公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい。   作:和鷹聖

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お待たせしました。

書きたい事をかいたら遅くなったよ!

もう言い訳はすまい……って訳でどうぞ!


Number.24 その名は、流星(シューティング)(2)

──クォート湖畔。

 

そこはとある貴族が治める領地の一部。

緩やかに活動する活火山と、過去の噴火で出来た壮大な湖がある場所である。

観光の名所として、時には噴火の名所として。

 

だが、今ここがゾンダーの寝城となりつつあった。

 

「──ゾンダァァーー!!」

 

湖上に浮かぶ船のゾンダー。

だがその船は全長83m、総数2,500t、全幅20m、航海速力36.5ノット、旅客定員、約500名を収納可能な金属製の大型船で、船底は特異な形状をしていた。

 

《な、なんだあの異様な船は??ゾンダーになったとはいえ、我々の知る船の形状ではないぞ?!》

《こちら、サクヤ09……データ、出ました。敵ゾンダーの形状から推察したところ、一番近い物体は『高速船』です。》

「……ちょっと待て、高速船だぁあ?あれだろ、水上を滅茶苦茶早く移動できる形状を持った船だ、何かの間違いじゃねぇか?!」

《いえ、間違いないですオルガ団長。この世界の調べ上げられる船には該当せず、お嬢様のアカシックレコードから情報を引っ張り、ようやく発見しました。》

《それが……高速船だと??》

《はい……ちなみにこれ、何の冗談でしょうか?》

「俺が聞きたいわ!」

《我々の文明にない船……だが臆する訳にはいかん、オルガ団長!》

「わかりました。よし、お前ら!撃ちまくれ!!あんな冗談みたいなゾンダーを、まずはぶっ飛ばせ!!」

 

オルガの指令に、本日用意した滑腔(かっこう)砲を撃ちまくるMS部隊。

とはいえ、やたら無闇に撃つ訳ではなく、文字通り水面の上を縦横無尽に水上スキーの様に動く俊敏な機動性を奪うのが狙いだ。

いくら威力の高い弾頭を備えた滑腔(かっこう)砲とはいえ、ゾンダーのバリアを打ち破る事など出来ないのは誰もが知っている。

基本的にはプロテクトシェードと同じく空間湾曲技術を応用したものなので、一種のレプリションフィールドであるこのバリアを叩き割るのは容易ではない。

とりあえずは進路を妨害、そして水上に叩き上げたいのだが、一向に上手くいかない。

更に水上を我がものとするゾンダーは船の上部を変形させ、人型の上半身を出現させ、不気味な単眼(モノアイ)を光らせながら保有する()()を放ってきた。

 

「あれはMS!?」

「しかもグレイズ。高速船と一体化してるのか……って事はここにもギャラルホルンの奴等が!」

《団長、湖畔の北側に開けた土地があるのですが、そこに動力炉が稼働していると思わしき高エネルギーを確認。エネルギーの波形からエイハブウェーブを確認。》

「エイハブウェーブって……まさかMSの製造工場でもあるってのか?!」

《複数の波形を確認したので、その様です。ただし、生命反応はありません。》

《バカな!?こんなところにギャラルホルンが進行して来た等報告にないぞ!しかもこんな短期間で拠点並みの規模を作るとは……!》

「文字通り神出鬼没って訳だけど……」

「どうやらゾンダーに盗られたらしいな。ざまぁねぇ!」

「だがそうなると工場規模のところが盗られたって訳か、嫌な予感しかしねぇ。09、工場に動きは!?」

《今のところありません。》

「……だったら先に船型ゾンダー(こっち)を優先させるべきか。」

「オルガ。俺がやってみる。」

「よし、ミカを中心にフォーメーションを組み直せ!速攻で終わらすぞ!」

 

三日月のガンダムバルバトス・ハシュマルA装備型が味方の砲撃を背に、水上をホバリングしつつ船型ゾンダーに肉薄する。

バルバトスと小型ハシュマルが登載するGSエイハブリアクターの出力が、これまでにない推力を生む。

だが船型ゾンダーも水上の高速移動でバルバトスを翻弄する千日手状態が生まれる。その光景を独特の笑いで眺める者がいた。

 

「ヴィルルルル。上手くいっている。後は……む?」

 

ゾンダリアン、ぺスカポートが接近する機体を察知した。

それは2機のグレイズリッターで、ホバリングで急接近し、マシンガンを執拗に撃ってきている。

 

「何だあいつらは?生き残りか?」

 

だが見付けたのも束の間、突如倒れ───

 

「ゾンダァァーー!!」

「ゾンダァァーー!!」

 

全機ゾンダー化する。

 

「いやおかしいだろ!?何処にゾンダー化する要因があった!?」

《え~っと、こちらに接近する間際、『野良ゾンダー』と思わしき反応を確認しました。》

「野良……って事はあの辺りに発見してないゾンダーがいたんだ。」

 

──野良ゾンダー。

それはかつてゾンダー人間としてゾンダーメタルを埋め込まれたものの、この星の(ゾンダーにとって)過酷な環境により、その活動を止めてしまった個体である。

防衛行動として強力な衝撃を受けるか、近くに膨大なエネルギーと無機物があった場合、活動を再開する。

 

その野良ゾンダー達がタイミングの悪い事にグレイズリッターを取り込み、『ゾンダーリッター』となったのだった。

ちなみに正規パイロットと思わしき人物達は、取り込まれた後、強制的に排出され───踏み潰された。

亡骸からして生存は絶望的と言っていい。迎撃に来たパイロットは不運以外の何者でもないが、どうしてわざわざ踏み潰したのか───

だがそれを今、気にする余裕を持つ者はいなかった。

 

「クッソ、タイミング悪ィ!!」

「ここからじゃ挟み撃ちされる、どうすりゃ───!!」

 

「──ならば、私に任せて貰おう!!」

 

「この声は──」

「カインさんか!!」

 

「フュージョン───デミウス・ガイガーッ!!」

 

三重連太陽系『緑の星』の指導者カインは、この星で生まれ、三重連太陽系の技術により誕生したオリジナル・ギャレオンのイミテーション──『デミウス・ギャレオン』とフュージョンする事により、デミウス・ガイガーへと変形するのである。

 

「行くぞ、プラズマ・ガイガークローッ!!

 

──プラズマ・ガイガークロー

それはガイガークローと、『ジェイダー』のプラズマソードの技術を合わせる事により生まれた、新しい武装である。

これにより、ジェイダーと同様のプラズマソードをガイガークローから発生させる事が可能となった。

 

「ハァアアアッ、せいッ!!」

 

これにより、ヘルアンドヘヴンを使用せずともジェイダーがゾンダー核を摘出したように、素早い斬撃によりデミウス・ガイガーも核を摘出出来るのである。

 

「そしてもう一つ!」

 

素早く、そして正確な動きでデミウス・ガイガーはあっという間にゾンダー核を摘出する。

そのゾンダー核を両手に持って───

 

「頼む!」

「……仕方ありません、行きますよアルゼ。」

「わかりました!」

 

テンペルム

ムンドゥース

インフィニ

トゥーム

レディーレ

 

浄解モードとなったアベルとアルゼの2人が浄解を施す。

浄解の力により、ゾンダー核が2人の男に還元されていく。

 

「……出来ました。」

「やはり私の施術は間違ってなかったようですね。」

 

アベルがアルゼと自身に施した施術により、より完全な浄解モードへとその身を変えていた。

アベル自身は淡々と関心していたが、アルゼはより完全な自分の力に驚いていた。

だが、長く余韻に浸る暇は今はない。

 

「09、この2人を収容しなさい。」

《了解。》

 

