蟷螂坂はビルの屋上を渡り歩いて、いや、跳んでいた。
時には工事用の足場や窓の桟などの凹凸までも駆使し、目当ての屋上を探す。
その途中、不意に蟷螂坂の携帯が鳴り響いた。
「…!?」
蟷螂坂は蜘蛛のように窓の桟に手をかけて身体を支え携帯を手にする。
相手は鈴音であった。
「…もしもし。」
『よかった、出てくれた蟷螂坂さん…。』
「…どうしたの?」
『私も遅れて商店街に着いたんです、そしたら残っていた一匹に襲われました。』
「…え…!?」
鈴音はそこで今自分が置かれた状況を蟷螂坂に説明する。
カマイタチとの会話、異形の大鼬となったカマイタチとの戦闘。
『花鈴と一緒だったので問題なく倒せましたが、カマイタチの話ではあと二匹いるみたいです…お気をつけて。』
「分か…った。」
蟷螂坂は通話を切り、顔をしかめる。
半ば同族の存在が被害に遭ったと聞いていてもたってもいられず出てきてしまったが、思わず仲間まで巻き込んでしまった。
別に今任務にあたっているほかのチームから救援を呼ばれたわけでも、なんでもない。
単なるワガママである。
「…未熟。」
独り言がこぼれる。
最初は同族を傷つけた犯人捜しの力になれればと思ったが、まさかその犯人まで同族だとは思わなかった。
今から蟷螂坂は同族を傷つける可能性がある。
しかし、もし他のチームが件のカマイタチを殺してしまうようなことになれば蟷螂坂はどうしようもない後悔をしていただろう。
生きてさえいれば自分のように人のために働き、素敵な仲間に出会うこともできる。
できることならば蟷螂坂は身をもってそれを伝えたかった。
改めて決意を胸に秘めながら、窓をから窓へと飛び移り、ビルの屋上へ上がってはそれらしき痕跡がないかを探した。
その時、不穏な気配を蟷螂坂は察知した。
「…神域!?」
神域を発動させた気配を感知し、周囲を見渡す。
見える範囲の中で一つ、条件に当てはまりそうな配管と機械だらけの大きなビルの屋上があった。
蟷螂坂は跳ぶ。
願うことなら相手を止められることを祈って。
秋奈町の商店街近くのビル、その屋上。
上下に縦横無尽に張り巡らされた配管とあちらこちらに配置された壁の様な機械に四苦八苦しながら、二人の八咫烏のメンバーが背中合わせで立っていた。
一人は巫女服に身を包み、霊剣を手にした中肉中背の人間の少女。
もう一人は黒いスーツに身を包み、頭から犬の様な耳を生やした、一見小柄な少女に見える存在であった。
巫女服の少女は追っていた大鼬の真空波によるものだろうか、巫女服には引き裂かれたような跡とほつれがいくつか見られ、顔や手のあちこちに切り傷があった。
「あのカマイタチ…思ってた以上に強いです、雷獣…助けを呼ぶ必要があるかもしれません。」
「大丈夫、あの一匹だけなら私たちだけでどうにかなりますよ、巫女。」
犬の様な耳を生やした少女は雷獣と呼ばれ、巫女服の少女は姿そのまま巫女と呼ばれた。
巫女は霊剣を正眼に構えていた。
雷獣は素手のまま両拳を顔の前あたりに上げ、軽く前の足を上げて後ろ足にやや重心を載せて構える。
互いに周囲を警戒する中、不意に空気が動く感覚を二人の皮膚がとらえた。
「巫女!」
「分かってます!」
雷獣と巫女がその場から飛び退く。
二人が飛び退いた場所を真空波が通り抜けていった。
機械の物陰から突如飛び出してきた大鼬が真空波を放ったのだ。
