公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。   作:和鷹聖

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Number.21 ~バエルと禍祓いの焔(3)~

───アグニカ・カイエル

 

300年前の厄祭戦においてガンダムバエルを駆り、モビルアーマーと戦った伝説のパイロット。そしてギャラルホルンの前身となる組織を作った人物。

そして、この世界でも起きた厄祭戦にて幻晶騎士(シルエットナイト)『バエル』を操り、ゾンダーと戦った英雄である。

なお、『オルフェンズ』の作中では名前のみの登場で、容姿などは設定されていない……が、ここにいるアグニカはしっかりとしたキャラクター形成が出来ている。

 

「ちなみにこの姿は、俺の前世とは一切関係ない。むしろ、決別といった姿だ。」

 

『物質瞬間創造高速移送艦サクヤ』の躯体を能力デチューン・戦闘特化した小型GSライド搭載型のアンドロイド仕様だ。

キャラ形成は生来のモノではなく、カルディナが作為的にデザインしたものである。

 

「んで、俺がこの世界に来たのは、今からだいた320年程前になる。」

 

紅茶のカップを一つ傾け、話は始まる。

ちなみに、誰よりも食い付いて傾聴するのはマクギリスであり、他は一歩引いた形であった。

 

生前はさして“戦闘狂”ではなかった彼だが、前の世界ではモビルアーマーが暴走した時には、ギャラルホルンの前身となる集団を組織して迎え撃ち、自らもガンダムバエルを駆って奔走し、討伐した。その経緯は正史と変わりない。

元の世界で死んだ後、この世界に人間として生まれ落ちた原因こそ解らないが、アグニカは再び闘争の中で生きる環境を、魔獣を討てる環境を喜んだ。

残念ながら、こちらに来てからは色々解放され、性格は清廉……どころか戦闘狂、女好き、大酒呑みとなった。

だが、本人は自覚していないが、それ以外はまともである。

 

当初は生身で戦う事に喜びを感じるアグニカであったが、やはりガンダムが恋しいと感じた時、幻晶騎士(シルエットナイト)と出会う。

そしてその設計、開発主任だったのが───イザリアであった。

 

当時発足したてで、つたない技術、粗悪な整備環境の中、イザリアは完璧な手腕を見せた。

そしてアグニカはイザリアが開発した幻晶騎士(シルエットナイト)のテストランナーに立候補、互いに切磋琢磨し、最終的には短期間でサロドレアクラスの機体を創るまでに至ったのだ。

 

そして2人は自然に相思相愛となり、結婚。夫婦共々幻晶騎士(シルエットナイト)に関わっていたのだが……

 

「丁度その頃さ、あの化け物共が……ゾンダーってヤツが出たのは。」

 

どこからか湧いたのかわからない程、濁流のように押し寄せる機械の化け物の軍勢。

無機物、金属と悉く融合し、化け物となり、蹂躙してゆく。

当然ながらゴーレム程度では歯が立たず、先行量産された幻晶騎士(シルエットナイト)でも決定打はなかった。

何より、無限再生を行うゾンダーには、末端と言えどアグニカでも自身の専用機が歯が立たなかったのだった。

 

そこでアグニカは、自身の専用機を基にかつての愛機バエルの製造をイザリアに依頼する。

アグニカよりもたらされた知識、情報を元にバエルの製造計画は開始。

今までの幻晶騎士(シルエットナイト)より一線を臥す機体となったバエル。

完全なワンオフ機で、その性能はアグニカの技量も合わさり、サロドレアを超えて現在の新型を超えた機体性能を見せた。

動力炉である魔力転換炉(エーテルリアクタ)も連結型にし、スラスターウイングにもそれぞれ一基ずつ、計4基の魔力転換炉(エーテルリアクタ)を搭載した、幻晶騎士(シルエットナイト)開発史上前例のない機体となった。

また、得物である剣も当時の技術を用いて造られた、対・干渉拒絶と鋭刃処理、強化魔法を限界まで施した『超電磁コート』を採用。そしてその魔術回路のそれはブレイブキャリバーの原型にもなっている。

そして何より、阿頼耶識システムの代わりに機体と同調を果たすべく考案されたのが、悪魔バエルとの霊的リンク。バエルがアグニカと機体の仲立ちをすることにより、当時の魔導演算機(マギウスエンジン)の処理能力を遥かに超えた機動性を持つ、これまでにない機体となった。

そしてこれらは天使、悪魔とマシンを仲立ちする『霊櫃』の原点でもあり、カルディナ達が初期に開発したガオガイガーの原点に当たる。

そしてこれらの情報をさり気なく伝えたのがイザリアであった。

 

そして戦場に向かったガンダムバエルは命ある者達にとっては『英雄』、ゾンダーにとっては『悪魔』ともといえる活躍をした。

ゾンダー側からの干渉を押しのけ、独楽のように激しく回転しながら振るうバエルソードが外皮を削り取り、露出したゾンダー核を突き砕き、出会うゾンダーを悉く葬り去る。

核のエネルギーが爆発する前に、群れに投げて誘爆を誘い、幾重も狩り続けた。

浄解のないこの時には、そもそも核に封じられているのが人である事を知っていたのはごく一部で、アグニカは偶然その光景を見て知った。

ただ、例え知ったとしても、解呪手段がないためアグニカは容赦なく処する方針を執っていたのは間違いない。

そして幾日も幾日も狩り続け、人手が足りないとこの世界でも七人の仲間達と共に組織した機動部隊で迎撃に当たらせた。

だが7人はアグニカ程規格外ではない戦力で、かつバエル以外のガンダムフレームを模した幻晶騎士(シルエットナイト)が造られるもアグニカ以外は途中撃破され、バエル以外は残らず破壊、もしくは取り込まれた。そしてその屍をも破壊───

