公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。   作:和鷹聖

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大変遅くなりまして申し訳ありません。
私事ですが前回更新より、引っ越し+職場の結婚式のムービー作成+ネット環境が10月までおあずけ、という環境で更新がままなりませんでした。
ムービーの作成で土壇場でのやり直しの連続は、かなり心にキましたが、喜んで貰えたので何よりです。


そして自分の通信使用量が半端ではない事を思い知りました。
う、動かんッ!!



~前回の続き~

・カインとアベルに出会った。だが既に死んでいる……

・カインがギャレオン(ミニ)と、アベルがウサリンmark-Ⅱに、フュージョンっ!!

・どうしてこうなった!!


Number.11 ~星の彼方より来たりし者達~(3)

───『ヒト』とは何で構成されているか?

 

『体組成は、体脂肪と骨と除脂肪軟組織の三要素に分類される。 身体は「水分・たんぱく質・脂質・ミネラル」の4つの主要成分で組成され、「脂肪・骨・除脂肪軟組織」の3要素に分類出来る。』

 

要は有機物を主とした、生体組織の塊である。

 

有機物である理由は、生存するにはエネルギーを生産し続ける性質を持つ必要があるからだ。

 

故に無機物の生命体は数少ないと結論付け出来る。

 

 

───では、命──『魂』は?

 

実態はない、仮想態はある。

 

ただこんな説もあるらしい。

 

 

───『ヒト』は生まれながらにして『電界の海』を持っている。

 

電界の海とは、電位情報の集合体。電気信号の海である。

 

それらが寄り集まれば、『記録』ないしは『記憶』となる。

 

経験、体験、感情、好み……

 

生物の行動根幹『本能』を中核に、あらゆる情報を一纏め──学習し、ヒトの魂は構成され、人格、性格が形成される。

 

そしてそれらは電界の中枢『脳』に納められる。

 

脳は神経を伝い電気信号が常にで行き交い、『身体』に命令し続ける。

 

故に『魂』は電気信号の集合体と結論付け出来る。

 

 

───では、身体がその機能を停止した時は?

 

機能停止の『身体』と、未だ機能し続ける『魂』が乖離する。

 

 

───では、『魂』はそのまま消滅するのか?

 

 

それは否。

 

乖離した『魂』は総てではないが、その強さが一定以上あるものであれば、そのままでも存在出来る。

 

電界情報集合体(バイオパターン・マテリアル)

 

俗に言えば幽霊──霊魂である。

 

ただし、エネルギーの供給が遮られた状態では、長くは保てず、『魂』は磨耗し、いつかは消滅する。

 

 

「───逆に言うなら、霊魂状態でも正しくエネルギーを供給出来る環境下であれば、幾らでも存在は可能、という事ですわね。」

「そ、そうだね。でもそんな都合のいい環境なんて無いよ?」

「……じゃあ、創れば宜しいのでは?今の話で整理出来たので、ある程度の設計が頭に浮かびましたし。」

「それが出来たら私は、今やってる貴女の研究費を肩代わりしよう。」

「え???今回、これくらいかかっていますが……」

グフっ!……やっぱり半分でいい??」

 

 

(学生時代、とある友人との会話より)

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「───という訳で、『霊櫃』という核を中心に縮小型(マイクロ)魔力変換炉(エーテルリアクター)を使い、霊魂を安定的に固定。そして無意識化での生命循環を利用し、半永久的にエネルギー供給を可能にしたのが、そのギャレオンとウサリンmark-Ⅱ、となります。」

「なるほど。」

「……よくまぁ、そんな事をしますね。」

 

 

カインとアベルの魂を固定化した後、陽が落ちたため、一行はジェイアークの近くに牽引装甲車(ギャリッジ)を中心とした野営施設を設置し、そして焚き火を囲んでの交流の場を設けた。

 

レクシーズやクリストファー、ティ・ガー。

集落より脱出させられ、生き延びた住人達。

 

皆、カインやアベル、アルマ-000(ゼロ)との再開を喜んだ───はず。

 

ただ、当のカイン、アベル、アルマ-000(ゼロ)の3人だが……

 

 

「いや、ライオン1匹にウサギが1羽。この場の代表は……アルマに見えるねぇ。」

「そ、そんな!畏れ多いです!!」

「………」

 

 

ギャレオン(カイン)が頭を掻いて、ウサリン(アベル)は不貞腐れて、人の形をしているのはアルマのみ。

……絵面がどうしてもそうにしか見えない。

やむなく立体映像投影機(ホログラム・シアター)を設置し、カインとアベルの元の姿を頭上に投影する事で落ち着いた。

 

 

「感動の再会のテイク2、行きましょうか?」

「止めてくれ、感動が逆に薄まる。」

 

 

国王(レクシーズ)からダメ出しを受けつつ、

話は戻るが、アベルの『何故こんな処置をした?』より話は改めて始まる。

そしてカルディナは次のように答えた。

 

 

「魂を移し変える前にもお話しましたが、御二人の魂は非常に摩耗しています。非常に危険なので、再生の意味も含め、一時的に保護致しました……というか、しなければ悪霊化一直線でしたわ、御二人の力的に。」

「む……」

「その可能性は……充分にあるね。」

 

 

摩耗し、消耗した霊魂は理性を失う。

つまりは悪霊化だ。

例え三重連太陽系の住人であろうとも、その可能性は充分にあった。

むしろ、よく20年も正気を保てていたと感心出来る。

それ程のエネルギーを有しているのが、目の前の2人だ。

 

 

「とはいえ、何時かは肉体に戻る算段も整えねばなりません。幸い、遺体は保存状態が良かったため、軽度の治療で霊魂を肉体に戻す事が可能です。ですのでその駆体はそれまでの仮宿と思って頂きたいです。」