物質瞬間創成高速移動艦サクヤに浄解した2人を収納した後、カインは踵を返し、鉄華団に助力する。

だが、強化されたガイガークローも高速で移動するゾンダーには空振りし、当たらない。

 

「遅いですよ、カイン。」

「とはいってもね、このガイガーのスラスターではこれ以上機敏には動けない。せめて踏みしめるものがあればいいのだが、ここは水上だ。」

「……地の利はあちらが有利ですか。そのガイガーにプラズマウイングを無理矢理つければよかったです。」

「私の身が持たんよ。」

 

流石のカインでも水上を我が物とするゾンダーには苦戦させられる。それどころか、当てられるコースでも一瞬だけ潜航し、回避する自由奔放さだ。

全包囲から攻撃し、直撃しようものならゾンダーバリアを張られ、防がれる。

高速で移動する他、潜航までされ、三次元の動きに翻弄される鉄華団達。

 

そんな時、高速移動艦から船型ゾンダーの速度を上回る、一矢の光が放たれた。

 

「てぇえええぇぇーーいッ!!」

「ゾ、ゾンダァー!?」

「何だありゃ!?」

「もしかして……お嬢!?」

「情けないですわよ、みんな!!」

 

何と、我等がお嬢様こと、カルディナ・ヴァン・アースガルズである。

浄解モードで超高速で矢の如く飛んで行ったカルディナは、その蹴り一つでゾンダーを蹴り上げ、高く舞い上がったゾンダーは高い水飛沫を上げ、水面に沈むのだった。

 

「……流石、お嬢。百トンクラスの物体を平然と蹴り上げるとは。」

「レヴォリュダーの身体能力半端ねぇぜ!」

「アホか。その反動で腹ァめっちゃ痛がってるじゃねぇか。空中でぐるぐる回って悶えてんのが、いい証拠だろうよ。」

「お嬢、大丈夫なのか!?」

痛み止め(バ○ァリン)──飲んだので、多少は───大丈夫ですわ!!」

「アホだ。」

「うん、全然大丈夫じゃない。」

 

お嬢様の『女の子の日』は相当重い。痛み止め(バ○ァリン)で軽減するのがやっとである。

ちなみにロ○ソニンやカ○ナール等もあるが、そちらはレヴォリュダーの身体には効かないのである。

奇跡的に痛み止め(バ○ァリン)のみ効くのであった。

 

「そんな事よりもォ───相手をよく見なさい!!敵は改良型のゾンダーメタル持ち!!出力は半端ないけど三日月とカイン様を中心にアイツのバランスを崩して吹っ飛ばすぐらいは出来る筈よ!敵の軌道予測とこっちの弾道予測は逐次素早く回して、バックアップは秒単位で───そうすれば、()()()()()()()()()()()()()()!!」

 

カルディナがそう言い切った直後、空に新たな機影が───

 

《──お待たせしました、全機投下開始。》

 

新たに来た物質瞬間創成高速移動艦サクヤより、同時に4つの大きな物体が投下され、そしてその物体は一斉に空を舞う。

その光景に一同はゾンダーも含めて注目する。

 

「ゾンダー!?」

「は!遅ぇよ!」

「ようやく来たか!」

「やっとですか。」

「けど間に合ったようだね。」

「ヴィルルルル!?何だあれは……まさか!?」

 

《シューティング・ガイガーより、ファイナル・フュージョン承認の要請シグナルが出ています。》

《……ついにこの時が来たか。ならば!ファイナル・フュージョン、承ォォ認ッ!!

《了解、ファイナル・フュージョン、プログラム……ドライブッ!!》

 

──バキィッ!

 

《 FINAL FUSION 》

KUST & LUM ──── [DRIVE]

S・GAIGER ──── [DRIVE]

DRILL GAO Ⅱ ─── [DRIVE]

LINER GAO Ⅱ ─── [DRIVE]

STEALTH GAO Ⅱ ── [DRIVE]

 

《── FINAL FUSION ──》

 

 

コンソールの『PERPARATION』が『DRIVE』の表示に上書きされた。

 

「クスト、承認が下りた!」

「よし、行くよルム!」

 

「「 ファイナル・フューージョンッ!! 」」

 

 

2人の叫びと共に、始まるファイナル・フュージョン。

シューティング・ガイガーが両腕を広げ身体を拡げ、ギャレオンの口が光輝き、下半身が高速回転しながらEMトルネードを放出し、白銀のフィールドが形成される。

ゾンダーロボからの攻撃が成されるが、強化されたEMトルネードはそれを難なく阻む。

そのフィールドの中へ、下より突き破って来たのは金色の回転衝角(ドリル)、黒きボディの無限軌道(キャタピラ)を持つ、ドリルガオーⅡ。

中空より、6基の小型ブースターを備えた白いロケット型の、ライナーガオーⅡ。

上空より、黒い翼を持つ、ステルス爆撃機の姿を受け継いだ、ステルスガオーⅡ。

フィールド内に3機のガオーマシンが飛来、周囲を旋回する。

十字ポーズで待機するシューティング・ガイガーの下半身が反転、黒いスカートが前面に。

ドリルガオーが機体ごと上方に向き、ドリル基部が前方に倒れ、基部の下に収納空間が現れ、同時に足裏の噴射口(スラスター)が噴射、上昇して足先を下に折り畳んだシューティング・ガイガーの両脚が挿入、機器によって完全固定(パーフェクトロック)

次にシューティング・ガイガーの肩関節ごと両腕が背面に折り畳まれ、胸部側面にはライトが輝くトンネルのような四角い侵入口に、小型ブースターをパージしたライナーガオーⅡが、機体の下部を展開し、500系新幹線のライナーガオーとは違い、両端が700系新幹線の形状の長い形態に変わる。そして高速でシューティング・ガイガーの侵入口に入り込み、機体の中央ブロックの位置で止まる。

更にステルスガオーⅡがシューティング・ガイガーの背面に回った両腕に高速で垂直落下しながら侵入、ブレーキとクッションを活かしつつ急速減速し、背部に完全固定(パーフェクトロック)

両肩となったライナーガオーⅡが若干上に上がるのと同時に、ギャレオンの顔にステルスガオーⅡからアームで赤い(たてがみ)が両側に装着され、両眼が緑と赤に光る。

ライナーガオーⅡの両下部より、上腕部の白いユニットが下方に下がり、ステルスガオーⅡの左右の黒いエンジンユニット──左腕(プロテクトアーム)右側(ブロウクンアーム)が金属摩擦の唸りを挙げてレールを伝い上昇、内部で連結、ジェットフィルターが解放されて鋼鉄の掌が高速回転しながら鋼の衝突音を響かせ、現れる。

シューティング・ガイガーの頭部の後ろのステルスガオーⅡのフィルターシャッターが解放、赤いアームに固定された黒いヘルメットが、シューティング・ガイガーの頭に被さり、マスクが顔をピタリと覆う。

金色の角飾りの窪みから半々のGストーン、Jジュエルが迫り出て、『G』と『J』の刻印が同時に光り、双眼も同じく緑と赤に光る。

 

行程(フェイズ)、終了。

今ここに、新たに誕生した(くろがね)の巨神の名をクストとムルは叫ぶッ!!!

 

「「シューティングッ!ガオッ、ガイッ、ガーーッ!!!」」

 

遂に、我々が待ち望んでいた新たなる勇者が誕生した!

 

我等は、星から星に渡りし者

流れ星となってこの星に降り立った者の末裔

流れ星と共に地に堕ちた不変の願い……その願いを受け継ぐ二つの輝き

その輝きと、三重連太陽系、魔法の力を結集したスーパーメカノイド

その名は、シューティング・ガオガイガー!!

