公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。   作:和鷹聖

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二次創作は初めてです。

初めはガガガ要素のみで突っ走るハズだったのに、どうしてこうなった? みたいなノリで行きたいと思います。


基本はオリジナル+ガガガですが、所々版権モノ含めます。
また、ガガガの説明、他版権の説明は基本、Wikipediaから引いています。ご容赦を。


それでも興味のあるかたそれではどうぞ!








Number.01 ~お嬢様はファイナル・フュージョンしたいとお悩みです~

 

 

 

「……ファイナル・フュージョンしたい。」

 

「……お嬢様?」

 

「……え?あ、ごめんなさい、何でもないわ。」

 

 

 とある日、私の主人こと、カルディナ・ヴァン・アースガルズお嬢様は、いつもと変わらない、優雅なティータイムをお過ごしになられていましたが、ティーカップをソーサーに静かに置かれになった後、ぼそりとその言葉を呟き、すぐに訂正いたしました。

 しかし、お嬢様はその後も、何とも憂いたお顔をしていらっしゃっているのです。

 

 ファイナル・フュージョン?

 

最後の融合(ファイナル・フュージョン)

 

 ……何ぞや? 首を傾げる言葉ですね。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

 カルディナ・ヴァン・アースガルズは、アースガルズ公爵家の令嬢である。

 

 

 魔法が根付くこの世界に生まれながらに天才、稀代の存在、果てには聖女、等と呼ばれるようになったのがカルディナお嬢様。

 

 何故なら、生後一か月で万人に一人と言われる程の強大な魔力を持ち、12歳を迎えるころにはあらゆる属性魔法、付与魔法、そして理解、習得が困難と言われる法則魔法(あるいは根源魔法)とも呼ばれる空間、次元等を操る魔法を使える、稀代の魔法使いにお成りになった。

 

 また、武術にも長けており、幼少から剣や槍は当然のように操り、昨年には徒手空拳ですら並みの騎士、果てには騎士団長すら負かしてしまう実力を持つにまで至った実力者。

 

 更には、アースガルズ公爵家が抱える商業部門を現当主(お父上様)以上に盛り立て、「事あらばアースガルズの商いへ」と言わしめる程にまで成長させたお方。現在ではその商業部門の一部を任される程になり、遂にはその手腕から『商業人が恐れる商業人』となった。

 

 そして極めつけは現・当主様と、その奥方様の血が織り成す造形の美。

 白く美しい、奥方譲りの長くなびく御髪。

 老若男女問わず惹き付け、魅了する御顔。

 そして、それだけに留まらず、その御容姿すらも美しい。

 聖女にも劣らない……いえ、それ以上の美しさを持つお方ッ!

 奥方様譲りのサラリとした銀髪を長く伸ばし、麗しい瞳はキラキラに輝き、社交会で老若男女問わず瞳に映すモノ全てを魅了する。

 

 まさに文武両道、商業無常(誤引)の完全無欠、パーフェクトなお方なのが、アースガルズ公爵令嬢たるカルディナお嬢様なのです。(キリッ!)

 

 そんなパーフェクトなお嬢様にお仕えするのが、私ことフミタン・アドモス。

 お嬢様達に10歳の頃に拾われ、以後アースガルズ家のメイドとして雇われ、お嬢様の御寵愛(ラヴ)を分け与えて頂いている、お嬢様の専属メイドなのです。

 

 そんなお嬢様が憂いているとは、いったい何を憂いているのでしょうか?

 

 ……まあ、おそらくはお嬢様の『ご病気』が原因かと思われますが。

 

 

 

 


 

 

 

 

 ……(ワタクシ)のボヤいた独り言に、専属メイドが静かに、かつ冷静に『何を言っているのでございますか』と云わんばかりの視線を、辛うじて当たり障りの無いコメントと共に送ってきたのは、存じております。

 

 ……こほん。いや、まあそうでしょう。

 いきなり『最後の融合(ファイナル・フュージョン)』等と言えば、長年付き添って来たメイドであろうとも、気でも触れたか、とも思うでしょう。

 

 ……というか、フミタン?

 御寵愛(ラヴ)は流石にないでしょう?

 せめて親愛ではなくて?!

 

 ……コホン。失礼しました。

 ……えっと、何のお話でしたっけ?