「……出来るんですか?貴女が言っている事は死者蘇生ですよ?」

「いえ。驚く事にやるのは低体温状態で心肺停止になった患者を蘇生させるようなものです。」

 

 

カルディナがこう言う程、三重連太陽系の冷凍睡眠技術は凄かった。

カルディナが確認したところ、状態は死後すぐと言っていい程の良質の遺体だったのだ。

細胞の崩壊もない。

きっとジェイアークのメディカルマシンが仕事したのだろう。

ちなみに2人の死因は、スライムを焼き払った時に発生した、一酸化炭素であった。

アベルが実験中に研究室にスライムが侵入。

そのスライムを焼き払った、ドヤ顔アベルに爆風と共に一酸化炭素が逆流し、その時にアベルさん中毒死。

異変に駆け付けたカインはその時の余波を食らい、巻き込まれ中毒死。

アルマ-000(ゼロ)の換気&救助対応も空しく2人は御臨終。

 

……ゾンダー戦で倒れた、と言った方が名誉は守れたかもしれない。

 

ギャレオン(カイン)は「いや~、あの時は参ったねぇ」と笑い、ウサリン(アベル)は沈黙をしてそっぽ向いた。

そしてその場にいた者は事の顛末に頭を抱えた。

 

 

───閑話休題(それはいいとして)

 

 

「──なので少しの治癒と肉体の活性化を丁寧にしなければならないので時間は多少かかりますが、問題なく霊魂の定着と蘇生は可能です。」

 

 

本来行われる冷凍睡眠でそんな面倒な段階を踏む必要がないが、今回のケースは魂が抜けている。

冷たい身体に魂を入れても、今度は身体が付いてこない。

定着させるには活性化するレベルまで体温を上げた状態で生命活動が再開する状況を維持しなければ、魂の定着は出来ない。

逆に、それさえ出来れば蘇生は可能なのだ。

 

 

「なる程、理解したよ。」

「素晴らしいです!」

「釈然としないところはありますが……」

「ありがとうございます。」

 

 

3人の了解を得られたカルディナは深々とした。

 

 

「……わかったか?今の話。」

「俺に解る訳ないよ、オルガ。ビスケットは?」

「少し……かな?でも実行するとなると、お嬢以外の魔法使いはまず出来ないだろうね。俺?ムリムリ。」

「……血流と体温の維持が出来れば、あるいは。でもどうやって並列処理を行えば……その前に魂の保存、維持は……」

「……ムル、やる気なの??」

 

 

鉄華団の面々も傍らで話は聞いていたが、とりあえず(一部除いて)真似は出来ないといった様子。

また、国王(レクシーズ)公爵(クリストファー)を始め、王国の関係者達は表情筋が引きつっていた。

死者蘇生関連は、大概国の法律に引っ掛かったりする。それでなくとも『死者蘇生』のワードは見逃す事の出来ない。

カルディナさんの後ろから肩を叩いて「ちょっといいか?(オハナシ)」は待ったなしだろう。

 

……カルディナの背中への視線が痛い。

 

 

 

───閑話休題(いや、そんな事どうでもいいでしょ)

 

 

 

「とりあえず私とアベルの蘇生についてはよく解った。頼れる者が他にいない以上、やってくれると有難い。」

「勿論ですわ。」

「では、カルディナ嬢。次に私の疑問に答えてくれるかな?」

「お答え出来る範疇であれば。」

 

 

今度はカインからの質問だった。

先程のような質問であれば、カルディナはおおよその事を答えるつもりのようだが、カインの疑問はそうではなかった。

 

 

「では聞こう……かつて三重連太陽系で袂を分かったギャレオンが、どうしてここに在るのかを。」

「それは……」

 

 

カルディナは思わず言葉を詰まらせる。

何故ならその答えはカインやアベル、アルマ-000(ゼロ)には非常に答えにくい事情を秘めている。

そして他の面々達も、カルディナの様子を見て思わず口を閉ざしてしまい、空気を読んだものの、結果的には不穏な状況になってしまった。

唯一知らない近衛騎士達、クルシエルの一団は、一変した雰囲気に戸惑いを隠せないでいた。

 

その雰囲気を感じ取ったカインは、迂闊に話せないのかと思ったが……

 

 

「───お話します。」

 

 

その雰囲気を一新したのもカルディナであった。

 

 

「……初めにお会いした時にもお伝えしましたが、あのギャレオンはカイン様のお造りになった個体ではありません、模造品(レプリカ)です。」

「ええ、それはその通りでしょうね。」

「だがギャレオンの存在、そして三重連太陽系の存在を私はレクシーズ達には周知してはない。なら君が知っている、と言っていいかな?(えん)(ゆかり)もないはずだが……私はその知識の出所を知りたい。」

「判りました……ですが、少々不快にさせるかと思いますが、その点はご容赦下さい。」

「……何ですか、その前置きは。」

「どうやらあまり話せない出所の様だね、だが構わないよ。」

 

 

そして鉄華団に指示してモニターやスピーカーを設置、簡易的な上映会の会場を作り上げた。

そして事情を知る者以外がどよめく中、『それ』は始まる───

 

 

 

───デデデン!!

