なんかネットでドアパンニキと呼ばれるようになりました 作:先詠む人
まぁ、いろいろと理由がありましたが遅れに遅れました。
まだ見てくれている人が納得できる出来になってればいいのですが……
「……はぁ……」
「どうしたの?」
全然喋ったこともない女子の部屋に入り、最近買ったばかりなのだろう結構新型のはずの高性能ゲーミングPCを前にしてどうしてこうなったと頭を抱えてため息をついていると部屋の主が俺に声をかけてきた。
「いや、どうしたもこうしたもあるかよ……」
そういいながらこうなった原因を思い返す。いや、まぁ原因をたどれば俺の自爆なわけだが……
「よぉ」
今となってはほとんどの人間がそこに入らなくなってしまった大学の部室棟、そこの3階の一室に俺が探していたやつはいた。
「おぉ、なんだよ黒須」
部屋に入ってきた俺のほうを向きもせず、そいつはいつも着ている甚兵衛の裾を足元に置いた扇風機でたなびかせながらパソコンの画面を見続け、何かしらの操作をしている。
「お前に聞きたいことがある。享也」
「なんだぁ? 金貸してくれとかなら他当たってくれ。俺今金欠」
パソコンの画面から一切視線を動かさず、こちらに反応するそいつの名は
「楪愛衣」
俺がそういうと享也はピクリと肩を震わせ、そしてこちらを向いた。
「お前だろ。それの後ろにいる
指を突き付けるように差し、指摘する。
「……」
俺のその指摘に対して享也は何も言わずこちらを向く。その際、見えたPCの画面にはその答えとでもいうべきか杠愛衣のまだ公開されていない曲のPVを作っているのだろう楪愛衣が歌っているのを途中で止めたかのような画面が映し出されていた。
「お前、その答えにたどり着くの早すぎねぇ?」
享也は悪戯がバレた悪ガキのように笑い、そしてそのまま背もたれに体を預けた。
「アホか。あんだけ答えにたどり着けそうなヒント散り交ぜさせといてたどり着けないわけないだろ」
俺はそんな態度に呆れながら答える。小学生の時こいつの家に遊びに行った際、あの「エウテルペ」を含めた同じアニメ関連の曲を鬼のようにリピートしていた。そしてその曲は楪愛衣が投稿している歌ってみたの曲のほとんど一致している。
「まぁ、中身に関しては曲聞いてすぐに分かった。けどだからと言ってそこにたどり着くのは難しかったがな」
そして「エウテルペ」を聞いたとき、俺が真っ先に思い出したのは茅野があの日に歌っていたあれだった。
しかし、だからと言ってなぜ茅野が俺の愚痴アカのことを知ったのかがわからなかった。
そこで首をかしげながらメッセージを開くとその内容は簡単にまとめると
・大国主さんからあなたのことを教わりました。
・私はゲームが苦手だけどゲーム配信もしないといけなくなったからゲームを教えてほしい。
・お返事をお待ちしております。
といったことだった。ここで重要なのが
まぁ少ないといっても、大地たちと偶々それで呟いてるのを見られた数人ぐらいだ。そして目の前の享也はその偶々呟いているのを見られた数人に当たる。
そこで大国主と名乗る奴のツイッターを楪愛衣の動画に合ったURLから確認してみたところ大国じゃんとなったわけである。
そこで今日は来ているだろうと予測を立て、大学に用事があってきたついでに覗いてみたのだが案の定こいつはいつもいる定位置でPCつついていたわけだ。
「で、それを知って俺に何を言いたいんだ? 平成の怪物、クロノスさん?」
「お前それ人にもの頼む態度ってわかってやってる?」
煽るような表情や態度でこちらにそう告げてきた享也に俺はそう言い返す。
「それに俺の答えはあの動画見たのならばわかってるだろ」
俺はそう言って
「俺からの答えはNoだ。あの動画でも告げたが、俺、クロノスはVの世界にかかわるつもりはない。そのスタンスは俺自身としてもクロノスとしても変わりない」
はっきりと断言した。だが、享也はそれでもさっきから続けているにやけた笑いを崩すことはない。そして
「なら、それとは無関係で一つ提案がある」
「なんだ」
