公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。   作:和鷹聖

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どうも、お久しぶりです。

1月の震災があってから、何かしら心がしょんぼりして気乗りしないのが続き、気が付いたら2ヵ月……
その間も感想送って下さって返せてない方、すみません。
でも本編は吟味しながら書いています。


それはさておき、Extra missionの続きですが……難敵もいいところだった。
正直言ってOOO(トリプルゼロ)を甘く見ていた筆者です。
何が?との問いに『お嬢様を関わらせたら問題が無限に膨れ上がった。』
宇宙とは、OOO(トリプルゼロ)とは、ガオガイガーとは……
考えていたら、化け物になっていた、そんな内容になっちまった。

『リクエスト企画でここまでやる?』といったら『なっちまった』と答えちゃう筆者の業を許してくれ……
ただし後悔はしていない。

……という訳でどうぞ!



Extra mission 02『迫りくる未来(あす)、覆す現在(いま)(2)』

 

 

「「 ガオ ガイ ガーッ!! 」」

 

 

それは、最強の勇気の証

 

それは、遥か彼方から来た勇気の結晶

 

それは、人類の力を結集した勇気ある誓いの印

 

我等が待ち望んでいた鋼の巨神、その名は──

 

勇者王 ガオガイガー

 

 

ヘルメットより排熱を終えた、並び立つ2体のガオガイガーに全員が驚く。

 

特に護と幾巳は尚の事、もう一体のガオガイガーに驚いている。

ジェネシック・ガオガイガーを、そして覇界王ジェネシックを知る彼らにとって、目の前のガオガイガーはまさに非常にそれに近しい存在だからだ。

 

「あれは……ジェネシック・ガオガイガー!?」

「いや、さっきのガイガーと同様にデザインが異なっている。雰囲気こそ一緒だが、あれは別物だ。」

「確かに……フュージョンしていたから、人が乗っているハズだよね。」

「いったい誰なん──全方位通信?」

 

《……あ、あ~、聞こえますか?GGGの皆様、機動部隊の勇者ロボの皆様。そしてガオガイガーの搭乗者、獅子王凱様。それとそちらの新型機……ガオガイゴー搭乗者の天海護様、戒道幾巳様。》

「誰だ……と言いたいところだが、君はそのガオガイガーから通信を発しているのか?」

《はい。それと先程リミピッド・チャンネルをお送りした者……と言えば理解して頂けると。》

「なるほど……俺をギャレオンとフュージョンするよう導いたのは君だったのか。」

《はい。そしてこのガオガイガーは『マギウス』と申します。》

「マギウス‥‥‥ガオガイガー。それがその機体の名前か。」

「あ!もしかして私のところにダブル・プロテクトウォールの情報を送ったものもアナタ!?」

「え?アルエット?」

《はい。お役に立っていたようで何よりです、アルエットさん。さすがガオファイガーのFFプログラムの改善をした方。》

「……その事を知っているって事は、だいぶ私達の事情を知っていそうね。」

《その通りです。ここ数日の近況は密かに見させて頂きました。故に、この状況を演算し、私なりに微々たるものですが、対抗策を導き、お送りしたのです。》

「それについてはお礼を述べさせて頂くわ。でもその前に、アナタ何者??」

「は……はい、私の名前は、カ▩▥▼◈◎◆◌◆▷◆──グェホ!》

「え……なに今の音?」

「ひでぇ雑音の後に、筋が生々しく千切れたような音をしてやがったが……」

《……すみません、ここに来てからというもの、名前を言ったり書いたり、挙げ句には喋ろうとすると酷い干渉を受ける始末で……お嬢様は話せもしなければ、正式名乗れないのです。ちなみに今の音はお嬢様の声帯が干渉を受け、割けてズタズタになった音です。過干渉が酷いようで何度こうなったか……申し訳ありません。》

 

こちらの世界に来てからというもの、GGGのメンバーに限らず、誰かに話しかけようとすると、何かかしら干渉(N G)を受けてしまい、身体の一部が崩壊するという謎過ぎるスプラッタ現象に苛まれている。

そんな事がなければ、わざわざ回りくどい事はせず、真正面から正体を明かし、協力体制を構築しているだろう。

干渉を受ける度にAZ-Mで再生しているため、後遺症こそないが体組織の破壊と再生は負担を負うのでリスクがあり、現在進行形で痛みに耐えながら喉の再生を実行中だ。

演算された仮想世界だというのに、本名NGとかこの仕打ちは酷い。

故にお嬢様の会話は全ていリミピッド・チャンネルでお送り致します。

 

折角格好良く登場してきたのに苦しみ悶えるマギウスの姿に唖然とするGGG。

ベターマン(ソムニウム)ですら呆れている。

 

《ちなみに、他の者が真名を述べても、こうなります。》

「え、本当に?!」

《はい、この方の名前は、カル──》

《▩▥▼◈◎◆◌◆▷◆──グェボ!》

《……とまあ、この通りで。》

「判ったから!!もう名前は尋ねないから止めてェ!!すごい生々しいから!!」

 

晩ご飯に、肉が食えなくなる有り様である。

 

《ご配慮、ありがとうございます。このマギウス・ガオガイガーに搭乗するお嬢様の事は『カルナ』とでも呼んで下さい。》

「……それはいいのか。事情は判ったから、そうしてくれ。」

《承りました。》

《……ブ、V.C.ィ、アンタ後で覚えておきなさい。》

《何のことでしょう?》

《……だい、じょう……ぶ?》

《ん?ああ、紗孔羅さん。大丈夫ですわ》

《気を……付けて……》

「え、ちょ……紗孔羅!?」

 

偶然か昏睡で眠っている筈の紗孔羅ですら、リミピッド・チャンネルを飛ばして来た始末。

ええ、大丈夫です。

それはさておき。

 

「ん?つまり乗ってるの、お嬢様って事は女性なの?」

「そのようだ。」

「え、っていうか、この声……もう一人いるの?」

《申し遅れました、私はV.C.。三重連太陽系『紫の星』の惑星管理サポート・ナビゲーション型超AI、現在はマギウス・ガオガイガーの中核システムです。》

《──『紫の星』、しかもV.C.だと!?》

 

滅んだ筈の三重連太陽系の、しかも『紫の星』にこの場にいる誰もがざわめくが、V.C.の名前に誰よりも早く、過剰に反応したのは吹っ飛ばされキングジェイダー、そのメインコンピューターのトモロであった。

 

《この反応は『赤の星』の生体コンピューター、トモロ0117ですね。お久しゅう御座います。》

《『紫の星』の惑星ナビゲーションが、どうしてここにいる?》

《色々余興ありまして、こうして生存しています。あなたこそ、状況を正しく認識出来ていないようですが。》

《減らず口を。だがあの状況で生存する確率は0に等しい……詳細な状況説明を要求する。》

《煩いですよ、一つ目。ゾンダーに機界融合されて、今度はOOO(世界を覇界する因子)に取り込まれる等、三重連太陽系産のコンピューターとして恥ずかしくないのですか? アベル様の名が泣きますよ。》

《あの無機質ナビゲーションがよく言う。》

《その言葉、そっくりそのまま返します。貴方達トモロシリーズのエネルギーコントロールの基幹システムの原型は、私のエネルギーコントロールの基幹システムを元にデチューンされて組み込まれている設計です。故に私を超える性能を有しないと断言しましょう。その証拠として、その『シルバリオンクラッシャー』なる兵器のチャージに時間を掛けているのがその証拠です。その程度さっさと完了出来ないのですか?それとも、OOO(トリプルゼロ)の影響で組み込まれた有機パーツが腐食しましたか?》

