公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。   作:和鷹聖

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お待たせしました。
仕事もプライベートも忙しく、感想欄の返事が出来ませんでしたが、ちゃんと見てます。
どうもありがとうございます。

いよいよギャレオンが動き出します。
どんな動きをするか、お楽しみに。

そして、サブタイトル通り、後半は奴らが……





Number.09 ~『鉄鋼桜華試験団』~(1)

 『お嬢様の工房(アトリエ)』近くの実験場を兼ねた荒野にて、軽快な四足歩行の足音が響く。

 時にゆっくりとした歩みで。

 時に駆け出し、走る歩幅で。

 ただし非常に重厚で、機械音混じりの足音であるが。

 

 

「──うふふふっ!流石、アディとキッドの仕事ですわね。人馬型(ツェンドリンブル)魔導演算器(マギウスエンジン)術式(スクリプト)を少し調整しただけで、ギャレオンが力強く歩みますわ。」

 

 

 その足音の主──ギャレオンの姿は、金色の鬣を翻す、金属で出来たライオンと呼べる風貌……いや、そのまま鉄のライオンである。

 ただし、その全長は10メートルにも及ぶ、生物ではあり得ない身体を有していた。

 

 時に魔力転換炉(エーテルリアクタ)特有の高い吸気音と、ジェットエンジン特有の吸気音を発し、跳び跳ねたかと思いきや、腰の黒い筒状のものから火を吹き出して空高くへと舞い上がり、羽根もないのに自在に空を飛び回っていた。

 

 そしてそのライオンの頭頂部とも呼べる場所に、あり得ない事に、地味なドレスとも言える服を纏った一人の年頃の女性が、何と腕を組んで仁王立ちをしてるのだった。

 

 

「……うふふふっ、エルには申し訳ありませんが、20メートル級の魔導圧縮推進器(マギウス・ジェットスラスタ)使用の1番目は頂きましたわ───と言いつつも、こちらはGインパルスドライブでない事が引け目なので、少々口惜しいところもあります。吸気・圧縮では宇宙(そら)での運用は出来ないですし、そもそもインパルスエンジンの仕様でもないのですけど……まあ、しばらくは大気圏内での運用しか考えてませんし。」

 

 

 問題なし!と言い切ったその人物に、通信が入る。

 

 

「はい、こちら───何ですって?シグリット砦が強襲!?───充分な数を揃えたと仰ってたのに……ええ、でしたらフェルネスさんとダーヴィズさんに『アレ』を使って砦に支援するよう伝えて下さい───装備は任せます、壁を越えて抜けられなければいいのです。後は私が───ええ、そのためのギャレオンであり、ガイガーなのです、それでは……」

 

 

 そして通信を切り、溜め息を一つ……

 

 

「……まあ、ぶっつけ本番ですが試せる戦場が出来たと思いましょう、では───装着(イークイプ)ッ!!」

 

 

 そして空駆ける鉄のライオンは頭頂部の女性諸共に、真っ逆さまに急速降下をするのだった。

 

 

 

 

 

 ───アースガルズ領 シグリット砦

 

 

「───ゴーレム部隊、前進ーッ!!」

「魔獣の侵入を許すなーッ!!」

 

 

 アルドレイア王国の端、アースガルズ領の東に位置する、ボキューズ大森林に一番近い砦、シグリット砦。

 魔獣の出現率が一番高いこの砦は、魔獣の交戦率が一番高い地区とされ、日々戦い明け暮れていた。

 

 シグリット砦に配属されている騎士団『雷狼騎士団』はその練度、能力の高いゴーレム使い──ゴーレムライダーが多い。

 

 そもそもゴーレムは、ゴーレムライダーの魔力(マナ)能力にもよるが、平均5~9メートルの大きさで、その材質は術者が『強化魔法』で硬質化させた土、もしくは岩、鉄である。

 

 それ故、手元に何もなくても即時展開、即戦力となり得る。

 大きさに関しては、その大きさの方がより良く能力の高いゴーレムを造り出す事が可能だからとされる。

 そして、背部に搭乗する場所があり背中越しに戦況を見定めて戦うのだ。

 その能力は幻晶騎士(シルエットナイト)と同等と言われ、ゴーレムライダーの魔力(マナ)とその『魔力操作』の質が高いのが多い故に、見た目以上にフレキシブルな動きが可能なのだ。

 とはいえ、その全てを術者魔力(マナ)で賄い切れる訳でもなく、多くは『魔石』を使い、そのゴーレムの身体構成をする。

 そしてその役割、術者に応じてゴーレムの姿形も違う。

 

 魔獣の進行阻む、重厚な造りの鋼の大盾を持った盾役(タンク)ゴーレム。

 