 

「──まではいかなかったなぁ。途中で俺もバエルも隙を突かれてな……落とされた。」

 

多勢に無勢な状況で支援すら難しい環境で、絶対絶命の状況に陥った。

 

「その時だ、()()が出てきたのは。」

「アレ、とは……??」

「『灰の竜』。一部の世間様ではそう呼ばれているヤツさ。」

 

 

───『灰の竜』

 

この世界のありふれた伝承の1つにある“幻の獣”。

時に愚か者へ厄災となりて、時に気まぐれに誰かを助け、時に阻むモノに対しては咆哮1つで全てを滅ぼす、絶対不可侵の獣。

しかし世間では存在の是非すら怪しい、けれどもどの宗教をも超えたお伽噺になっている存在。

だがギャラルホルン、しいてはカイエル教では『灰の竜』は禁忌の存在、仇なす存在とされている。

 

「ただ単にアグニカ・カイエルを神聖視したい勢力がそう定めただけでしょう。あれを認めたらカイエル教のような宗教団体はその存在価値が失われますし。まあ、災厄の塊である事は認めるけど。」

「何でわかるんだ、お嬢。」

「私も実際に会って敵対しましたから。」

「ええ……」

「行動原理から言って、たまたま散歩の途中に、たまたま悪い気配を感じて、たまたま通り掛かりにゾンダーを殲滅させた、というのが妥当では?」

「ま、その通りだろう。俺はそのついでに助けられたって事だ。」

 

圧倒的であった。

振るう剛腕はゾンダーの浸食を遮るばかりか、一方的に潰し、爆発するゾンダーの影響をものともしない。

挙げ句に咆哮は瞬く間にゾンダーを組織崩壊させるものであった。

最後に残った鎧を纏った人物らしき存在と、巨木の幹より異形の顔を覗かせる存在が『灰の竜』に襲い掛かるものの、鎧の人物は瞬殺、異形の顔には第二形態に変化して迎撃、どちらも滅する事が出来ず、取り逃がす形となったが『灰の竜』の圧勝となり、その御身はその場から飛び去った。

そして平和が訪れた。

 

しかし、問題はここからだった。

 

戦果の公表について、全てアグニカの手柄にしようとする勢力と、戦果の大半は『灰の竜』と主張するアグニカの一派による対立が起きた。

もちろんアグニカ自身も多少の戦果は挙げたものの、大半以上は『灰の竜』によるものと自覚、そして、アグニカ自身はそんな事はどうでもいいと考えているが、何故かそんな下らない論争が出ていることに疑問しかなかった。

 

後に判明した事だが、後に厄祭戦と称される今戦の影響力は甚大であった。

それこそアグニカを王に国を立ち上げようとする動きが急速に形成されていった。

 

だがアグニカの一派はそれらを全て無視し、それでもしつこく付きまとう勢力には『灰の竜』の事を突き付けるも、アグニカを担ぎ上げたい勢力は止まらなかった。

 

「どういうこった?本人が嫌がってんのに、無視するように強行するってのは……」

「『人間が成し遂げた』。そう宣伝したかったのでしょうね。300年前のこの地域の人間の地位は、実は他の種族に比べて低かったのです。特に特徴も個性もない種族ですから。」

「それに、幻晶騎士(シルエットナイト)ってのは、元は魔獣に対して攻勢環境を形成するために開発されたものなのよ。そして当時の幻晶騎士(シルエットナイト)の開発主導者は人間(ヒューム)、ドワーフ、ハーフリングと多様にいたけど、最たる中核はエルフだったからね。」

 

魔力転換炉(エーテルリアクタ)の開発元である以上、その強権は揺るがななった。

だが、その強権を誇示したい人間(ヒューム)にとってはまたとない機会であったが、それが空振ろうとしていた。

そして痺れを切らせた勢力が予想を超えた手段を取った。

 

それが─────アグニカの殺害。

 

 

「酒の席に誘き寄せられて、まんまとやられたのさ……様ァない。」

 

典型的な手段であったが、それを見事にやられ、深手を負ってしまったアグニカは命辛々逃げ延び、けれども逃げた先にいたイザリア、エリザベート、バエルの前で命を落とした。

そしてそれを妻であるイザリアの仕業と公表し、彼女を追い立てるも、姉のエリザベートが激昂し、追撃者達を殲滅しながら逃げ延び、亡骸はとある場所に埋葬、そして魂はエリザベートの魔法で肉体と分離、およそ250年の時間を生きる事に。

流石のアグニカも苦笑いだ。

ちなみに、この頃合流したエリザベート。周囲にその存在は認知されていないが、その所業は苛烈の一言で、イザリアの悪評の9割以上がエリザベートの所業である。ただ、イザリア同様、愛する者を失った悲しみから来る衝動、復讐心が原動力なので、その心情は察するに余る。