《い……言わせておけば──!》

《やめろ、トモロ。見え透いた挑発に乗ってどうする。》

《あれは明らかに時間稼ぎだろ。連中──特にあのジェネシック擬きは何かを待っている……そんな気がしてならないね。》

《……了解したJ、ルネ。》

 

OOO(トリプルゼロ)に倫理を上書きされているとはいえ、基本的な性格は変わらない。

口論で負けたトモロであるが、Jの静止に従い、ルネの忠告を聞くのであった。

 

《だが、お前を馬鹿にした報いは受けてもいいだろう───チャージならあのジェネシック擬きとのお喋りの間で、もう終えている!》

《さあ、覚悟しな!》

 

OOO(トリプルゼロ)のエネルギーをチャージしたキングジェイダーは、シルバリオンクラッシャーを掲げる。

ゴルディマーグの超AIの代替に、制御システムにキングジェイダーの頭部が設置されたコネクター箇所を握り締める。

暁の炎を纏い、キングジェイダーをも超え、ゴルディオンクラッシャー展開範囲よりも超える大きさとなったジェイクォースが覇界の翼を羽ばたかせ、今にも飛び立たんとしている。

 

「くっ!無駄話をしてる場合じゃなかった!」

「まずはあれをどうにかしないと!」

「ですが凱隊長、もうキングジェイダーのシルバリオン・クラッシャーは射出される寸前です、いったいどうすれば……!」

 

《……大丈夫です、まだ対抗策はあります。》

 

誰もが手をこまねく中、マギウスより女性──カルナの声が響く。

マギウスはゆっくりと前に進み、ガオガイガー、ガオガイゴーより前──最前線に立つ。

絶体絶命な状況であるはずなのに、ガオガイガーを名乗るマギウスはあくまで自然体だった。

 

《今一度思い出してください、皆様の持つ武器、手札、手段、そして……勇気ある誓いを。》

「………」

《相手は真性の天災(覇界王キングジェイダー)。強大ではありますが、対抗出来ない訳ではありません、必ず弱点はあります。》

「……不思議に思っていたけど、君はいったい何者なんだ?」

《私は……とある因果によってOOO(トリプルゼロ)(えにし)を結んでしまった者。ですが、獅子王麗雄博士と絆様、そして『お義兄様』のお力添えによりその(えにし)を超え、ここにいます。》

「何!?父さんと……母さんと!?」

(……それと、お義兄様って誰だ?)

(内容からするとオレンジサイトにいた時の事みたいだ……でも凱兄ちゃんの話では、他にいる素振りはなかったけど……どういう事だ?)

(もしかして平行世界とか……)

 

とても信じられない内容に、3人はカルナ──カルディナを怪しむ。

そんな3人を余所にマギウスはゆっくりと両腕を伸ばす。

そしてその両手の甲に勇気の力──GストーンとJジュエルの光が『カルナ』の意志に呼応するように光る。

それはガオファイガー(エヴォリュダー)と同じ現象である事を、三人はすぐに察し、同時に目の前にいるガオガイガーもエヴォリュダーであると直感した。

だがそれは、機界新種との壮絶な戦いを経験した証でもある、Gストーンの輝きを秘める獅子王凱だからこそだ。

 

であれば、GストーンもJジュエルも秘めた、この勇者王(マギウス)──『カルナ』とは何者なのか?

 

《心当たりがないのは当然です。私は皆様とは関わり様のない場所より来た者。説明と証明にも時間が掛かります。故に今、私の正体は些末な事……ですが突然現れた外様故に、信用もないのもまた事実。ですので今は私のこれからの行動と『私の勇気ある誓い(レヴォリュダーの力)』──その証をもって信用して頂く他ありません──マギウス・ウィングッ!!

 

天使の如く白い翼と、堕天使の如く黒い翼を開きはためかせるマギウス。

だが覇界王キングジェイダーは、機動部隊の一斉射撃でももはやビクともしない状態にまでなっている。

いったい何をするのか───

 

《術式発動、全エネルギー並列処理……解放。》

《まずは、挨拶代わりッ!!!》

《ぐあぁッ!!》

《な、何だ!?》

《右上腕部損傷!右腕のエネルギー回路……全損傷!?》

 

一瞬、銀色に輝いたと認識された瞬間、光速の速さでマギウスが移動、そして激しく揺さぶられるキングジェイダーの右肘が完膚無きまでに破壊される。

更にトモロの報告が、Jを驚愕させる──

 

《馬鹿な、破壊された箇所のOOO(トリプルゼロ)が消失している!》

《何だと!》

OOO(トリプルゼロ)の修復がいやに遅い……どうしてだ!?》

《いえ、特別な事は何も。ただ、私の持てるエネルギーを並列解放して、拳に乗せてぶつけただけですわ。》

《そんなこと……!》

「いや、確かに……今の機動力は、ジェイダーのプラズマウイング並みの機動力でぶつかったのは間違いない。でもあの破壊力は……!」

「一瞬光ったあの光は……GとJの共鳴現象だ!だがOOO(トリプルゼロ)まで消失するなんて有り得ない。それを行うには浄解をせねば……まさか!?」

「カルナは浄解まで出来るというのか!?しかも機体から降りずに!?」

「うそ!?僕達だって出来ないのに!?」

《魔法使いであれば、術式の同時起動など基本中の基本!機体より降りねば出来ない等、愚の骨頂ですわ!》

「魔法使い!?本当に何なのよ、貴女!」

《ぐ……だが、冗談もここまでだ!!》

《さぁ、光に還りな!!》

 

 

シルバリオン・クラッシャァアアァァー!!!

 

 

「しまった!!」

 

右肘を砕かれようが、残った機能が補正し、シルバリオン・クラッシャーは無常にも放たれる。

その覇界のための羽ばたきを、もはや止められるものはいない。

……だが。

 

《……いいえ。チェックメイト、ですわ。阿嘉松長官ッ!!》

「おうよ!どうやってこっちの意図を知ったかは……だいたい察せるから、敢えて細かい事は言わねぇ!!だが間に合わせる事は出来たぜ!」

「ディビジョンフリート『無限連結輸槽艦ミズハ』、『機動完遂要塞艦ワダツミ』、『諜報鏡面遊撃艦ヤマツミ』、フォーメーション位置に到着完了!各艦、変形完了!」

「各艦GSライド同期完了移相鏡面精製開始湾曲空間形成フィールド生成完了!」

「か、各機動部隊は()()()()()()より退避してください!」

「移相範囲の湾曲空間、出力予定数値以上まで上昇、いけます!」

「よぉし、受けてみやがれ!ゴルディオン・クラッシャーにビビッて国連評議会の要望で開発された究極の盾──『プロテクト・リフレクサー』、発動・承認だぁ!!」

 

──『プロテクト・リフレクサー』

それは地球を追放されたGGG艦隊が、起動可能な状態で『ゴルディオン・クラッシャー』を持ち逃げした事に恐怖した国連評議会の要望により開発された天罰降臨の鎚(ゴルディオン・クラッシャー)に対する究極の盾(カウンターツール)である。

