?」

 

 「得意気に宣ってましたから」

 

 「はぁ………」

 

 リィン教官は頭を抱え込んでいる。

 

 「なぜ報告しなかったのだ?」

 

 「よりパニックになることを恐れたからです」

 

 「それはっ……いや、そうだな」

 

 ミハイル教官は落ち着きを取り戻したようだ。

 

 「あの時は夏至祭の警備だけではなく、工作員の対策やアンちゃんのこともありましたから」

 

 「そこに軍の背信行為なんざ聞かされちゃ、あいつ等パンクしちまうぜ……」

 

 「……………………」

 

 軍の背信行為、か。

 

 その目的が俺だとするなら、やはり俺は消えなくてはならないな。

 

 [キリコ side out]

 

 

 

 「ともかく、これはチャンスかもしれません」

 

 リィンは顔を上げた。

 

 「確かに向こうの手の内がわかってるなら此方も動きやすくなるな」

 

 (確かにな。となると……)

 

 キリコは見取り図のある部分をズームした。

 

 「転移先はここですね?」

 

 「ああ。ここなら問題ねぇだろう」

 

 ランディはキリコの考えを肯定した。

 

 「それじゃあ、もう一度プランを組み直すね」

 

 「そうですね」

 

 「キリコ君、この画像を――」

 

 「既にアップロードしてあります」

 

 そう言ってキリコはメモリークオーツを渡した。

 

 「流石に仕事が早いな」

 

 「はい」

 

 「うん。ありがとうね」

 

 トワたちは船倉から引き上げて行った。

 

 「…………………」

 

 キリコは冷めてしまったコーヒーを飲み干し、再び作業に戻った。

 

 その後のさらなる話し合いの末、潜入班はリィン、アルティナ、ミュゼ、アリサ、マキアス、サラ、アンゼリカに決まった。

 

 

 

 そして翌日

 

 ガルガンチュア級戦艦への突入作戦が開始された。

 

 

 

 七耀暦1206年 8月29日 早朝

 

 「この音は……!」

 

 「――来たわね」

 

 甲板にいた二人の女性士官は空を見つめる。

 

 二人の視線の先からカレイジャスⅡが飛翔してきた。

 

 「あ、あれは……!?」

 

 「あ、紅き翼……本当に後継艦が現れたのか!」

 

 「だ、だとするならあれは……」

 

 兵士たちは混乱に陥った。

 

 (予想通りの反応ね。それでも私は……!)

 

 茶髪の女性士官はアサルトライフルを構えた。

 

 「――テレジア、迎え撃つわよ!」

 

 「っ……ええ、エミリー!」

 

 ガルガンチュア級戦艦は迎撃を開始した。

 

 

 

 「来たようね」

 

 「…………」

 

 ガルガンチュア級戦艦内部、イリーナ会長とクルーガーは事態の変化に気づいた。

 

 「…………………」

 

 銅のゲオルグはぼんやりとしていた。

 

 「……フン」

 

 シュミット博士はそんな銅のゲオルグを見て鼻を鳴らした。

 

 (それにしても、定期診断の際にこやつは何をしていたのだ?)

 

 シュミット博士の別の方向に目をやった。

 

 

 

 「っ……!」

 

 「さすがに厳しいわね……!」

 

 ガルガンチュア級戦艦への突破口を開こうとするカレイジャスⅡだったが、その攻撃力の前に攻めあぐねていた。

 

 「これでも挨拶程度だろうが何とか隙を作るとしよう!」

 

 「お願いします――クロウも頼んだぞ!」

 

 【任せときな!行くぜ、オルディーネ!】

 

 「応……!」

 

 クロウを乗せたオルディーネはガルガンチュア級戦艦の周りを飛び回る。

 

 「なっ……!?」

 

 「蒼の騎士人形だと!?」

 

 「あ……」

 

 「ふふっ、本当に生きてたみたいね……!」

 

 テレジアとエミリーは思わず笑みを浮かべた。

 

 

 

 「チッ、さすがにキツいねぇ!もう少し飛ばすよ!」

 

 「直撃していないとはいえ、これ以上は……!」

 

 「や、やっぱ撃ち返すしか……!」

 

 「いや、今は出来る限り回避に専念したまえ!」

 

 一方、カレイジャスⅡのブリッジではそれぞれの対応に追われていた。

 