『へへ!避けたところで──』
真空波を二人は無傷で回避する。
しかしその真空波が向かった先はボイラーに繋がる配管であった。
「キャッ!?」
「巫女!!」
真空波が配管に切れ目を入れたことで一気に蒸気が吹き出し、それは近くにいた巫女に襲い掛かった。
思わず巫女が目を閉じてその場から離れる。
その隙を狙って大鼬が再度真空波を放とうとする。
『隙あり!』
「くぅ!!!」
雷獣が咄嗟に巫女の前に向かって駆ける。
真空波が巫女に届く寸前、雷獣が庇う様に巫女の前に立ち、妖力を纏った拳を眼前に向かって振るう。
その拳には雷獣という名前の通り、妖力と共に雷が纏いついていた。
破裂音と共に雷が弾ける音が鳴り響き、真空波が散華する。
「すみません、雷獣!」
「気にしないで巫女、それより来ますよ!」
流れをつかんだとみた大鼬が二人の前に降り立ち、両腕を振るって至近距離からの真空波を二人に放った。
雷獣は真空波をくぐるように前に向かって前転して避け、大鼬に近づく。
巫女はまだ視界が少しぼやけるのか咄嗟に霊剣を盾にして受け止めた。
目の前で真空波が弾けた衝撃で巫女の傷がさらにいくつか増える。
大鼬はさらに追撃の真空波を放とうとするが、雷獣が大鼬の前に立つ。
「させません!」
雷獣が雷の纏った右ミドルキックを放つ。
大鼬は真空波を放とうと妖力を籠めていた左腕を防御に使い、雷を受け止めた。
『チッ!!!邪魔なんだよ!!!』
大鼬が雷獣に向け、鋭いカギ爪が生えた右腕を振るう。
雷獣は身体を大きく反らせてそれを避けつつ後退った。
距離が開いたところに大鼬が真空波を出そうとするが、そうはさせじと霊剣を構えた巫女が大鼬に飛びかかる。
「はぁぁッ!!」
『クソ!!』
二対一。
数の有利を武器にどうにか流れを取り戻した巫女と雷獣は一気に大鼬を攻め立てる。
「そこぉ!!」
「てぃぃ!!」
『ぬがっ!?』
至近距離で放たれた真空波を巫女が霊剣で切り裂き、そのタイミングを狙って雷獣が大鼬の腹にミドルキックを放った。
雷を纏った一撃をまともに受け、たまらず大鼬が後退って膝をついた。
「勝機です巫女!攻め立てましょう!」
「ええ、行きますよ──!?」
雷獣が前に向かって踏み込み、それに続こうとした瞬間、巫女は思わず足を止めた。
ある感覚が、頬を撫でたのだ。
空気が一気に何かに引き込まれる感覚。
それは前から後ろへと向かって引っ張られていき、巫女の髪をなびかせた。
「いけません!らいじゅ──きゃああああ!!」
「ッッ!!?巫女!!?」
突如背後から、前にいる大鼬は放てないはずの真空波が雷獣に向かって放たれた。
巫女は雷獣の背中を庇う様にその身を盾にする。
いきなりのことで、霊剣を盾にする余裕もなかった。
真空波は巫女服を引き裂き、その背中を抉って血肉を飛び散らせた。
腰から少し上の辺りに、切れ味の鈍い刃物の刃を無理やり潜り込ませたような歪な傷が刻まれる。
「巫女!?巫女!!!?」
「油断…しました…もう一匹…。」
『へへへ…ここまで誘い込んだのは…戦いやすいってだけじゃねえんだぜ…。』
蹴りを受けて膝をついていた大鼬が笑みを浮かべながら立ち上がる。
『さて…やってくれた分…返させてもらおうか…!』
「くっ…!!」
雷獣は巫女をその場に寝かせ、庇う様に前に立つが絶望的な状況に悲痛な表情を浮かべる。