3艦の新型ディビジョンフリート『無限連結輸槽艦ミズハ』『機動完遂要塞艦ワダツミ』『諜報鏡面遊撃艦ヤマツミ』が変形合体して完成し、巨大なリング状となり、その全長は。オービットベースをも覆う。

最大の特徴であり、最大の武器『プロテクト・リフレクサー』は巨大な入口と出口が直結された空間湾曲フィールドにより、フィールドに収まりさえすれば威力に関係なく、100%反転させて撃ち返す事が出来る。

その仕様は、かつて大河長官率いるGGG艦隊が『ゴルディオン・クラッシャー』を報復のために使用する事を想定したもの、という非常に保身的な目的で創られたものである。

 

キングジェイダーの眼前に水面と思わしき空間湾曲フィールド『プロテクト・リフレクサー』が広がる。

コースが地球であるため、機動部隊の勇者ロボ達を無視して一直線に飛び立つシルバリオン・クラッシャー(覇界ジェイクォース)だが、想定を超えた状況に止まる事が出来ない。

そして瞬く間に空間湾曲フィールドに飛び込んだシルバリオン・クラッシャー(覇界ジェイクォース)が一時の光の中を駆け抜けたと思った瞬間、シルバリオン・クラッシャー(覇界ジェイクォース)がキングジェイダーの元へと襲い掛かる!

 

《何!?》

《か、回避行動──間に合わない!》

《だったら最小限に避けるまで──!》

 

《──誰が与えますか、そんな暇ぁ!!》

 

出入口連結の空間湾曲フィールドより飛び出て来たシルバリオン・クラッシャー(覇界ジェイクォース)の射線上から移動し、回避するキングジェイダーに、そんな暇など与えるものかと、ここで更に後ろから追撃して来たのは、『マギウス』であった。

まるで予測……否、完全に予測していた『マギウス』はキングジェイダーの背部を蹴り飛ばし、更に自前の『竜』の爆焔で完全に射線上に押し込む。

 

そして──炸裂

 

自らの生み出した圧倒的破壊力で、覇界王キングジェイダーはグラビティ・ショックウェーブの相乗作用と合わさり、塵も残さず光に消え──

 

 

 

──マギウスも一緒に光に消えた。

 

《……く、不覚。》

《まさかこんな事になるなんてね。》

 

──からの復活。

OOO(トリプルゼロ)に染まる者は、浄解以外の手段で滅びる事はない。

それが分子レベルで分解されようが、分子──否、原子単位であっても消滅させられる事はない。

滅びようとも何度でも甦る。

光に還ったキングジェイダーはOOO(トリプルゼロ)の効果により、再生を始めたのだった。

だがその事は今までの『覇界将』との戦いで学んでいる。

今さらの事なので、それで尚、心折れる事のない勇者達。

 

《あらら、まあ。あそこから復活するとは……流石。》

「それは百も承知だ。だがそんな事で僕達は諦めない、でも……」

「……だがカルナ、一ついいか?」

《何なりと。》

「………その致命的な一撃をその位置で(キングジェイダーの後方から)まともに喰らったはずの君が、どうして無事?なんだ?」

《……え~と、うん気合です。勇気があれば可能です。》

「嘘つけェ!!」

 

カルナ相手にオペレーターしながら、ついに突っ込み役と化したアルエット。

OOO(トリプルゼロ)により強化されたグラヴィティ・ショックウェーブ(シルバリオン・クラッシャー)に曝されたはずのマギウス・ガオガイガーが何と復活していた。しかもキングジェイダーよりも早く。

ただし言い訳は、実に雑だ。

 

《嘘、とは申されましても……まあ、GGGにある資料や実験データを参考に、『ゴルディオン・モーター』の原理でグラヴィティ・ショックウェーブを凌いだだけですから。まあそれも半ば失敗に終わりましたが。》

「そんな無茶苦茶な話───って、あん?貴女、GGGの機密資料見たの?」

《はう!?しまったですわ!バレました!》

「バレたって……自白してるでしょ!」

《……お嬢様、するならもう少し格好の良い嘘でもしましょう。》

 

オービットベースに来てからというもの、秘密裏にとはいえ、V.C.や自前の能力(ハッキング)で密かにGGGの機密情報を盗み見ていたのはご愛敬。それまでの覇界の眷属達との壮絶な戦いを見ていた。

また、助力をとエマージェーシーツールで、今一度理解に苦しんだゴルディオンモーターに注目してよくよく読み込んでいたが、そこで時間切れ。残りは帰ってから見る事にしたカルディナ。

 

《いやでも70%は事実ですし、わりかし内臓エネルギーを解放すればどうにかなりましたから……ええ!やっぱり気合ですわ!》

《我等と戦いながら──何をぐあぁッ!!》

《コイツ……私達を片手間に!》

《り、理解不能……!》

 

言い訳はわたわた加減で慌てふためく姿が何とも、可愛らしいとも思えるが、その所作は再生途中のキングジェイダーのボディを、再生を阻害するレベルでえげつなく殴り付けている辺り、カルナという存在は非常にアンバランスに見えた一同。

照れ隠しで殴られる度々、解体──もとい、再生途中の躯体が悉くバラバラになるキングジェイダーが可哀想で不憫でしかない。

 

「……で、その復活出来た最大のネタは何なのよ?GGG(こっち)のセンサーじゃ、貴女一瞬だけど消滅しているのよ!?」

 

アルエットの天才的頭脳を片手で容易く捻る勢いのアイデアで、マギウスは覇界王キングジェイダーのシルバリオン・クラッシャーに耐えきった訳ではない。

まあ、こうなると自ら墓穴を掘ったようなものであるが、隠す気はさらさらないカルディナ。

 

《……先程申しました通り、私はとある因果によってOOO(トリプルゼロ)(えにし)を結んでしまった者。故に私の中にも形を変えて、OOO(トリプルゼロ)があります。その名は『ザ・パワー』。》

「ザ・パワーだって!?」

「でもザ・パワーはOOO(トリプルゼロ)から染み出したものじゃ……!」

《はい。故に浄解し、覇界の因子を取り除いた後、放置する事もやむを得ず、我が身に宿しました。》

「んな……狂気の所業じゃねぇか。」

 

経過が勢い任せだったとは、流石に言えないが。

 

《ですが、私とてこの力は非常に怖いのです。ザ・パワーとて根源は一緒……我が身の内に深く深く、今まで一切触らないように致してきました。》

 

OOO(トリプルゼロ)もザ・パワーも結局は『滅びの力』と言われる程の力を持っており、例え浄解したところで、OOO(トリプルゼロ)と反応するかは不明な上、あまりにも過ぎた力は当初は喜べたものの、冷静に省みると、何もかもを滅ぼすしかない力である事しか解らなかった。

唯一判ったといえばカルディナ×ザ・パワーの組み合わせは『大陸上で解放すれば、間違いなく周辺生態系は壊滅』『各勢力が脅威を誤認したまま、その力をこぞって求めに来る未来(BADEND)が予想』ぐらいだ。

それ故に、カルディナが機界新種戦で自らの力の内で、唯一発動しなかったのはそのためであった。

ただし上記の被害予想は最大ではなく、これに未だに休眠状態の天使、悪魔が加わり、フルドライブする事により引き起こされる被害、というのを付け加えておく。

いづれにしても、OOO(トリプルゼロ)によって誕生したゾンダー、OOO(トリプルゼロ)の影響が非常に強い機界新種にはどんな影響を及ぼすか不明な時点で、予め使うのを止めて厳格に隔離していた。

