なんかネットでドアパンニキと呼ばれるようになりました 作:先詠む人
多分しばらくの間更新頻度ガタ落ち&短いと思いますがご了承願います。
それとソロマン見てきました。泣きました。号泣しました。現場からは以上です。
パタンと音を立ててPCが閉じられる。
「ふぅ……」
ため息を一つ。一度つく毎に幸せは逃げるといわれているが知ったもんじゃない。あの撮影の後で俺は件の歌ってみた動画を見ていた。
「あのアホ……」
額に手を当てながら呆れ果てつつ被っていたヘッドセットを外す。それが普通に「うっせぇわ」の歌ってみたの動画なら、これはきっと大きく燃え上がることなどなかっただろう。ただ、アドリブなのかそれともマネージャーがそんな阿呆な指示でも出したのか。ラストのサビに入る寸前。そこで何を思ったのかは知らないが
「『お前ら全員』とかぶちこんだら燃え上がるに決まってるだろうがぁ……!!」
そうなのだ。基本的にこの曲は攻撃的な歌詞で構成されている。そしてこのタイミングでそのアドリブ? (と仮定する)を入れたこの曲を歌ってみたで投稿した場合。どうなるかは火を見るよりも明らかだ。というか、普通の状態でも多もえするのが目に見えて分かる状態のそれをこのただでさえ燃えている状況でやる精神が理解できない。
「あぁもう頭抱えたい状況なのに頭痛の種ばかり増えていくのはなんでだよぉ!?」
視界の端に置くスマホに新たな通知。映し出されたのは某事務所からの
「厚顔無恥って言葉知らねぇのかよこいつら……」
ストレスで血を吐きそうになりながらロックを解除しそれをゴミ箱へとぶち込む。
「がぁぁぁあああああああああああ」
胃から激しい痛みを感じつつ苦悶の声を漏らす。血でも吐きそうだが未だに吐いてはいなかった。
ピロン♪ とスマホが何かメッセージが来たことを知らせる。
「もういい加減にしてくれ……」
そう言いながら俺がスマホを見るとそこに映し出されていたのは
「あぁ……こっちか」
大学で所属しているサークル……というか、勝手に部室棟の空き室を占拠している奴らの集まり? で構成されたグループからのメッセージだった。
俺もそこに所属している……というか、所属させられた。理由はうちの大学の学生会の方針にある。
うちの大学の学生会の方針。それは
勉強するのは当たり前。金とかそう言うのを稼ぐためにするバイトとかどうでもいいからサークル活動をしろ。大学に貢献しろ。学生会は常に金欠だからサークル組んで毎月金寄越せ。
だ。言っていることが滅茶苦茶である。金がないと一人暮らしで出てきた奴が困るの眼に見えているのにこれである。
まぁ、こんなあほな方針が打ち出されてしまったのは理由があって俺が受験したときはまだ普通の方針だったのだ。その時の学生会の会長さんの方針にオープンキャンパスの際に感銘を受けたから俺もこの大学に行こうかときめたまでもある。
ただ、その会長さんがその俺が受験を合格した年度で卒業。まぁ、それは仕方がない。留年とか普通はよっぽどの事情がない限りするようなものではない。そして問題なのはここからだった。その次の跡を継いだのが留年に留年を重ねた拝金主義のクソ野郎(この話を学食で教えてくれた奴から聞いた話だと現時点で28歳)だったのである。俺が意識不明かつリハビリとかしている半期近くの間にやりたい放題をして学生会の方針を含めて自分の都合のいいように変えてしまったそうだ。
なんでそんな奴が学生会の頭に入ったのかというと単純にこいつ医学部生だったので年食っていてもおかしくないし、昔から居たから業務を分かっているということだったのでそれでみんなが納得して任せていたら後の祭りになったそうで。予算を使いつぶして金が足りないという事態に。そこで打ち出したのがあのアホすぎる方針だった。
まぁ、それで集めた金をみんなに還元するなら問題ないし皆も納得するのだろうが、こいつそれで集めた金すらも自分の周りに金をばらまいて学校側にも最低限しか還元しない。そうすると最低限しか設備の維持とか学校側もしてくれないから色々と不具合が出てきていた。机とか椅子とか自販機が使えるのこれ? と言いたくなるぐらい壊れているのに修理されていなかったりね。
「まぁそんなクソみたいな今に対抗するためのレジスタンスみたいなもんだ」と俺をその部屋に連れ込んだ男は語った。
そうしてできた縁が今こうやってつながっている。まぁ、元々色んなサークルで活動していた奴らが金を払えなかったからって取り潰し喰らって離散し、その中で反骨神溢れた奴が集まったとこだから色々なジャンルに強い奴が多い。漫画の絵を描ける奴(元漫研)とかオリジナルの曲歌う奴(元楽研)とか自作のゲーム造る奴とか(元現代遊戯研究会)3Dモデリング作っていろいろやっているやつとか。まぁ、各自特定分野に強い奴って感じだ。俺と同じで自分のしたいことばかりやるレジスタンス活動もくそも何もしない奴らでもあるけれど。