 

 

「「「───!!?」」」

 

 

モニターに映し出された、機械的な装置が蠢く背景に、輝く『GGG』のマーク。

そしてオープニングの、あの音。

その音量に事情を知らない者は全員びっくりする。

 

 

(うん、するよね。)

 

 

クストが苦笑いしながら内心呟く。

というか、クストに限らず判っていないと驚くのは無理はないが、視聴者の心境に構わず『神話』が始まる────

 

 

 

 

8年前───

 

 

「あ、流れ星。」

「ああ、結構デカかったな。」

 

 

雪が深々と降る北海道の地、とある夫婦が車を走らせている。

その時、助手席にいる華奢な妻が夜の寒空に一筋の光が山に消えゆくのを見た。

その光景に、運転席の小太りの男が相槌を打つ横で、小柄な女は静かに祈っていた。

 

 

「ん?何してるの?」

「流れ星にお願いしているの。『私達に子供が授かりますように』って。」

「そっか。」

 

 

この2人は夫婦であり、願いはとてもありふれた、されどこの夫婦には切なる願いだった。

だがその直後、前方から強烈な光が2人の顔を照らした。

それは逆光を放ち、轟音を撒き散らして此方に猛進する巨大な影が。

 

 

「う、うわぁぁぁぁぁ―――!!!」

 

 

驚いた夫が避けようとハンドルを切るが、車は蛇行、そして避けるよりも速く《圧倒的な風圧で飛ばされた大量の雪》が車を阻み、車はその中に突っ込んでしまう。

その衝撃で外に投げ出された夫婦の目の耳に、あり得ない『咆哮』が響き、恐る恐る見上げた。

 

 

───ガォォオオオォォォンッ!!!

 

 

ライオンの咆哮。

その咆哮に反応した2人はすぐに音源の先───前を恐る恐る見上げた。

そこには鋭い爪、白い躯体、獅子を模した大きいを通り越し、巨大───9メートルの巨駆もある、巨大な()()のライオンが。

 

 

「ほ、北極ライオンーーーっ!!?」

 

 

夫が声を上げて驚いた時、鋼鉄のライオンはドンっ!と地響きを上げて夫婦の目の前に伏せ、その大きな口を開いた。

 

 

「く、喰われるぞ!!」

「───あ、待って!!」

 

 

食べられると思い、逃げようとした時に妻が何かを見つけ、夫の手を握り、引き留める。

 

鋼鉄のライオンの開かれた口の中にいた、白い煙の中でそれはキャッキャと笑う者───

 

 

「あ、赤ん坊が、喰われてるぞ!?」

「───っ!!」

「お、おい!!」

 

 

夫の制止を振り切り、直ぐ様に妻は口の中から赤ん坊を抱き抱え、直ぐに離れた。

鋼鉄のライオンはその後立ち上がり、()()()()()()()()()()が火を吹いた後、夜空へと浮かび、光の尾を引きながら空の彼方へとその姿を消した。

 

そして深い雪の中に残ったのは、若い夫婦と夫婦の前に()()()()()()()()

 

呆気に驚く夫婦を他所に、その時無邪気に笑う赤ん坊の髪は緑に輝き、額には緑に輝く『G』の文字が浮かんでいた。

 

 

───8年前のこの日、天海夫妻の元に届けられたこの子供が、全人類の存亡の重要な鍵を握ろうとは、まだ誰一人として知る由もなかった。

 

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

「───う、ううぅぅ……」

「……カイン様。」

 

 

カインはその時、涙した。

傍らにいたカルディナは察し、また事情知る者もその涙を察した。

アニメーションの画で構成された映像が映るモニターに、その人物はいた。

 

 

「……間違い、ない。ラティオ……なんだな。」

 

 

男の赤ん坊。

それはカインの最愛の子───ラティオ。

そしてラティオを託し、別れた相棒──ギャレオンもだ。

 

そんな事で映像はひとまず止められ、カインが落ち着くまでその『間』は続く。

ただこの『間』は別れの悲しみではなく、再会の喜びであるのは間違いない。

 

 

「……済まなかったね、みっともない姿を見せてしまって。」

「いえ。アニメーションとはいえ、御子息にお会いになったのです。ですが……不快、ではなかったですか?」

「いや。むしろ二度と会えない失望感があったからね、とても嬉しいよ。それに君の事情もある程度の予想が付いた。」

「予想??」

「ああ……だが不躾で済まないが、これだけは先に聞きたい。『ラティオは生きているのかい?』そして『()()()()()()()()()()』かな??」

「───!!」

 

 

それはあまりにも直球過ぎる質問だった。

一を聞き、十を知るような、そんな質問である。

質問の内容はカイン自身知りたいと思える事、である。

ただ問題は、どうして()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()……

 

 

(──いえ、カイン様は()()()()()のですわ。)

 

 

正確には、ガオガイガーという映像作品ではなく、()()()()()()()()()()()()()()()()()を。

 

その仮定を立て、ある仮説に辿り着いたカルディナは、カインに事実を告げた。

 

 

「御子息のラティオは、ご存命です。」

「───!」

「そしてゾンダーは『ゾンダー31原種』、ひいては『Zマスター』を御子息が『GGG』という組織と協力して浄解、倒しました。」

「……そうか、そうなのか。ありがとう。」

 

 

そしてゆっくり空を仰ぎ、ポツリと呟く。

 

 

「……あの時の選択は、間違いではなかったか。」

 

 

その呟きは、あの時の敗北を経て、今に至るまでの後悔や不安を払拭出来た証でもあった。

またアルマは喜び、アベルは目を瞑り、「そうですか……」と一言呟くに留めた。

 

 

「……ラティオは、幸せになっただろうか?」

「だと思われます。ゾンダーが殲滅され、その後お嫁さん(公認)が出来ましたし。幾多の苦難を乗り越えて善き友人や大人にも恵まれましたので。」

「ふふ、そうかお嫁さんが───え??」

 

 

戸惑うカイン。それはもう戸惑う。

 

 