 

燃えるような熱気がヘルメットから排熱された後、EMトルネードの雲が晴れ、その勇姿を現した。

 

「あれが……!」

「新たなるガオガイガー……!」

「そう、これが新たなるガオガイガー、『シューティング・ガオガイガー』ですわッ!」

《へ……ようやく来やがったか、おいクスト、ムル!》

「あ、団長!」

「すみません……僕達の事で迷惑をかけてしまって……」

《今はその事はいい……だが迷惑かけたと思ってんなら、この状況を打破してみせろ!!》

「「はいっ!!」」

《流れはこっちにある!シミュレーションで散々失敗して小数点以下しか成功しなかったファイナル・フュージョンをぶっつけ本番で成功させたんだ、やれんだろ!?》

「もちろんです!」

「ゾンダー、覚悟しろ!」

 

FF成功率の桁の事はさておき、S・ガオガイガーは船型ゾンダーへ構える。

そして新たなガオガイガーが現れた事に動揺を隠せないペスカポート。

 

「な、何だあのロボットは!?あのシルエット……まさか、新たなカインの遺産だとでも言うのか!?だが、水上で無類の速さを誇るゾンダーをどう相手取るというのだ?」

「ゾンダァー!!」

 

仕切り直しと言わんばかりに水上を滑るように疾走する船型ゾンダーは、先程以上の攻撃を放ってきた。

ラミネート装甲といえど、その一撃一撃は滑腔砲以上の威力を誇る。当たるだけでも厄介だ。

 

「しかしどうする!?いくらガオガイガーだって、ヤツを補足出来るのか!?」

「水上を高速で走りながらヤツに近づくなんて、どうやって……!」

「──いや、最初から奴に近づく必要はない。」

「あん?ルム、何か考えでもあるのか?」

「ああ、今から送るデータを見てくれ。ここに来るまでに戦況データを見ながら考えたんだ。」

「ん?こいつは……」

 

一斉に送られた作戦内容……それを見て、全員がニヤリと笑う。

 

「へぇ……中々いい考えじゃねぇか。」

《長官、いかがでしょう?俺はムルの立てたこの作戦に賛同します。》

《ああ、中々面白い。だがこれは全員のチームワークがモノをいう、出来るかね?》

《やってやりましょう。なんせ俺らは鉄鋼桜華騎士団……いや、元・試験団です。俺達の強みはこれまでの試行錯誤と経験です。カラクリさえ判れば、どんな奴等とも戦えます!》

《うむ、頼むぞ!》

《わかりました───よしお前ら、散開だ!》

 

オルガの号令に従い、MS部隊は散開する。

しかもゾンダーとは先程よりも距離を取って、だ。

その中からシューティング・ガオガイガーがゾンダーに向かって飛び出した。

 

「頼むよ、ムル!ユーハブコントロール!」

「ああ、任せてくれ!アイハブコントロール!」

 

二人が言い放った音声コマンドは、コックピットの配列を大きく変える。

コントロールの主導を受けたい時には、『ベターマン』の『覚醒人』の仕様を参考にした音声コマンドを採用したシューティング・ガオガイガー、及びシューティング・ガイガーのコックピットの仕様は白く輝く空間の中での、マ○ンカ○ザーS○L仕様。仮想シートに座りながらコンソールと操縦桿を握って操縦する。

初期の頃にMSの操縦に慣れていたための処置である他、サブに回った方は索敵や通信、機体のダメージコントロール等のサポートに回る。

そしてメイン操縦者となったムルは、自身の『Jパワー』を高めながらゾンダーに向かう。

 

「ヴィルルル!来るか、新たなカインの遺産よ!」

「行くぞゾンダー!プラズマホールド!!」

 

左腕より雷の鎖が付いたような雷球(プラズマホールド)を放つムル。

だが、ゾンダーのスピードには敵わず、ギリギリのところで避けられ、プラズマホールドは水中に消える。

 

「ヴィルルル!遅いぞ!」

「……だが、捕らえたぞ!」

「──ゾ!?ゾダダダダダダ!?」

「馬鹿なゾンダーが、感電だと!?バリアがあるはずなのに……その前に直撃でもない電撃など吸収出来る筈だ、それが何故……!?」

「やはり効いたか。この湖の水は火口岩、つまりは火山灰が多く含まれてる。知っているか?火山灰が水に濡れると非常に電気を通しやすくなるんだ!」

 

火山灰は土壌によって異なるが、火山ガラス、珪酸塩鉱物、酸化アルミニウムの他、銅、亜鉛、カドミウム、水銀等の重金属元素が含まれている。

火山噴火の際、火山灰に少しの水が含まれると、電線ですら簡単にショートしてしまうのだ。

 

「更にみんなの砲撃で水底の火山灰まで撹拌された水をお前は潜水してまで全身に湖の水を浴びた。それに、お前が高速移動する時はバリアが張れないことは挙動から判っている、高速移動中に張ると進めないからな。そんな状態のお前に反物質的(Jジュエルの)エネルギーを多大に含む電撃を湖に叩き付ければ……後はもう解るな?」

 

高速移動の時を狙えば何時如何なる時でもダメージを与えられる。

 

「その高速船とやらに融合した事が仇になったな……ん?」

「ゾン……ダァッ!!」

「ムル、ゆっくりでも動けるみたいだ。逃げようとしている。」

「ああ、一時的に動きを止められるだろうけど、やはりずっと有効という訳じゃない。だから次の手だ!」

《よっしゃお前ら、今だ!!》

 

感電しながらも有効範囲外へ逃げようとするゾンダー。そのタフさは折り紙付きだが、そんなゾンダーに向けて、滑腔砲を改めて放つMS部隊。

だが、ゾンダーへ直接ではなく、狙いはその足元。水面がこれまで以上に揺らぎ、まともに水上を走れない。

 

「逃さんぞ!」

 

その隙を突いてデミウス・ガイガーがプラズマ・ガイガークローを振るう。

当然、揺られながらも警戒していたゾンダーはゾンダーバリアを展開、クローとバリアが拮抗、そしてバリアが切り裂かれる。

だが、すぐに貼り直され、またも切り裂いてもすぐに張り直されるが……

 

「隙だらけ。」

 

デミウス・ガイガーに切り裂く度に船体は浮かされ、今度は船体の下から突き上げるようにバルバトスがA装備型の新装備『ツイン・テイルブレード』を何度もバリアに向けて突き刺していく。

一度刺さらなかろうが突き上げ、バリアを破壊しようが何度も突き刺し上げ、ゾンダーバリアの展開速度を超え、再生速度を超える刺突を繰り返す。

お陰でゾンダーのボディは核以外はボロボロだ。

 

「よし、ぶっ飛べ。」

「ヴィルルル!?だがまだだ!空へ逃げれば!!」

 

最後はお気に入りの大型メイスで完全に打ち上げる。

カルディナに負けじとこちらも空高く打ち上げたバルバトスの一撃だが、悪足掻きにスラスターでノロノロと飛ぶが、同時にシューティング・ガオガイガーも空高く飛び上がった。

 

「悪いけど、MSと融合している以上、そうする事もお見通しだよ!」

「オーダールーム!新型ハイパーツールを!!」

《うむ!新型ハイパーツール、射出!!》

《07、今よ!》

《了解。新型ハイパーツール、ミラーコーティング完了。『ビーク・シューター』───イミッションッ!!》

 

同時に高速移動艦サクヤ07より、とあるハイパーツールが射出された。

そしてそれを待ってましたと言わんばかりに相対軸と距離を合わせるシューティング・ガオガイガー。

 

「相対距離算出……ルム!!」

「行くぞ、───ツールコネクトッ!!ビーク!シュータァァーー!!!