俺がそう返すと享也は懐からアニメのキャラクターが描かれたスリーブに入れられたカードの束を取り出した。
「
「なんでだよ」
「いや、お前の好きな格言。あれを思い出してな」
「どれだよ」
「強請るなってやつだよ」
「ねだるな、勝ち取れ、さすれば与えられん……か」
「そうそれそれ。ならその格言に則って勝ち取ってやろうかってな」
「……しゃぁねぇなぁ……。ってもそれどれだよ。俺今もやってるの一個だけだぞ」
「王様の奴だから安心しろ。お前が今もこれはやってるのはこないだ他の同じゼミの奴とやってるの見たから知ってる」
そういって享也は見知ったシートを近くのテーブルの上に置いた。
「ここまでおぜん立てされたなら乗ってやるよ。勝ったら
そういって俺は席に座った。それを見た享也の笑みが深くなったことに気づかずに。
結果から言うと俺は負けた。
まさかサイコロで攻撃力上げる魔法カード出してきてそれで6面ダイスを転がすのかと思ったら100面ダイスを出してくるとか思わねぇじゃねえか……
そして確かにテキストには6面ダイスを使わなくてはならないと一切記載されてないのである。それを出されたらもう勝てん……
てなわけで、罰ゲームは何だよと聞いたところ。知り合いがゲームを実況したいと言っているが下手すぎて困っているから簡単でもいいから教えてくれという内容だった。
「それな…………おぃ。お前その知り合いって……」
「お? 気づいた? 気づいちゃったか?」
俺が納得して了承の答えをだそうとしたタイミングであることに気づき、問い返すと享也はにやけ面をさらに深め
「茅野のゲームの下手なの直してクレメンスってな」
「ふざけんなぁああああああ!?」
俺は単純にはめられたのだった。
「はぁ……」
そして今に至る。茅野はどうもゲーミングPCの設定からよくわかっていなかったらしく、結果的にそのセッティングすらも俺がやる羽目になってしまっていた。
「……ごめんね。大国主が勝手に決めたみたいで」
そういって茅野は俺のことを心配そうに見ているが、本件に関しては完全に俺の自業自得なので茅野が責を負う箇所は一切ない。
「いや、悪いのは俺だから茅野が気にする必要はない。というか、享也のアホが悪い」
そういいながらゲーミングPCのセッティングを進めていく。
「ほれ、俺がいつもやってる設定で一旦セットしてる。けど、多分人によって誤差とかあるから自分がちょうどいいぐらいにしなきゃ意味ないから一度何でもいいから操作してくれ」
そういいながら俺は席を譲った。
「わかった」
茅野はそう言って席に座り、流れるようにネット上でゲームを販売しているアプリのランチャーを起動する。そして
「……こっから先が全然わからない」
俺のほうを見てそう告げた。
「……は?」
「ゲームの画面を配信に乗せる方法もゲーム機の画面を配信画面に飛ばす方法もコメントの見方もおーびーえすとかそういうの含めて全然わからない」
「……ちょい待ち。茅野お前、歌みた配信してたやろ。なんでコメントの見方もわからないんだよ」
俺が過去に実際に茅野が楪としてやっていた配信の内容に言及して聞くと
「あれ、友達の部屋で友達のPC借りてやってたから友達が全部設定から何からやってくれてた」
「うせやろそこからかよ……」
俺はその場に崩れ落ちた。
作中に登場した戦法は実際にある戦士がポケモンカードがメインのプレイヤー相手に仕掛けた戦法です。因みにその人は大体ポケモンカードでポケモンの能力を使って別TCGの5枚手札にそろったら特殊勝利のカード(封印されし……)を手札に集めて勝利する外道戦法を好んで使っています。(友達同士だからやってるだけでさすがに公式大会とかではしないらしいんですけどね)
因みにこの戦法は繰り返し続けた結果、相手にさらに別の特殊勝利メタのカード(確か中古屋で70円で買ったとか言ってた気がする)で返されたという爆笑できる逸話もあります。
某サイトみたいに流れるコメントのままで
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