 大剣や突撃槍を得物とし、スラリとした細身で、魔獣を速やかに討つ近接戦役(アタッカー)ゴーレム。

 

 杖を使い、遠距離から魔法で支援、または魔獣を焼き払う魔法使い役(キャスター)ゴーレム。

 

 だが、そんな歴戦な彼らでも最近の戦場事情は、厄介と言わざるをえない状況に陥っていた。

 

 

「──出たぞ、『巨人殺し』だァーー!!」

「「「 ───!? 」」」

 

 

 10メートル以上もある木々の間から覗かせたのは2対の眼光。そして筋肉質な肉体を黒や紫の毛むくじゃらの剛毛が覆う。

 剛筋大猩々(ビルド・コング)と呼ばれる、哺乳類系の大型魔獣だ。

呼ばれる、哺乳類系の大型魔獣だ。

 その力たるや、強力の一言。特に腕力に秀でており、ゴーレムや幻晶騎士(シルエットナイト)の『強化魔法』を施した存在ですら、簡単に握り潰す事が出来る。

 別名、巨人殺し。

 

 そして姿を現した事を皮切りに、4~5メートル程の同型種が堰を切ったようにドッと大量に押し寄せて来た。

 剛筋猛猿(ビルド・モンキー)と呼ばれる剛筋大猩々(ビルド・コング)の眷属である。

 この魔獣の特性として、剛胆な肉体を持つ他、群れのトップ以外は全部メスで、人海戦術ならぬ、猿海戦術で増える。

 ……魚であるなら鯛がそうだが、環境によって雌雄が変化するものいるが、こいつらもそうだったりする。

 故に個体が数体いれば繁殖は出来る。

 

 

「くそ!また、あんなにたくさんの猿共を引き連れて!」

「見境無く増えやがって!ゴキブリか奴ら!」

 

 

 だが、泣き言は言っていられない。

 取り付かれれば、しつこい動きで離れない猿達である。

 更に何度目か解らない強襲の嵐。

 ゴーレムライダー達は不退転の思いで戦い続けていた。

 

 その中で、剣を持つ前衛ゴーレムの若きライダーのライル・デモリトンは、向かってくる1匹の剛筋猛猿(ビルド・モンキー)に狙いを定めて、剣を振り下ろす。

 一撃で仕留め、血飛沫が舞う中でも他の剛筋猛猿(ビルド・モンキー)がライダー達に休む間も与えようとせず、何体も飛び掛かってきた。

 

 

「 ──させるか!!」

 

 

隙をカバーするように、後方のゴーレムが放った戦略級魔法(オーバードスペル)火焔の槍(カルヴァリン)』が、剛筋猛猿(ビルド・モンキー)を跡形もなく焼く。

 

 

「大丈夫か!?」

「はい!ですが数が多い!このままでは抑えきれません!」

「泣き言を言うな……と言いたいが、その通りとしか言いようがないな。」

「際限なく湧きやがって、援軍はまだか!?」

「砦の壁に取り付かれた!!」

「引き剥がせ!1匹たりとも越えさせるな!」

魔力(マナ)が、もう限界──」

 

 

 ……そんな時だった。

 

 

 ───ボンッ! ボンッ!

 

 

「──な!?後退の指示だと!?こんな状況で!?」

 

 

 砦から空に放たれた2度の爆発──後退の指示がライダー達を驚愕させた。

 だが、この状況でそんな事は出来ない──

 と思うライダー達に更なる変化が砦にあった。

 何と森と砦を繋ぐ大門が開いたのだ。

 

 

「何を考えてるんだ!? 前線が後退を終えてない状況で何を考えて───」

 

 

 ───ドォンッッ!!!

 

 

 突如、後退の指示以上の爆発──暴風が大門の壁より起こり、よじ登る剛筋猛猿(ビルド・モンキー)の全てが吹き飛び、宙を舞わす。

 

 

「な、何が起こった!?」

《──今です、思い切りどうぞ。》

《オラオラ、吹っ飛びやがれェーーー!!》

 

 

 そして荒々しい口調と共に、高速で荒れ地を滑走し、その手にする大型ハンマー(・・・・・)を軽々と振るって猿を文字通り吹き飛ばす。

 それはこの場にいるゴーレム達を越す、ぐんずりとした鎧を纏う10メートル越えの鋼の巨人が繰り出した一撃。

 だが当たった瞬間、その破壊力のため殴打にて猿は絶命するのだった。

 

 

《もう一丁ッ!》

《ナイスヒットです……ん?》

 

 

 その後ろにいた20メートルにも及ぶ、こちらは逆に骸骨のように骨格だけような黒っぽいクロム色の巨人。

 その巨人の左腕に何やら違和感が。

 

 

《……ああ、剛筋猛猿(ビルド・モンキー)が噛んでいたのですね。『硬化』の強化魔法で硬くしているとはいえ、申し訳ありませんが離れて下さい。》

 