 「トワ君、そちらはどうだい!?」

 

 「――ありました!船倉エリアの死角――ポイントXです!」

 

 「よし!すぐに回線を開け!」

 

 「了解しました!」

 

 ルイゼがブリッジとヴァリマールとの間に通信を入れた。

 

 『リィン君たちお待たせ!送った座標に飛んで!』

 

 【了解しました……!行くぞヴァリマール!!エマ、ミュゼも頼む!】

 

 「「精霊の道、起動……!」」

 

 エマが魔導杖、ミュゼが蒼い羽を手に祈り、ヴァリマールも輝き出す。

 

 すると、潜入班の足元に魔法陣が浮かび上がった。

 

 潜入班を包んだ青白い光は塊となってガルガンチュア級戦艦の船倉エリアへと消えていった。

 

 

 

 「敵戦艦への潜入を確認……!」

 

 「作戦成功です〜っ!」

 

 カレイジャスⅡのブリッジは湧き立った。

 

 【へっ、上手くいったか……!後は任せたぜリィン、ゼリカも】

 

 「浮かれるのもそこまでだ」

 

 『ッ!!』

 

 オリヴァルト皇子の言葉にブリッジに緊張感が戻る。

 

 「まだやるべきことが残っている。セカンドミッションに移行する!」

 

 『イエス・キャプテン!!』

 

 カレイジャスⅡは作戦第二段階目に移ろうとしていた。

 

 

 

 「ふうっ……上手くいったみたいだな」

 

 「ええ、クロウたちと艦のみんなのおかげだわ」

 

 「フフ、内戦時のメンバーにも決して負けていないだろう」

 

 ガルガンチュア級戦艦の船倉エリアへの転位を成功させた潜入班は一息ついていた。

 

 「リィン、確かこの後――」

 

 「ええ。数分後に動き出す手筈になっています」

 

 「決めておいて今更なんだが、大丈夫なのか?」

 

 マキアスは眼鏡のブリッジを上げた。

 

 「大丈夫だと思います」

 

 「現時点において、あの方々ほど適性な方は他に……」

 

 「そ、そうか……」

 

 「………………」

 

 「さて、私たちも早速――」

 

 『――侵入者ヲ発見シマシタ』

 

 『殲滅対象ト認識。迎撃プログラムヲ開始シマス』

 

 奥から人間に近いフォルムの人形兵器が襲ってきた。

 

 「っ……!」

 

 「工房で戦った……!」

 

 「OZミラージュ……!」

 

 「――来るわ!」

 

 潜入班は人形兵器たちと戦闘に突入した。

 

 

 

 「そろそろ時間ね」

 

 エンネアは時計を見ながら言った。

 

 「ええ……!」

 

 「うむ……!」

 

 デュバリィとアイネスの顔に気合いが入る。

 

 「キリコ君、行けそう?」

 

 「問題ない」

 

 キリコは無表情のままブリッジに通信を入れた。

 

 「まったく、少しは緊張というものを……」

 

 「まあまあ」

 

 ブツブツ呟くデュバリィをエンネアが諌めた。

 

 「レオノーラ、始めてくれ」

 

 『あいよ!!』

 

 レオノーラはカレイジャスⅡを大きく浮上させる。

 

 「工作班、突入する」

 

 「ええ(応)(うん)!!」

 

 キリコ、デュバリィ、アイネス、エンネアら工作班はガルガンチュア級戦艦の甲板へと飛び降りた。

 

 

 

 『工作班の降下を確認……!』

 

 『よし!離脱せよ!』

 

 オリヴァルト皇子の指示の下、カレイジャスⅡはガルガンチュア級戦艦から距離を取った。

 

 『我々の本番はここからだ……!工作班の突入を確認し次第、対空砲の無力化を開始する!』

 

 『っしゃあ、ようやく撃てるぜ!』

 

 『戦艦艦橋の注意を出来る限り引きつけましょう!』

 

 【盛り上がってきたじゃねぇか……!】

 

 クロウは操縦桿を握りしめる。

 

 【気合いを入れろよ、後輩ども!トワも支援は頼んだぜ!】

 

 『うんっ、クロウ君!!』

 

 カレイジャスⅡは反撃に転じた。

 




 次回、キリコ対……
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