 

───ビーク・シューター

それは対・機界新種用に開発された、遠隔核摘出用ハイパーツールである。

このハイパーツールは筒状の本体の『電磁カタパルト』を搭載しており、右腕・ブロウクンアームに接続(コネクト)する仕様で、ゴルディオンハンマーに使用する『光の杭(フォトンパイル)』の試作品を螺旋回転及び電磁加速して射出する、『釘打ち機』である。

 

「ヴィルルル!?何だあれは!?」

 

ぺスカポートが驚くのも束の間、シューティング・ガオガイガーの接続された右腕が唸りを上げる!

 

「ブロウクンアーム、輪転開始。電磁カタパルト螺旋回転軌道加速開始!『光の杭(フォトンパイル)』、装填!」

 

カタパルト内で電磁加速される『光の杭(フォトンパイル)』。

加速が進むにつれて、その形は長くなっていく。

そして弓を射るように構えるシューティング・ガオガイガー。

 

「敵ゾンダーの軌道予測……捉えた!!」

「輪転最大!いつでもいいよ!」

「行くぞッ!!」

 

電磁カタパルトの稼働が最大になった時、シューティング・ガオガイガーのボディは紅く、Jパワーの色に染まり、『光の杭(フォトンパイル)』の先端が猛禽類の形になって、今にも羽ばたこうとする!

 

「必殺の一撃、受けてみろ──!

ジェイッ、ハープンッ!!」

 

 

───ジェイハープン

キングジェイダーの武装の一つ『ジェイクォース』を、赤の星の指導者アベルが、ガオガイガーにも使用可能なようにダウンサイジングした『ビーク・シューター』を用いた試作武装である。

電磁カタパルトを最大に、エネルギーを最大までチャージする事により限定的に使用可能だが、ジェイクォースのように繊細な軌道設定する事はトモロを用いてないので不可能なのだが、電磁カタパルトを用いたその弾速は────

 

「ゾ───……!?」

 

(ハープン)の投擲より鋭くゾンダーバリアを突き破り、隼の如く疾くゾンダーの核をついばむのである。

ゾンダーが自覚した頃には身体に核はなく、湖面の上で爆発するのだった。

 

《敵ゾンダーの撃破を確認。》

「やったぁッ!」

(……紅茶を高い位置から注ぐ練習、役に立ったな。)

 

あんまり意味のない淹れ方ではあるが、イベント用に魅せるやり方としてカルディナから言い渡された時はどうしようかと思った事があるムルであったが、こういう時に役立って良かったとホッとする。

 

更に───

 

「ん──アルゼ、もっと右に寄りなさい、早く。」

「え、は!?はいッ!!」

「さて……テンペルム ムンドゥース インフィニ トゥーム───!」

 

───ズドン!!

 

「ひぎゃぁ!?」

「───レディーレ!」

 

湖畔にいたアベルの目の前に『光の杭(フォトンパイル)』に貫かれた(もしくは拘束された)ゾンダー核が到着し、杭が分解崩壊する中、即座に浄解される。

ゾンダーの身体が分解され、アベルの前に涙を浮かべて感謝する男が。

 

「ありがとう……!ありがとう……!」

「浄解完了、と。これが対・機界新種対策の一つですか。まあまあですね。」

「だ、ダイジョウブれすかぁ~、アベルさまぁ~……??」

「……アルゼ、ハープンの到着の爆風に巻き込まれて吹き飛んでどうするんですか?こんなもの浄解モードでバリアを張って耐えなさい。」

「す、すみましぇ~ん……」

 

目を回すアルゼに辛辣なアベル。

ちなみに衝突時の威力はバンカーバスターの衝突エネルギーに等しい。

普通なら『無茶いうな』であるが、アベルなら半中間子砲の砲塔の上でも耐えていそうである。

 

《こちらもゾンダー核の浄解を確認。》

《うむ、見事だ!》

 

「ヴィルルル!!くそぉ~!私のゾンダーが!」

「───ご安心を、ぺスカポート。」

 

場にいるゾンダーが全て浄解された事に悔しがるぺスカポート。

そこに地面から出てきたのは、もう一人のゾンダリアン、ポレントス。

 

「ポレントス!」

「ありがとうございます、貴方が囮になってくれたお蔭で時間が稼げました。」

「そうか。だが出来れば奴らを仕留めたかったが……仕方ない。」

「そうして貰えれば助かります。これでもう何も、誰にも阻む事は出来ませんのでね……『機界昇華』は。」

「ヴィルルルルルルッ!!」

 

遂に時は来た。

ポレントスの静かな呟きに、大いに叫ぶぺスカポート。

 

今、ゾンダーたる真の恐怖が彼らを襲う……!

 

《よし、お前らよくやってくれた!だが嫌な予感しかしねぇ、急いであの工場に向かってくれ!クスト、ルム。まだ行けるな?お前らが先導しろ!》

「了解です、団長。クスト索敵を───」

 

 

──ゴゴゴゴゴゴ……!!!

 

 

「な、何だこの揺れは──!?」

「地震!?こんな時に──!」

「──違いますわ!この揺れは人為的なもの……うッ!?この反応、まさか───!!」

「間違いない、地下で何かが蠢いて……いや、下から巨大な何かが出てくる!!」

「この反応は……!」

「ゾンダー!!」

《膨大な素粒子Z0の反応を確認!地表へと出てきます!》

《な……何だありゃ!?》

 

工場と思われた敷地が突如陥没し、代わりに妖しい光を所々発する金属色の巨大な木の根や幹、枝葉が急成長して現れる。

火山を直接エネルギー源とした

その大きさたるや、シューティングや高速移動艦をも凌駕する、100mを超えるサイズとなる。

 

だが驚くべきはそこではない。

 

さらに変化は続く。

枝葉が次々に収束していく。

それは巨大な金属の枝に規則正しく並ぶ、一つ一つが刺々しいラムスクープジェット状の物体───

それに一番初めに気付いたのはカインとアベル、そしてカルディナであった。

 

「あれは……!?」

「いかん!!!あれは放たれてはいけないものだ!!」

「はは……まさかあんなものを直に見る羽目になるなんて……」

《お嬢、あれは何なんだ!?》

「あれは……『ゾンダー胞子』よ!!」

 

───ゾンダー胞子

ゾンダーメタルに寄生された人間───ゾンダー人間がゾンダーロボとなり、原因となる対象を排除した後、成長して『完全体』となった際に生成する巨大なラムスクープジェット状の種子である。

この胞子はゾンダーメタルと同等の能力を持ち併せ、その素体の持つDNA情報を取り込んでいる為、接触すれば惑星の動植物は疎か無機物問わず『ゾンダー化』させるのである。

 

そして、惑星規模の機界化した状態を『機界昇華』と呼ぶ。

 

地球での戦いで、ゾンダーがこの形態にまで成長したのは、雲形ゾンダー『EI-09』のみである。そしてゾンダー胞子が実際に放たれたのは木星戦線でZマスター戦のみで、大量のゾンダー胞子を生成し、ESウインドウを用いて地球を機界昇華しようとした。

 

そして実際に地球が()()()()()()()()()記録を持つ。

 

「ではゾンダーよ、機界昇華の狼煙を上げるのです。」

「───いかん!!」

 

ラムスクープジェット状のゾンダー胞子の一つが僅かに軋み、そしてその後何の予備動作もなく放たれる。

咄嗟にカインは止めようとしたが、その速さはジェイハープンと同等の速さで、錐状の巨大な円錐形のその構造は、弾丸のように飛んでいき、見た目通りの自重で地面に勢いよく突き刺さり────

 

 

 

────その瞬間、大地に『機界』が生まれた。

 

 

「「「「 ───!!!? 」」」」

 

一同、絶句し、そして目の前で起きた事にこの上なく戦慄した。

自然の木々が、木漏れ日溢れる林が、可憐な草花が、突き刺さったゾンダー胞子を中心に一瞬で醜い金属の構造物へと変貌する。

たった一突きでおよそ半径100m程度だが、その範囲が次々に金属一辺に変貌していく光景は恐怖以外のナニモノでもない。

初めてその光景を見た鉄華団の団員達は、驚きと驚愕で足が止まる。

 

一度その光景を見たカインとアベルは、過去のフラッシュバックで脚がすくむ。

 

サクヤシリーズはその危険性にまともに動く事が出来ず、希望であるカルディナも体調不良(女の子の日)である事もあり、圧倒的な光景に思考がネガティブになっていた。

 

だが───

 

「こ……こんな事が起きるなんて、いったいどうすれば……!」

「……───~~ぁぁぁあああああああああああああああッ!!!