「え……お嫁さん??8年前と書いてあったから7~8歳、その翌年に8~9歳でお嫁さん??」

「はい。」

「まさかデキ婚??いやそんな事は、だがもしそうなら……」

「あの、カイン様??子供の約束みたいなものですよ。懐妊したとかそんなものじゃないので……」

「………そ、そうか!そうだよね。」

「……何を想像してるんですか。」

 

 

カインは盛大にほっとする。

というか早とちりし過ぎだ。

んな事あってたまるか、と言いたい。

そんな様子のカインを見つつも、カルディナはカインに先程の疑問をぶつける。

 

 

「あの、もしや三重連太陽系にも内容こそ違うでしょうが、似たような映像記録があったのですか?」

「ん……ああ。多少ながら三重連太陽系にもあったよ。」

「……やはり。」

「我々には『元始情報集積概念(アカシック・レコード)一葉片(ひとひら)』と伝えられている。」

 

 

 

──『元始情報集積概念(アカシック・レコード)一葉片(ひとひら)

 

それは、三重連太陽系に伝えられ、そして実在した情報概念である。

あらゆる万物の現象、事象を収めた元始情報集積概念(アカシック・レコード)

それは人の運命のみならず、一定の事象すらも記録されている。

それが時折、運命の悪戯の如く知的生命体に繋がる時がある。

 

まるで大樹から落ちた一片の葉が、人の手に偶然落ちるように、それは宿るという……

 

そして宿り繋がった情報は()()()()宿主に開示出来る限りの情報を送り込み、見せる。

それも断片的とはいえ、その分野の情報を、数限りなく。

 

それが例え、他次元宇宙の出来事であったとしても、魔法事象でも、超能力でも、日常生活風景でも、巨大な機械仕掛けの巨人達の戦記や、大いなる存在達の聖戦であっても……

 

それらに含まれる、ありとあらゆる映像記録、知識、概念がそこにはあった。

 

ただし、事象・事件が実際に終わっていれば、時間は関係なく出現する事もあるが、しない事もある。

この情報概念の特徴として、送られてくる情報には自然・科学の現象・法則の詳細の他、『事終えた事件・事象』が中心である。

逆に進行中の事象・事件は絶対にない。

また、その表現方法も多次元からの表現事情が採用されているようで、実写、アニメーション、ゲーム形式、3D映像等バラバラだったりする。

一見疑いたくなるようなものだが、実際に起きた事象なのは間違いではない。

 

要は、過去に起きた『事実』が『記録』として出るのだ。

 

 

そんな『記録』を自由に引き出せる能力を有する人物が時折、三重連太陽系には誕生したという。

そしてその情報概念が、三重連太陽系を超科学文明の極みへと高めたのだった。

 

 

「そ、それは……まさか!」

「む。その様子だとカルディナ嬢。君が有しているのかな、その『一葉片』を。」

「……恐らくは。私は『脳内書庫(B・ライブラリ)』と呼んでいますが。」

「なる程、良く言い当てている。であれば、ラティオの映るこの映像もそこからか、納得したよ。」

 

 

三重連太陽系があの規模まで拡大したもの、その概念とそれにより鍛えられた科学技術があればこそ。

また、外部からの来報者からの協力も時折あったという。

尚、その来訪者も去った後、その来訪者の『記録』が出たという事が何度かあったりもする。

ただ……

 

 

「まさか私達の軌跡が『記録』となるとはねぇ……」

「そうですね、カイン。流石に私も驚きを隠せませんよ。しかし……」

「……何でしょうか、アベル様。」

「カルディナ。貴女よく今まで正気を保てて無事でしたね。」

「はい??」

 

 

カイン、アベルが言うには、『一葉片』がもたらす情報は、断片的であろうとも、必ずしも知的生命体が脳内で処理し切れる情報量ではないらしい……

 

 

「大概、廃人か狂人になる者が殆どです。過去、耐え切れない者は尽く自ら命を絶ちました。耐え切れた者はごく僅かです。」

「そ、そんな恐ろしいものなのですか??」

「ああ。ただし、無限情報サーキットを利用した補助システムを併用し、情報処理を円滑に行う事で、後年の能力者は凡そ天寿を全う出来たと聞く。」

「無限、情報サーキット……!?」

「君にはGストーン───その原型、前身となるものと言えば判るかな?Gストーンはそれを応用して出来ている。」

「それほどのものなのですよ、『一葉片(それ)』は。」

「………」

 

 

無限に涌き出る情報は貴重である。しかし記憶媒体の容量は有限であってはいけない。

無限情報サーキットはそんな犠牲者を生まないために、そんな経緯で開発されたのだった。

しかしそんな物を使わねば処理し切れない情報量……

流石のカルディナでも絶句した。

まさか!と思いたいが、そうなのだろう。

自分の内にある『脳内書庫(B・ライブラリ)』は、精々インターネット程度の認識しか持っていなかった。

だが蓋を開けると、その正体が元始情報集積概念(アカシック・レコード)

とてもではないがカルディナであっても扱いきれるモノではない───筈だが、現に支障なく

扱えているのは、産まれてからの謎だ。

 

目を閉じるか意識を集中すると、膨大でかつ整理整頓され、綺麗に纏められた背表紙がある広大な本棚があるようにしか見えない『脳内書庫(B・ライブラリ)』。

だが、産まれてから今まで、無限情報サーキットに類する物等は持っていない。

 

 

(……改めて、何なのでしょうか?)