 

 そう言って左腕を強く振るい、群れへと投げ付けた瞬間、右手に持った杖を突き出した。

 

 

《──『真空裂刃(ソニック・スラッシュ)!!』》

 

 

 極限まで圧縮した風──真空を刃として放つ戦略級魔法(オーバードスペル)が、休む間を与えない程にマシンガンの如く連続で叩き込まれ、猿達を細切れにしていく。ついでに地形すら破壊し、見る影も失くしてしまう威力に、放った術者も……

 

 

《……量産化されれば、ゴーレムでは太刀打ち出来ませんね、これは。》

 

 

 と、感想を漏らす。

 というか作業用ですよね?……もう知るか、と疑問を呈しながら、次々に剛筋猛猿(ビルド・モンキー)を討ち倒す、2体の巨人に、ゴーレムライダー達は唖然とした。

 しかし、不意に長身の巨人の顔が上を向いた。

 

 

《……来ましたか。耐衝撃防御を!》

《待ってたぜッ!!》

 

 

 そして特に攻撃を受けていないのに身を屈める2体の巨人。

 それを不審に思った瞬間、目の前に突如……

 

 

 

 ──ドォォォーーーンッッ!!!

 

 

 雷光とそれ以上に身体を貫く衝撃が周辺一帯を疾る。

 その直後、前線に立つゴーレム達の間を『何か』が残像を残して通り過ぎ、前から剛筋猛猿(ビルド・モンキー)の群れがいきなり消え去った……

 いや、正確には『ミンチになって、残骸が宙を舞っている光景』であるか。

 そして遅れて巻き起こる突風。

 ゴーレムこそ飛ばないが、後ろに搭乗するライダーが強烈な風で飛ばされそうで、必死に耐える。

 

 

「いったい何が起こって……!」

「 ──早く後退なさい、後退指示は出てますわよ?」

「!?」

 

 

 更に驚愕したのは、その声の主だった。

 いきなりライルが操るゴーレムの頭上に、その人物は佇んでいた。

 艶やかな白地の布らしき素材で肢体を包み、黄金の鎧と黒のスカートを纏う。

 透き通るような白く長い髪を靡かせる、ゴーレムライダー達──ライルも他の家臣達にも、ある種聞き慣れた女性の声。

 

 

 

「──カ、カルディナお嬢様!?」

「あら、ようやくお気付き?」

 

 

 今や、アースガルズ公爵家の最強の代名詞たる令嬢、カルディナ・ヴァン・アースガルズ。

 その人は何故か眉間に皺を寄せ、大暴れしているものに視線を向けていた。

 そしてその瞬間、直感した。

 

 

 ───この方が増援か! そしてあれも増援か!?

 

 

「あの大暴れ(・・・)しているものは……」

「ライル、解るのか?」

「はい、ですが……信じられ、ません。」

 

 

 このライルは視力、動体視力がとても良い。

 故に彼の視界には、目の前で行われている光景が大まかにだが判った。

 しかし、言葉にすると理解が及ばない。

 

 何故なら彼の目には『両腕を突き出して、腰の辺りが爆発し続けながら錐揉み回転をするライオン』が、『縦横無尽に飛び回り、剛筋猛猿(ビルド・モンキー)をミンチにする』という、理解が深まれば謎にしかならない光景があるからだ。

 

 更にもっと恐ろしいのが、そのライオンは推定10メートルという程の大きさで、全身が金属で出来ている、という存在自体不可思議なモノ。

 しかも岩壁に到達するなり、貼り付くように岩壁に着地、多少接地面を砕きつつ、狙いを定めて次に『錐揉み回転で殲滅作業』という行程をループしている。

 

 何だこの悪夢?

 

 

「な、何ですか、あの全身金属で出来た魔獣は……」

「魔獣ではないですわ。あれは私が『思念操作』で操っている……幻晶騎士(シルエットナイト)のような鋼鉄のライオンです。」

「「「───ハイィッ!? 」」」

「ちなみに、今間違っても手を出しては駄目ですわよ?近寄られたら確実に巻き込んでミンチにする自信しかないので。」

「「「………」」」

 

 

 いや、あんな光景を見せられたら、嫌でも近寄りたくない。

 というか、貴女があの所業を行っているのか!?

 防衛第一、けれど命大事に。

 ゴーレムライダー達は首を縦に振るしかなかった。

 

 

「まあ、皆さん。後退して休息を。私と、あの2人が殿を務めます。砦は防衛第一と伝えてますので、その後は細かいのを駆除して頂けると助かりますが。」

「え??それはどういう……」

「先に大物を屠るのですが、如何せん数が多いです、小物まではカバーはしきれません。要は『突っ込むので、後は頼みます』ですわ。」

「え!?ちょっと───」

 

「 ──ギャレオォォォーーンッ!!!」

 

 ──ガオオォォォーーーンッ!!!

