公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。   作:和鷹聖

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新年明けましておめでとうございます。
今年も『公爵令嬢は~』を宜しくお願いします。


さてようやくギャレオン作成スタートです。

今年最初の投稿ですからね、かる~くいきます。

かる~く……





Number.08 ~鉄の巨神、創造(ギャレオン編)(1)~

 ───『お嬢様の工房(アトリエ)』、地下巨大工房

 

 

 

「──おーいッ!3番フレーム、上げてくれ!」

魔導演算機(マギウス・エンジン)、回路回せー!固定忘れるなよー!」

「テスト行きま~す!左腕クローの回転機(モーター)、稼動開始~!!」

 

 

「──ハンマー、休めるなよ!!」

「錬成も休まず行くよ!!呼吸合わせてね!」

「慌てず、正確に!50層の付与(エンチャント)なんだから、しっかりね!」

 

 

「───『軟鉄』の繊維、束ねる量を間違えんじゃないよ!」

「……多すぎたら跳ね返って顔面殴打、少なすぎたらもっと痛い、お尻に殴打……ブツブツ……」

「いや、跳ね返ったのは固定が甘かっただけだからね。次のはイザリア姐さんの蹴りだし。」

「……うん、とってもご褒美。」

「「 ───!? 」」

 

 

 カルディナが帰ってから数日経ち、『お嬢様の工房(アトリエ)』はフル稼動だった。

 

 遂に始まったガオガイガー創造。

 その第一歩として、中心核となるギャレオン、及びガイガーを創っている最中である。

 現在製作しているのは頭部、胸部、及び両腕部である。まだ基礎フレームしかないが、職人達は活気で満ち溢れていた。

 

 ちなみに、この地下巨大工房はカルディナがフレメヴィーラ王国に行く一週間前に知らされた場所である。

 天井の高さは50メートル程、床面積は10平方キロメートルに及ぶ。

 職人達も寝耳に水であり、設備も重機用クレーンや整備用ハンガー等があり、この世界基準で言えば先進的なもの。

 どうやって揃えたかは疑問に尽きる。

 

 そこでカルディナの告白(SUN値直葬話)を受けた一部の職人達は、これから創るであろうギャレオンの設計図(修正前)を見せて貰っていた。

 

 そしてカルディナは自身の商会で、溜まった仕事を消化する間、職人達に腕慣らしにカルディナ抜きで、独力で機動兵器を製作をするよう指示。

 カルディナ曰く幻晶騎士(シルエットナイト)を元に設計したものらしいが……

 

 だが、その時にカルディナより渡された設計図は『幻晶騎士(シルエットナイト)』の素体を元にしたであろうと思われる『別の何か』。

 

 そして指示されるがまま錬成、組み上げ、出来上がったのは設計図通りの、幻晶騎士(シルエットナイト)より細身の『20メートル級の何か』。

 

 そう、『20メートル級の何か』である。

 そして職人達は思った。

 

 

 ───ガイガー、じゃない!?

 ───そもそも、これ何?!

 

 

 ガオガイガー関連の製作物を造らされるのでは?と思っていた職人達にとっては拍子抜け出来事であり、一部の職人とっては、何かのフラグか?と疑わせるものであったりする。

 

 そしてフレメヴィーラ王国より帰って来たカルディナとフミタンが、出来上がった『20メートル級の何か』を見て

 

 

「見事に組み上がってますね。本格的に外装(アウタースキン)を着せたら、湧いて出ますでしょうか?」

「確実にあと『2つ』ほど湧いて出ますわね。」

 

 

 と、謎のコメントを述べた。

 ただ、合格を出したので、問題はない様子。

 ただフェルネスとイザリアあたりからは「あれ級がまたくる……?」とドン引きだったりする。

 

 何はともあれ、今日に至りギャレオン、及びガイガーの製作に取り掛かっているが、当初より様々な問題が発生している。

 

 

①胸部フレームの脆弱さ

 

 人体を模した幻晶騎士(シルエットナイト)は、その構造上、あらゆる方向からの衝撃に耐えられるよう、設計がなされている。

 しかし、ギャレオンの状態ならいざ知らず、ガイガーの形態では胸部の内部構造がスッカスカなのだ。

 正確には胸部内部がおよそ長方形の立方体の形で、空洞なのだ。

 そしてトンネル(暖色ライト付き)仕様だ。

 