「───!?」

「ムル!『アイハブコントロール』!!」

「え──」

「早く!!『アイハブコントロール(操縦権を僕に)』ッ!!!」

「──!ああ、『ユーハブコントロール(頼んだぞ、相棒)』!!」

「───行くぞォォッ!!!」

 

叫び───心の底から徹底的に抗うような叫びを上げ、操縦権を求め、そして託されたクストは拳を握り、更に飛び放たれるゾンダー胞子を真正面から───

 

「ゾンダーの……馬ッッ鹿やろぉぉぉぉーーー!!!」

 

──殴るッ!!

 

殴られたゾンダー胞子はシューティングに溢れるGパワーを叩き込まれ、圧倒的なエネルギーを叩き込まれ、物質の重量と運動の慣性は何処行った!?と言わんばかりに、消滅させたのだった。

次いで放たれたゾンダー胞子は左手で受け止め、逆にゾンダー胞子を完全体ゾンダーへ投げ返した。

ゾンダー核は避けたものの、ゾンダー胞子の密集した場所に突き刺さってダメージ。

慣性の法則は何処行った。

そして完全体ゾンダーへ見事なカウンターを打ち込んだクストは、荒ぶる心を鎮め、そして尚高ぶる思いを胸に叫んだ。

 

「僕は───嫌だッ!!!」

 

「ぬ、何をしようというのだ、あのマシンは?」

「何か叫んでいるようですが……」

 

「……この間、役職を任されたんだ。僕の好きな甘いものを扱う、大事な役職に。嬉しかった、一族も含めて放浪の果てに住める場所を手に入れて、お嬢と出会って自分達が何者かを知る事が出来た……今だって受け止めきれない事だってあるよ、でもこの世の不条理に負けないように、大切な家族、仲間達を守れるように頑張ろうって、思えるようになってきたんだ!嫌なことだってもちろんある、でもそれも含めて懸命に生きようって思える!!ムルもそうさ、好きなお茶を極めて役職貰ってこれからって時なんだ!喧嘩してたけど仲直りして嬉しかった、でも!!なのに現れたゾンダー(お前)が、そんな嬉しい事も辛い事も、他のみんなが抱えている気持ちすら、『機界昇華(こんなこと)』で塗り潰そうとするなんて………僕は、絶対に嫌だッ!!!」

 

「何を言い出すかと思えば……」

「ヴィルルル、だたの心弱き者の戯れ言か。」

「死ぬ事を恐れる、そう聞こえますな。」

「クスト……」

 

その通りである。

吐き出した言葉は機界昇華に対する恐れであり、自分の得たモノを機界昇華で喪う事に対して拒否感を示している。

 

だが───!

 

「ヴィルルル?だがあの新たなるカインの遺産からは、恐怖を微塵も感じないぞ!」

「一体なぜ……!?」

 

「……クスト、それは僕も同じ気持ちだ。」

「ルム。」

「あの辛い放浪の日々から僕達一族を救って下さったお嬢様には心から感謝している。仲間が増え、出来る事の自由を知り、今では役職も貰い、不自由ない生活を手に入れた……でも、それが奪われるのは非常に怖い。家族が困るのを見たくない、そんな恐怖がある。だから……負けたくない、強くなりたいんだ!!」

「そうだ!僕らには大事なもの……みんなと一緒に生み出したものがいっぱいあるんだ!だからそれを守るため、奪わせないために、だから僕らは───お前達に立ち向かうんだッ!!」

 

シューティング・ガオガイガーの全身から溢れる翠に輝くGパワー。

それはクストが、ムルが己の『恐怖』を知り、尚も『恐怖』に立ち向かう真の『勇気』を持った事に他ならない。

 

「……そうですわ、己の弱さを知り、理不尽な恐怖に晒されようとも、恐怖を乗り越え、常に前を向き、立ち向かってきました!機界昇華とて、例外ではありませんわ!!」

「ああ。目の前で機界昇華を起こされようが、それを止めるのが私達だ。三重連太陽系の二の舞にはさせない!」

「小僧のあんな青い言葉に動かされるだなんて……ですが目は覚めました、機界昇華……もうやらせませんよ!」

 

その姿に、他の者達も勇気を与え、動揺から目が覚める。

 

「おう!まだ終わっちゃいねぇ、最後まで足掻くぞ!」

「ああ!これは負け試合でもねぇ!いや、負けちゃいねぇんだ!!」

「諦めなければ───勝てる。」

「行くぞゾンダー!!僕には好きな人だっているんだ!!この戦いが終わった後、その子に将来一緒になろうって……僕は言うっ!!」

 

クストのその言葉に、一部から浮いた声援が出てくる。

しかし、その中でカインのみ「……あ、しまった。」と呟く。

 

(そういえば彼女、連れて来ちゃったんだが……こう言う事を言うとは、スマナイ!いやはや、どんな顔をしているやら気になるが……)

 

後ろ髪を引かれるような思いをしつつ、ゾンダー胞子迎撃に向かうカインのデミウス・ガイガー。

自身が搭乗してきたサクヤ07の高速移動艦をチラ見するが、すぐに飛んでくるゾンダー胞子をプラズマ・ガイガークローで切り裂く事に集中する。

 

「ヴィルルル!活気付いたか。」

「ですが、この大量のゾンダー胞子……いつまで迎撃出来ますかな?」

 

ゾンダー胞子はいくら迎撃してもすぐに生成され、飛ばされる。

その射出量は無尽蔵とも言える。

対消滅が出来るとはいえ、いつまで保つか……

しかし……

 

《……敵の行動パターンを洗い出し、推測───これだ!》

《何かわかりましたか、09。》

《ええ。オーダールーム、および各機に通達。あのゾンダーのゾンダー胞子生成と射出数は一定数……その数は5本。それ以上は出てきません。そして一定の範囲にしか射出出来ない───これがその範囲です。》

「これは──!」

「案外狭い!」

「いずれは全包囲に撃ち出すかと思いましたが───」

「この範囲に絞ればいける!」

「だが射程内に入れば常に迎撃せねばならない、それらを掻い潜って辿り着くには──!」

 

「──いや、もっといい方法があります!!」

 

そう断言したのはクスト。

そしてムルも続く。

 

「シューティング・ガオガイガーならゾンダー胞子を消滅させ、あのゾンダーに辿り着く事が出来ます!!」

「いったいあの多数のゾンダー胞子の中をどうやって!?」

「あ……まさか貴方達!!」

「そうだよ、お嬢。」

「まったく……誰に似たのやら。」

「お嬢様ですよ。やる事為す事、所謂『お嬢様流』です。」

「……うぐ!」

「言われてら。」

「どうすんだ、お嬢?」

「お嬢!」

「お嬢様!」

「……いいわ、オーダールーム!シューティング・ガオガイガーが移動します、各機に援護を!!」

《何か考えがあるんだな?よかろう!》

《お前ら、一瞬でいい!シューティングに道を開けてやれ!》

「「「「───おおうッ!!!」」」」

 