 

 

 カルディナの叫びに呼応するように、戦場を蹂躙する鋼鉄のライオンは高々に吼え、踵を返し、群がる猿も八つ裂きにしながら猛進する。

 周りなど意に返えさない、己が道を往くが如く、全力で。

 そしてカルディナも鋼鉄のライオンの元に走る。

 元々身体能力が高いお人だとはいえ、群がる猿の合間を縫って、時折首を手刀で的確に跳ねて走る姿は、戦場の死神であるかのような錯覚をライルは覚える。

 

 だが、その錯覚はすぐに霧散した。

 カルディナがある地点で、後ろを向いた瞬間、真上に飛び上がり、声高々に叫んだのだ。

 

 

「──行きますわ、フューージョンッ!!」

 

 

 そして、鋼鉄のライオンがその声に呼応するようにカルディナの後を追い、天高く跳ぶカルディナを何と強靭な顎をめいいっぱいに開き、カルディナを一呑みにした。

 しかも、カルディナはその瞬間にその身を屈め、鋼鉄のライオンに『食べられ易い』ようにしていた。

 これには家臣達も驚き悲嘆したが、そんな暇を与えず、鋼鉄のライオンが驚きの変化を始めた。

 

 

 ライオンの前脚───その爪付近が腕とは逆に折れ曲がり、そこから『手』が生えた。

 しかも逆の腕も、力強く握り拳を作って。

 更に両脚の先が、四足歩行の脚より、人間味のある足に折れ曲がる。

 上半身が反転、ライオンの顔がスライド、降りてきて胸に納まってしまう。

 そしてライオンの顔があった元のところから、なんとルビー色の双眼を光らせた、白い顔を持つ、長い鉄の鶏冠と、額に翡翠の宝石を埋め込んだ白い頭が生えてきた。

 可動する度に響く鋼鉄の音が、その巨人の勇姿を際立たせ、着地した瞬間、これまでに体感したことのない地響きが、白き鋼鉄の巨人の誕生を壮大に奏でる。

 

 そして、その白き鋼鉄の巨人は声高らかに名乗りを上げる。

 

 

「 ──ガイッ、ガァーーッ!!!」

 

 

 ガイガー。

 それはメカライオン、ギャレオンにカルディナがフュージョンすることにより誕生する、全高23.5メートル、重量112.6トンのメガノイドならぬ、マギウスノイドである。

 

 

 

 

「な、何と……!」

 

 

 家臣達はその姿に戦慄し、同時に悲しみを覚えた。

 ライオンが巨人に───20メートルを超える存在に変化した事に、そしてカルディナがその身を捧げて巨人をもたらした事に……

 

 

「……お嬢様、我々を生かすためにとはいえ、ご自身を犠牲にするなんて、そんな───!」

「───イヤイヤ、咀嚼されてませんから、丸呑みですから、生きてますから。」

「うおっ!!?」

 

 

 ライオンの口からにょっきり顔を出して抗議するカルディナ。

 誤解される要素満載だが、しっかり五体満足でいる事をアピール。

 

 ……とはいえ、予告もなくいきなりフュージョン(食べられるシーン)など見せられたら、誰でも誤解はする、という事が頭からスッポリ抜けていたカルディナは、その事に気付かず、いそいそコックピットに戻るのだった。

 

 

 


 

 

「──無事、実戦環境下でのフュージョンは出来ましたわ。何か要らぬ誤解を生んだようですが。」

 

 

 「解せぬ」と言ったような顔をするカルディナは、コックピットに戻った。

 そこは幻晶騎士(シルエットナイト)の操縦席と、機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズの、ガンダムフレームの阿頼耶識仕様のコックピットを足して2で割ったようなコックピットである。

 2対の操縦桿の間にある、背部接続コネクタを備えたシートに背を預け、IDメイルの背部にある対応したコネクタに接続する。

 

 ちなみに『ナイツ&マジック』の幻晶騎士(シルエットナイト)は操縦桿を用いて『魔力操作』を基本とした操縦であり、『鉄血のオルフェンズ』の阿頼耶識は操縦は有機デバイスシステムを用いた神経伝達による操縦である。

 

 特に阿頼耶識は脊髄にナノマシンを注入し、ピアスと呼ばれるインプラント機器を埋め込み、その部分でナノマシンを介して操縦席側の端子と接続する事で、パイロットの神経と機体のシステムを直結させる。これにより脳内に空間認識を司る器官が疑似的に形成され、直感的かつ迅速な機体操作が可能になる阿頼耶識は『魔力操作』に似た、そしてそれ以上の操作性があるだろう。