 

 

そして他の面々も呆然としている。

 

元始情報集積概念(アカシック・レコード)の名、概念は一応この地にも存在する。

しかしそれは『神の知識』とされ重要機密扱いだ。

 

鉄華団のメンバーには「お嬢は人間?」から「お嬢は人間辞めてる!」に変わった程度だが、その他の面々はそんなものでは済まない。

 

特に国王(レクシーズ)公爵(クリストファー)元将軍(ティ・ガー)は思った、「無理に付いてきて良かった」と。

検証は少なからず必要だろうが、これは箝口令敷くには充分過ぎる事案。

ましてやカインやアベルが『この星の外』より来訪した存在である事を認知する3人にとっては、今話されている事が公開されでもしたら、どのような混乱が引き起こされるか、容易に想像出来る。

 

 

(神の知識とはな……宗教人あたりは暴動ものだな。)

(既にカルディナは非公式だが聖女と認められているんだが、それが霞むレベルとは。)

(だが当の本人はそう思っていないだろうな。万能の知識を持つなら、道理で我々とは感覚がズレる訳だが、人間性は良識なのは助かったよ。)

 

 

とりあえず、箝口令を敷く事とした3人だった。

 

 

「……さて、こんな雰囲気にして申し訳ないがこの映像の先を見せてはくれないかな?私が中断させてしまったとはいえ、続きがどうしても知りたいのでね。」

「あ、ハイ。そうして頂けると助かります……では!」

 

 

ガガガッ ガガガッ ガオガイガー!

ガガガッ ガガガガッ ガオガイガー!!

 

カインのリクエストを受け、カルディナは場の雰囲気を払拭するように『勇者王ガオガイガー』の映像を再開する。

丁度、OPの冒頭であり、遠藤氏の熱いヴォーカルと共に、ガオガイガーのパイロット、獅子王凱とガイガー、そして地球製ガオガイガーが登場、そしてメインタイトルの『勇者王ガオガイガー』が燃える炎と共に現れ、勇者王の神話(マイソロジー)が三重連太陽系の住人に対し、公開されるのだった───

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「……なる程。ギャレオンを受け入れてくれた『地球』の科学者達が、どう奮起したか判ったよ。」

「ですが、カイン。その途中で貴方が変形(フュージョン)する理由はない筈ですが。」

「それは……勢い余ってというか……」

 

 

Number.02までを見終わった後、一息吐く一同。

カルディナやフミタンを含め、鉄華団や国王レクシーズら3人は既に視聴しているが、その他の者達は、いつかのどこかで、であるが『現実に起きた事象』を画にしたガオガイガーに驚きを以て見ていた。

 

そしてカインは、ラティオ───天海護がどう成長をしたか、ギャレオンは誰と共にゾンダーと戦ったかを熱心に見ていた。また、本来ギャレオンと共にファイナル・フュージョンする『ジェネシック・マシン』の代わり──『ガオー・マシン』の勇姿、そしてファイナル・フュージョンのシークエンスも目に焼き付けていた。

 

 

「2年の期間であれまでとは、実に素晴らしい。完全なコピーではなく、自身の文明の機体を流用するとはね。」

 

 

評価は上々。

とりあえずガイガーがフュージョンする場面で、ギャレオンをガイガーへと変形(フュージョン)してしまうぐらいには感情移入してくれたようだ。

ただ、ドリルガオー(ドリル戦車)は流用しているかは微妙に思えるが。

また、ヘル&ヘブンについて、「あんな応用するとは……いや、驚いたよ。」という評価だった。

やはり核抽出の術としては考えられていなかったようだが、カインはどうやってゾンダーと戦う気だったのか?

 

また、アベルは少し不満げで……

 

 

「ジェネシックのコピーというから少しは期待したのですが、強大ではないじゃないですか。」

 

 

どこまでを期待していたのだろうか?

こちらはデチューン化(弱体化の理由)を快く見ていない様子。

まさかジェネシック(破壊神降臨!)を期待していたのか……

 

 

「いや、アベル様。無理ですって。街が焼け野原になります。」

「うん、その通りさ。ジェネシックの出力そのままにしたら、ゾンダーが()()()()()()()()()。それに出力問題の原因は嫌という程説明したろう?」

「……判ってますよ。ですから『Jジュエル』を開発したんじゃないですか。」

 

 

ラティオの対・ゾンダーの力──浄解の力を三重連太陽系が生んだ最強の無限情報サーキットであり、勇気の感情を込める事で膨大な無限の出力を生み出す『Gクリスタル』に宿したのが、『Gストーン』。

そして『Gストーン』をアベルが統治する『赤の星』で出力強化したのが『Jジュエル』である。

出力では

 

Gクリスタル>>>Jジュエル>>Gストーン

 

ぐらいはあるが、浄解能力に至ってはこのベクトルが真逆になる。

 

また、Gストーンが他の2つの無限情報サーキットよりも出力が低いのは、出力を浄解に充てているのもある。

Jジュエルは浄解の力よりも出力に充てている。

Gクリスタルは勇気を注げば無限出力の絶対勝利(絶対ころすマン)品質。

 

尚、Gストーンの設定を初期化(アジャスト)すればGクリスタルに戻る。

人命無視すれば対・ゾンダーにもGクリスタルは使えるが、地球人にはそんな技術がなかったのと、あったとしても倫理感と防御面でやる必要がないのは間違いない……

 

ちなみにカインの愛機たるジェネシック・ガオガイガーではゾンダーには勝てるには勝てるが「え゛!?ちょッまっ!?」と言う程、あっさり核ごと滅してしまうので、人命救助という点ではオーバーキルな代物。故にカインは最適化というデチューンを施した。

それがTVヴァージョン、Number.01からのギャレオンになる。

 

……ちなみにジェネシック・マシンの最適化は間に合いませんでした。

 

 