 

《ですが、私にどんな事情であれ、この様な状況下であれば躊躇など不要!活動環境も宇宙なので被害の心配も無用!()()()()()遠慮なくやらせて頂きます!!》

 

だが今は、機体周辺が赤みを帯びた燃えるような金色──火緋色(ヒヒイロ)のザ・パワーに一回りも二回りも大きく包まれ、同時にマギウス・ウイングより延長される形で、大型のザ・パワーの翼が広がる。

発現元であるマギウス・ガオガイガー、そしてカルディナはこの時『不死の存在』となった。

故に原子分解であろうが、致命傷であろうが『塵』さえ残っていれば生き残る事が出来る。

ただ、これでも全力ではないのだ。

とはいえ、現状況下でも覇界王キングジェイダーに抗う事は可能である。

 

「いや、圧倒してるんだけど!どんだけ突ッ込ませる気!?」

「アルエットちゃん、落ち着いて!」

「まあそこまでにしておけ、アルエット。どうもアイツ相手だと血管がいくらあっても足らんぐらいツッコミどころ満載だが、それ以上に頼もしい助っ人だ。」

「……すみません。」

「でだ、カルナ。お前さん、そこからどうする?そのままじゃジリ貧だぞ。見ている限り与えてるダメージよりキングジェイダーの回復範囲が増えてんぞ。」

 

阿嘉松の指摘の通り、キングジェイダーのOOO(トリプルゼロ)による回復範囲が広がっている。

Jとルネの意志により、その範囲が増えているようだ。

散々煽るようにすれば、怒りの意志も跳ね上がろう。

 

《無論、手は御座いますが……皆様の協力を頂ければ、と……》

「わかった、それが勝利の鍵となるなら!」

「凱兄ちゃん!?……わかったよ!」

「……仕方ない。不安要素はあるが。」

「隊長や護達が賛同するなら!」

「一つ、やってやる!」

「お願い、私達に力を……」

《……ありがとう、ございます。それでは!》

 

 

そしてマギウス・ガオガイガーは『デュアル=ワン・ブレイカー』でキングジェイダーを粉微塵殴り飛ばし、マギウス・ツールを起動させる。

皆に逆転の一手を与えるカルディナが出した答えとは───

 

《マギウス・ツール、マギウス・フェザー!!》

 

マギウス・ガオガイガーの翼部より射出された数々の羽根───マギウス・フェザー。

だが、これを何に使うのか……

 

《皆さん、少しくすぐったいですわよ。》

「え。」

「何?」

「何だ?」

「あう!」

「応?!」

「あん!」

「私も!?」

「───Wtat's happen!?」

 

マイクサウンダース13世(コスモロボ形態)がその異様な光景に目に『?!』を走らせる。

ガオガイガー、ガオガイゴー、及び勇者ロボ達の背部左右逃がさずマギウス・フェザーが突き刺さるという光景で、一見すると、天使の羽根が生え初めた勇者ロボという、よく解らない光景だ。

だが───

 

「──な、何だ!?GSライドに強力なエネルギーが!」

「か、各機のエネルギー総量……300%オーバー?!」

「し、信じられません!各部の損傷も再生しています!」

「ですがこのエネルギー、身に覚えが───そうか!」

「コイツは、Zマスターの戦いで身体に取り込んだ超エネルギー───ザ・パワー!

「何だって!?」

 

驚愕するGGG達。

そしてマギウス・ガオガイガー同様に、赤みを帯びた燃えるような金色──火緋色(ヒヒイロ)のザ・パワーに満たされたボディの背部から広がる、同じく火緋色金(ヒヒイロ)の翼が広がる───以外は何もなかった。

 

「……OOO(トリプルゼロ)に意識を書き換えられるような感覚も、覇界衝動もないです。」

「それどころか、GSライドと共鳴現象すら起きています。これはいったい……」

《ちょこっと調整した成果ですわ。ただ後腐れない代わりに10分で効力は切れますが……》

 

機界原種戦で超竜神が得たザ・パワーと違い、効力切れの後の反動もない代物だ。

名付けるなら『マギウス・ザ・パワー』。

しかし調整が入った故なのか、カルディナ以外には持続時間が短いのが欠点である。

 

「でも、これならキングジェイダーに対抗出来る!」

 

幾巳が自信をもって断言する。

OOO(トリプルゼロ)に奪われた盟友達(Jとトモロ)を取り戻すには充分な戦力が整ったと自負出来たからだ。

更には勇者ロボだけではなく、その力はベターマン達にも与えられていた。

本来ある背翼にもう一対の火緋色(ヒヒイロ)の翼が広がっているのがその査証だ。

 

《これが《暁の霊気》の力か……》

《すごい。身体の痛みが癒えていく。》

《いやはや。本来の力ではないでしょうが、これはこれで使えそうでございますね。》

《僕達が使うとなれば、これ参考になるかな?》

《再現は難しいかもしれない。私達の力の他に、複雑な力で編み込んである。》

《……先代族長の孫ってのは嘘じゃねぇかも。》

《ンー、そんな事も言ってたな。だが使えそうではあるな。》

《………》

 

合体ベターマンの力も十二分に引き出されているようだ。そして何やら密談をしているが、やるならカルディナの感知できないリミピッド・チャンネルの回線を使って欲しいところだ。

そして火緋色(ヒヒイロ)の翼を広げる勇者ロボ軍団……熾天使(セラフィム)の降臨と言った幻想的な光景である。

その光景に誰もが圧倒される……

 

「みんなズルいんダモンネー!マイクも背中に羽根付けたいんだモンネ~!」

《あ。》

 

だが、いきなり出て来たとは言え、マイクの事をすっかり忘れていたカルディナ、そして他全員。

一瞬だけ空気が止まり、和んだ(気がした)。

 

「イエェェーーーイ!!Come on, Rock 'n' roll!!ギラギラーンVV(ダブルブイ)!!ア~~ンド、バーーーーニングッ!!」

 

マギウス・フェザーを付けて貰ってゴキゲンなマイクは、速攻でブームロボへとシステムチェンジし、ギラギラーンVVを取り出す。

そのノリは最高潮である。

 

《マイク、こちらを!》

「What's?このディスクは?」

 

マギウスがそんなマイクサウンダース13世に投擲したのはマイクの使うサウンドディスクと同系列のディスク。

 

《とってもゴキゲンでスペシャルなナンバーですわ!今の勇者ロボ達にはピッタリの曲です!その名も『ディスクB』!》

「『ディスクB』!プレゼンツ、サンキュー!ならマイクも信じてロックンロールするッゼ!」

《さすがマイク。ではこちらも───マギウスツール『ガオガオーンGG(ダブルジー)』!》

 

───マギウスツール『ガオガオーンGG』

それは、特殊なサウンドウェーブを用いて特定の増幅術式を放射、Gパワー由来の機体、兵装に強く作用する他、『マギウス・ザ・パワー』の出力を魔力(マナ)によって勇者ロボ達に対する持続時間を延長、強化出来る、半円形シンセサイザー型のマギウスツールである。形が『G』型ある事が由来だ。

ただし、現実では発動出来るサウンドウェーブと『マギウス・ザ・パワー』の強化術式の制御操作に難があり過ぎてしまい、V.C.にすら苦情を受け、マギウスツールとして納めるには開発が難航している妄想ツール2号である。