 

 そしてガオガイガーにも似たような操作系統がある機体が『ガオファー』及び『ガオファイガー』であり、IDスーツを用いた神経伝達操縦である。

 ただ、こちらは獅子王凱のエヴォリュダー能力により、それ以上の操作性があると予測されるが、作中ではそんな描写がない以上、それ以上の予想は困難であるが。

 

 そして3つの共通項として、パイロットによる直接操縦(フルコントロール)が可能という事が挙げられる。

 

 以上の事より、カルディナはガオガイガーの形を中心として3つの作品の操縦系統の良いとこ取りをして造られたのが、このガイガーのコックピットである。

 

 そしてコネクタより『魔力操作』にてガイガーへ命令が下され、再起動を果たす。

 

 

《──お嬢様、状況は如何でしょうか?》

 

 

 その時、フミタンから通信が入る。

 

 

 ───ザシュ! ゴキ、ゴキ、ザシュッ!!

 

 

「此方に異常はありませんわ。フュージョンのシークエンスもスムーズに、再起動も問題ありませんわ。」

《良かったです。最初の頃のフュージョンは、ある意味酷かったので、どうなるかと……》

「……それは言わない約束ですわ。」

 

 

 完成後、ガイガーへのフュージョンを試みようとカルディナはご満悦でフュージョンを行った。

 しかし、そこでトンデモナイ事が発生した。

 それはフュージョン開始直後、コックピットに入るためギャレオンに『丸呑みされる』過程で、冗談抜きに噛み砕かれかけるという、事故があった。

 

 

 ───ゴキンッ!!

 

 

 他意ではなく、間違いなく事故。

 何故なら、ギャレオンを操作しているのは、遠隔であってもカルディナ本人。

 そしてフュージョンするのもカルディナ本人。

 コックピットまでの相対距離が合わず、丸ごと噛まれたのだ。

 

 

 ───ボキッ! ベキバキ……グシャ!

 

 

「……フュージョンする時は後ろを向いているのです、目測を誤っても仕方ないのです。」

《周りの者達の反応もドン引きでしたからね。合体事故や手の込んだ自殺だったのかと思いましたよ。》

「───言い方ァッ!!」

 

 

 ──ドォォォーーーン!!

 

 

 時々、このメイド(フミタン)も相当な命知らずだと思われるが……

 

 

「……まあ、猿達を殲滅するのでデータ取り、お願いしますね?」

《判りました、御武運を。》

 

 

 そして通信が切れた直後、警戒をしていた猿達が一斉に襲い掛かって来た。

 だがカルディナは───

 

 

「──ギャレオンッ!!」

 

 

 ──ガォオオォォォーーンッ!!!

 

 

「「「 ───!? 」」」

 

 

 獅子の雄叫びだけで、その進行を止めた。

 

 

「……会話の最中に来られるとは無粋ですわね。まあ、こちらも反射的に手を出しているので、元より加減等出来ませんが。」

 

 

 カルディナの魔力(マナ)を乗せた咆哮は、本能を抱く存在に対して、その存在感を知らしめる。

 ガイガーへフュージョン後も、絶え間無く容赦なく襲って来た猿達だったが、今の咆哮で本能的に悟ってしまった。

 

 何よりも強いモノである、と。

 

 そしてカルディナには多数の不利など元から意味がない。

 

 武を極めた者が、ある一定の段階へと往くと『制空圏』と呼ばれる間合いを修得する。

 それは『間合いに入り込んだ存在へ反射的に迎撃、攻撃する』というスキルだ。

 ただし、その迎撃能力はカルディナの技能も合わさり、ほぼ一撃必殺。

 会話中も『魔力探知』で自身の間合い中に入ってきた存在へ、無意識に攻撃を繰り出し、カルディナは猿達を屠っていた。

 例え対象が小さかろうが、関係ない。

 

 

「それでは行きますわ、『ガイガー・クロー』ッ!!」

 

 

 それはガイガーという巨大な躯体を通しても、自身の体のように感じ取る事が出来、そして相対する相手を素早く討つ事が出来る。

 

 突く拳は、鋭利な槍の如く。

 握る掌は、獰猛な(あぎと)の如く。

 薙ぐ脚は、強靭な斧の如く。

 振るう爪は、業物の刃の如く。

 響く咆哮は、獅子の雄叫びの如く。

 

 対象となる猿達の身長は4~5メートル程だが、23メートルの巨体が文字通り暴風の如く躍動する。

 Gインパルスドライブを時折細かく噴射し、駒のように回り、自身を中心にした全方位に対して精密に、かつ正確な破壊の限りを尽くしている。

 フミタンにおちょくられた時に、痺れを切らせて突撃してきた10メートル級の剛筋大猩々(ビルド・コング)の一匹を癇癪混じりに潰した事は既に記憶の外だ。

 

 

「さぁて、ガイガー!もっと速く行きますわよ!!」

 

 

 そして動きは更に加速するッ!!