 

 

 そもそも、何故『最後の融合(ファイナル・フュージョン)』なのか?

 

 これは……いえ、只の発作みたいなものです。

 フミタンも言ってましたよね? 『ご病気』と。

 

 私こと、カルディナ・ヴァン・アースガルズは、アースガルズ公爵家の、現在15才のお嬢様である。

 

 感応性量子力法則術……つまりは、魔法が根付くこの世界に生まれ、今では天才、稀代の存在、果てには聖女、等と呼ばれるようになりました。

 

 万人に一人と言われる程の強大な魔力を持ち、あらゆる属性魔法、付与魔法、そして法則魔法と呼ばれる空間、次元等を操る魔法を使える、稀代の魔法使い。

 また、武術にも長けており、剣や槍は元より、徒手空拳ですら並の騎士は敵わない実力を持つ、天武の才を持つ実力者。

 

 更にはアースガルズ公爵家が抱える商業部門を現当主(要は父上)以上に盛り立てた、商業人が最も恐れる商業人。

 

 それが私の『世間からの評価』である。

 では何故、私がこんなにも優れているのか?

 

 

 

 

 ……察しの良い方ならすぐ判るでしょうが、私は『転生者』です。

 

 正確に言うなら転生者の記憶を受け継いだ、現住人。魂の優先者は、あくまでもこの私ですが。

 

 魔法については、赤ちゃんの時点で意識がはっきりしており、転生記憶から読み起こしたゴリ押し魔力増加方式を実践。更には科学法則を当て嵌めた魔力コントロールを実践することにより、10歳で稀代の魔法使いへ、ステップアップ。

 

 武術は、先天的に才能があったのでしょうが、『とある方』との出会いにより、今では向かうところ、ほぼ敵なしに。

 昨年、癇癪起こして騎士団長をフルボッコにしたのは、いい思い出ですわ……(猛省+遠い目)

 

 商業は記憶の知識をフル活用する事で、商品、販売ルート、商売方法を確立させ、億万長者へ成り上がり。お父様の信頼も得て、今では一部とはいえ、商業を任せて頂ける程に成長いたしましたわ。

 

 ちなみに聖女呼ばわりは、見てくれが良かったから、と思いたい。

私はそう思われたくないのですが……

 まあ、フミタンが褒めちぎっていたように、現・父上、現・母上のDNAが良かったことに、深く、深く感謝です。

 

 以上の事から、転生者のテンプレを見事当てまくったのが私なのです。

 

 この記憶が誰の記憶かは存じませんが、ありとあらゆる分野の記憶が、整理整頓、理路整然とされておりました、この膨大な記憶の集まり……私は『記憶書庫(B・ライブラリー)』と呼んでおりますが、私は大切に使わせて頂いております。とっても感謝ですわ……

 

 

 ───で、最初に戻るのですが、何故『最後の融合(ファイナル・フュージョン)』なのか?

 

 ……いや、字面から察しましょう。

 特に当時ガチで見た人やスパロボプレイヤーなる方々なら察しがつくでしょう。

 

 

───『勇者王ガオガイガー』の事です。

 

 

 1997年2月初めから、1998年1月末まで放映された『勇者シリーズ』といわれるアニメ番組。勇者シリーズの8作目にして、シリーズにおけるテレビ作品最終作であり、通称は「ガガガ」「GGG」などとも言われます。

 その主人公機たるのが、(くろがね)の巨神、勇者王ガオガイガー。

 

 そしてガオガイガーになるため、中心となるメカライオンのギャレオンが獅子王凱と一体となり、人型ロボットの『ガイガー』になる行程が『フュージョン』。

さらに、ガイガーが4機の支援メカ『ガオーマシン』と合体するのが『ファイナル・フュージョン』ですの。 

 ちなみにガオガイガーのスペックは以下の通り。

 

 全高 31.5m

 重量 630.0t

 動力源 Gドライブを4基接続、搭載

 最大出力 20,000,000馬力 (15,000,000 kW)以上

 推力 5,500t×2

 最高走行速度 195km/h

 ちなみにファイナル・フュージョン完了時間は62.318秒(以降毎回更新)

 

 ……以上の情報から、中世ヨーロッパのような、いえ、今の国ではまず在りえない存在ですわ。

 存在いたしましたら、文字通り神話(マイソロジー)の存在です。

 

 単純に記憶を受け継いだ、とはいえ、私はその記憶の影響は非常に強く受け、その結果『前世』での知識のみならず、嗜好をも半ば受け継いでしまったのです。

 その中で特に影響が強かったのが、サブカルチャーというもの。

 

 

 ……いえ、だって、ねぇ?