「ただ、地球人の皆さんもここからアップデートを繰り返し、戦力の増強を図り、最後は原種すら打ち破ったのです。」

「ですがこれでは私の造ったソルダート師団の方が上ですよ。出てこないのが口惜しいですが……」

「あ、アベル様。出て来ますよ、ソルダートJ。」

「──!!」

 

 

ウサミミが「kwsk!!」と反応する位にピコピコ動かすウサリン(アベル)

本人は平静を装っているが、内心とっても嬉しそうだ。

 

 

「そ、そうですか。ちなみに何処辺りから出るのです??」

「既に出ていますよ、ええと……」

 

 

《───目覚めよ、機界四天王よ……》

『ポロネズならここにおりますよ、パスダー様。』

『プリマーダ、もう待ちくたびれましたわ。』

『ピッツァ、唯今到着……。』

 

「ここです!!」

「───|お前(ゾンダー側)かいッ!!!」

 

 

ウサリン(アベル様)、激おこぷんぷん丸。

一瞬、耳の先が鋭角になったのは気のせいだ。

 

 

「J-002……彼も地球に逃げ込んできて、死に場所を求めてゾンダーになったようで……」

「……よりによってソルダート師団最強のナンバーじゃないですか。何たる事───」

「ちなみに勧誘したのは、この方です。」

 

『このペンチノン、直ぐにでも出港可能です。』

 

「……誰です??」

「トモロ-0117です。」

「───お前もか!?!?」

 

 

まさかの奪われたトモロ(生体コンピューター)発見にエクストリーム。

地球に、赤の星所属の味方はいなかった。

 

 

「まあ、この2人は後に成長し、使命を思い出したオリジナル・アルマ───戒道に浄解され、ジェイアークを復活させた後、共に原種戦に参戦しましたわ。」

「───!!では、そこから超弩級戦艦、ひいてはソルダートの真骨頂が見られる訳ですね!」

「……いや、まあ、そうなのですが。」

「ま、まだ何か??」

 

 

興奮するウサリン(アベル)に、カルディナは不穏な雰囲気を醸し出しつつ目を逸らす。

というのも、J-002は劇中を見る限りでも色々やらかしている。

 

・初登場時で街もろとも原種に迎撃行動。この時点で地球勢力──GGGに非協力的。(オイコラ)

・ゾンダークリスタル輸送時の襲撃。そして油断してガオガイガー共々、ゾンダーの策にはまり、行動不能に。ジェネレイティング・アーマーはどうした。

 

etc……まあ、ライバルキャラ的ポジなので、主人公を邪魔するのはある意味仕方ないが、この世界では事実判定を受けている現状、イラッとくるところがあるが、後々……後々ようやく友好的になって共闘体制を構築出来るから、まだいい。

 

 

「……とはいえ、もう少し早い段階で協力的なら良かったのですが。」

「ふん、弱い輩に協力する事が良いとは思えませんが……」

「そう仰るなら三重連太陽系の戦いでアベル様のところ(赤の星)で止められたはずでしょうに。」

「うぐッ!!」

 

 

───赤の星、空中庭園戦

 

ソルダート師団はそこで機界31原種に破れた。

 

と言うのも、元々ソルダート師団は31隻もある『ソルダート艦隊』と共に機界31原種の殲滅を使命として与えられている。

また、対原種対消滅兵器であるアルマをあらゆる障害から守り、排除して原種核まで送り届ける為だけの存在である。

故に、生体コンピューター『トモロ』やジェイアーク級超弩級戦艦共々31体製造された(アルマ、J、トモロの一組で原種一体を消滅させるというのが本来の計画)。

だが、三重連太陽系に於ける戦闘では、これらの存在を脅威と見なした原種側の先制攻撃に赤の星の防戦態勢の整備が対応しきれず、早々に軍団の制御を司るトモロ達がゾンダリアン化される。

更には対原種の切り札にして守るべき対象であったアルマシリーズもそのほとんどが腸原種の餌食にされてしまう。

これにより本来の力を発揮させられぬまま、その身ひとつで原種と戦う事になり、与えられた使命を果たせず散った空中庭園での決戦では、残存勢力と共に対決するも原種の撃破は未遂に終わっている。

壊滅されずに残った一隻はオリジナルのアルマを乗せて離脱し、地球の日本──阿蘇山の火口に隠される。

 

……逆に言えば、ソルダート師団の完成チームを31組ではなく、10組程に抑えてさっさと送り出せば、対消滅を考えなくとも、トモロをゾンンダリアン化されることもなく、恐らくは少ない犠牲で終わっただろう。

それぐらいのスペックをソルダート師団───キングジェイダーは持っていた。

 

キングジェイダー10機で反中間子砲を一斉射、ジェイクォースを3連射程すれば、単純に残り1体の原種を囲んでボコるぐらいは出来た筈。

 

出オチもいいところだ。

 

 

「石橋を叩いて渡るどころか、過剰に叩いた挙げ句、崩落して身動き出来ないところを泥棒に身ぐるみ剥がされた上に殺された戦士集団の様ですわ。どうしてそのような真似を……」

「その通りだよ、アベル。あの時、Gストーンの製造方法を教えろと言った挙げ句、出力が足りないと言ってJジュエルを造ったはいいが、確実に対消滅させると言って時間がないのに31隻の超弩級戦艦を造ると言い張り、止めろと言っても聞かなかったろうに。しかもアルマシリーズは000(ゼロ)001(オリジナル)を造ってから量産型を一から培養……促成処理をしようが育つのにどれぐらい時間を要するか、知らぬ君ではなかろう。」

「そ、そんなタイミングで……!?」

「し、仕方ないではないですか!確実に対消滅させるならその方が確実なのですから!」

 

 