また、そのせいもあって、この地域の幻晶騎士(シルエットナイト)開発が廃れてしまい、技術者も解散、そしてゴーレムが主流となった。

 

「んで、俺達はツテを元にアースガルズ家を尋ねようとしたら……カルディナ嬢が化け物に───ゾンダーに襲われているところに遭遇した。あれは因果を感じたさ。」

 

幼いカルディナのゾンダーとの会合。

機界融合をする前のゾンダー人間の状態あったがため、エリザベートがギリギリ倒し切る事が出来たが、次はそういかない事をアグニカは予感し、それに因果を感じたアグニカは、カルディナに助力する事決め、以後はエリザベートの肉体を借りて指南役に。

イザリアは銀細工師として、カルディナの工房の職人として働く事に。

尚、カルディナがアグニカ・カイエルの事を一切口にしなかった事も、イザリアが既婚でアグニカの妻である事も口にしなかったのは、アグニカの話で嗚咽を必死に殺しながら、彼の胸の中で泣く気丈な筈のイザリアの姿を見れば、その経緯と悲惨さが想像出来る。

 

「つー訳で、俺はギャラルホルンを滅ぼす事を第一に、カルディナと協力体制を結び、ゾンダーに対しても対応する事を決めている。なんせ俺が造ったギャラルホルン(幕引きの存在)が手を離れて、いつまでも人様に迷惑かけてりゃ……滅ぼしたくもなるだろ。」

「……話は判った。でもよ、お嬢。今更ガンダムバエルを造った理由って何だ?」

「第一はGストーン無しでゾンダーと渡り合った機体だからよ。そのポテンシャルは現行機に比肩するもの、その戦力は私にとっては貴重な存在よ。それを再現し、現行の技術でブラッシュアップさせたらどうなるか……それを試したかったの。それに、アグニカと売買契約結んだから造ったのも一つ。しかも本物のアグニカ・カイエルの魂を持つ存在が乗ったバエルがギャラルホルンを滅ぼすシナリオが面白かったから。当初は独自に動くって言ってたけど、ゾンダーが活動を始めたから、そうもいかなくって……結局、別口であいつらに揺さぶりと個別撃破をやってもらう為にバエルを製造、託したってところね。あと、嫌がらせも兼ねてるわ。」

「……なるほど。」

 

前半は真っ当であるが、後半は相当酷い理由だ。質問したオルガは若干引いた。

だが、非常に効果的とも言える。自身のシンボルを無断で使われた挙句、無常に狩られるのだ。

ちなみにアグニカさんは狂信者であれば、女子供でさえも平気で骨を折り、蹴り飛ばせる人物です。

最早、アグニカに現行のギャラルホルン、カイエル教を『許す』『存続可』の文字はない。

 

「……という事で、納得していただけたかしら、マクギリス。バエルに乗りたかったら、アグニカを説得する事ね。売買契約は既に彼と結んで完了していますから、私には所有権はないの。後の話は彼として頂けませんでしょうか?」

「……俺は───」

 

その時であった。

 

「───!!」

 

カルディナの白い髪が突如、暁に染まった。

それと同時にクストとムルから通信が入る。

 

《お嬢、ゾンダーだ!》

《数は2、前回と形状が似ています!進行方向はまっすぐこっちに!》

「ええ。私も感じたわ、形状が似ているって事はグレイズタイプ……今行きます。すいませんがお話しはこれで中止させて頂きます。討つべき敵が来ましたので。」

「まさか……ゾンダーか?」

「そうです、アグニカ。」

「なら俺も行こう。新たなバエルの力、奴等に見せてやる良い機会だ。」

「解りました、では───」

「───待ってくれ!」

 

そこで声を上げたのはマクギリス。

うつむくマクギリスはゆっくりと顔を上げ、ア

グニカを、そしてカルディナを見る。

 

「どうした?もしやお前がバエルに乗る、とか言うなよ。」

「……そこまで恥知らずではないですよ、アグニカ。そうではなく……その戦い、私達にも見せて頂きたい。」

 

その顔には感動や憧れの色眼鏡が掛かっている様子はなかった。

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

 

「──ウリィィィィィィィーー!さあ、存分に暴れるのだ。」

 

 

高台より進軍する2体のゾンダーを見下ろすのは、機界四天王が一人、船員に扮したペスカボートである。

巻き舌のような独特の奇声を上げて、ゾンダーメタルと機界融合したゾンダーを観察していた。

 

「ポレントスやピッツオ・ケリーの言う通り、機界融合には良い機械人形だ。こんな機械文明のない星にこれ程のものがあるとは僥倖と言える。人形のデザインが私の趣味ではないが、プレザーブから受け取ったゾンダーメタルで、私が機界昇華を成し遂げよう。ウリィィィィィィィーー!」

 

アースガルズ邸襲撃後、機界四天王のピッツッオ・ケリーとポレントスは、機界融合の優れた素体として着目したのがグレイズであった。そのグレイズの足取りを密かに辿り、彼等はグレイズの保管場所の()()を強襲、強奪に成功する。そして貴重な素体を四天王内で分け、プレザーブの調整するゾンダーメタルを待って、今日に至る。

 