ちなみに開発理由は『弾きたい曲があるから』だそうだ。

更にサウンドウェーブ発動の媒介である『ディスクB』も『ガオガオーンGG』からの的確な操作がなければ発動出来ないという、マギウス……というよりカルディナの技量では発動が難しいツールとなってしまったため、残念ながらマギウスとマイクのデュエットとはいかず、ギラギラーンVVを抱えつつ、スタジオ7とドッキングしたガオガオーンGGの両手持ちとなる。

ただし、足りない手は『マギウス・ザ・パワー』のエネルギーから『複腕』を精製、ドカドカーンVを保持する他、ギラギラーンVVとガオガオーンGGにも手を添えている。

 

「イェーイ!『ディスクB』、セットオン──デュエット・センセーション!!」

 

♪赤い炎のアツイヤツ 

 悪を絶対許さない

 正義の心が燃えてるぜ

 青いクールなスゴイヤツ

 敵を凍らす そのパワー

 内に秘める怒りだぜ

 

「ウォオオオッ!!何だこの曲は!!」

「俺達の超AIが……心が燃え上がる!!」

「GSライドからスゴいパワーが出ている!」

 

そして演じる曲は『最強勇者ロボ軍団』である。

勇者ロボ軍団は文字通り、覇界王に拮抗出来る力を身に付けたのだ。

ただし、強化されているのは『マギウス・ザ・パワー』だけではなくGSライドの方もである。超AI()を揺さぶり、勇気を生み出すその歌詞に、勇者ロボ軍団は心打たれている。

その効力は──

 

「ちょ、超竜神と撃龍神のシンパレート───400%?!」

「何だその無茶苦茶な数値は!?だがこりゃもしかすると……!」

 

「これならいけるかもしれん───撃龍神!」

「おう、超竜神!シンメトリカルアウト!そして──」

 

「「「「シンメトリカル ドッキング!!」」」」

 

「幻 竜 神ッ!」

 

「強ォォォ龍ゥゥゥ神っ!」

 

ザ・パワーやOOO(トリプルゼロ)の力で成立する氷竜と雷龍、炎竜と風龍のシンメトリカルドッキングが再びここに成された。

初見の楽器を完璧に演奏するマイク……伊達に『ディスクX』を使いこなしていない。

そしてロボではない方(ベターマン)もパワーアップしている。

 

《活性化の秘術か》

《ンー、興味深い。鋼の有象無象達だけではなく、我らにも効力があるか。》

《浄化された暁の霊気に作用するこの《調べ》……何とも愉快な!》

科学(やつら)の理の中に我らの理も合わせてある。むしろこの構成思想は我らに近い。》

《これ、応用出来ないか?》

《すぐには無理かも。すごく複雑で、綺麗な『線』を描くのは至難の業。そして私達の知らない力がある。》

《でも全く出来ない訳じゃないと思う。》

《ンー、面白い。先々代の孫とやら……改めて力を貸してやる。代わりにその力、もっと見せてみろ。》

《それはどうも!》

 

ダイレクトにくる皆々方のチャンネルが頭に響くカルディナ。

こいつらは色々遠慮がない。

 

《まあ、それはさておき……これで整いましたわ、真正面から貴方達……そしてキングジェイダーを叩きのめせる力が!》

《小癪な!》

《だがJ。先にGGGを、そしてヤツを先に滅ぼした方が良さそうだ。》

《だろうね。戦況はこっちがいつの間にか不利……それも全てあの凶悪なガオガイガーが元凶だ。ヤツを潰せば──!》

《トモロ、ルネ……わかった。相手をしてやろう!》

《いくよ、J!》

《ジュエルジェネレイター、全開。共鳴現象、最大。》

 

2人の助言より、矛先をGGG、そしてマギウス・ガオガイガーへと替えるJ。

そして隕鉄群よりゼロロボを生み出し、勇者ロボ軍団へとGGG、そしてマギウス・ガオガイガーへと向ける。

 

だがそれは矛先を地球から自分達へ向けさせるカルディナ、そしてGGGの策に知らずに乗ってしまった事を意味する。

 

《そうですわ!狙いなさい、私たちを!》

「よし、行くぞみんな!!」

「「「おう!」」」

「イエェーイッ!!」

 

仕切り直しての第2ラウンド。

覇界王キングジェイダーを始め、ゼロロボの軍団が襲い掛かってくるが───

 

「サンダー、ブリザード!!」

「バーニング、ハリケーン!!」

「「 マキシマム・トウロン !!」」

 

幻竜神、強龍神の必殺技が瞬時にゼロロボ軍団を蹴散らす!

マキシマムトウロンで空いた戦場を天竜神とビッグボルフォッグが突出、その背後をガオガイゴーが追う。

 

「ルネさん、目を覚まして!ダブル・リム・オングル!!」

《天竜神、あんた達まで邪魔するのかい!》

「ルネさんが本当のルネさんに戻るまで!」

「トモロ0117、これ以上やらせません!大回転魔断!!」

《ビッグボルフォッグ。昔も今も、やはりお前が立ち塞がるか!》

「それが私の……GGGの役目です!」

 

キングジェイダーの左腕を天竜神、ビッグボルフォッグが制する間、背後にいたガオガイゴーが右腕の上───シルバリオン・クラッシャーのコネクターに設置されているキングジェイダーの頭部に接近する。

 

「J!!」

《アルマ!よくぞここまで!》

「一人の戦士として……いや、大切な仲間を取り戻すために、僕はここまで来たんだ!」

《だが全てはOOO(トリプルゼロ)の、宇宙の意志のままに───!》

「そんな事はさせない!」

《それはこちらの台詞だ!》

 

接近して来たガオガイゴーを迎撃せんと、シルバリオン・クラッシャーをそのまま振るう腕をガオガイゴーはスラスターを全開にし、両腕でを受け止める。

互いに譲れないものがある以上、そのまま拮抗する。

 

「くっ!受け止めるだけで精いっぱいだ……でも!」

「予測通りだ!」

「よぉし!後は───!!」

《任せて下さいませ!!》

 

雑魚を殲滅し、キングジェイダーの動きを一時的にでも制したこの瞬間、後続の二機のガオガイガーが、その猛威を振るう。

 

「ゴルディオンハンマー!!発動!!承ォォ認ッ!!」

「了解!ゴルディオンハンマー、セーフティーデバイス、リリーヴ!!」

「いくぜ、ガオガイガー!!」

「おう!!ハンマーコネクト!ゴルディオン・ダブル・ハンマァァァーー!!」

 

───ゴルディオン・ダブル・ハンマー

対覇界の眷属用として開発された新型のゴルディオンハンマーで、外見は両端に金色の鉄球が付いたけん玉。また、鉄球部分から重力波を発生させる事が出来る。

2007年の京都における対レプリガオガイガー戦において、ゴルディオンハンマーが重力衝撃波を安易に放つことができない際にハンマーが破壊されてしまったという教訓を基に設計されている。

2つの攻撃モードを完備しているだけでなく内蔵している小型ゴルディオンモーターにより、敵の重力衝撃波攻撃を防げる、より攻防に優れたツールとなっている。

 

「行くぞ!『クラッカーモード』!!」

 

攻撃形態その1『ゴルディオンクラッカー』

ハンマー両端の鉄球2つを分離し、その後ダブルハンマーを振り回してアメリカンクラッカーの要領で鉄球を操り何度も重力衝撃波をぶつけて敵を丸く削り取りながら光に変換する。