「明日部屋に集合」
メッセージはそれだけだった。
「ふーん……」
見るだけ見てメッセージに返事をしない。俺はいつもそうしていたし、その集まりを主宰している奴もそれを理解していた。
そう言えばこの集まりのことでふと思い出したことがある。
最近3Dモデル作って色々やってるやつと歌上手いけど同じサークルの奴らとウマが合わなくて追い出された(という名目であのクソ野郎の目につかないように逃がされたらしい)娘が二人してなんかしょっちゅうやってるけどあれ何やってんだろうか。まぁ、俺には関係ないか。
そしてそのまま椅子にもたれかかろうとすると再びメッセージアプリの着信音が鳴る。
「……大地か?」
先ほどまでのテキストメッセージではなく音声通話での着信。何かあったのかと携帯を手に取り、通話を起動した。
「どうした?」
「なぁ、裕也。聞きたいことがある」
その大地の声は迫真に迫るものがあり、俺は警戒しながら
「なんだよ」
とだけ答えた。俺の答えを聞いて大地は
「お前の所にVの事務所からしつこい勧誘来てないか?」
そう続けた。
「来てるよ。何なら今さっきも来て血を吐きそうになってた」
「俺のとこもだ。浩司もそうらしい。特にクジゴジがスタッフとして雇ってやるからお前の交渉手助けしてくれないかって」
「ふざけんなよ。お前まさかそれを飲んだのか?」
俺が眉をひそめながら問い返すと大地は
「あほか。乗るわけないだろ。特にクジゴジとかこっちからお断りだっつーの。なんであの四宮を受け入れたとこ行かなきゃいけないんだよ。しかも言い方的に俺たちはお前のおまけで入れてやるってふざけんなよ」
心外だとでも言いたげな声でそう告げ
「あの日以降ずっとストーカーみたいに粘着されてもういい加減俺も浩司もイライラしてきてるからさぁ。お前もいいなら良い案あんだよ」
「案? 何をするんだよ?」
俺の問いかけに大地は
「お前がいいなら俺たちでどデカい花火打ち上げようぜ。久々にあのアカウントでさ」
通話越しでもにやにやしているとわかる声でそう言った。
翌日、結局大地と晩飯をはさんだとはいえ話し込んでしまいほとんど寝られずに大学に向かう。
「ふぁぁ~」
まだ夏休みなので大学の構内は人気がほとんどない。というか、今の状況で金取られるかもしれないのに態々大学に来る奴いない。
定期を端末に通し、バスを降りてから口の中に拳でも入りそうな程な大欠伸をかましながら歩いていると
「~過ぎて夏は」
「?」
ふと昔聞いた曲のメロディが聞こえた気がして立ち止まった。
「これって……確かエウテルペ?」
小学生の頃の友人がその曲を歌っている歌手のアルバムを鬼の様にリピートしていたので何となく覚えていたのだ。確かアニメの挿入歌だっただろうか。
黙り込んだまま約束を忘れてそのまま聞こえてくる音を聞き続けながら音の位置を辿る。
しばらく歩き続けてそして俺は音の元へとたどり着いた。
「……茅野じゃん」
歌っていたのは茅野いのり。最近3Dモデル作るの上手い奴となんか色々やってる元々声楽部だったのにウマが合わないと理由でこっちに放り投げられた子だった。
「私は唄おう 名もなき者のため」
ちょっと離れた位置で俺が見ているのにも気を留めず、最後のフレーズを歌い終えると彼女は一息つくかのように胸を上下させた。
そのまま薄く桃色のように染めている髪の毛を後ろに流すかのように手ですいている姿は大学の街路沿いに埋められたヒマワリのせいか華の妖精のように見えた。
「あ。ぼちぼち行かねぇと」
3限が始まる前になる予冷が鳴り響く。それに気づいて俺は慌てて教授がまっているであろう教授室へと走り出した。
その後ろ姿をじっと見られているなんてことを一切気づかずに。
「ただでさえ教授時間厳しいのにあのバイトの件で態々時間割いてもらってるからヤバいんだよなァ!?」
教授棟まで全力で走るしかないのは時間を忘れて聞きほれてた俺が悪いとはいえやっぱきついわ!!
今後出すゲーム(予定)
・Dugcrafts:
要はマイクラ 版権の問題在るから同じ意味の英単語使って前半部の名前変えた。略称?ダグラとかになるんじゃない?
・Return of the Opera Dum:
ちょっと前に話題になったオブラディン号の帰還ベースの作品
まぁ、確かなろうの評価システムの位置もこんな感じだったはずだし。
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