 もちろんそれには理由はある。

 

 ギャレオンからガイガーへフュージョンする時に、頭がその空洞より上がって来るそのスペースなのだ。

 また、F・F時に両腕部が肩関節ごと後ろに折り畳まれ、空いたスペースにライナーガオーが入るスペースでもある重要な場所なのだ。

 

 しかし、この構造は兵器としては欠陥過ぎる代物だ。

 

 世間一般、変形箇所が少なければ、稼動領域が少なければ、装甲や構成構造の強度はより高まる。

 

 しかしガイガーの上半身の機体構造は、それに真っ正面から喧嘩を売っている。

 中は四角い空洞なのだ。

 

 ──胸部に斜め上からの打撃を受けたら潰れるじゃないか!

 

 中身のあるSRXのトンデモ合体(ヴァリアブル・フォーメーション)の方がまだ現実味を帯びている。

 なので当初は『強化魔法』でガチガチに固めるしかなかった。

 共同設計したカルディナ、エルネスティは、ここで血反吐を吐いている。

 

 ……トンネルの構造を学び直さないと、無理ゲーでは??

 

 そして胸部フレームの設計の筈が、トンネルを設計するという謎の行為が一時期行われたが、それでも強度が足りないので、両肩の四角い蓋(?)のパーツで強度不足を補い、『強化魔法』で固めた。

 

 

②両肩の可動範囲、出力不足

 

 しかし問題はここから。

 上記の事から胸部は、人の骨格のように絶対に稼動しない。

 良くて腰の可動域が良いぐらい。

 それはつまり、背中を屈ませる、反る等の行為が出来ないという事。

 更に胸にはギャレオンの顔があるので、他の可動域でどうにかしなければならない。

 

 そして次の問題が、両肩。

 

 何故なら胸部のトンネルの影響で、関節駆動の機構は全て肩に肩替わり(ギャグじゃないよ)。

 

 そして2度目の血反吐。

 

 ──稼動範囲、狭ッ!!

 

 ……MSの可動域を期待された方は絶望してもらいたい。

 そんなものは、ここ(ガイガー)にはない。

 スーパーミニプラのガイガーですら、そんなものはない。

 というか、あの肩の仕様は本当にどうなっているのだろうか?

 よくもあの肩でパワーが出せるなと、思う。

 

 だが、現実にアニメでは出来ている。

 作画では腕を水平に伸ばすところも(F・F時)

 

 だから気合を入れて、再現しました。

 フレキシビリティに可動ギリギリに動かせる腕部と関節に、肩フレームは別可動で動くように。

 その結果、カルディナの動きに耐えれる腕部の設計に成功した。

 

 そしてその頃には設計室の床には、相当な血だまりが出来ていたとか、いないとか……

 

 

 ちなみにガイガーの両腕を設計している時に改めて自覚した事がある。

 別に特別な事はしなくていい。

 内部こそ別物であれど、外見は『原作に忠実に再現する事』こそが、肝である。

 

 

 ──命を削る程の作業ですが!

 

 ただし、その裏で「実物はもっと違う方法で機体構造を高めているんだろうな……」と思っている(羨んでいる)事は否定しないで貰いたい。

 

 で、あるが故に、次の作業は相当キている。

 

 

③動力炉の所在

 

 Gストーンは勇気を込めると無限の力が発生する。

 そのGストーンは相当『小型』である。コンパクトなのだ。

 故に思う。

 

 

 ──本来は何処にあるの、Gストーンは!?

 

 

 候補は『頭部』『胸部』『実は下半身』。

 

 『頭部』はガイガーの額のクリスタル部分。

 しかし、そこには『GSライド』はない(はず)。

 故にボツ。飾りではないであろう事は確かだろうが、あれはGストーンなのかはわからない……

 

 『胸部』は空洞の胴体にはないだろうが、もう一つ『ギャレオンの頭の中』にあるのでは?という仮説。

 これが一番合っている、と思われる。

 何故なら、コクピットが同じくギャレオンの頭の中、という仮説を2人は、持っている故に、そこに設置することに躊躇いはなかった。

 

 ……ただし設置するのが『GSライド』であれば、の話だ。

 

