ARMORED CORE -Resume “N”-   作:アカ狐

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閉鎖施設“アビス”

現ミラージュ領のアンバークラウンに存在する謎の施設
アンバークラウンごと完全に放棄されていて、
企業はおろかテロリストさえも寄り付かず、忘れ去られている。

何故かネスラはその存在を知っているようだが…?


Act.5

 

「敵!?」

 

「ッ!対処するッ!!」

 

ジョンはマシンガンを撃ちながら目の前の敵の制圧にかかる。

相手の武装構成も全く同じなことに気味の悪さを感じつつ、思考を巡らせる。

“ 敵ACを確認、該当データ無し ” COMの声がコクピットに響くが、

眼前にいる機体の機体構成や装備は戦ううちに、以前撃破したあの機体であると確信に至る。

正確な射撃でこちらとの間合いを的確に詰め、ブレードを振ってくる。

ハウンドのバックブースターを噴射させ、斬撃を回避するが、エネルギー残量の警告音がコックピットに鳴り響き、ジョンは精神的にも技量的にも目の前の機体に追い詰められていく。

 

〈AP50パーセント、機体ダメージが増大しています〉

 

警告文がモニターに表示されるが、ジョンはそれに構うことなく赤いACに向かって前進しブレードで斬り掛かる。

相手は意表を突かれたのか、後退が間に合わずにコアの上部を頭部ごと焼き切られる。

 

鈍い音を立て、転がり落ちる頭部と切断面から火の手が上がる。

ACの構造上そこにはコクピットがあるはずで、普通ならまず助からないとジョンは考えていた。

 

そう、“ 普通 ” ならばー。

赤いACは燃える機体から金属の摩擦音と火花を散らせながら動いたのだ

 

「なっ……!?」

 

「バカな…!まだ動くのかソイツは!?」

 

それどころか、右手のパルスライフルを撃ち込んできたのだ。

ジョンは咄嗟に右手をコアの前に出して防御態勢を取りながら後退する。

機体への致命傷は避けられたものの、パルスライフルの光球が右腕と右手武器に被弾し、持っていたライフルが爆散してしまった。

 

“ 右手武器が、破壊されました ”

 

「くそったれ!!」

 

「生き残ることだけを考えろ!施設から脱出するんだ!」

 

悪態をつくジョンであったが、すぐにミサイルを展開し、赤いACをロックオンするが、相手は肩のグレネードキャノンを展開し、左手で砲身を掴み砲撃体勢をとった。

立ったまま砲を構えるその姿勢は少なくとも地球の生身の人間には出来ないという話をブリードから聞いていた。

ロックオンが間に合ったとて砲弾の弾速には勝てないとジョンは悟る。

 

「バケモノめ!!」

 

ジョンはそう叫ぶと肩に装備されていたミサイルポッドをパージする。

「何やってる!?」というブリードの問いに答えることなくソレを左手で掴むと、思い切り赤いACに向かって投げつける。

そしてそれはグレネードキャノンの発射とほぼ同時であり、砲撃はミサイルポッドに直撃し、大爆発を起こした。

その爆風は爆心地に近かった赤いACの半壊したコアの機能を完全に破壊し、そのまま機体は仰向けに倒れて停止した。

 

「Resume-12……Irr…g…」

 

「レジューム…?」

 

赤いACはまたも謎の通信をどこかへ送信したかと思ったが、すぐにノイズにかき消されてしまった。

ブリードはその様子を見てジョンに声をかける。

 

「……ソイツの戦闘ログを回収しておいてくれ。解析はこっちでやっておく。ポチ、帰投しろ」

 

「だからポチっていうのやめろよブリード…」

 

 

 

~~~~~

 

 

ジョンは大破した赤いACと共にブラック・フェザーに帰還した。

想定外にボロボロになったディンゴキラーの姿に整備士たちは驚きながらも、五体満足に帰ってきたジョンの姿を見て安堵の声を漏らし、それぞれが声を掛ける。

ジョンはまさかのACとの戦闘が二度も続き、顔に疲れが出ていた。

そんな状態ではあるものの、ブリードの元へ向かう。

仕事部屋のデスクでブラウン管のモニターの前で渋い顔をしているブリードにジョンは声を掛ける。

 

「ブリード、何か分かったか?」

 

「ああ、お前が回収したACから抜いた情報だが、暗号化されててすぐに解析は無理だ。一応進めてはみるが、持ち帰った残骸を調べつつってところだな」

 

「…そうか」

 

「そう渋い顔をするな。とりあえず今日はもう休め」

 

「そうさせてもらうよ」

 

そう言って自室へ戻ったジョンは、シャワーを済ませてベッドに寝転がった。

ネスラとの連絡はブリードに任せることにした為、端末を見る必要も無くなった彼は先ほどの戦闘を頭の中で反芻し、アドレナリンが冷めない感覚を覚えながらも目を閉じる。

 

 

~~~~~

 

 

ブリードのデスクに置かれたジョンの端末がメッセージを通知する。

彼はそれを手に取り、その内容に目を通す。

送り主の名は…ネスラだった。

 

「依頼達成、感謝する。報酬の支払いは完了した。君が撃破した機体の正体はこちらでも調べておこう。それと君が発見した大型兵器の残骸はこちらで回収させてもらった。また機会があれば君に依頼させてもらうことにする」

 

内容はシンプルな報告だったが、赤いACのことと言い、なんの脈絡も無くレイヴンとしての評価はあまり高くはないジョンを名指しで依頼したことに不信感を持ったブリードはネスラの発信先を追跡することにした。

 

 

~~~~~

 

 

「イオ、名指しの依頼が入ったよ。依頼主は…」

 

ミアに声を掛けられたイオは彼女の手に持ったタブレット端末を覗き込む。

 

「ネスラ・E・ナナル?誰?この人」

 

「正確には企業の仲介人らしいけど…なんでもアリーナで技量を見せて欲しいんだって」

 

「アリーナで?…なんか変な依頼…」

 

 

 

 






Resume-11 Break shot...Lost
Resume-12 Call shot...Lost
Resume-09 Runout...no response

Irregular factor...Slight
Revision Program First Level...retention



Act.5 了
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