保管場所で捕らえた騎士を取り込み、遠慮なく進軍するグレイズゾンダー。

しかし進行を阻止すべく、2つの影が舞い降りた。

 

《──ファイナル・フュージョン、承認!!》

《承認、受諾。ファイナル・フュージョン、プログラム───ドライブ!!》

「参ります───ファイナル・フュージョンッ!!」

 

白銀のEMトルネードが巻き上がる中、鋼鉄のライオン(ギャレオン)と5体の機獣(マギウスマシン)達とファイナル・フュージョンし、カルディナと一体化するのは───

 

「マギウスッ、ガオ、ガイガァーーッ!!」

 

異界の勇者王、マギウス・ガオガイガー。

 

そしてもう1体。

空より舞い降り、青白い焔をスラスターより翼と見間違う程に吐き出す白い悪魔───

 

「お前の力……今一度見せろ、バエル!」

《──Yes,Master.──》

 

Gストーンの力で、新たなる力を得たガンダムフレーム、ガンダムバエル。

 

今、(ゾンダー)を屠る2体の悪魔が降り立った。

 

「ウリィィィィィィィ!?あれがプレザーブやピッツッオ・ケリーが言っていた、カインの遺産!そしてもう1つは……ポレントスが過去に交戦した機械人形によく似ている。どちらとも厄介だが……それだけだ、やれ!」

 

ペスカポートが指示を出すと、2体を視界に入れたゾンダーが、襲い掛かるため走り出した。

だが……!

 

《──そう愚直に来られましたら……!!》

《真正面から迎えに行こうと思うのが礼儀と言うもの!!》

 

マギウスがブロウクンマグナムを、バエルがエイハブ粒子砲でお出迎えをし、ゾンダーバリアを展開したグレイズゾンダーの片方の頭部をブロウクンマグナムが抉り取る。

もう片方はゾンダーバリアでエイハブ粒子砲を遮るが、照射し続けるバエルがスラスターを全開に突出する。

 

《それじゃあ新生バエルの力、味わって貰おうか!バエル、ヒールバンカー、セット!》

《Ready.》

《まずはそのバリア───蹴り崩す!!》

 

スラスターは全開のまま、体勢を翻し、右足を突き出す姿勢で突貫する。その踵にはバンカーが仕込まれており、バリアにそのまま突撃して推力のままゾンダーごとバンカーを発動、蹴り破り、ゾンダーの頭ごと破壊する。

 

「馬鹿な!?ゾンダーのバリアはレプリションフィールドと同じ原理だ。レプリションフィールドと通常空間の反発力を利用し、強力な力場(ポテンシャルカスケード)を形成しているはずだが、あの程度の鉄塊で貫かれる道理など……!」

 

《強力なGパワーを局所発現しているドリル・パイルバンカーですわ。それをレールガン(ダインスレイヴ)と同じ理論で放っているのです……効かぬ道理はございませんわ!》

 

レプリションフィールドと言えど、エネルギーの大元である素粒子Z0の対消滅対象のGパワーを収束した一撃は阻む事は出来ない。

態勢を崩したゾンダーに、バエルはあえてバエルソードを抜き放ち、ゾンダーの両腕を斬りつけた。

 

《……こいつはこちらで起きた厄祭戦当時のレシピで造られた剣だ。ああ、やはりイザリアは良い仕事をしてくれていた、良い切れ味だ。だが、それでも厄祭戦の時は奴等には及ばなかった……俺も、イザリアも。》

 

バエルソードより、青白い焔が轟々と吹き上がる。

それは魔法の術式と科学理論を併せ生まれたバエルソード。

幾重にも重ねた付与魔法を用いた剣をベースに、魔法により再現したプラズマ切断原理による超電磁コートを用いた脅威の武器である。

これにより、過去の厄祭戦にてバエル、そしてアグニカは『禍祓いの焔』と呼ばれていた。

しかし斬りつけた腕が直ぐ様再生する様を見て、アグニカは舌打ちする。

その舌打ちは、自身(アグニカ)(イザリア)の無念を再認識しているようにも感じられる。

だが休む暇を与えない斬撃がゾンダーに加えられるが───

 

───ビキッ!

 

更に剛胆堅固なバエルソードにヒビが入る。

精霊銀(ミスリル)やレアアロイ程ではないが、最硬度の鉄を芯にした魔術回路を併せ持つバエルソードであるが、青く燃える焔(高エネルギーの超電磁コート)を展開しながらの並列稼動では、アグニカの技術と当時のガンダムバエルの能力の前に、そして今のガンダムバエルの出力で振るうには、剣の完成度が足りなかった。

これが当時の限界である。

 

《……だが、ありがとうよ。お前のお陰であの大戦を生き延びる事が出来た。そして今は──!》

 

バエルソードをマウントし直し、次いで両腰に大型の鞘に収められた二振りのブレイブキャリバーを抜き放つ。

翡翠色の刀身が煌めき、その無念を晴らすようにブレイブキャリバーがGパワーを抱き、燃える焔のように光る。

 

《……バエル、阿頼耶識のリミッター解除。ブレイブキャリバー、魔術回路起動!》

《──Yes,Master.》

 

アグニカの強い想いに、バエルの双眸が激しい光を放つ。

そしてバエルの機体が掻き消えた瞬間、ゾンダーの周囲に剣を振りかぶる無数のバエルの機影が現れた。

 