 今回設置するのは『魔力転換炉(エーテルリアクタ)』である。

 しかも、カルディナの主張で『ツイン・リアクター』である。

 

 その時点でエルネスティはこの件について抗議した。

 

 

「待ってください。いくら機体サイズが大きいからと言って、ギャレオンの顔にツイン・リアクターは無理ですよ。コックピット付近に搭載するのですから、いくら小型化しても吸気量が減ってしまい、無理があるのでは……」

「判っています。なので、小型ツイン・リアクターは『補助炉』です。」

「……メインは何ですか?」

「──『私』です。」

 

 

 ……自分がハーフエルフ(触媒結晶持ち)である事が理由なのか?

 ……自分自身とコックピットを魔力転換炉(エーテルリアクタ)とする気なのだ、このお嬢様は。

 

 

「まあ、カルナの化け物じみた魔力飽和量(キャパシティ)であれば、魔力転換炉(エーテルリアクタ)ぐらいの魔力(マナ)の出力と一般的な平均継続戦闘の時間ぐらいは出せますよね。(白目)」

「とりあえず幻晶騎士(シルエットナイト)程度の出力さえあれば問題ないのです。それぐらいはやりますわ。オーッホホホッ!(ヤケ)」

 

 

 その時、某第二王子と同じ評価で、花丸で『脳筋』とメモしたエルネスティは悪くないはず。

 

 なので動力炉は『胸部』もとい『ギャレオンの頭部』に設置する事に。

 

 尚、コックピットの仕様はガオファー、もといガオファイガーのコックピットをイメージした、幻晶騎士(シルエットナイト)のものを採用。

 流石にどうやっても、あの白い謎空間が再現出来ないのは、ご愛敬。

 恐らくあの特異空間自体が神経接続可能なものであり、念じる事で動かす事が出来る、総感応性の仕様なのだろうが、ガオファイガーではそこまでは再現出来なかったのだろう。

 

 エヴォリュダーの力を以てですら、ギャレオン仕様(オリジナル)再現が不可能なのに、カルディナさんが完璧再現出来る訳がない。

 今回やったのはカルディナを『軟鉄』の回路を介して、メインの魔力転換炉(エーテルリアクタ)魔導演算機(マギウスエンジン)としたもの。

 

 

 ……ん?、何か変な事を言っただろうか?

 

 

 それはともかく。

 

 逆に、どうにかなったのが『頭部』である。

 ……いや、額のGストーン(?)ではなくて、顔の『表情筋』が、だ。

 

 

「こればかりは、どうしようもなかったんだけど、改善策が身近なところで出てくるとはねぇ。これもフェルネスとダーヴィズのお陰よね。」

「私は合金の案を出して、それぞれの割合をダーヴィズさんと出しただけです。」

 

 

 と、魔導演算機(マギウスエンジン)を調整するイザリアの言葉に、通信機(トランシーバー)越しで胸部のコックピット周りを調整しながら答える無表情(通常運転)のフェルネス。

 

 

「俺ぁ、鉄を溶かしただけだぜ?手こずりはしたけどよ。」

 

 

 そして同じように答える、ハンマーで右前腕の基礎フレームを形造るダーヴィズ。

 

 

「それが世紀の大発見じゃない。どこに魔力(マナ)で柔軟性と剛胆性を同時に両立させる金属があるってのよ。あれはどう見ても人体の顔の表情筋よ。表情筋の魔導演算機(マギウス・エンジン)って、私初めて組んだわよ。」

「……イザリアも、表情筋の術式(スクリプト)なんてよく組めましたね。」

「……私もよく出来たと、自画自賛したいわ。人の表情って、複雑怪奇極まりないのよ。」

 

 

 本○貴子さん似の声で「細かい文字が目蓋の裏に張り付いて~、離れない~……」なんてボヤく辺り、相当辛い作業だったようだ。

 

 しかし、そうなのだ。

 ガオガイガーだけでなく、勇者シリーズやスーパーロボット系でよく見られる、あのロボットの動く口。

 あれが完全再現出来たのだ。

 その方法こそ……

 

 

「まさか、一般的な鉄に『軟鉄』を混ぜ合わせて合金にして、魔力(マナ)を流すと柔軟に動くなんてさ……しかも魔力(マナ)の量に応じてその柔軟さも際限無し(ただし強度は反比例)。」

