最後の瞬間   作:狂助

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どうも、狂助です。
まずは謝辞を。
お気に入り、しおり、並びに評価をくださった方々。本当にありがとうございます。
作者の創作意欲の向上にも繋がりますので、ドシドシお願いします。
今回は『ジェシカ編ver.覚醒の時』の撤退時のシーンの少し前から分岐した物語になっています。状況も少々、異なります。一話を読んでから読んでいただいたほうが分かりやすくなるかも知れません。(もしかしたら、そんなに変わらないかも?)
それでは、どうぞ。


ジェシカ編 ver.復讐の女神

「ジェシカ!命令だ!撤退するんだ!」

 

「嫌です!私も一緒に闘います!」

 

「そんな傷で何ができる!?」

 

レユニオンの一太刀をジェシカは浴びてしまっていた。

早急に治療を施さないと手遅れになってしまうのは目に見えていた。

 

「教官だって傷が!!」

 

「俺のは浅いから心配しなくていい!」

 

(ジェシカはこんなに強情な子だったか?)

 

普段の彼女は聞き分けが良く、駄々をこねることはない。

特に今の状況で、そんなことをしている時間はないことぐらい分かるはずだ。

だが、変わらずに俺の後ろから動く様子はない。

 

(……仕方ない)

 

「ジェシカ」

 

「はい!一緒に――――「すまない」――――え?」

 

首筋に一撃の手刀。

いわゆる当て身で彼女の意識を奪う。

そして、この一部始終を見ていたバニラにジェシカを預ける。

 

「ジェシカを頼む」

 

「あの、教官。帰ってきますよね?」

 

「君までそんなことを言わないでくれ。人はいつか死ぬ。それが今日なだけだ」

 

「……ご武運を」

 

「しっかり逃げろよ」

 

バニラが鬱蒼とした森の中に消えていくのを見送り、俺も覚悟を決める。

 

「来いよ、レユニオンども。まとめて土に返してやる」

 

 

 

「う……」

 

病的なまでに白い天井の部屋で私は目が覚めた。

 

「こ……こは?」

 

自分の身体に目をやるとロドスで使われている治療着を着ていて、腕には多くの点滴とおぼしき管が刺さっていた。

 

「な……んで?せ、戦闘は?」

 

何故か感覚が鈍い身体に鞭を打ち、この病室から出ようとする。

 

「ジェシカさん!」

 

そのとき、扉が開いた。

向こうからやって来たのは訓練生のバニラだった。

 

「ジェシカさん!何をしてるんですか!?あなたは今、絶対安静なんです!あぁ、ケルシー先生を呼ばないと!」

 

「教官。そうだ、教官。教官は?」

 

「……。それもケルシー先生から話してもらったほうがよろしいと思います」

 

彼女の顔色は優れないものであった。

 

 

 

「見つかっていない?教官が?」

 

「あぁ。今、オペレーター達が……。あぁ、知らないんだったな?君たちはロドスに救援要請を出したんだ。その後、重傷者から順に運ばれたんだ。だが、その中に彼の姿はなかった。そのため、捜索隊を結成し、彼の安否確認を行っているところだ。……失礼する」

 

ケルシー先生の端末に連絡が入った。

彼女は捜索隊からの報告を聞くと、撤退を指示しこちらに向き直った。

 

「ジェシカ、教官の死体が発見されたそうだ」

 

目の前が真っ暗になる。

 

「う……そ、嘘です。なにかの間違いですよね?ね?ケルシー先生」

 

「……残念ながら、BSWの社員証を身につけていたそうだ」

 

「嘘!」

 

「ジェシカさん?」

 

「嘘、あの人が死ぬわけない。きっとどこかで道に迷ってるんです。早く探しに行かないと……」

 

フラフラする足に鞭を打ち、部屋から出ようとするがバニラとケルシーが邪魔をする。

 

「駄目です!まだ、傷が……」

 

「君が今、この部屋から出ることは許可できない」

 

「私が探しに行かないといけないんです」

 

二人を押しのけて、部屋から出ようとするが二人が腕をつかんで放さない。

 

「離してください。離せ、離せ!!!!」

 

「こんな力、どこから!」

 

「医療班!彼女を押さえろ!縛り付けても構わん!鎮静剤を!」

 

「いやぁぁ!教官!教官!」

 

ジェシカの悲痛な叫びは病室に響き渡った。

 

 

 

次にジェシカが目覚めたのは、2日後だった。

暴れ回るようなことはなかったものの、彼女の瞳には生気が宿っていない。

暗く、濁った闇のようなものがグルグルと瞳の中を回っている。

そんな表現がしっくりくるような状態だった。

そして、時より呟くのだ。

『私は弱い』と。

 

「思った以上に深刻ね」

 

「ジェシカは教官のことを誰よりも尊敬していた。私たちよりも教官といた時間が長いし。それに教官のことがその……好きだった」

 

フランカとリスカムがジェシカのお見舞いを終えて、部屋から出てくる。

 

「あの人のお節介焼きは凄かったからね。リスカムもその口だっけ?」

 

「ええ、私も新米の時にお世話になった。一つ一つ丁寧に教えてくれる良い教官だったよ。好きになるのも仕方がないと思う」

 

「それがこんなことになるなんてね」

 

「……そうね」

 

「しばらくは顔を出しましょう。今のあの子を一人にするのは危険すぎる」

 

「可愛い後輩のために一肌脱ぎますか!」

 

ジェシカが治療を受けて一ヶ月後、ジェシカの傷は完治した。

それからの彼女は凄まじかった。

一人でただひたすらに射撃訓練に励んでいるかと思えば、メランサ達と近距離戦闘の訓練を行っている。

性格面では作戦実行中にあった臆病さは消えうせ、ただただ敵を駆逐する冷淡な性格へと変わっていった。

それに加えて、レユニオンとの戦闘の際にはBSWの先輩にあたるリスカムやフランカでも手をつけられないほどの凶暴性を発揮した。

 

「あなたたちに明日はいらない」

 

復讐に狂った彼女の明日は一体、どこに向かうのだろうか?

 

 

 

 

 

 




うーん、なぜか妄想とずれてしまう。
それに最後の方は駆け足過ぎましたね。
もしかしたら、書き直すか改訂版としてもう一度投稿するかも知れません。
とりあえず質よりも投稿ペースを大事にしていきたいこの頃。
両方は取れないの……。
次の話もジェシカ編になると思います。というか、します(堅い意思)
我ながら、ジェシカさんが大好き過ぎるんだなぁ(唐突な自分語り)
そのあとは、ドーベルマンさんとテキサスさんかなぁ……。
書きたいオペレーターたちはたくさん居ますので、首を長くしてお待ちください。
それでは、また次のお話で会いましょう。またね!

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