目の前に物陰に潜伏していたもう一匹の大鼬まで姿を現した。
先ほどから打って変わって一対二。
しかも巫女を守り切らねばならない。
やはり応援を呼ぶべきだったと後悔したが、今そんなことを考えてもどうしようもない。
しかしそんなどうしようもない後悔が幾度も頭を巡るほど、雷獣は今の状況を打破する手立てが浮かばなかった。
だがその時、突如として神域が揺らぐ感覚が周囲に流れ込んだ。
「なんだ…!?」
『へへ…ならいいこと教えてやる…俺達には仲間がもうひと──』
「
『りぃ!!!!?』
突如として神域を破って入り込んだ黒い影は配管の上を風のように駆け抜け、雷獣の目の前にいる大鼬に強烈な跳び蹴りを放った。
大鼬は配管に叩きつけられ、折れ曲がった配管の隙間から漏れ出た高温の蒸気をあびせられその場でのたうちまわる。
『ぐおおおおおおおお!!?』
『きょ、兄弟!?』
苦しむ大鼬にもう一匹の大鼬がたまらず声をかけてそばに駆けよる。
「あ…貴女は…?」
「八咫総合事務所…蟷螂坂…。」
突如降り立った黒い影、蟷螂坂はサングラスをかけなおしながらそう伝える。
「ここは…僕が引き受ける…。」
「で、でも…!」
「邪魔…。」
先ほど蒸気を浴びた大鼬が立ち上がるのを視界に収めながら蟷螂坂が短く事実を突きつける。
大鼬は一部が火傷によってただれてしまい、顔の一部まで及んだ火傷をおさえながら蟷螂坂に殺気のこもった視線を向ける。
『て、てめぇ…殺す!』
顔に火傷を負った大鼬──火傷顔が真空波を蟷螂坂に向けて放ったが、蟷螂坂は妖力を籠めた掌打で難なく弾き飛ばす。
「僕の心配より…その娘の心配…。」
余裕を持った様子で、しかし目の前の敵から視線を外さず蟷螂坂は雷獣に言う。
雷獣は迷いの表情を見せながらも重傷を負った巫女を見て、蟷螂坂の言葉に従うことを決めた。
「ッッ…はい…すみません…!」
雷獣が巫女を担いでその場から離脱を始める。
『させるか!』
『おうよ兄弟!』
離脱する雷獣に向けて火傷顔と大鼬がそれぞれ真空波を放ったが、それを蟷螂坂が見逃すはずがない。
蟷螂坂は真空波の前にその身を置くと妖力を籠めた双掌打を宙に向かって放つ。
その一撃によって真空波は掻き消えてしまった。
そして普段通り腰を落とし、前の拳を鼻先に、後ろの拳を鳩尾の前にそれぞれ置き、重厚な雰囲気を身にまとって構える。
しかし表情にはどこかもの哀し気な、サングラスの裏にある複眼の瞳に、暗いものがあるように感じられる。
「…。」
『なんだよ…お前ぇ!!!!』
「…止めたかった…こうなる前に。」
『あぁん!?』
蟷螂坂が一人呟くように言う。
「でも…もう止められない…。」
先ほどの傷ついた巫女を見た蟷螂坂の脳裏に、想像したくもない光景が思い浮かぶ。
もし傷ついたのが鈴音だったら、花鈴だったら、狂骨だったら、化け猫だったら、ユリカだったら。
考えたくもない光景が脳裏に浮かび、蟷螂坂の表情が悲から怒へと変わっていく。
「僕は…君たちを…。」
一人呟く蟷螂坂に対し、大鼬が真空波を放つとその後に続くように火傷顔が駆け出す。
「許せない…!!!」
蟷螂坂が後ろ脚を前に送りながら膝蹴りを放ち、真空波を散華させる。
そのまま膝蹴りに出した足を降ろさず、駆け寄ってきた火傷顔に蹴りを放った。
火傷顔は蹴りによって後ろに弾き飛ばされるが、ただでは止まらず蟷螂坂に真空波を放った。