「膜状、板状……何でもござれ。しかも一度鋳物にすりゃ、『錬成』で多少の形状変形は可能と来た。」

「それに加えて、IDメイル使用時の魔力(マナ)伝達が何の時間的ロスもなく、違和感なく動かせるのです。流石に驚きました。」

「挙げ句の果てに『付与魔法』の発現効果が、以前の3倍……鍛治職人にとっても魔法使いにとっても顎が塞がらない代物になりやがった。いったいどうなってやがる?」

 

 

 要は『ご都合主義の鉄』になったのだ。

 というか、そうとしか思えない。

 本来少しでも強度を増そうと、2人が苦心した結果、3倍増しの追加効果マシマシという大成果を成した。

 そしてこの時点で幻晶騎士(シルエットナイト)外装(アウタースキン)金属骨格(インナースケルトン)事情を超え、トンネル問題も解決したという。

 更には、この仕様の軟鉄合金、配合比率を調整すると魔力・電力問わず伝導性にも優れる物に変化する。

 

 

「……お嬢様、これは報告事案ですか?」

「そうなりますわね。新素材を開発した訳ですし。」

「お嬢、代わりに行ってくれ。俺ぁ行くのは嫌だぞ。」

「私もです。あの魔窟に行くのは御免被ります。」

「本当にウチの技術者共と来たら……」

 

 

 誰に似たのやら。

 

 

「しかし、ここまでの高性能なスペックを持つ素材……今までよく見向きもされませんでしたわね。」

「原因として、長時間で強い魔力(マナ)を流し続けなければならないのが大きいですね。それでなければ状態変化が望めません。まるで魔力転換炉(エーテルリアクタ)級の装置を使う事が前提のような物質です。他の工房や、まして国の技術者ですら気付けませんでしょう。我々とは練度に差があり過ぎて考えもしないでしょうが。」

「向こうが高いのか?」

「……フッ。いえ、あちら方が低レベル過ぎて。」

 

 

 ───フェルネスさん、笑った?

 

 

「……何か、ザマぁ見ろって感じね。まあ、そう思っても不思議じゃないわよね。」

 

 

 

 そしてそのギャレオンの顔に……

 

 

「……お嬢、その牙4本にいったい何を仕込むつもり?」

「何って『超増幅陣』ですが、何か?」

「『火炎球(ファイアボール)』一発通しただけで、城壁が粉々に吹き飛びそうなもの、どうすんのさ!?」

「そんなセコい事しませんわ。ただいざという時、ギャレオンに『くちからびーむ』をしてもらおうと……ほら、格好良くありません?破壊光線を放つライオン。」

「原作通りにするんじゃなかったの?それに、そんなの仕込むスペースなんてないっての。」

「知ってます。光線を出すのは私ですわ。」

「……ちなみに、どの程度の威力を想定?」

「……合わせて使えば、旅団級魔獣の集団が軽く蒸発する程度、でしょうか?」

 

 

 明らかに戦略兵器である。

 きっとこのギャレオンに意思があるなら

 

 

 ──ぼくはジェネシック・ボルトしか、くちからだせないよ。

 

 

 と言うだろう。

 心配ない、ギャレオンは何もしなくていい。

 ただ、口だけ開けるだけの簡単なお仕事だ。

 攻撃を放つのはお嬢様です。

 

 

 ──でも、ジェネシック・オーラはちがうよ。

 

 

「……ん? 空耳?」

「お嬢様?」

 

 

 

 とまあ、色々説明したが、纏めるとこうなる。

 

・軟鉄の合金を基礎フレーム、外装に使用。

魔力転換炉(エーテルリアクタ)魔導演算機(マギウスエンジン)こそ幻晶騎士(シルエットナイト)に同等のもの。ただし、メインは搭乗者が担う。

・当初問題とされていた強度問題が『軟鉄合金』にて解決した。

 

 となる。

 

 ……ん? そうなると、基礎フレーム、外装、その他諸々が軟鉄合金仕様になる。

 

 ───フル・軟鉄(リアライズ)フレーム

 

 

「……どこかで、聞いたような響きですわね?」

「お嬢様?」

「気のせいでしょう。」

 