新事実。

アベルは泥棒(ゾンダー)が来てから、目の前で縄を編むような真似(兵器開発)をしていたという。

やるのはいいが、タイミングかなり遅い。

現に地球に逃れたジェイアークに乗せられたオリジナル・アルマこと、戒道幾巳はその時まだ赤ん坊だった。

 

 

「対消滅はロマンです!それが解らないのですか?」

「……そのせいで、ギャレオンだけしかチューニングが間に合わず、ジェネシック・マシンはGクリスタルの整備場に封印、四方八方手塞がりになって、ラティオを泣く泣くギャレオンに託し、ギャレオリア彗星に放逐するしかなかったのだよ。」

 

 

どうやらジェネシック・マシンが間に合わなかった理由は、これのようだ。

すごい根に持っている。

しかしガイガー(カイン)が身を震わせている傍ら、アベルはバツが悪そうにしている。

 

 

「……仕方がないじゃないですか。それに結局私達は負けたのです。ですが、安心なさい。三重連太陽系が例え滅びようとも、私が開発した『ソール11遊星主』があれば、既に三重連太陽系の再生は開始されて───」

「───アベル様、それはアウトです。」

 

 

だがアベルの言葉をカルディナはきっちり遮る。

うん、それは駄目だ。言ってはいけない。

 

 

「……な、何故、ですか???」

「実はですね、そのソール11遊星主は確かにゾンダーが滅びた後、活動を開始しました。」

 

 

TV版ではなく、OVA(FINAL)の話である。

 

 

「ただ思い出して下さい、ソール11遊星主は再生活動をする際、何をします?」

「もちろん、宇宙を再生させます。三重連太陽系の宇宙は滅びつつありました。優先すべきはそこからです。」

「その通りです。では、()()()()()()()()()()()()調()()()()()()()()()

「それはもちろん、宇宙から───」

「───ちょっと待った。」

「はい、カイン様。」

「……その宇宙の材料───暗黒物質は容易には創れない。であれば他から調達する他ない。故に私はその計画に反対した筈だ。」

 

 

そしてソール11遊星主に対抗すべく開発されたのが、ジェネシック・ガオガイガーである。

そもそも『FINAL』のストーリーの根幹は、ゾンダー出現前よりカインとアベルが対立していた『三重連太陽系消滅に対してどんな手段をとるか』である。

カインは三重連太陽系からの脱出・移住。

アベルは三重連太陽系そのものの復活。

 

だが崩壊する三重連太陽系の復活には、リスクが伴う。

 

 

 

「ならば、その調達先は……」

「もちろん、御子息のラティオ様がいる銀河系含む宇宙ですわ。」

「「───!!?」」

 

 

衝撃の事実をさらりと口にするカルディナ。

そしてアベルは気付いた。

 

 

 

……カルディナの目が、全く笑っていない。

 

 

それどころか、これから屠殺場に向かう家畜を見るよりも無関心な目をアベルに向けていた。

 

 

 

「……アベル様。色々お話ししましたが、結局のところ色々やらかしているのはアベル様、ひいてはその系列に在る者達ですわ。そんなアベル様が最後に、ソール11遊星主をそのように肯定する等……私の琴線に触れているとお解りになりませんか?そして1番それを口にしてはならないお相手が目の前に居る事を、御自覚した方が宜しいかと。」

「───!!!!!」

 

 

アベル様、自覚。

されど、時遅し。

 

ゾンダー殲滅を確認したソール11遊星主は行動を開始した。

だが暗黒物質調達先を、ゾンダー殲滅の立役者──地球、彼らが住まうその宇宙に目をつけたのだ。

無論、承知の上で。

 

 

『共存は出来ないの!?』(by.護君の直訴)

『三重連太陽系復活のためには、仕方のない事です。』(by.パルス・アベルの塩対応)

 

 

三重連太陽系の仇を討った恩人相手にこんな事を言った後、ガチで暗黒物質を吸い出し、崩壊の危機に陥れたのだ、光にされても文句は言えまい。

現にソール11遊星主はGGGの人類の叡知と勇気ある誓いの下に発動した天罰降臨(ゴルディオン・クラッシャー)によって、光になった。

人類舐めんな!

 

──そして今も。

 

 

 

「……アベル。」

「カ、カイン……??」

だから言ったじゃないか、絶対に絶……ッッ対に止めなさいって。あれは絶対に他星だけじゃなく超規模で迷惑かけるからと。それなのに1番の恩人たる地球の人々が住む宇宙に対し何をするというのかな?恩を仇で返すとはこの事だよ?挙げ句に私の息子に対し、いったいナニをしてくれているんだね?全裸にマントという、君の変態趣味を治せないのと同じレベルの話で。

「そ、それ今関係ないじゃないですか!?」

「君の意見は最早関係ない。私を含めた関係者がどれだけ迷惑を被ったかだ。」

 

 

烈火の如く、然れど明鏡止水の極致に至ったようなカインこと、ガイガーが満面の笑み(眼のハイライトは無し)で目に見えて強力なGパワーを放出してアベルを見下ろす。

流石のウサリン(アベル)も腰を抜かし、アワアワしているだけであったが、辛うじて最後だけはツッコミを入れた。

だが、怒りが頂点に達しているカインには関係ない話だ。

 

 

「……だから少しは痛い目に遭って貰おう。

ファイナル・フュージョンッッ!!!

 

 

───ガイガー(カイン)が、ファイナル・フュージョンを告げる。

その瞬間、ガイガーがEMトルネード(に似せた濃密な水蒸気の霧)を噴射しながら高速回転し、ギャレオンの開かれた口が光輝く時、EMトルネードの壁をドリル重戦車──ドリル・ガオーが、500系新幹線──ライナー・ガオーが、ステルス爆撃機───ステルス・ガオーが突き破り、馳せ参じたッ!!

