最後の瞬間   作:狂助

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皆さん、お久しぶりです。もしくは初めまして。
狂助というものです。
最近、アークナイツを始めましてそれをきっかけにこの作品を書きました。
お楽しみいただければ幸いです。


ジェシカ編 ver.覚醒の時

「いつまでヘバッているんだ!いくら新米とは言え、みっともないぞ!立ち上がれ!ジェシカ!」

 

「……はい!」

 

教官は自分にも他人にも厳しい人だった。

だけど、私のような落ちこぼれの訓練にも根気よく付き合ってくれる優しい人でもあった。

 

「なんだジェシカ。また、おやつを買い込んだのか?君のおやつ欲にはほとほと関心を覚えるよ」

 

「美味しいですから。教官も、お一ついかがですか?」

 

「お、それじゃ、遠慮なく」

 

それに厳しいのは訓練や実践の時だけで、私生活では積極的に交流を持とうとする人だった。

一部のオペレーターからはうざがられていたが、私はそんな教官のことが好きだった。

 

「ジェシカ、これで訓練は全て終了だ。よく頑張ったな」

 

「ここまで来ることができたのは教官の指導のおかげです。ほ、本当に……あ”、あ”り”か”と”う”こ”さ”い”ま”す”」

 

「泣くなよ。せっかくめでたい日なのに。リスカムたちが訓練終了のパーティをやるんだとさ。いくぞ」

 

「……はい!」

 

私の訓練が全て終了したときに一番喜んでくれたのも、教官だった。

それは自分のことのように喜んでくれて、私も嬉しかった。

私がロドスへの派遣の際あとに教官が派遣されたのには驚いたが、それ以上にまた訓練を見てもらえる。

そして一緒に戦えることへのうれしさが勝っていた。

リスカムさんとフランカさんのいざこざを横で爆笑する教官と一緒におやつを食べて、一緒に戦って。

そんな日常が永遠に続くと思っていた。

 

 

いつものように貨物輸送任務を終えた帰りだった。

ドカン!!という爆音と共に車両が横転した。

 

「何事だ!」

 

「レユニオンの奇襲です!数は30……、いえ40です!」

 

「了解だ!ほらほら、いつまで寝てんだ!状況開始!」

 

レユニオンたちが襲ってきた。

タイミングが悪いことに今日の任務にはまだ実践経験の少ないオペレーターたちが多かったため、いつもより疲弊した状態だった。

 

「近距離オペレーターは足止めに専念!狙撃オペレータは足止めしているやつを狙え!ジェシカ!出番だ!」

 

「はい!手加減はしません!」

 

「当たり前だ!」

 

教官が前線を張り、オペレーターたちに指示を出す。八面六臂の活躍だった。

だが、それも長くは続かない。

 

「くたばれ!ロドスの犬が!」

 

劣勢に立たされたレユニオンの暴徒たちが自爆特攻を仕掛けてきたのだ。

 

「クソッタレガァァァァ!」

 

「教官!」

 

一斉に暴徒が教官に集まっていく。

自爆前に暴徒を葬っていくが、明らかに不利なのは目に見えている。

 

「撤退しろ!俺では倒し切れん!」

 

「いやです!一緒に!一緒に闘います!」

 

「駄目に決まってんだろ!おい、バニラ!早くジェシカを連れて行け!」

 

「了解です!行きましょう!ジェシカさん」

 

訓練生のバニラが私の手を引こうとするが、それを振り払う。

 

「いやです!離して!」

 

「ここにいても教官の邪魔になるだけです!」

 

「ッッ!!」

 

私では、弱い私では教官の助けになることはできない。

そう悟った瞬間、涙が溢れてくる。

 

「き”ょ”う”か”ん”!」

 

「ジェシカなら立派なオペレータになれる!どこまでも強くなれる!だからみんなのことを頼んだぞ!」

 

そう言われ抵抗が弱くなった瞬間、バニラはジェシカを背負い、森の中に駆けて行った。

 

 

 

「どうして!どうして、あの場に居させてくれなかったんですか!」

 

撤退後、ジェシカはバニラに詰め寄っていた。

普段、オドオドした彼女しか見たことのない新米たちは動揺を隠せなかった。

 

「それが、命令だったからです。少なくても、私たちではどうしようもなかった」

 

「そんなことは――――「あるんです!!」――――ッッ!」

 

「今日のオペレータのなかには訓練しか受けていない者もいました!そんな状態でどうやって、大規模な戦闘に臨めと!?」

 

「そ、それは……」

 

「少なくても教官の指示は正しかった。そして、ジェシカさん。あなたに託したんですよ!それを不意にする気ですか!?」

 

周りを見渡すと、新米のオペレータたちが不安そうにこちらを見ていた。

 

「指示をください。今は貴方が指揮官です」

 

『ジェシカなら立派なオペレータになれる!』

 

『どこまでも強くなれる!』

 

『だからみんなのことを頼んだぞ!』

 

教官の言葉が蘇る。

それだけでささやかな勇気が、弱気な自分を忘れられるような気がした。

 

「……行きましょう。状況開始です!」

 

 

 

 

 

 

 

 




ここまで読んでいただき、ありがとうございます。
なんでもいいので感想お願いします。私の励みと原動力になりますので(乞食)
実は、これを書こうと思ったのはアークナイツを始めただけが理由ではありません。
とある方のアークナイツのssが非常に面白くて、それに感化されたのが理由の一つです。このハーメルン内でものすごい高頻度で更新されている方なので皆さんも見ていただければ幸いです。(ステルスマーケティング)
キーワードはヤマトちゃん。
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