 あまりの惨劇に立ち尽くす、残りの剛筋大猩々(ビルド・コング)の片割れだが、その瞬間、全力のブーストを仕掛けたガイガーが奇襲、肉薄し、その顔面にガイガー・クローを突き刺して、そのまま一気に両断されるのだった。

 

 

 

 


 

 

 

「───という感じで、お嬢様の介入で一気に引っくり返って、戦況は一変。その後で他のゴーレムライダー達も参戦して猿の大群は全滅したんだ。」

「マジかよ。」

「……うん。やっぱり、そういう反応するよね。」

 

 

 夕餉の後、『鉄鋼桜華試験団』の小太りな副団長のビスケット・グリフォンは、報告書を片手間に書きつつ、団長のオルガ・イツカに今日の戦闘について話をした。

 ただし、内容にあまりにも現実味が無さ過ぎて唖然とするオルガが、愛飲するコーヒーを思わずカップからこぼしそうになったのを見て、おそらくそうなるであろうと予想していたビスケットも、事が事で苦笑いで返す。

 

 

「でも事実なんだよね。」

「まあ、あのお嬢らしいっちゃ、らしい事だよな。いや、それでいいのか……?」

「……じゃあ10メートルの鉄のライオン──ギャレオンって本当?しかも変形して倍の大きさになったのも?」

 

 

 オルガの傍らにいた小柄な少年、ミカヅキ・オーガスは少し懐疑的にビスケットに問う。

 ただし、お気に入りのデーツの実を食べる手は止めないが。

 

 

「それも本当だよ。そっちはガイガーって言うんだけども、現実は酷い絵面だったよ……」

 

 

 先の旅団級陸皇亀(ベヘモス)戦の時以上に、戦場が文字通り血の海だったらしい。そして白い巨体のガイガーが、返り血で真っ赤に染まっているのだ。

 お嬢様の実験内容は流血ばかりである。(白目)

 

 

「元が白いって言われても、遅れて来て途中から観測してた俺らには判んないけどね……」

「……何か、イザリアの姉御辺りが泣く姿が目に浮かぶな。今ビスケットが書いてる報告書……だよな、それ。猿の討伐辺りとか、殺人現場かと思ったぜ。」

「……この間お嬢に読ませられた『小さなドイルド男爵の華麗な推理』の愉快犯編の内容より苛烈なのは解る。」

「……」

 

 

 ミカヅキが言う『小さなドイルド男爵の華麗な推理』とは、アースガルズ領では密かな推理小説ブームが巻き起っており、その中の推理小説のシリーズ物の1つである。

 頭脳明晰な若きドイルド男爵が禁呪魔法で小さくされて子供の姿になり、姿を隠すため幼なじみの子爵令嬢のところに転がり込んだ先で起きた殺人事件を推理するところから始まる。

 現在11巻。新巻は来月発売予定。

 特に愉快犯編はスプラッタが多い事で知られている。

 

 ……ちなみに、原作はカルディナお嬢様。名○偵コ○ンの『お約束ネタ』を参考程度に、中身はコ○ンの話などとは関係ない、この世界に合った、ほぼオリジナルストーリーとなっている。

 ただ、トリックは魔法の使用を問わず、質がかなり高いものになっており、重度のトリックアンサーが増えている。

 また、時々入る男爵の正体が子爵令嬢にバレてしまいそうになる場面は、読者は毎度ヒヤヒヤさせられるとかなんとかで、トリック方面と情緒面の両方から読者を獲得している。

 中にはトリックをファンレターで売り込む人もいたり。

 なお執筆・脚色担当者は、ネタバレ防止のため、伏せられている。

 

 ──真実は、いつも一つ!!

 

 

「ん?ビスケット、何で顔をそっちに向けて、何処見てんだ?」

「え?いや何でもないや、アハハ……」

「……?」

 

 

 うん、伏せられている。

 そしてビスケットは話題を変えねばと、今書いている最中の内容をオルガとミカヅキに振った。

 

 

「そ、そういえば!お嬢様の鉄のライオンもそうだけど、その前に来た、2機の『巨人』も凄かったよ。」

「……マジかよ。お嬢の他にもそんなのに乗って来た奴がいるのか?」

「……」

「うん……といっても、その2機は戦闘用じゃなく、そのガイガーを造るための作業用みたい。人手が足りないのを見越して、わざわざ持ってきたらしいんだ。」

「……何て言うか、大きな人形を作るために後ろからぶら下げる人……みたいな?」

「高いところの物を作る、足場的なものか?何つうか、スケールがデカすぎて想像が付かねえ。」

「かもね。俺も魔導演算器(マギウスエンジン)術式(スクリプト)刻む時に駆り出されて、その時にしか見てないから、よく解らないけど、かなり精巧に動くね。外観は黒っぽい骨……みたいな。大きさは12~3メートルぐらいのと、20メートル弱、かな?」