 

 そして、この上半身完成まで凡そ2ヶ月半が経過。

 

 

「このペースだと下半身にも2ヶ月ちょっと……これなら半年待たずとしてガイガーが完成しそうですわ。」

 

 

 進捗状況は概ね良好。

 白い躯体のガイガーを見上げるカルディナお嬢様の心境もウキウキである。

 そう、特に問題はない……

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 ────と、思っていた矢先、大問題が発生した。

 

 

 それは『彼ら』の訓練課程のテコ入れが良くなり始めた、ある日の事。

 アースガルズ本邸の自室で、なんて事はない余暇のティータイム中に、フミタンがいつもの時間に来た時である……

 

 

「──カルディナ、入るぞ。」

 

 

 普段は絶対に来ないであろう、父親クリストファーが、フミタンの後ろに続いて来たのだった。

 

 

「お……お父様??どうされたのですか?」

「……」

 

 

 問い掛けにクリストファーは無言。

 だが、懐から一通の白い封筒を取り出す。

 それは既に開封されていたが、その蝋印を見るや、カルディナは体を硬直させる。

 その様子に苦虫を噛み潰したような表情をするクリストファーだが、カルディナに構わず便箋に書かれた文章をゆっくりと読み出した。

 

 

 ──カルディナ・ヴァン・アースガルズ嬢へ

 

 ○月○日(約一週間後)に領内にて夕刻、そなたの父親との会食を所望する。

 然るべき準備をされたし。

 

 アルド・レイア王国 第12代国王

 レクシーズ・G・アルド・レイア

 

 

 追伸:此度の行いについて厳重に言及する構えである。努々答えられる様、言い訳はたっぷりと考えておくように。

 

 

 

「 ────こ、国王陛下ッ!!!? 」

 

 

 

 そこでカルディナの意識は途切れた。

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

「───酷い三者懇談会ですわ。」

「もしくは陛下直々の尋問でしょうか? 成人前ですので、親を率いれて行うのは効果抜群かと。しかも食事を尋問を受ける人間に用意させるとは、陛下は命知らずとお見受けします。」

 

 

 国王からの手紙(という名の深淵の通知書)を受けてから一週間後。

 カルディナは会場となるレストランのVIPルームで、頭を抱えてボヤいた。

 そしてそれに毒づくフミタンはいつも通り。

 

 ちなみに、会場の選定は然程苦労していない。

 自身の経営するアースガルズ商会で営む高級レストランが会場であり、以前ここで食べた料理が大好評だった事もあり、それ以来、国王は何度かここに直接足を運んでいる。

 

 無論、料理に手抜かりはない。

 お任せとはいえ、旬の素材を惜し気もなく使い、豪華絢爛というよりは、日本料理やイタリア料理をベースに素材の味を「これ!」と言わしめる程に引き出す手法は、カルディナの手掛ける大衆料理店や高級レストランのみで味わえる。

 

 味に貴賓無し。素材の味を引き出してこそ料理なりッ!!

(ミスター味っ子、美味しんぼの影響より。ただし目から光、巨大化等(特殊エフェクト)はありません。)

 

 それは別にいい。

 いつもの事だ。

 

 今回の問題は……

 

 

「しかし今回の問題はある種、自業自得では?」

「失礼な!私は常に品行方正、正々堂々ですわ。」

「……その結果が『軟鉄』の単価急上昇。市場はかつて無い大混乱で大荒れだぞ。前例のない事態に国が躍起になって火消しに回っているんだ。何も沙汰が無い訳がなかろう。」

 

 

 憂鬱になっている父親のクリストファーが、娘の行った事に釘を刺すように述べた。

 

 やってしまったのは大量の買い付けによる市場の混乱。

 

 アルド・レイア王国ではあらゆる取り引きには『市場』が存在する。

 故にどんな商品でさえ、決められた単価がある。

 しかもそれは時により、季節により、需要により、供給量により変動する場合がある。

 しかも当時市場では何の価値もない軟鉄が、一部の貴族に大量に買い占められ、しかも継続的に購入しているという噂が出たものだから、市場は大混乱。

 本来、価値も使用用途も見出だせない軟鉄が、急に価値が付いたと慌てふためいた仲買人や他の商会もこぞって買いに走ったが……

 