蟷螂坂は足を降ろしながら拳で突きを放って真空波を打ち消し、火傷顔に向かって一気に踏み込む。
火傷顔がカギ爪を振るって近寄らせまいとするが蟷螂坂の踏み込みの速度は火傷顔の想像を超えていた。
「覇ッ!!!!」
綺麗な音であった。
なんの淀みなく地面を踏む、無駄のない音色。
芸術的とさえ感じるような響きを生みながらも、その踏み込みはビルの屋上を軽く震わせる程の力を秘めていた。
中段の肘打ちが槍のように火傷顔の腹に突き刺さる。
『ぐえふぁぁ!?』
口から唾液と胃の中身をまき散らしながら火傷顔が吹っ飛ぶ。
『兄弟!?くっそお!!』
火傷顔を庇う様に大鼬が真空波を二発放ちながら接近してくる。
首に向かって一つ、腹に向かって一つ。
蟷螂坂は手首から先を拳ではなく指を三本突き出し、鳥のくちばしのようにする握りに構えなおし、カマキリの鎌を作った。
そして鎌を上段から下段に、刀を振り下ろす様に一気に振り落とすと一度に二つの真空波を打ち消して見せる。
真空波に続いて接近してきた大鼬が首に向かって薙ぎ払う様にカギ爪を振るってきたが、蟷螂坂は地面に膝をつくように姿勢を低くし、得意の足払いを放った。
大鼬は前足を打ち払われバランスを崩す。
蟷螂坂は足払いの勢いのまま身体を回転させ、強烈な後ろ回し蹴りを大鼬の首筋に叩き込んだ。
『ぬぎゃっ!?』
大鼬は身体をふらつかせながら地面に尻もちを着いてダウンする。
そして蟷螂坂は視界の隅で火傷顔が立ち上がろうとしているところを捉えていた。
蟷螂坂が駆ける。
真空波を出させる前に蟷螂坂は立ち上がったばかりの火傷顔の懐に潜り込み、ダメージの残っているはずの腹に中段突きを放つ。
『ぎひッ…この!!!』
蟷螂坂に向かって火傷顔が右腕を振るった。
蟷螂坂は軽く腰を落としながら斜め前に体捌きを行いつつ左手で右腕を弾く。
そして右手で鎌を作り、火傷顔の右腕に引っ掛けるようにして捕えながら前に踏み込み、左の肘を顔面に突き込んだ。
『グぎぇッ!?』
牙がいくつか叩き折れた感触が蟷螂坂の肘に伝わる。
強烈な衝撃を受けて火傷顔は一瞬意識が飛んだように白目をむき、口から折れた牙を吐き出した。
しかし蟷螂坂の攻撃は終わらない。
右手で捕えていた右腕を制したまま、左手で腕の付け根を掴み、固定する。
そして固定された右腕の肘に、容赦ない膝蹴りをぶち込んだ。
ぶちり、と音がする。
くの字に曲がったトリの手羽先を反対側にむかって折り曲げた時の音。
それを何倍にもしたような鈍い音を、蟷螂坂は耳にしていた。
『ぎゃああああああ!!!!』
火傷顔の悲鳴が響く。
その悲鳴を聞いて大鼬が起き上がった時には、すでに火傷顔の右腕は普段とは真逆に折れ曲がっていた。
大鼬は兄弟分を助けるべく真空波を放とうとするが、その腕がぴたりと止まる。
蟷螂坂が火傷顔の後ろに回り込み、首根っこを掴んで盾にしていた。
非情ともいえる手段を取った蟷螂坂の瞳には、とてつもない、まだ収まらない怒りの炎が爛々と煌いているようだった。
蟷螂坂が盾を手にしたまま淡々と歩みを進める。
その姿に大鼬はたまらず戦意を喪失し、そのばにへたりこんだ。
『悪かった!俺が悪かった!もうおとなしく捕まる!だからもう何もしないでくれ!!!』
蟷螂坂は歩みを進める。
『悪かった!悪かったって!』
歩みを進める。