「何か幻晶騎士(シルエットナイト)って奴みたいだね。」

「ああ、確か最新型はそれぐらいあるって噂だな。」

「でも、小さい方は丸っこい鎧を着けて、ハンマーを装備してたね。声からしてダーヴィズさん辺りかな?大きい方はフェルネスさんだけど。」

「……あの人、鍛冶師でしょ?何で乗ってるんだろ?」

「……さあ?」

「お嬢の無茶振りでならよくあるこった。他職種が(事故で)巻き込まれる事もあるだろうからな、あんまり気にしちゃいねぇがな……ちなみにビスケット。その2体の巨人の名前って解るか?」

「大きい方のコードネームなら、確か……あ、『G・F』って言ってたね。小さい方は『R・F』だったかな?」

「……『G・F』、『R・F』なぁ。」

「どうしたの、オルガ。」

「……いや、何でもねぇ。ただ何でそんなもん、俺らに言わなかったんだろうなって。」

「そういえばそうだね。ああいうの、試験団(俺達)向きの危険なモノだろうし、いつものお嬢なら廻してくれるはず、何だけど。」

「……もしくはワザと廻さなかった、か。」

 

「「???」」

 

「いや、何でもねえ。邪魔して悪かったな、ビスケット。」

「あ、いやいいよ。」

「さて、今日はもう遅い。もう休もうぜ。」

「そうだね。」

「あ、いけねぇ。お嬢に報告事項があるんだった。ちょっと行ってくるわ。」

「そうなの?」

「つー訳で、2人とも、明日も早いから夜更かしすんなよ。」

 

 

 そしてオルガは、ビスケットとミカヅキと別れ、独りカルディナの部屋に向かった。

 夕餉の後は決まって自室……ではなく、カルディナの専用の実験室に籠るのを知っているため、そちらに向かった。

 そしてノックの後、ひと声聞こえたのを確認し、オルガは実験室の中に入った。

 

 

 

 

 

 

 

 

 ───そして、その3時間後。

 

 

「…………」

「何です?ぐうの音も出ません?」

「……ぐう。」

「……重症ですわね。まあ、仕方ありませんわね。いくらビスケットから聞いた昼間の戦闘に『ガンダム・フレーム』と『ロディ・フレーム』がいた事を聞いて『昔の全て』を思い出した、と。それで自分が仲間をかばって銃で撃たれて死んだことを思い出した、なんて……」

 

 

 そして平静を装いながらも、一番事情を知ってそうなカルディナの元へと直行。

 

 だがお嬢様も、その後の対応が酷い。

 

 オルガが伺いに来た後、一通り話を聞くと、真っ先に『機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ』のシーズン2のオルガ銃殺シーンを見せ、それがやはり事実だった、とオルガはショックを受けた。

 

 

『止まるんじゃ、ねえぞ……』

 

 

「……悪夢だ。」

「ですわね。」

 

 

 自身の死に絵をスクリーンで見るオルガは部屋の隅で体育座りをして頭を抱えていた。

 完全に憔悴しており、正に悪夢を見ているような心境だ。

 

 そしてこの光景を見ているカルディナも、一つ思った。

 

 

(オルガ・イツカ……いえ、鉄華団の面々は、この様子だとどうやら『転生者』の様ですわね。)

 

 

 拾った時から予想はしていたものの、自分の悪い予感が当たったと、こちらも頭を抱えるのだった。

 

 だが、一つ言わねばならない事がある。

 

 

「……でもオルガ、一つ間違っている事がありますわ。」

「……何だよ。」

「貴方が『ガンダム・フレーム』と言ったもの、それは違いますわ。」

「……じゃあ、何だよ?」

「あれは『ガイガー・フレーム』、若しくは『ゴーレム・フレーム』ですわ。」

「随分言い訳過ぎやしねぇか!?」

「理由がありますのよ、理由が。とりあえずその辺りの説明をしますから、此方に来なさい。」

「……ああ。」

「フミタン、お茶と軽いお菓子を。」

「判りました、御用意をします。」

 

 

 

 

《NEXT》

 

 

 

 

 

 

 


 

 

 

~オマケ~

 

ビスケットはガイガーの戦闘中に気のせいだろうか?と思っている事があった。

 

それはガイガーが超高速で戦闘をする度、ガイガーの顔……ではなく、胸のライオン(ギャレオン)の瞳が、不自然にキラキラしているのはどうしてか、と。

それは稼働率が100に近い影響だろう、凄い動きだ、乱反射で瞳がキラキラしている。

きっと光の加減で気のせいだ。

涙目みたいだけど。

そう思いたい。

 