 

 

 『前世』と『今』の文明を比べたらそれはもう……

 

 例えるなら、抵抗出来ない甘美な毒の蜜。

 一度受け入れてしまったら抗えない、甘い甘い魔性の味。

 それはもう……どっぷりと。

 

 

 幼少の頃、短い間でしたが、部屋に独り引きこもっていた期間がありましたの。

 脳内記憶にあるアニメーション映像が、PCに綺麗にファイリングされているように見えていれば、それが自分の意思でポインタを自由自在に動かし、再生出来れば、嫌でも気になるではないですか?

 しかもそれが、より鮮明に映像が動き、壮大な音楽を奏でれば……

 

 

 ───これは神の思し召しッ!?

 ───それとも天啓ッ!?

 

 

 と、中世ヨーロッパの民のような思考を持つ者なら思うでしょう。

 ……しかし聞こえは良いのですが、(はた)から見れば妄想で笑う、不気味な子供、悪魔憑きと思われるでしょう。

 それでも、それら全てを見て笑い、時に泣き、苦悩し、同情し、果てに否定し、最後に共感する日々……

 

 例えるなら、人生に絶望した無垢な少年が、夜中にふと見たテレビに映る深夜アニメに、それはもうどっぷりハマった……

 

 

 ───そして、悟りましたわ。

 

 

 嗚呼……素晴らしい、ガオガイガーはッ!

 

 

 異星文明の結晶たるメカライオン、ギャレオン。

 ギャレオンのもたらした、Gストーンを始めとする様々な技術、知識は正に究極。

 

 主人公の一人、獅子王凱の人柄は熱血漢、そして正義感溢れ、正に私の理想のお人そのもの。

 物語の冒頭で深く傷付いた身体を救うため、サイボーグという鋼の身体になった獅子王凱の存在は、鎧騎士の存在が当たり前とする私にとって、この作品にのめり込むきっかけになりました。

 

 そしてもう一人の主人公、緑の星の主導者カインの息子たるラティオ=天海護は、幼いとはいえ、敵である機界生命体ゾンダーの核より人々を救い出す『浄解』の力を持ち、直接戦闘に関われないものの、ゾンダー戦には欠かせない存在です。

 当時『英雄は大人』との固定観念が強い、幼かった私には『子供でも能力と信念、そして勇気さえあればッ!』と思わせる程でしたわ。

 

 後、主人公以外の方々も、緻密なバックボーンを持つ、多種多様な存在ばかり……

 個人的には、やはり『ガッツと勇気』を体現する大河長官と、頼れる忍者ロボ・ボルフォッグがイチオシ、ですわね。

 

 ちなみに、文官と諜報の長として欲しいのは、猿頭寺さんだったりします。え、何?あの超有能……いたら絶対ヘッドハンティングしないと……

 

 ……まあ、そんなこんなで、様々な想いを抱きつつ最後まで見ましたわ。

 もちろん『Final』まで、途中ストーリー確認のために見直しを含めて、一週間貫徹で。

 

 

 ……お陰で周りから、特にお母様には、こっ酷く怒られ、雷を落とされましたわ。半日のお説教と雷魔法込みで。

 

 そして、お説教が終わり、最後に残ったのが、『ファイナル・フュージョン』したい!という、その当時としては極度の衝動、今となっては強い願望となった出来事でした。

 

 故に、時折『ファイナル・フュージョン』したい、等と呟く時がございますの。

 

 

 

 

 

 ……しかし、その夢は今も尚、叶えられておりません。

 

 

嗚呼……ファイナル・フュージョンしたい~!

 

 

 

 




《次回予告》

遂に始まった『公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。』

開幕早々に語られるカルディナお嬢様のガオガイガーへの愛。

しかし、叶えられない『ファイナル・フュージョン』の理由とは?

次回、『公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。』第二話『ギャレオンがいない』に、君もファイナル・フュージョンせよ!









……次回予告が盛大なるネタバレって、良いのかこれ?。



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