 

ガイガーの下半身が反転し、ドリル・ガオーが回転衝角を前に倒し、両脚となる。

ガイガーの両腕が背部に折り畳まれた後、胸部に大きく空いた横穴に、ライナー・ガオーが突き刺さる。

ガイガーの背部に垂直落下してきたステルス・ガオーが機体をロックし、ライナー・ガオーの下部から出た()()()にエンジンパーツをせり上げ接続、そこから両拳を螺旋状に回転させながら展開。

最後にガイガーの頭部に黒いヘルムが被さり、フェイスを牙を模したマスクが覆い、額の窪みから宝石がせり出て、流れるGパワーが『G』の文字を具現させる。

 

両拳を突き合わせ、『勇者王』は叫ぶッ!!!

 

 

──ガオ・ガイ・ガーーーッ!!!

 

 

──それは、起源(ジェネシック)の主。

 

──それは我々の望んでいた勇者王の可能性。

 

──魔法により復活した緑の星の指導者。

 

──その名は勇者王ガオガイガーッ!!(Ver.K)

 

 

「「「「────!!?」」」」

 

「……素晴らしい、ですわ。」

 

 

まさかの勇者王誕生に驚愕(もしくは呆然と)する一同。

そしてカルディナは夢にまで見た組み合わせ(カイン×地球製ガオガイガー)に、あまりの感動に落涙。

ウサリン(アベル)は目の前のガオガイガーにジェネシックを見たのか、ガクブルしている。

 

 

「さて……突然で申し訳ないが、少し性能テスト(八つ当たり)に付き合って貰おうか。」

「え──ちょ、ナニを!?」

 

 

強靭な右腕がウサリンの胴体をガッチリ掴み、ガオガイガーは空高く掲げるように持ち上げた。

そして掲げた鋼の拳が、頑強な腕が、互い違いに超高速回転を始め、同時にウサリンも姿が確認出来ない程に超高速回転され───

 

 

 

「───ブロウクン・マグナムッ!!!」

「───ぴやああああぁぁぁぁぁぁ───……!!!」

 

 

ドップラー効果を発揮しながら悲鳴を上げるウサリン(アベル)を山岳の彼方に剛腕(ブロウクン・マグナム)を放つガオガイガー(カイン)

 

 

「うむ、良い性能だね。」

「お褒めの言葉、有り難き幸せですッ!!」

 

 

右上腕に戻って来た剛腕を接続しながら満足げな感想を述べるガオガイガー(カイン)に感涙の涙を浮かべてカルディナは深々と頭を下げる。

 

その一連の光景に一同は言葉が出ず、後に「痛いじゃないですか、何してくれてんですかーーー!!!」と魔導吸気圧縮噴射機(マギ・ジェットスラスタ)を吹かして戻って来たウサリン(アベル)と再びいがみ合うガオガイガー(カイン)

 

それは国王(レクシーズ)が仲裁するまで続いたという。

 

 

 

《NEXT》

 

 

 


 

 

 

○魂のお話

自分が思う空想理論を一筆、つまりそういう事です。

ちなみにこの話の理論が、後のストーリーにリンクしています。

何が?と思うでしょうが、お楽しみに。

 

 

○Number.01とカイン

書きたい話の五指に入る内容、その1です。

生き別れた息子はどうなった?の最大のアンサーになるかと。

直接は会えませんが、ちゃんと生きている証明をしていると思いますがどうでしょうか?

また、当作品の特徴でもある『その作品に出ているキャラに見せる』が1番生きるところだと思います。

カイン、泣いていいんですよ?

 

 

元始情報集積概念(アカシック・レコード)一葉片(ひとひら)

過去に全て起きた事象を集約した集積記録の塊。

掲載された内容はどこかの次元で過去に実際に起きた事象……という、脳内書庫の大元設定。

ただ、『一葉片』の通り、開示されている情報概念は一部であり、例えば存在する者の運命記録等は管轄が違うため閲覧は出来ないです。

カルディナに公開されている情報は、過去に超次元観測された情報を他次元の生命体に受信させて2次元情報に興した記録の他、地球で作成された法則、メディア情報が主。

これらは高次元体の崇高な超次元観測記録《/s》という神々が集約するのが面倒な自分の観測記録を人間に無理矢理押し付けて《/s》インスパイアさせて、あえてアニメーションに興させたもの。

なので、基本的には『アニメ』の体裁なのです。

………という、ある種『イワーク状態』な恐ろしい側面を含む設定。

 

 

○アベルさん

……ここで特筆する事はないですが、書くと出るわ出るわの、やらかし履歴。

まさに『お前の罪を数えろ』状態。

生存していたら確実に叩かれるのが、ソール11遊星主の案件。

地球での生存フラグはないでしょうね、きっと。

 

 

○カイン×地球製ガオガイガー

書きたい話、その2。

カインが生きていて、地球製ガオガイガー(正確にはガオーマシン)にF・Fするシチュエーション。

今回はアベルさんを泣かす程度に。

ちなみに「ヘルアンドヘブン・ウィータ」も出来ますが、現段階では両者共に駆体が耐えきれないので見送り。

 

……でも、ツッコミどころはそこじゃない。

 

 




以上(3)ですが、まだ続きます。次の(4)でカイン、アベルとの会合は終わります。

……ここの話、楽しすぎて止まらなかった。

ちなみに執筆中、声優の小林清志さんが勇退しました。
偉大な勇者の一人に敬礼(*`・ω・)ゞ

そして我々は信じている……

───貴方が『スパロボ30』に出演している事を!!
(知ってる人、誰か情報求ム……!)
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