まさか『もっと優しく、ゆっくり動いてぇーー!! 関節、関節が死んじゃうーー!!』等と訴えている訳じゃあるまいし。

 

 

……でもそんな気がした。

 

 

 

その後、戦闘が苛烈になるにつれ、透明な液体がギャレオンの瞳からキラキラとした軌跡を作った。

これはいけない。確か魔力伝導液という、潤滑剤……かな?が漏れたのだろう。

それに全力ブーストの影響で、顎が少し大きく空いてしまった。

もう少し固定強化せねばいけないと思う。

 

まさか『ちょ、心の準備がっ──て、いきなりブーストしないでェーーー!!』と叫んだ訳じゃあるまいし。

 

 

 

……何かそんな気がした。

 

 

そしてビスケットは報告書の下書きに書く。

 

 

・胸部に整備不良あり、要点検。

・胸のライオンがすごい涙目でした。すごい泣いてました。可哀想だから、もっと優しく運用して下さい。

 

 

そして報告書を読んだカルディナは、口に含んでいたお茶を盛大に吹き出した後、「……うそぉ」とガタガタ震えて錯乱するのだった。

 

 

《つづかない》(白目)

 

 

 

 

 

 


 

 

~オマケ take 2~

 

 

・脳内BGMに、Gガンダムの『この心、明鏡止水~されどこの掌は烈火の如く~』のご用意を

 

・そしてカルディナさんの搭乗ユニットは、ジェネシック・ガオガイガーあたりの妄想のご用意を

 

 

───では、どうぞ。

 

 

 

 

 

♪~

 

 

 

 

「──往きますわよ、ガオガイガー! はぁぁぁ……、ハアッ!!」

 

 

カルディナの気合いと共に、G・ガオガイガーの全装甲が『金色の破壊神』へと変貌する!

そして金色に光る右手をガオガイガーの前にかざす。

 

 

「私のこの()が光り輝くッ!!お前を倒せと轟き叫ぶッ!!」

 

 

そしてガジェット・フェザーを展開し、最大戦速でブースト、対峙する陸皇亀(ベヘモス)(師団級)へと突撃するッ!!

 

 

「必殺ッ!ゴォォーールディオンッ・フィンガァァーーー!!!」

 

 

一瞬で間合いを詰めたG・ガオガイガーが陸皇亀(ベヘモス)の頭を最大臨界のゴルディオン・フィンガーで鷲掴みにし、そのまま押し込む。

 

そして───

 

 

 

「───光になれェーーー!!」

 

 

光の奔流(グラビティ・ショック・ウエーブ)陸皇亀(ベヘモス)を飲み込み、光へと還すッ!

 

後に漂う光の粒子が、何もかもを光へと還した事を物語っていた。

 

 

「ふう。」

《……凄い威力ね、お嬢。本当に文字通り『光に還す』って威力だわ。》

「……そうですわね。」

《ん?何か不満?》

「まあ、そうですわね、なんと言うか……原作はもっとコレより凄い絵面になりそうと言うか……」

《……何言ってんの?》

 

 

《おわり》

 

 

 

 

 


 

 

○ギャレオン

ひとまず完成しました。

何かフラグが満載なギャレオンです。

皆さん、どうか可愛がってあげてください。

え?泣き虫なところがある?

知らないなぁ(そして顔を背ける)

ちなみに、整備不良箇所はちゃんと直しましたよ。え?そうじゃない?

 

 

○『G・F』『R・F』

『G・F』は『ガイガー・フレーム』若しくは『ゴーレム・フレーム』の略称です(キリッ)

と、お嬢様は申しております。

じゃあ『R・F』は?

(……否定はしない。)

 

 

○オルガ、ミカヅキ、ビスケット

ついに出ました、鉄華団!

先に宣言しておきますが、彼らが転生者扱いなのは確定です。

他のメンバーも同様です。

なお、オルガ登場シーンで私はようこそ、お嬢様の無限地獄へ!!記憶が戻ったから難易度2倍だヨ(σ・ω・)σ!ようやくオルガを出せた、と思いました。

感無量です。

……ん?

 

 

○ゴルディオン・フィンガー

 

ネタとしては、おそらく誰しも考えていたでしょう。思い付いていたでしょう。

 

けど、遂に『破界王(原作)』がやりやがった!

 

設計者(真犯人)は、雷牙博士。

詳しくはWeb小説版『破界王』で。

 

 

 

 





誤爆事項が多数あるようですが、後悔はない。

だいたいこの作品はこんなノリでお送りします。

そしてお嬢様とオルガの対話は次回。
主に出会いから、試験団として成り立つまでを書く予定です。

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