一撃の出力はゴルディオンハンマーに劣るが、取り回しと小回りの良さではこちらに軍配が上がり、ゼロロボであれば容易に光に還す事が出来る。

進行方向に残るゼロロボを『ゴルディオンクラッカー』で光にながら、キングジェイダーへと肉薄するガオガイガー。反中間子砲であろうと巧みなヌンチャクのようなクラッカー捌きで跳ね退け、更に肉薄する。

 

《来たか凱!!貴様とはここで決着を着ける!!》

「J、OOO(トリプルゼロ)の呪縛を今ここで断ち切る!!」

そんなもの(ゴルディオンハンマー)を持ち出したことろで、シルバリオンハンマーに敵わぬ力なぞ!》

「見せてやる、勇気の力が紡ぐ力、その可能性を!!『スライサーモード』!!」

 

攻撃形態その2『ゴルディオンスライサー』

クラッカーが放つ重力衝撃波をハンマー部に内蔵されたゴルディオンモーターによって薄く偏向させ作り出した光の刃を飛ばす技である。

一撃の威力はゴルディオンハンマーより低下しているが、触れるものすべてを光に変換する特性は変わらない、ガード不能の飛び道具となっている。

 

《何!?》

《右腕損傷……いや、切断された。被害甚大。》

《馬鹿な、ジェレネイティングアーマーすら容易に裂くとは……!》

 

『マギウス・ザ・パワー』で強化されたゴルディオン・ダブルハンマーであれば、命中すれば覇界王キングジェイダーの指どころか、腕すら容易く切断する威力を持つ。

そしてその瞬間、キングジェイダーとシルバリオンクラッシャーが分かれ、この時を待っていた人物に全てを託された。

 

《さあ、推して参ります!!》

 

ガオガイガーの後に座するは、マギウス・ガオガイガー。

その手には無数の小さな刃を兼ね備えた、現代社会でも無限軌道の刃によりあらゆるモノを切り裂く危ない逸品。

そしてカルディナの妄想ツール第1号である。

 

「おいおい、何であんなモノを持ってやがる。俺ですら資料でしか見たことねぇんだぞ。」

「アレもフリでいいんですか?」

「それが向こうさんの要望だからな。少々気になるところはあるが、黙って使われるよりは素直でいいだろう!……『スペースチェーンソー』!!発動!!承ォォ認ッ!!」

「了解!!『スペースチェーンソー』、セーフティーデバイス、ファイナルロック、リリーヴ!!」

《──チェーンソーコネクト!!スペース・チェェーーンソォォォーーー!!》

 

ギュアアアアアア────!!!

 

宇宙空間でありながら、耳をつんざく回転音が全方面に鳴り響く。

 

───スペースチェーンソー

GGGがEI-02襲来以前に設計、開発していたハイパーツール一つである。外見は無限軌道刃のチェーンソーで、他のハイパーツールである『ディバイディングドライバー』『イレイザーヘッド』、そして『グランドプレッシャー』とは違い、核摘出が第一となった対ゾンダー戦では有効なツールではないという理由もあり、完成こそしていたであろうが、一切日の目を見なかった幻のツールである。

故に、アカシックレコード内にも名前のみが記載されており、現物のイラストはない、という。

存在が明確な『ゴルディオンモーター』、一度限りであるがゲーム内で明かされた『グランドプレッシャー』、そして使用されたであろう『モレキュルプラーネ』以上に不遇なツールである。

だが、更に悲惨だったのが現行のGGGに『スペースチェーンソー』の現物はなく、あったのは簡易的な資料のみ。既に『ゴルディオンハンマー』という実績の高いハイパーツール(トンカチ)があり、ゼロロボを芥子粒に還せる『モレキュルプラーネ』というハイパーツール(カンナ)がある以上、ただ切断するだけのハイパーツール(ノコギリ)は解体されたようだ。

故にこれはカルディナが設計、持参した簡易的な骨組みから貫徹で組み上げた、ハイパー(妄想)ツールである。

全長23.4mの回転刃が強力な切断力を生み出すべく、コの字型の安全停止機構(ファイナルロック)を外し、チェーンソーにコネクトしたマギウスの右腕が唸りを挙げる。

 

《ファイナルロック、パージ───さあ、廻れェェェーーー!!!》

 

スペースチェーンソーは、内蔵したGSライドの出力も手伝って暴力的な回転を見せ付ける。

同時にマギウス・ガオガイガーのTGSライドが共鳴(シルバリオン)現象を起こし、スペースチェーンソーにも伝播、そしてマギウス・アーマーを流用した回転刃の一枚一枚よりモレキュルプラーネ、ジェイアークに用いられている反中間子、ゴルディオンハンマーやゴルディオンクラッシャーに用いられる重力衝撃波を同時に放射する。

これにより相転移干渉が働き、接した対象の分子構造を崩壊、分断する仕様となった。

なお、スペースチェーンソー本体にはマーグアーム同様、重力衝撃波に耐えうる装甲とジェネレイティングアーマーを流用したエナジーバリアを使用しているため、放射される反中間子と重力衝撃波は全て本体より緩和、もしくは反射される仕組みとなっている。

接地効果面積幅も10cm程と狭いが、『切断する』事においてはこの上ないモノとなった。

ただし開発に熱心になった影響で、停止ボタンを設置し忘れ、安全機構の1つでもある超AIも設置し忘れ、一度回り出したらコネクターより右腕を外しても内部エネルギーが空にならない限り、回転運動が止まらくなってしまったのはご愛敬。

その場合、空間干渉こそないが、切れ味は反中間子も重力衝撃波もなくとも、平素でゴルディマーグの装甲すら容易に切り裂く。

それを止めるには回転機構を最終停止機構(ファイナルロック)で無理矢理止めるしかないという欠陥を持つ。

ちなみに最終停止機構(ファイナルロック)がないと半永久的に回る。

 

「な……なんて欠陥品。」

《♪くるくる回るぅ~、無限の刃の音は~、文明開化の~、音ォォォーー、ですわ!》

 

アルエットの突っ込みなどお構いなしに、間の抜けた歌(自作)を歌いながらマギウスウイングによる光速移動でキングジェイダーへと急行、スペースチェーンソーを振りかざす。

そして『切断する』事においてはこの上ないモノであり、その効果は───

 

《一刀ォォォ……両ォ断ッ!!!》

《なぁっ!?》

《シルバリオン・クラッシャーを……切断した!?》

 

稼動音とは反比例して一切の抵抗を許さず瞬断する。

 

正確には『ディビジョンⅧ 最撃多元燃導艦タケハヤ』より降ろされたコネクター、そしてそこに接続されているキングジェイダーの頭部を接続部から切断する。ついでに『ディビジョンⅦ 超翼射出指令艦ツクヨミ』『ディビジョンⅨ 極輝覚醒複胴艦ヒルメ』の接続も切断。

刀を納刀するが如く、最終停止機構(ファイナルロック)をスペースチェーンソーに強制的に設置し、止めたのだった。

 

《我が刃に断てぬものなし、っと……そぉ~れッ!!》

 

そして三艦ともそれぞれ蹴り飛ばした。

この瞬間、キングジェイダーとゴルディオンクラッシャーとの接点が断たれた。

そして急速にエネルギー反応を失うゴルディオンクラッシャーと接続を断たれた事でコントロールが瓦解するジェイクォース。それをすぐに戻さんとするトモロであるが、マギウス・ガオガイガーはそれを許さない。

 

《ガオガイガー!!お受け取りになって!!》

《何をす───うおおおおおっ!!?》

《ああああああああ!!?》

 

両手が塞がっていようが切断の瞬間、両脚の『顎』で頭部を保持するマギウス・ガオガイガーが、息吹(ブレス)一発でガオガイガーの元へと蹴り飛ばす。

中のJとルネが混乱していようがお構いないである。

そこに待ち構えるのはゴルディオン・ダブルハンマーを構えるガオガイガーであった。

 

「行くぞ!ハンマー・ヘル!!」

 

光の杭を王冠状の艦橋にカウンター気味に突き刺し、金色のハンマーを叩き付け───

 

「ハンマー・ヘヴン!!」

 

バール状のクローを展開し、覇界の眷属となった者の核───ゼロ核を光の杭ごと引き抜く!