射出される本数さえ判れば、後は必死に援護するだけであった。

激しく撃ち出されるゾンダー胞子をデミウス・ガイガーが切り裂き、勢いが衰えたところでアルゼがJパワーで対消滅させ、鉄華団の一斉砲撃で射角が狂った2本の胞子をアベルが同じくJパワーで対消滅させる。

尚も残った2本はバルバトスが叩き落としカルディナがGパワーとJパワーを駆使して対消滅を果たした。

そのタイミングで、グシオンリベイクを駆る明弘は、オルガに通信を送る。

 

「──オルガ!!」

《あん?どうした、明弘。》

「シューティングが所定の位置に到達したら、()()()()()()()()()()だったら俺が援護する!()()()()()()()()使()()()()()()()

「はあ!?明弘……お前、正気か?!確かにアレは完成して持って来てるがよ……!」

「判ってる!だが俺達のダチが……鉄華団の団員が命懸けようとしてんだ、俺達も命張らないでどうするよ!」

《明弘、お前な……!》

「それに、使えるのは俺のグシオンだけ、他の奴らじゃ無理だ。だったらやってやるさ!」

《……明弘さん、無事じゃ済みませんよ?最低でも入院一週間コースです。》

「上等ォッ!」

《こん……馬鹿が。オーダールーム!シューティングが所定の位置に到達したら、グシオンにメガトンツールを!!》

《……話は全て聞かせて貰ったよ、メガトンツール、準備!!》

《仕方ありません……メガトンツール『イレイザーヘッドXL』投下!!》

 

何やら明弘が何かをする様子で、そのためにこの戦場に持ち込まれた、開発に成功したメガトンツール。

それが今、グシオンの元に投下される。

 

その間にシューティング・ガオガイガーは力を無駄に使わず、目的の場所へと到達した───

 

──そこは、ゾンダーの真正面、生産されるゾンダー胞子全ての射程圏内である。

 

「よし、行くよ!アイハブ、ライトコントロール!!

「ああ!アイハブ、レフトコントロール!!

 

「「 ヘル アンド ヘヴン!!」」

 

「ゲム」

「ギル」

「ガン」

「ゴー」

「グフォ……」

「「フンッ!!」」

 

ヘルアンドヘヴンの呪文と共に顕現したのは、白銀に輝くシューティング・ガオガイガー。

合掌した拳から白銀のEMトルネードがゾンダーへと疾る!

 

「ですがそんな事はお見通しですよ!!」

「ヴィルルル!」

 

だがゾンダーも出せるゾンダー胞子を撃ち出す。EMトルネード接触したゾンダー胞子は磔のように固まる。

完全に囮と目眩ましを拘束した形となった。

さらに、その後方には新たなゾンダー胞子を生成し、撃ち出そうとするゾンダープラントが。

 

「生成速度が!」

「フフフ……これで、おしまいです──カインの遺産!!」

 

5本のゾンダー胞子が螺旋運動を描きながら凄まじいスピードで撃ち出され、それら全てがシューティング・ガオガイガーに迫るが───

 

「───そんなもの!!」

「僕らには、シューティングには───通じないッ!!」

 

一本一本が機界昇華を促す多大なエネルギーを有するゾンダー胞子。

それら全てシューティング・ガオガイガーを滅しようと、侵食しようとするも、シューティング・ガオガイガーの力は衰える事を知らない。

その光景に冷静沈着なポレントスでも驚きを隠せない。

 

「馬鹿な!?そんなエネルギーをいったい何処から──!?」

 

戸惑うポレントスだが、シューティング・ガオガイガーに乗る2人はその力を未だ高めている。

 

「……お嬢は僕達の事を時々『お菓子とお茶の関係』だって言ってた事がある。そうだよね、ムル。」

「ああ。あの時は僕達の好きな物の事だと思っていた。でもそれは別の意味があったんだ。それは───相乗効果だ!」

 

お茶と菓子。

様々な個性が多種多様に溢れる、それぞれの個性が豊富である。

だが、それぞれは単独でも賞味される事もあるが、それ以上にお茶と菓子は古来よりセットで用いられる。

それは、相乗効果。

合わせる事で、お互いの欠点を補い、より美味しく食べる事が出来るのは昔から知られているのはご存知の事。

 

そしてGストーンもJジュエルも同じように、単体使用が可能でありながら、お互いを合わせる事により───絶大な力を発揮するのである!

 

「僕とムル、GストーンとJジュエル、GとJの力……」

「今、ここに合わせる!!」

 

スラスターを最大戦速に、拳を前に突撃する白銀のシューティング・ガオガイガー。

目の前のゾンダー胞子を次々と消滅させ、更に束になって飛んできたゾンダー胞子をも消滅させ、ゾンダープラントへ突き進む。

最早、どんなものにも負けはしない!!

 

「「ウィィーータァッ!!!」」

「はぁあああ……!!」

「ふんッ!!

 

ゾンダープラントに拳を突き刺し、送り込まれる反物質エネルギーが機能を一時的に破壊、更に鳴動するゾンダー核を掴み、絡み付くコードや配線ごと、一気に引き抜く!

その瞬間、ゾンダーの全身に供給されていたマグマから抽出したエネルギーが、暴走を始める。

 

「ムル!」

「『プラズマウイング』───!!」

 

だが予見していた2人はシューティング・ガオガイガーの翼『プラズマウイング』を起動、すぐに爆発地点から脱出をするが、爆発規模は2人の予想を大きく凌駕する。

 

《いけない!ゾンダープラントがマグマから抽出した膨大なエネルギーは、この湖畔ごと消し去る程の威力よ!!》

《やっぱオチはそんなものか!!普通ならもうダメだろうが……明弘ォッ!!!》

 

「ぐぉおおおーーーッ!!グシオンッ───!!」

《ターゲットロックオン、イレイザーヘッド超振動最大──明弘。》

「行くぜェ!!イレイザーヘッドXL───発射ァァッ!!!」

 

ヘルアンドヘヴンが行われる直前、グシオン(悪魔)のナビゲーションを受けつつ、イレイザーヘッドXLを発射する明弘。

超振動の塊は音速を超えて爆心地にシューティング・ガオガイガーとすれ違いに到達し───眩い光の柱を宙へと打ち上げるのだった。

そしてプラズマウイングで無事離脱し、カルディナの前に着地するシューティング・ガオガイガー。

目の前に差し出されたゾンダー核に、浄解モードのカルディナはシューティングのツインアイに顔を向け、そして頷くシューティング。

 

サンクトゥス

レッフェルト

テストル

ルルーウス

ヒーク レリヴィーム

 

「あ、ああ……ありがとうございます。」

 

ゾンダー核が形を変え、漁師姿の人間へと変わる。

その光景を見る事で、ようやくこの戦いが終わった事を実感した一同。

その瞬間、喝采が辺りを包むのであった。

 

「ヴィルルルル……!」

「どうやら、ここまでの様ですね。」

 

流石の事態にゾンダリアン達も撤退する他なかった。

身体を流体に変え、地面に消えていくのだった。

 

「……う。」

「お嬢!」

「お嬢様、大丈夫ですか?!」

「大丈夫よ。バ〇ァリン切れただけだから。」

 

フュージョン・アウトしたクストとムルは『女の子の日』に苦しむカルディナを心配して近付いた。

カルディナはいつの間にか近付いてきたヴィータからバ〇ァリンを受け取り、服薬する。

そのせいで未だ不機嫌である。

そんなカルディナに、2人は即座に頭を下げる。

 

「それよりも、ごめんなさい!勝手に持ち場を離れてしまって……!」

「僕達も色々認識不足のところがあって、結果的に互いに誤解を招いてしまいました……!」

「……いいわ、別に。確かにマニュアルの読み込みが足りないせいで、シューティングが『1人乗り』とか勝手に誤解したみたいなのはカイン様やアベル様から伺ったけど……」

((やっぱり、バレてた!))