『ごめんなさい!ごめんなさい!!』
歩みを進める。
『許して…ゆるして…。』
盾を投げ捨てる。
『死にたく…ない…いやだ!』
拳を構える。
『いやだああああああ!!!!!』
拳が放たれ──
「蟷螂坂さん!!!」
不意に、屋上のドアを破る音が聞こえ、蟷螂坂を呼ぶ声が響いた。
その声によって蟷螂坂は拳を止め、ドアの方を振り向く。
「すず…ね…。」
「はぁ…はぁ…間に合った。」
息を切らせながら鈴音が言う。
どうやら階段を使って屋上まで駆け上がってきたらしい。
少し遅れて花鈴も屋上に姿を見せた。
「つっかれたぁ!…って、もう終わってるじゃん!」
花鈴が屋上の様子を見て声を上げる。
ボロ雑巾のように投げ捨てられ火傷に侵された一匹と完全に戦意を喪失した一匹。
花鈴のその言葉に我に返ったように蟷螂坂は息を吐き、頷く。
「ああ…終わった…よ。」
「流石蟷螂坂さん…ですね…助け…要らなかった…。」
「いや…お陰で…助かった。」
蟷螂坂が拳を降ろす。
同時に死の危機に瀕した緊張が一気に解けたからか、大鼬はその場で気絶し、倒れこんでしまった。
「ありがとう…鈴音、花鈴。」
八咫烏のある研究施設。
そこに一人の巫女が運び込まれた。
任務の最中に背中に深手を負い、一命をとりとめたものの脊髄の一部を損傷。
下半身に麻痺が残ってしまい、彼女は車椅子での生活を余儀なくされてしまった。
今は麻酔で眠った状態で搬送用の寝台に寝かされ、施設の中を移動している。
その傍らにいるのは、一人の妖怪。
犬の耳の様なものを頭から生やした彼女は懸命に巫女を治してくれと、ある人物に頼み込んでいる。
腰まで伸ばした黒い髪を束ねた、中肉中背の美青年。
彼は柔和な笑みを浮かべながら妖怪の肩に手を置く。
「大丈夫、彼女のことは私に任せなさい。」
その言葉に妖怪はまるで神をあがめるかのように青年の前にひれ伏した。
「ただ、少しばかり特殊な治療を施すんだ、だから──」
青年の柔和な笑みの中に、微かな狂気が浮かび上がる。
「少しばかり彼女が変わってしまっても仕方ない、分かってるよね?」
妖怪はひれ伏したまま、青年の言葉を受け入れる。
以下の彼女によって、青年は神に等しい。
そんな神の言葉を受け入れないなんておかしいではないか。
すべてを青年に任せた妖怪は、施設のラボへ搬送される巫女を見送る。
巫女が搬入されたラボ。
青年はまるで新しい玩具を手にした子供のように純粋な、恐ろしいまでに嬉々とした表情を浮かべた。
「ふふふ…あのカマイタチ、少しばかり私の手を加えて野に戻したが…予想以上の材料を持って帰ってくれた。」
研究素材となる垢舐めにぬりかべの様な妖怪、重傷を負った八咫烏の巫女、そして報告ではその身を変異させたというカマイタチ。
そのカマイタチはこの施設に搬入されてくる手はずになっている。
彼らの変異した肉体、その一部をこの巫女に移植したらどうなるか。
下手をすればこの巫女は還らぬだろう。
上手くいったとしても肉体が妖力によって変異することは確実。
しかしそれがどうだというのだ。
これは神へ近づくための道程の一部。
そのためならば何も惜しい存在ではない。
「では、始めようか。」
青年──安部晴明は巫女の傷口を見て笑みを浮かべる。
妖怪の脊髄を人間に移植するという狂気の所業を前に、晴明はにこやかな笑みを浮かべていた。