《──終わりだ。》

 

あまりの速さにバエルが分身したようにも見える程の速さで、一瞬の内にゾンダーを断ち斬るバエル。

腕、脚、頭、胴体───を即時に斬り伏せ、最後に残ったのは妖しく点滅するゾンダー核。それを鷲掴みにしてバエルは放り投げる。

 

《ふん、呆気ないな。さて……頼むぞ。》

 

そしてその先には、あらかじめ待ち構えていた、浄解モードのクストがいた。

 

「は、はい!クーラティオー────!」

 

浄解を発動したクストが、ゾンダー核を浄解する。

ゾンダー化を解いた後、涙ながらに感謝するギャラルホルンの騎士が現れる。

その様子の一部始終をアグニカは凝視する。

 

《……ゾンダー核、そしてあれが核を人に戻す方法、か。まあ当時の俺らにはどうする事も、手段もなかったが……まあいい。今は奴等に対抗出来る力がこの手に出来た事を喜ぶか。》

 

大切な存在がゾンダー化しなければ───

アグニカはそう胸に刻む。

 

「ヴ、ヴリリリィィィーーーー!!まさかあんなヤツに倒されるとは……だがもう1体、本命のゾンダーがいる、それがお前達を───」

 

《──ウィーータァァァッ!!!》

 

《よし、撃破だ!見事、カルディナ!》

「……お、終わった、だと??呆気なく……おお、覚えていろぉぉぉーーー、ヴリィィィィーーー!!」

 

振り向いた瞬間、マギウス・ガオガイガーの光の奔流(ヘルアンドヘヴン・ゼロ)により、呆気なく消滅させられたゾンダー。

ちなみに途中経過は割愛するが、語るには可哀そうな程、ゾンダーは再生機能が追い付かない程にボコボコにされていた事を記しておく。

そしてアグニカも称え、その光景を目の当たりにしてしまったペスカポートは、撤退を余儀なくされ、地面に同化して退却したのだった。

 

《……何か呆気ない戦いでしたわ。単なるゴリ押しだなんて、何かゾンダーらしくないというか……まあ、()()その方が助かりますわ。》

《お前の方がゴリ押しだった気がするが……何だ、本来はもっとややこしいと聞こえるぞ?》

《酷い搦め手と、超科学の精密なパズルを解くような戦いをしてくるような奴等ですので……今はまだしないのか、出来ないのか。詮無き事ですが……あ~、また地形が荒れましたわ。致し方なし……さてムル、浄解を頼みますわー。》

《わかりましたー。》

 

ムルがゾンダー核の浄解を終える事で、今回の戦いも無事勝利するのであった。

 

 

……そして、戦いの一部始終を画面越しに観戦していたマクギリスを始めとしたギャラルホルンの面々は、その戦いに深い衝撃を受けていたのだった。

 

 

 

◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇ ◇

 

 

「───は??バエルを諦める??本気かよ……」

「ああ、本気だとも。」

 

ゾンダーとの戦いの後、荒れた土地を均すため総出で地均しをしていた最中、オルガは同じ作業をしていたマクギリスの言葉に驚いた。

流石に人手が足りないため、比較的協力的なギャラルホルンの人員を選抜し、作業に当たらせている最中の事であった。

流石に他の者達も驚いていたが、作業をしながら、その声に耳を傾けていた。

 

「その心変わりした理由は何だ?」

「単純な話さ、バエルにはアグニカがいるのに、私がそこに入る余地はない……いや、入る必要がないからだ。」

 

そんな理由に、納得したような、何か引っ掛かるような、そんな感じしたオルガであったが、大概他の者達も一緒であった。

だが、マクギリスにとっては重要な事である。

 

「私にとって、アグニカやバエルは幼き頃の憧れであり、ギャラルホルンの象徴……つまりは『力の象徴』であり、それ以上に私にとって原点なのだ。それが時を超え、時空を超えて目の前にいる以上、アグニカのバエル(その相棒)を欲する……それは無粋だと判断したんだ。むしろ私はあの戦いを見て、彼に仕える立場になりたいと思い、志願した。」

「おおぅ……大胆な事で。んで、結果は?」

「条件付きで、家臣となる許しを得た。」

 

手に持った鍬を掲げ、喜びを表すマクギリス。

叫びはしないが、感極まる喜びにそうしているのだろうが、傍から見れば疑問しかない行動である。

ちなみに条件は

 

➀所属をアルドレイア王国、アースガルズ家とする。異論は認めない。

②ギャラルホルン教皇国のスパイとなれ。情報も逐一送れ。

③バエルのマスターは諦めろ。こいつは俺のだ。

④細かい指示などはカルディナに従う。あくまで自分は客将である。

⑤他の部下やギャラルホルンの捕虜の面倒を見る事。もちろん裏切りは許さん。

 

である。

それらを全て快くマクギリスは承諾した。

ただし、マクギリスからも一つアグニカとバエルにお願いしをしたという。

 

「何、大した事ではない。私は前世、今世と共にバエル、そしてアグニカ・カイエルの存在を心の支えとして生きて来た。故に『これからも貴方達を奉信し、そして仕えても宜しいでしょうか?』と。」

「何か、アグニカの教官にとっちゃ、碌でもない思いだろうがですが……」

 

