ゲームのチート国家連合が異世界にログインしました 作:御代川辰
[[西暦2019年 8月1日 午前1時35分]]
《日本国 広島県 呉市 海上自衛隊呉地方隊総司令部(呉鎮守府)》
「さて……ついさっきサーフェスから報告があったんだが、今の今まで陸地が確認できなかったゲートの向こう側に突然陸地と人が出現し、さらに不可解なことに気温水温ともに氷点下になっているとのことだ。これは一体どういうことなのかわかる奴はいるか?」
呉鎮守府所属【
幕僚たちは一斉に【
「(なんで俺が広島まで連れて来られてこんなことしなきゃいけねぇんだよ…………)」
「午尾黙れ、お前うるさい」
「ひっどっ!ちょっとひどくない!?」
小声で愚痴を垂れた午尾に対して【
それを尻目に【
「醍醐、お前の意見は?」
「調査班からの報告を読む限り、少なくとも人が住める場所が存在するというのは確かでしょう。しかし、近代的な艦隊を運用できるほどの文明が存在するとは到底考えられません」
「そうか、だいたいわかった。熱海、お前はどう思う?」
そう言って門ヶ崎が視線を変えると、【
「海水温が氷点下の状態になっているにも関わらず凍っていないことは過冷却の理論で説明できます。しかし、このような不可解な現象が実際に起こったとなると、とても信じ難いです」
会議が始まる前に門ヶ崎が報告し、そして今亜紀歩が指摘した通り、過去の調査で一度も確認されなかった陸地が突然出現し、さらに海がシベリア並みの寒さになっている(もちろん全ての領域ではないが)というのはかなり信憑性が薄い。
「だが彼女らの報告は間違いなく事実だ。今はドレヴォボグ連邦とか言う国の海軍の捕虜として、それも旗艦と思われる主力艦の艦内で軟禁されているのはなぜだと思う?」
と、続けて発言しようとしていた熱海の言葉を
近代海軍を有し、それを艦隊規模で運用するほどの文明が現地に存在しているとなれば自分たちにとっては相当の脅威であることに違いはない。
しかし、彼らにとって自分たちは違うのか。答えは、否だ。
「人の姿でありながら、戦闘艦並みの大きさでレーダーに写るから不意打ちを警戒して……」
「その通り。最も、彼らは艦娘の本来の力にはまだ気付いていない可能性も充分にあり得るけどな」
艦娘、そして深海棲艦の最大の脅威は、本来の大きさより巨大な姿でレーダー・ソナーに写ること、そして戦闘に特化している故の身体能力の高さである。
レーダーに投影される影は戦艦の艦娘なら戦艦並みの大きさで、ソナーで確認できる大きさは潜水艦の艦娘なら潜水艦と同じ大きさでといった具合だ。
しかも度重なる
またいくら少女の姿をしていると言えども全身が兵器であるため、身体能力は当然人間の比ではない。
そんな化け物の侵入を許してしまえば、艦が内側から木っ端微塵になるのは目に見えているのだが、あいにく現在は武装を解除した状態で軟禁されている。
「にしても面倒なことになっちまったなぁ…………」
午尾は呟くが、前述した通り派遣された六人は未知の国家の捕虜となっているため、しばらくは連絡がとれない*1。
面倒ごとに巻き込まれたとばかりに提督たちはため息をついた。
エヴゲニー・クルニコヴ(Евгений Курников\Evgeney Kurnikov)
本名不明、年齢、出身は一切不明。
身長145cm、体重48kg。