そして飛び出した核をガオガイゴーがキャッチしたのを確認したガオガイガーが、GSライドの出力を最大にした。

 

「光に、なぁれぇええええ!!!」

 

金色の破壊神と化したガオガイガーのゴルディオンハンマーが炸裂、収束された重力衝撃波がOOO(トリプルゼロ)に蝕まれたジェイダーを光にした。

それを見てカルディナは安堵する。

あの三人なれば、後は浄解を果たすであろう。

 

《後はお任せ致しますわ。あの三人であれば大丈夫でしょう。》

《ぐぐぐ……貴様、許さん───ぐあっ!?》

《させん。》

 

頭部を欠いたキングジェイダーが反中間子砲を撃たんとした瞬間、合体ベターマンが重力波で砲身を破壊する。

長らく沈黙していたベターマンはこのために待機していたのだった。

浄解を果たす僅かな隙、それを逃す訳にはいかない。

だが、合体ベターマンの重力波が反中間子砲の砲身、ミサイルコンテナ、更にはES兵器のコンテナすら瞬く間に破壊する。

だが、すぐ様再生するであろうが、今度はビッグボルフォッグが立ち塞がる。

 

「大回転魔弾!!」

《ボ、ボルフォッグ!?やはりお前が最後まで立ち塞がるか!》

「当然です、たとえ目眩まし程度とは言え、私は立ち塞がります!かけがえのない友人にこれ以上の過ちを繰り返させない為にも!!」

《ボルフォッグッ!》

 

変幻自在の攻撃はダメージこそならないが、撹乱にはもってこいであった。

 

《助かりますわ、ビッグボルフォッグ!ならばトモロ、貴方とジュエルジェネレイター、引き抜いて幕引きと致しましょう!!》

《ならば、助力が必要だな。》

《へ??》

《ンー、遠慮するな。剛力合体(サンクトゥス)。》

《ちょ、ま───!!》

《 ア ワ サ レ 》

 

 

夢装超合身

夢装ガオガイガー・マギフラクト

 

《……ったぁ。》

 

ベターマン達が勇者ロボ、もしくはガオガイガーを始めとするスーパーメカノイドの『鎧』となる事で成立する、それが『夢装合身』である。

それをマギウス・ガオガイガーと行ったのであった。

元々流線形、生物型のベターマンのボディであるが、マギウスも幻獣ベースであるため、そのデザインは実によく合う。

黒いマギウスのボディに、乳白色と薄紅色、橙色と紺色というカラーの重厚なベターマンの鎧。

背部には本来ある二対の翼に加え、赤い翼が加わり、より混沌としている。

顔は……もう悪魔と言ってくれ。

また、生物と機械という相反する組み合せは本来非常に相性が悪いが、カルディナというベターマンの血筋がそれを打ち消し、AZ-Mの存在も合わせてちょうど良い媒介となっているため、本来この場で合身するであろうガオガイガーや、覇界王との戦いで合身するガオガイゴーとは違い、桁違いの適合性を誇る、『グレート合体』を果たしたマギウス・ガオガイガーである。

 

《ふむ、悪くないな。》

《ンー、ここまでしっくり来るとは、さすが先々代の孫。》

《フハハハ!ここまでしっくり来るとは笑えてしまいますなぁ!これぞ一心同体!》

《でもここまでしっくりくるなら、機械いらなくないか?》

《そうかもしれない。だが今は仕方ない。緊急時だ。》

《でも次は8人でやってみてもいいと思う。》

《賛成。》

 

《ぁ……あああああああ……!

 

そしてごく自然に合身してしまった、中心たるカルディナは発狂。その目は真っ赤で、見た目は完全にベターマン(ソムニウム)であるが、彼らはそんな事はしない。

 

《煩いぞ、何を騒いでいる。》

《ご、ごめんなさい。前におばあ様と剛力合身した事を思いだしまして……》

《ンー?先々代とな?》

《……あの時の記憶がフラッシュバックしまして。》

 

かつてカルディナがアルフヘイムへ招集された際に祖母(キトリー)より限界バトルを強制された際に、『実』を強制的に『ズキューン!』されて呑まされ、ベターマンにされた後に三日三晩戦わされた、アレである。

その最後の極めつけに「試したい事がある」と言われ、孫と祖母の剛力合体(サンクトゥス)させられた事があった、という。

 

《どうでもいい。》

《ンー、同意だ。それがどうした。》

《全くですな。何が不服ですかな?》

《羨ましい気もするが、今はそれよりもこちらが優先。》

《そうだ、さっさと決着つけろよ。》

《がんばれ》

《でもその時の詳細、後で詳しく》

《……貴方達は。》

 

一部の発言は気になることろだが、今はそんな事はどうでもいい。

今やるべきは───

 

《……では、これで終局と致しましょう───》

 剛力 ヘル アンド ヘヴン

 

《ゲム・ギル・ガン・ゴー・グフォ……ふん!!》

 

破壊と守護、陰と陽、正と負──相反する2つの力を合わせ、白銀の渦をキングジェイダーへと放ち、拘束する。

 

《ウィーーータァ!!》

 

そして8人のベターマンの力を合わせ、最大出力でヘルアンドヘヴンを鳥の頭を象った胸部に向け、突撃する。

 

だが、ここからが普段とは違った。

合わせた拳をあえて解き、マギウスより更に豪腕と化した右腕を殴り打つように振りかぶり、放つ。

ジェレネレイティングアーマーをあっさり砕き、更に装甲や隔壁すらぶち抜いて向かう先は───

 

《まずは───トモロッ!!》

《──!?》

 

ジェイアークの頭脳である生体コンピュータートモロ

0117を確保。ゼロ核に包まれていようが感知は可能で、更に事前にアベルにジェイアークの内部構造を簡単に説明を受けていたため、最短距離で駆け抜け、掴み取ったのだった。

だが、これで終わりではない。

トモロがいた中央制御室の床を破壊し、急旋回して次に向かったのは──

 

《Jジュエル、凍結コマンド入力。》

《───ジュエルジェネレイター、確保ォッ!!》

 

おおよそ真下にあったジュエルジェネレイターのコアボックス。臨界寸前であったJジュエルに凍結コマンドを入力し、その上で左腕で引き抜いた。

これは『勇者王ガオガイガー BLOCKADED NUMBERS』より、EI-72とEI-73が合体したゾンダーロボ相手に使用したヘル・アンド・ヘブンである。(ただしIF)