散々悪魔、天使達よりブーイングを貰ったばかりだというのに、随分命知らずなお願いであった。

これに対して、アグニカは個人的に催した祝杯の席で答えた。

 

「……一応、俺はお前という存在がどんな生き方をして来たか、カルディナから聞いている。だからお前に敢えて言っておく。『俺は英雄に非ず、ただの人間だ。』そう言ってもか?」

 

今までのアグニカ・カイエルの像を否定するものである。

しかしその言葉を受け取ったマクギリスの反応が違った。

 

「俺も貴方を厄祭戦の英雄と思っていた一人です。しかし先程の話を聞いて、そして戦いを拝見して、ですがそれは俺の……いえ、アグニカ・カイエルを知る全ての者達の()()()()と思い知らされました。貴方は……人間です。必死にあがき、そして懸命に生きた人間です。今も、これからも。ですが俺はそんな貴方を心より憧れ、慕う一個人です。『カッコいい男(アグニカ・カイエル)と、カッコいいMS(ガンダムバエル)』に憧れる、一人の男なのです───」

 

大の男が面と向かって『憧れ』と言い放った故か、アグニカはそれ以上言わず

 

「……好きにしろ。イザリアも、エリザベートも、バエルもそれでいいか?」

「……危害と邪魔をしないってなら。」

「他の奴らの手綱、ちゃんと引いておいてね~?」

《量子波の対策をするなら許可する。》

「ありがとう……ございます。」

 

 

「───となった。」

「随分……恥ずかし気もなく言い放ったな。」

「経緯はどうあれ、私にとっては半生以上憧れた存在なのだ、堂々と『憧れてます(ファンです)』と言っても恥ずかしくない。むしろ誇れるぐらいだ。バエルがいる以上はパートナーにはなれないだろうが、『後は任せるぞ、マクギリス』ぐらいは言われるようにはなりたい。」

 

楽しそうに話すマクギリスに、オルガは言葉を失う。

その表情は、明らかに自分が知るマクギリスではなかったからだ。

昏い陰はなく、まるで少年のような無邪気さだだ。それは憧れの存在がいる故だろうか。

 

「そ・れ・に・だ。アグニカも私も、ギャラルホルン、そしてカイエル教の殲滅を目論んでいる事は一致している。ならば彼の下で戦う事が私の最善だ。それに異論は認めない。」

「……極まってんなぁ。」

「とはいえ、アグニカが客将である以上、私の上司はカルディナ嬢となる。オルガ団長、今回は立場が同じ者として、同僚として改めて宜しく願う。」

「……変な真似はすんなよ。」

「アグニカの名に懸けてそのような事はしない。信頼を勝ち取れるよう、努力しよう。」

「……まあ、頼むわ。」

 

マクギリスから差し伸べられた手を、オルガは握手で返す。

かつての同盟が、今はここに別の形となって結ばれた事に「これも何かの縁か」と思いつつ、オルガは何とも言えないその(えにし)を感じたのだった。

 

「まずはその機会として、クーデリア嬢の問題の解決だ。私もその件を手伝う事になった。」

「クーデリアの……ああ、ドルト商業集落(コロニー)の一件か。」

 

ドルト商業集落(コロニー)の労働者への賃金問題。

アースガルズ商会も取引している商業集落(コロニー)で、その名の通り商業集落(コロニー)ごとに商業製品を製造し、管轄している領主が商品を集め販売、その売り上げを住民に賃金として払っている。

しかし、2~3年前に領主が代替わりした頃から一変、低賃金の支払いが起きた。

領主の説明に初めは渋々従っていた住民達。しかし一向に改善せず、遂に賃金の未払いが起きた。これには住民が怒り、先月ストライキを起こし、現在もそれが続いている。

だが土地柄、アルドレイア王国にもギャラルホルン教皇国にも近いこの地に、両者の介入が入る事は明白であった……

 

そしてこの件にクーデリアが当初配給、炊き出しの人員として志願、小競り合いで負傷した住民達の怪我を魔法で治した事で『聖女』と崇められたのだが、カイエル教の教団員がそれに注目、強制勧誘しようとし、避難してきたのが先日の話。

オルガ達は後日この件に介入し、解決するよう指示されている。

ちなみにシナリオとお膳立ては既に出来ているそうだが……

 

「モンターク商会の力も使うので、準備は必要だがまずはこれを……」

「ん、どした?急に黙って。」

 

ふと、マクギリスの動きが止まる。

深い思考の海にでも入ったのか、その動きはピタリと止まっていたが、オルガの声で正気に戻る。

 

「あ、ああ、済まない。ここに来てから疑問に感じていた事が、ふと浮かんだのでね。」

「疑問?まあ、解らねぇ事だらけだろうが、大概は答えてやれるが……」

「そうだな……では君の意見も聞きたい。疑問は2つある。まずは天使と悪魔の存在についてだ。彼等は何者なのだろうか?」

「──!?」

 

最初から答え辛い質問である。

馬鹿にしているのか、と思ったが当のマクギリスは至って真面目である。

 

「……さあな。俺の認識は人間を超えた滅茶苦茶強い存在で、大半はお嬢の部下。そんで一部はガンダムフレームやモビルアーマーの主要システムの中核。んで俺らの教官もやってるし、お嬢のガオガイガーのマギウスマシンのパイロットもやっている、高次元の存在……つー位か。」