 ──買ったが、売れない。

 

 という、需要供給が崩壊する、訳のわからない事態が発生。

 

 そう、その犯人(?)がカルディナである。

 

 

 

「……当時の単価の倍で買っただけですわ。それでも猫の額程度もないです。」

 

 

 最初に買ったのは、アースガルズ商会に縁のある、貴族の保有する鉱山から。

 だが買った量が不味かった。

 

 

「それが数十トン単位なら、誤解も起きましょう。欲張り過ぎです。さらにそれでは足りないと四方八方多方面から大量に購入したとなると誤解を生みましょう。」

「他では需要はないからな。まず売れない。結果、ありもしない需要が生まれたと勘違いされて、市場は大混乱。」

「ぐうの音も出ませんわ……」

 

 

 もう、何も言えない。

 しかもタイミングが悪いことに、軟鉄の合金の話が国に届いたまでは良かったが、青天の霹靂のような事に審査機関も、そして国王も思考が停止。そして新発見の衝撃。

 更に続く追撃の如く、直後に市場の大混乱発生した影響で、内容をロクに精査出来ないまま、事実関係が不明なまま、軟鉄の取り引き一時中止の『火消し』に遁走しているという。

 

 そして被害を一番被ったのは、事態の経緯がロクに知らされずに、取り引き中止のお触れを出すために走り回る役人……

 

 

 ───どうしてこうなったァ!?

 

 

「……仕方ないではありませんか。保有する量が少なくて大量に発注するしか方法がなかったのですから。」

「……カルディナ。今までアースガルズ領に益になるからと、お前の行動をある程度黙認してきたが、今回ばかりは言わせて貰う。『何を造っている?』」

「……何を?と申されましても。『20メートル級の人型可変式魔導機甲兵器』ですが、何か?」

「な───!?」

 

 

「───その話、私にも聞かせて貰おうか。」

「「 ────!? 」」

 

 

 さも当然、とカルディナが述べてた矢先、突然の声が。

 

 その人物は、既に扉の前に佇んでいた。

 

 簡素な装いの下に、細身でありながら、徹底的に鍛え上げられた肉体は、武骨ながら一目で『王族』と言わしめる程の気迫を放つ。

 三十路を過ぎていると言えるものの、遺伝のアッシュグレーの髪は非常に艶やかで、鋭い切れ目の眼光は穏やかな表情とは裏腹に、相手を圧倒的させる。

 

 

 その御仁こそ、アルド・レイア王国 第12代国王、レクシーズ・G・アルド・レイアであった。

 

 

「……よ、ようこそ、国王陛下。」

「ああ、今宵は世話になる。そして話も、しっかり聞かせて貰おうか。そう、しっかりと(・・・・・)、な。」

 

 

 

 

 

 

 そしてこの国王陛下。

 現在のアルド・レイア王国にて、カルディナと実力的に、唯一対等に戦う事が出来、そしてカルディナを圧倒する力(物理・財力問わず)を持つ人物である事を明記しておく。

 

 

 

《……NEXT?》

 

 

 

 




○軽く
文字数は一万を超えてないと本気ではない。
(筆者の感覚で。)
内容??知らないなぁ(すっとぼけ)


○ギャレオンの作成

とりあえず思うところを一通り。
子供の頃見たFFの記憶と言えば、トンネルの一言。
今思えば、主人公補正があると言えども、よくフレームが歪まなかったなと大人心に思う。

○軟鉄
サイコフレームではありません。最古ではあるでしょうが。
よくガオガイガーの世界観設定の枠だけで落とし込めたと思います。
半ばIF設定で、類似品はいっぱいありますが。
というか、この話もIF満載ありきなので、その点はツッコミご勘弁を。


○国王陛下
設定や作中では存在だけ散々出てきましたが、ようやくご本人登場。
本来はもう少し後に出す予定(真にガオガイガー登場時)でしたが、それじゃ遅すぎると判断し、この回より。
イメージは『本好きの下克上』のフェルディナンド様。というかイメージする声と性格が優先。
第三部の演奏会後の「さて、申し開きを聞こうか」は魔王降臨!ものですね。
ちなみに、魔王の声は速水さんと子安さん、どちら派?


こんな調子で今年も宜しくお願いします。

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