ゴルディオンハンマーが通じない中、2つのゾンダー核を確保すべく、サイボーグシャチ・ヴァルナーとのGストーンとガオガイガーのGSライドが共鳴し、威力を増したヘルアンドヘヴンにより行われた。

本来はGマークに粉砕するのだが、大物《キングジェイダー》相手にそんなチマチマした事は無駄なので、カルディナはマギウスの軌道をGを描くように動き、粉砕したのだった。

 

これぞ、デュアル・ヘルアンドヘヴン

 

トモロとジュエルジェネレイターを両手に、余剰エネルギーが爆発を起こすジェイアークより飛び出した夢装ガオガイガー・マギフラクト。ここに雌雄は決された。

悪魔の風貌とは裏腹に、その姿は正に『勇者』であった。

 

同時に、『マギウス・ザ・パワー』が消え失せ、時間切れを告げた。

ベターマン達も元の姿に戻り、カルディナはコックピットより出て、ゼロ核となったトモロとジュエルジェネレイターのOOO(トリプルゼロ)の浄解を行った。

 

「わ……私は……」

《貴方はただ利用されていただけです、トモロ0117。大成を為した貴方達を責める者はここにはいませんよ。過ちと思うのでしたら、『これから』償って下さい。それに懺悔の言葉があるなら、今は秘めていて下さい。それは『私達』ではなく、『お仲間』に吐き出す言葉です。》

「V.C.……済まない。」

 

後悔の念に駆られるトモロをV.C.がなだめる。そしてカルディナは既に浄解を果たしたサイボーグJ、ルネの元へ運ぶ役目をビッグボルフォッグに渡した。

ついでに光子変換翼の半翼も渡す。戦闘下で何とか回収出来たものであり、これとトモロ、ジュエルジェネレイターがあれば大破したジェイアークとて短期間で再生可能であろう。

 

「お任せください。」

《お願いしますわ。》

 

一礼し、去るビッグボルフォッグの後ろ姿を嬉しく思いながら、カルディナはやりきった満足感に包まれる。

そんなカルディナに、ソムニウムの1人、ラミアがリミピッド・チャンネルを繋いできた。

 

《先々代の孫よ、これからどうするつもりだ?》

《まあ、ここでの役目も果たしましたことですので、元の所へ帰りますわ。》

《そうか。お前にもまだ成すべき事が有るのだな。》

《そういう貴方達にも、でしょう?ですがそれは私には関る資格がない事……でしょう?》

《………》

 

ここに来るまで、事前に彼らソムニウム達とも接触していたカルディナ。

そして彼らより聞いた『真の目的』。

だが、それに関してカルディナはあえて肯定も否定もしなかった。

 

()()を決めるのは、ここにいる者達の権利であり、義務である。

カルディナにはその資格がない事は、重々承知している。

だが、たとえ両者がぶつかろうとも、彼らは決して弱くない。

 

たとえ、この世界がシュミレーションにより再現された世界と判っていても、カルディナはそれを尊重した。

 

《……善き未来を望まれる事を祈っていますわ。》

《無論だ。》

 

静かな、そして確かな強い意志を持った答えを最後に、リミピッド・チャンネルは閉じられた。

これから勇者たちとソムニウムがどうなるかは気になるところだが、とりあえず今はこのミッションを終えたいと願うカルディナ。

 

浄解されたJ、ルネ達がいる場所にトモロを連れたビッグボルフォッグが合流する景色に、《 MISSION CLEAR 》の表示が出た。

 

《さて、これで終わりですわね》

《超AIのさすがに疲れました。》

《そうね、いろいろ盛りだくさんで、私も早く休んで───》

 

《 ─ERROR─ 》
 

 

《……え》

《……エラー?》

 

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

《 ─ERROR─ 》《 ─ERROR─ 》

 

《 MISSION CLEAR 》の表示がかき消され、目の前に広がる《 ─ERROR─ 》の表示。

マギウス・ガオガイガーのシステムの故障なのかと一瞬誤認したが、明らかに違った。

 

《 致命的な《 ─ERROR─ 》が発生しました 》
 

 

《 外部より侵食を確認 妨害不能 》
 

 

《  回線遮断 成功  》
 

 

《 《 DOWNLOAD...100% 》が発生しました 》
 

 

《 《!”#$%&’()=OOO 》がシステム内に侵入しました 》
 

 

《 システム内データを参考に、顕現します 》
 

 

最後のメッセージが表示を終えた後、宇宙が突如として明るくなったと誤認する程の、強烈で眩い光が辺りを照らす。

突如として起きた事に、カルディナもGGGの誰もが戸惑い、(おのの)く。

そして()()はマギウス・ガオガイガーの後ろに散らばっていたはずの、ゴルディオンクラッシャーを構成する三艦のディビジョン艦によるものであった。

()()()()()()()()()()()、三艦のディビジョンフリート艦は三方向に開く翼を描くように、それぞれ規則正しく広がっていた。

 

そしてその中核をカルディナとV.C.は見た。

 

《……うそ、でしょう?なんで、いったいどうして……??》》

《ちゅ、中央に存在する物体……超重力衝撃波の反応、大。識別不明。ですがあれは……!》

 

それは、三艦のディビジョン艦の中核、三角形の中心に座する存在、それは───

 

《こ、『金色の破壊神』……》

《『滅びの悪魔』……》

 

太陽の如き光を発する『金色の破壊神』と称するに相応しく、そして『滅びの悪魔』とも例えられたシルエットを持つ存在。

最強の破壊神であり、三重連太陽系の大いなる遺産。

 

『ジェネシック・ガオガイガー』

 

───否。

 

「──違う。」

「あれは……ジェネシックでも、マギウスでも……ましてやロボットでもない!」

「どういう事だ、天海、戒道!?」

「……メインオーダールーム。今映像を送る、見てくれ。」

「こ、こいつぁ……何だ??」

 

ガオガイゴーより送られてきた映像、それは金色の破壊神となったスーパーメカノイド……らしき巨人。

だが、護の「ロボットでもない」という異常の言葉の意味はすぐに理解出来た。

 

その金色の破壊神は鋼ではなく、幾重にも組み合わさった『獣の骨格』で『人の形』として出来ていた。

見覚えのあるものから、全く見覚えのないものまで、多種多様な骨が重なり合い、そして何より骨でありながら重厚な駆体に見えるのは、その姿形がジェネシック・ガオガイガー、もしくはマギウス・ガオガイガーに酷似していたからである。

今まで相手にしてきた敵の中でも、特に異色の存在である。

更に驚くのは、ディビジョンフリート艦より生成したエネルギーが、OOO(トリプルゼロ)と共に吸い出されるように流動して、その異形の存在に集まっている。

そんな光景に誰もが驚愕する中、全方位通信がその場にいる全員に届く。

 

「ば、場所は……クシナダからです!」

「クシナダからって事は……」

《現行GGGの諸君……そしてガオガイガーのパイロット達、()()()()見事な戦いぶりだった。》

「この声は……まさか!」

《大河……長官っ!》

 

モニターに投影されるのは、OOO(トリプルゼロ)の影響下とはいえ、あの頃の姿と変わらない大河幸太郎、その人であった。

 

 

《NEXT》




如何でしょうか?
原作を読み込んでいる読者には違和感はありありでしょうが、オリジナル展開なのでご容赦を。

そして次回がこの話の最後です。


……ウン、まだ続くんよ。
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