「……凄まじい回答を感謝する。」

 

質問を振っておきながら、マクギリスの顔は引きつっていた。

ちなみにオルガは言っておきながら半分解っている程度の実感である。

 

「私の認識は団長の半分ぐらい……いや、それ以下か。精々魔法的な存在……位の認識なのだか、君達といて、ふと思った。『ずいぶん科学的な存在だ』と。」

「科学的……」

 

言われてみればそうだ。

ガンダムフレーム然り、非常に適合している。

高位次元体の認識然り、()()()と判明しているし、科学文明に拒否感がない。むしろ取り込もうと積極的だ。

マギウスマシン……これは保留。魔法か科学か判ったものじゃない。

 

「……偶然か?」

「混乱させるつもりはないのだが……私もバエルが改めてどんな存在か考えた時、そう思ったので、あえて提示させて貰った。やはり君達も明確には解っていないのか。」

「付き合いは長いが……いざ面と向かって言われるとな。むしろ科学的なのは三重連太陽系の御仁達がいるせいだろうよ。」

「三重連太陽系……超科学を誇った文明か。未知この上ないな。」

 

だが、ガンダムフレームの出所を鑑みると、それだけとは言えない。

とはいえ、それだけで説明もつかない。堂々巡りだ。

 

「……やっぱ解んねぇな。」

「済まない、だがこの話の回答はカルディナ嬢が持っているのだろう。それに急く事でもないので私は私でゆっくり考察しようと思う。で、もう一件の話だが……こちらは君にも関係があるだろう、ドルト商業集落(コロニー)の『お膳立て』についてだ。」

「ああ。そっちは協力者が準備をしてくれてるって話だが……」

「その協力者が、おそらく『アドモス商会』と言ったら君は驚くかい?」

「は……アドモス商会?!」

 

前世、クーデリアが希少金属ハーフメタルの採掘・一次加工、流通と取り纏めるために設立した会社、それがアドモス商会である。

しかし、今のクーデリアはそのような商会を設立しておらず、アースガルズ家に属する彼女にはアースガルズ商会が後ろ盾しているので、わざわざ商会を創る理由も、そしてその名前の由来となった『フミタン・アドモス』との関りも然程ない筈なのだが……

 

「……知らなかったのか。」

「ああ……今、非常に驚いてる。当のクーデリアもおそらく知らんだろう。」

「今のアドモス商会は、商人ノブリス・ゴルドンの持つ『ゴルドン商会』の一傘下商会だ。名前こそ今では無名に等しいが、名の知れた商会には有名で、長い歴史を持つ商会だという。しかし最近独立し、ノブリスの元から消息を絶っている。その影響でゴルドン商会はアドモス商会からの主要取引先を幾つも失い、経営はガタガタ。そして今回のドルトの騒動にゴルドン商会は再起をかけて領主側に付いて暗躍しているようだ。そこにギャラルホルンとカイエル教が介入……ゴルドン商会の上顧客はあちらだからな。」

「ノブリス・ゴルドン……奴もいやがったか。」

「我々と違い、記憶こそ取り戻していないようだったがな。ちなみにアドモス商会の商会主の名は、ヴィータ・アドモスという。」

「ヴィータ……知らねぇな。けどアドモスの姓って事は関係者かもしれねぇって事か?」

「ああ。こちらにフミタン・アドモスを名乗るメイドがいたので、もしやと思ったが、容姿は完全に別人だった。だが……逆に商会主と言われるヴィータは、むしろ『フミタン・アドモス』だった。」

「何……だと??」

 

それは5年程前、マクギリスがギャラルホルン教皇国の領土内でたった一度だけ、見掛けたという。

モンターク商会の行商で、とある街を訪れた時にすれ違った人物───

 

「髪型は───むしろあのメイドと同じ様だったが、容姿そのものは間違いなく私達の知るフミタン・アドモスだった。」

「本当かよ……」

「その時は他人の空似だと流したが、今省みるとその街にあった店舗がアドモス商会を掲げていた事を思えば、無関係ではない筈だ。そして後に聞いた名が───」

「ヴィータって名前か。」

「ああ。しかし今はその街を含め、アドモス商会の店舗は何処にもないので確かめようがない。掴んだ情報がゴルドン商会の傘下店、ぐらいだ……しかし当時の彼女が本当にフミタンで、あのメイドがヴィータなる人物と仮定したなら、ある仮説が生まれる。」

「……今回の一件は、お嬢が全て絡んでるってか?」

「ああ。しかも相当前……カルディナ嬢がアースガルズ商会の商会主となる遥か前の話になる。そんな前からノブリス・ゴルドンを潰す計画を立てていた、という仮説が……」

「嘘だろ……いや、お嬢ならそんなガキの時にでもそんな事を企てても不思議じゃねぇ。でもそうなると一番気になるのが『何でそんな面倒な事をしたのか』、だな。」

「仮に互いの名前の交換した事が事実として、その真の理由、とは……」

 

「「 ……… 」」

 