「……それはそれ、少なくとも今回は上手く出来たでしょ?反省事は反省するとして……GとJの共鳴したヘルアンドヘヴン、見事だったわ。」

「「──!!」」

「こんな状態じゃなきゃ……もっと褒められたんだけど。」

「いえ……その様に褒めて頂き……とても、嬉しいですッ!」

「お嬢……ありがとうございます!」

「……でも、任せた仕事は残ってるからね、ちゃんとやりなさいよ。」

「「はいっ!!」」

 

これにて事態は終息……という訳にはいかない。

当然問題もある。

まず一つ目は、明弘。

イレイザーヘッドを撃ち終えたガンダムグシオンリベイクは、全身からショートの煙を上げ、膝を突く。

かつてのカルディナ然り、どういう影響かは判りきっている。

 

「あ、兄貴!?」

《やはりですか。超振動の影響が、人体にどう影響するかご存じだったでしょうに。》

《とはいえ、明弘がイレイザーヘッドを撃ってくれなきゃ、今頃爆発でどんな被害を出してたやら……》

《仕方ありません。06、グシオンリベイクを収容、その後明弘さんをカプセルに入れて治療を。》

「了解しました。昌弘さん、手伝ってくれますか?」

「もちろん!」

 

そして二つ目。

 

「さて……これどうしようかしら?」

「ああ、カルディナ。君は休んでいてくれ。」

「宜しいのですか?」

「この規模であればクストとムル、細かいところは私とアベル、アルゼでどうにか出来る筈だ。今回君には無理をさせたからね。特にクストとムルにはヘルアンドヘヴンの使い方を実践して教えたい。」

「……そういう事でしたら。」

 

そう言って飛んでいくカインを見送ったカルディナとヴィータ。

その先には未だ機界昇華を勧めんが為に蠢く『機界』が、うねうねと。

そう……あのゾンダープラントが無くなっても、ゾンダー胞子がばら撒いた『機界』はまだ消滅してなかったのだ。

プラント消滅後、『機界』も勝手に消滅するかな~と思っていたら、違った。ばっちり残っている!(泣)

『原作』でもZマスター戦以外でゾンダー胞子が蒔かれた描写はないし、三重連太陽系でも浄解がなかったのでプラント消滅後どうなるか等、誰も知らない。

……とはいえ、これはないだろう。

幸いなのは、すぐさま新たなゾンダー胞子が生成されない事ぐらいだ。

そのため、カインがクストとムルにヘルアンドヘヴン(ビーム)のやり方を教えて、ひたすら「「ウィーータァッ!!」」させて、『機界』を対消滅させている。

細かいところはカイン、アベル、アルゼが素粒子Z0の反応が無くなるまで消滅させていく。

そのお陰で『機界』が対消滅した跡は、何も残らない。

 

そう、()()()()()()

 

地面に岩肌か土の残りぐらいで、削れた分は丸々消滅している。

全て消し去れば、ここは何もない岩肌の死地となろう。

 

「……しかしチマチマとやるしかなのですね。こういう光景を見ていると、ゴルディオンハンマーを早く開発しなかった自分が腹立たしいですわ。せめて陛下がいればサクサク除去作業が進むでしょうに───」

《───呼んだか?》

「はい……って陛下ァッ!?どうしてここに!?」

 

カルディナとヴィータの独白に応えるように、いつの間にか当該の人物──レクシーズ殿下がそこにいた。

しかもESウインドウを通り、MS『グランドマン・ロディ(ロイヤルカスタム)』に乗って。しかも単独だ。

 

「あの……どうしてこちらに?」

《一部始終はこちらでも見ていたさ。ゾンダープラントが浄解されたのだろう?その事あって、アベル様に呼ばれ、あの『機界』とやらの除去作業の助力に来たのだ。》

「でもどうやって……あ、『ゴルディオンソード』!」

《その通りだ。試作品とはいえ、ようやく私の力に耐えうる一刀が出来たのでな、試運転も十分に行った故、来たのだ……配下の者達の説得をする方が大変だったがな。》

「あ~……」

 

超重力衝撃波剣(ゴルディオンソード)という、比類なき力を持っているレクシーズであったが、ゾンダー戦においてはゾンダー核摘出という工程がある以上手出しが出来なかった。

だがそれが要らない今は、正に独壇場とも言える。

 

《では、行ってくる!》

 

久々に力を振るえる場を得て、少々ウキウキ加減のレクシーズは、思う存分『機界』を消滅させた。

三重連太陽系の人間をも驚かせる程の威力を持ったレクシーズのグランドマン・ロディ(Lカスタム)のゴルディオンソードは、結果『機界』の三分の一を消滅させたのだった。

そしてシューティング・ガオガイガーは残りの三分の二、カインやアベル、アルゼは端数を消滅させる事で、除去開始20分後には全ての『機界』を消滅させる事が出来たのだった。

 

グランドマンロディ(Lカスタム)のコックピットから、パイロットスーツ姿のレクシーズが出て来た。

汗ばんだ身体を風が心地よく撫でる感覚が久しく感じた。

同時に、自身の機体から薫るオーバーヒート気味の焦げ臭いが、いつかの戦場の臭いにも感じた。

 

「……念を押されていたとはいえ、調子に乗ってしまった。流石にゴルディオンソードの15分の連続使用は堪えたようだな。」

 

そこは反省すべきである。

そんな時、通信が入る。

 

《陛下。御身のご助力、感謝の念に絶えません。》

「長官か、気にするな。ゾンダー関連で初めての事案だ。万が一があっては遅い以上、私が出て安泰ならば委細問題はない……むしろ出てきて良かったとすら思う。》

《やはり今回の件は……》

「ああ。ゾンダープラントの件はまだいいと思ったが、あのゾンダー胞子からなる『機界』と呼称したあれは絶対に許容してはならん。肌身で感じて尚更実感した───無差別に増殖する『機界』は我々生命体の尊厳を踏みにじる存在。機界昇華は……絶対にあってはならん、と。」

《私も同じ思いです。》

「長官、今回の件を早急に解析しろ。それとこの地の領主への尋問を。どうしてギャラルホルンの者が仰々しい設備をこしらえて入り込んで、尚気付かなかったか……あるいは故意に、か。舞踏会の日が近い、それまでに徹底的に聞き出せ。」

《御心のままに。》

「……しかし、今回は色々あり過ぎた。サクヤ09から聞かされた若人達の青い諍いの傍聴から始まり、ゾンダーが現れ、機界昇華寸前の事まで……」

《まったく、話題に事欠かない一日でしたな。》

「何しろ、今回の戦いで、これから決める事が多々増えてしまったからな……」

《随分と追加事項が増えましたな。》

「ああ。」

 

国王は国王で、何やら決め事が多くなったようで「帰っても、休む暇が……」とつい独白する。

 

「だが成果もあった。機界昇華を我々の手で防ぐ事が出来た事と……若人達が更なる成長を果たした事、だな。」

 

にこやかに微笑むレクシーズの視線の先には、疲労困憊で地べたに座りながらも、笑顔で拳を合わせるクストとムルの姿があった。

そこには、間違いなく確かな友情があるのであった。

 

 

───喫茶店『アンジェラ』

 

「うん!これこれ!」

「……ふむ、まずまずの出来ですね。」

 

一同は平常運転に戻ったが、クストとムルは違った。

カルディナ経由で依頼された『紅茶のクッキー』を2人で作った。

そして依頼主のカインとアベルには受け入れられたようで、2人共満足な様子である。

 

(ちなみに、どんな工夫をしたんだ?)