「ふむ、解らないな。特に名を交換して、その後の我々への不利益が、まったく見当たらない。おそらく個人的な見解によるものか、ノブリスへの目くらまし、か……」

「まあ、お嬢の考えなんて、常にぶっ飛んでる。後で聞けば判るだろう……教えてくれれば、だがな。いたっけな……」

「───あー、オルガー。」

「あ?ビスケット、どした?」

「いや、お嬢の話が聞こえたから教えようと思ってさ……お嬢、ついさっき魔法学園に出かけたよ。」

「……タイミング悪いな。んで、急用か?」

「いいや、何か取りに行くって。」

「あ、そう……」

 

そうしてこの話は一先ず終わった。

 

 

だが、彼らは知る事となる。

 

カルディナの真意と、その理由を。

 

この世界に隠されていた、かつて世界終焉の脅威に怯えた少女の慟哭の種が、とある事件と共に……

 

 

 

《NEXT》

 

 


 

 

《次回予告》

 

 

『ヴィータ』の謎を残しつつ、ドルト商業集落(コロニー)遠征に向け、準備を進めるカルディナ達。

 

その合間を縫って、カルディナは母校の魔法学園に向かう。

 

そこで行われているディバイディング・ドライバーの開発。

 

鉄華団とは別の、多彩な学友達による喜劇と悲劇。

 

果たしてディバイディング・ドライバーの空間座標コードは発見出来るのか?

 

そして意外な人物による『国殺し』の発見とは!?

 

「やめろ!そこから先は言うな!」」

「……言い値で買うわ。」

「ざぁ~んねん!もうみんな聞いちゃった~」

「ちょっと!物騒な事に巻き込まないでよ!」

 

正に喜劇と悲劇である!

 

次回『公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい』

Number.21.5 ~空間を切り開く螺旋(ねじ)回し~

 

 

これが勝利の鍵だッ!!

 

『ディバイディング・ドライバー』

 

 

 


 

 

《現在、公開出来る情報》

 

 

〇アグニカ・カイエル

 

300年前の厄祭戦においてガンダムバエルを駆り、モビルアーマーと戦った伝説のパイロット。そして後にギャラルホルンの原型となる組織を作った人物。

この世界でも起きた厄祭戦にて幻晶騎士(シルエットナイト)『バエル』を操り、ゾンダーと戦った英雄。

なお、『オルフェンズ』の作中では名前のみの登場で、容姿などは設定されていないが、現在のキャラ形成はカルディナが作為的にデザインしたものを使用。

本人曰く「この姿は本来の自分とは決別した姿」との事。

ちなみに、元となったのは『ワイルドアームズ2ndイグニッション』の主人公・アシュレーが、侵食世界カイパーベルト戦を終えた後、アシュレーの精神世界内で復活したラスボス・ロードブレイザーを打ち倒すべく、真にアガートラームの力を発現した『剣の英雄』の姿。

『我、英雄に非ず。真の英雄は今を生きる人々そのもの』を現すため。

原型となった素体は『物質瞬間創造高速移送艦サクヤ』の躯体を能力封印デチューン・戦闘特化した、小型GSライド搭載型の純然なアンドロイド。

食事摂取は一応可能であるが、消化吸収は出来ず、内燃機関で量子分解する必要があるが、飲水・飲酒は制約なく可能。

 

 

〇イザリア・カイエル

 

アグニカ・カイエルの第一夫人で、優秀な銀細工師のダークエルフ。

また、魔法使いとしての腕は姉のエリザベートには遠く及ばないが、幻晶騎士(シルエットナイト)の技術者としても非常に優秀な手腕を持ち、彼女の製作チームで悪魔憑依込みの幻晶騎士(シルエットナイト)製のガンダムバエルを製作出来るほど。

アグニカとは恋愛結婚の仲。

その影響でギャラルホルンやカイエル教に追われ、それを機にその腕を隠している。

ちなみに『フランベル』は旧姓。

 

 

〇エリザベート・カイエル

 

アグニカの第二夫人であり、カルディナの師匠。そしてイザリアとは双子の姉。

アルフヘイム(ソムニウム)に連なる血統の持ち主であり、『実』による変身は数える程しか出来ないものの、世界五指に入るダークエルフの魔法使い。その実力は機界融合前のゾンダー人間を魔法で滅ぼせる程。

アグニカにぞっこんで、イザリアと婚約仲であったアグニカに連れ沿う。

また、アグニカの死後、彼の魂を保護し続けたのは彼女であり、アグニカの為に魂に関する研究も行っている。

 

 

〇バエル

 

『ソロモン』の第一位の悪魔……らしい。

普段の容姿は白髪のオレンジ色の瞳の少女。

その姿は周りの悪魔、天使からは驚愕の視線で見られるほど。

将来の夢は「アグニカのお嫁さん」らしい……???

 




アグニカに始まり、『アドモス』の謎で終わる……
いよいよ、キャラ違いの『フミタン・アドモス』の謎が少し解明されます。
その話は『公爵令嬢は~』の1つの区切りになります。
そこにはお嬢様の悲劇と、決死と無理ゲーな戦いが……

ですが、次回は間話です。

ここで、以前に言っていました『他作品のキャラ』を出します。
ノリは一種の学園ものになります。極論削っても問題ないのですが、本編であって本編でない、あくまでディバイディング・ドライバー開発がメインの話です。
次回はこんな奴らが造った、程度で読んでください。

ちなみに、シリアスさんは死ぬ予定です。
手加減??そんなものはない。
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