(ミルクティー仕立てにしたんです。それで風味は柔らかくなって、僕もクストも納得する仕上がりにする事が出来ました。でも元々万人受けするものではないようで、本当に嗜好品、って感じで……)

(……ん、確かに。)

 

ムルの言う通りだと、何となく納得するオルガ。

これは所謂、『大人の味』という奴だ。しかも熟練者の。

ミルクを足す代わりに茶葉を多くして……

香りはともかく、味は何とか承認!という仕上がり。

注文通りに作るには、苦労はあったようだが……

 

「うん、これで開発作業も捗るかな。」

「幾分かは作業速度は上がりそうです。」

 

どうやら最初に気付けと言っていたのは間違いではないようだ。コメントが違う。

2人が満足している傍ら、厨房からクストが大箱を持ってやって来た。

 

「アベル様。追加でクッキー、お持ちしました。」

「ああ、持ってきましたか。アルゼ。」

「はい。」

 

アルゼにクッキーの大箱を渡す。

だがその大きさは結構な量があると推測出来る大きさだ。

これはいったい……

 

「アベル、いよいよ戻るのかい?」

「ええ、こちらで手を掛ける事は大方出来ました。『3号機』はカイン、貴方がいれば出来るでしょう。私は私の役目を果たします。」

「わかった。こちらは任せてくれ。」

「それとレクシーズやカルディナには伝えてますが、パーティーは欠席で。代わりにアルゼを名代として寄越します。」

「……そう言うと思ったよ。うん、そちらもどうにかするよ。」

「あの……アベル様は何処かに行かれるのですか?」

「そういえば貴方達には言っていませんでしたね、私はこれから『里』に戻ります。」

「里……あ。」

 

アベルの言う『里』。

そこは、かつてカインとアベルがこの星に落ち延び、生き永らえた場所。

仮死状態となり、命の炎を途切れる刹那、カルディナと出会った『白き箱舟』がある場所である。

 

「前々から考えてはいましたが、今回の事で色々思うところがありましてね……設計したビーク・シューターも問題なく稼動出来る以上、一足先に戻らせて貰います、では。」

 

そうぶっきらぼうに別れるアベルと、会釈しながら大箱を念力で運び付いて行くアルゼ。

去りゆく後ろ姿をクストとムルは名残惜しそうに見送るしかなかった。

 

「カイン様……」

「アベルにはアベルのやり方がある、それに任そう。それに今回のゾンダー胞子、そして『機界』の対処の仕方に思うところもあるようだ。そのための里行きさ、手段は多い方がいい。それに……」

 

皿に残った最後の1枚のクッキーを咀嚼し、紅茶をゆっくり呑み込んだカインは優しく笑って答える。

 

「今回のクッキーはそのための注文だったんだ。まあ余興説教あったが、アベルも満足してくれたようだし、またクッキーが足りなくなったら帰って来るさ。その頃になったら、また今日みたいに茶会を開いてくれるかい?」

「「はい!」」

(私達の……三重連太陽系の子孫が、今尚ここに生き付いている証があるのだからね。)

 

2人揃って応えるクストとムル。

お菓子とお茶、その関係たるこの2人がどんな味わいを作り出していくのかが楽しみで仕方ないと、カインは思う。

 

 

 

 

 

 

……そんな嬉しい事とは裏腹に、何処にでも不穏の種はある。

 

 

───某所

 

「……そうか、奴等に不和の兆しあり、か。特にカルディナ・ヴァン・アースガルズ公爵令嬢……お前には決定的な欠点がある。それを次の舞踏会で知らしめてやろう……ククク、フハハハハ!!」

 

 

《NEXT》

 

 


 

 

『 次回予告 』

 

ゾンダープラント、そして『機界』を退けたカルディナ達。

 

次に待ち受けるのは、王国主催の舞踏会。

 

そこで行われるのはオルガ達、鉄鋼桜華騎士団主要メンバーの御披露目。そしてその中にはクストとムルの姿もあった。

 

その光景を眺めるカルディナに、とある貴族が欠点を言い放つ。

 

更に舞踏会が佳境に差し掛かる頃、ゾンダリアンの策略が会場を支配する。

 

阿鼻叫喚と化し、人質となった会場……

 

誰もが絶望の縁に立たされる中、白銀の光が会場を照らす!

 

次回、『~公爵令嬢は、ファイナル・フュージョンしたい~』

Number.25 私が、勇者王

 

次回もこの物語に、ファイナル・フュージョン承認!

 

これが、勝利の鍵だ!

『マギウス・ギャレオン』

 

 


 

《現在、公開出来る情報》

 

○シューティング・ガオガイガー

シューティング・ガイガーと、ガオーマシン『ステルスガオーⅡ』、『ライナーガオーⅡ』、『ドリルガオーⅡ』とがファイナル・フュージョンする事で誕生するスーパーメカノイド。

ナンバリングが全て『Ⅱ』である事、『2号機』でから『セカンド』、『セカンド・ガオガイガー』のコードで呼ばれる。

各ガオーマシンの詳細は正規のものと変わりなく製造され、FF後の全長も30.1m。

最大の特徴は、GストーンとJジュエルの共鳴反応を利用した膨大な出力で、動力炉『DSライド』と、搭乗パイロットであるクストース・マーレ・カエルム、ムルタエノス・ヴィアム・レクティオの2名を必要とする事で、かつてのガオガイガー(初期型)をも軽く凌駕する。

三重連太陽系の技術と魔法の技術(源素転換炉(エーテルリアクタ))を取り入れているため、本来の出力よりも高い。

規格はマギウス・ガオガイガーと変わりなく、ガオガイガー(初期型)とも同規格なので、ガオーマシンの相互交換が可能。

 

尚、名前の由来は、カルディナが『スターガオガイガー』に類似した本機を設計する際に、カインがゾンダーを退ける力を持てるようにと『流れ星(星に願った)』事から。

 

 

○ビーク・シューター

カルディナとアベルが設計したハイパーツール。

右腕のブロウクンアームに接続、稼動する事によって使用出来る電磁加速機であり、釘打ち機。

稼動する事で『光の杭(フォトンパイル)』も生成出来、電磁加速機に通す事により、生成出来る『光の銛』とする事でジェイクォースの簡易版『ジェイハープン』を撃ち出す。

ジェイクォースのように軌道の操作は不能で、直線的にしか撃ち出せないが、弾速はジェイクォースよりも速く、ゾンダー核を撃ち抜き、摘出する特徴を持つ。

開発理由として、機界新種時の浄解失敗を元に、核摘出後の即・浄解を行うため。

 

 

 




とりあえず、書きたい事は全部ぶち込みました。
特にクストとムルは、初登場からお茶とお菓子の組み合わせ=GストーンとJジュエルの共鳴反応出来るペアとして、設定を盛り込みましたが、いかがでしたでしょうか?
お菓子好き、お茶を好むの設定は軽く触れられた程度ですが、こちらでは滅茶苦茶重視してこんなになりました。
搭乗機もガオガイゴーの個人的な不満箇所を解消したものとしました。
あと、カインとアベルがクストとムルの相談相手になるシーンも個人的にはじわじわきます。
カインが成長した護の相談を受けて、カインは親バカ全開で内心ほっこりしてるんだろうな~、という妄想をしながら。

あと、ビーク・シューターにファイナル・アタックの機能はありません。
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