負けイベントに勝ちたい   作:暁刀魚

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57.花嫁が欲しい。

 ――アンサーガは、執着心が強い。

 同胞に対して、気遣うような言動を見せるのも、そうだ。言動が保守的なのも、執着したものを守りたいから、()()()()()()()()()()()()のである。

 

 だが、同時に創造者として、マッドな気性も持ち合わせている。それは言ってしまえば知的好奇心。ゲームでは、アルケとその妹の確執を。

 そして、今回は師匠のいびつな精神性を。

 

 アンサーガは興味深く感じたのだ。そうして、観察を続けた結果、アンサーガは観察対象に執着を抱く。当たり前といえば当たり前だが、誰からも望まれなかった少女に、好悪の判断基準はない。

 距離感や人間関係の塩梅がわからないアンサーガは、一度気にかけた相手に、どこまでも執着する。

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 その狂気に呑まれたがゆえに。

 

「き、き、君! こ、この子は一体何を言っているんだ!?」

 

「この子……って、師匠ちょっと絆されかけてませんか!?」

 

「いやだって、彼らを同胞って言って守ろうとするのは、なんだか健気じゃないか……?」

 

「彼女と僕たちの価値観は大きく違います、歩み寄ろうとすると、目測を誤りますよ!」

 

 僕の叫びに、むぅと師匠は、唇を尖らせる。

 仕方ないと言えば、仕方ないところはあるだろう。アンサーガは恵まれていないし、それに同情してしまう気持ちは、僕にだって無いとは言えない。

 幾ら何でも、()()を同胞と呼ぶしか無い境遇は、たしかに僕らにとっては憐憫の対象だ。

 

 でも、勘違いしてはいけないこととして、

 

「――さっきから、君たちは何をいっているのかな?」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のである。

 それは、フィーのように、言葉でわかり合えるようなそれではない。心の底から、アンサーガには、今ここにあるものがあれば、それでよいのだ。

 

 同胞と、衣物と、そして百夜。

 

 それらを、誰からも邪魔されず愛でることができれば、アンサーガにとってはそれでよい。

 

「ねぇ、ルエ、ルエ、ルエ――答えてよ。僕の花嫁になってほしいんだ」

 

「……いや、同性同士だろう、私達は」

 

「そうだよ? でも、百夜のためならそんなの関係ないし、あとは百夜を産むだけでいいんだ。簡単なことだよ」

 

 ――師匠は、

 

「いや……それは、困る」

 

 迷っているわけではないが、答えになやんでいるようだった。否定する意思を持った上で、言葉を選んでいるという感じ。

 煮え切らないそれは――

 

「……師匠、まずいですよ」

 

「へ?」

 

 

「――――なにそれ」

 

 

「それは、アンサーガが一番嫌いな答えです」

 

「なにそれ、なにそれ、なにそれ。なんでハッキリしないの? 嫌なら嫌でいい、それなら奪えばいいんだから。でも、悩むなら――」

 

 アンサーガが、鋭く睨んで、

 

()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だから――気に入らない!」

 

「……来ます!」

 

「あ――ああっ!」

 

 僕たちは、再び激突した。

 

 

 ◆

 

 

「“G・G(ガイド・グラナイト)”」

 

 ――揺らめくように、アンサーガの身体が培養ポッドの中を滑る。同時に、同胞達も襲いかかってきた。先程と比べて、ひたすら能動的な動き。

 攻撃の密度は増えたが、

 

「――“S・S(スロウ・スラッシュ)”!」

 

「“O・O(オールド・オブシディアン)

 

 攻撃が当てやすくなった。僕が無造作に放った一撃は、アンサーガのOOですかされる。対してアンサーガのOOには発生までに若干のタイムラグがあり、無敵時間をすり抜けて攻撃が襲ってくる。

 

 が、しかし。()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「“D・D(デフラグ・ダッシュ)”!」

 

 僕は即座に移動技で飛び退いて、僕がいた場所に影の鉤爪が生えた。

 そして僕は、培養液のポッドに着地しつつ、方向転換。その間にもコンボを入れる。使うのは――

 

「“C・C(クロウ・クラッシュ)”!」

 

 爆発。通常であれば射程も長いBBの方がいいのだが、今回の戦場はポッドが乱立しており、狭い。加えて、この爆発は視界を塞ぐことにより、周囲の同胞たちへの牽制としても機能するのだ。

 

「……っ」

 

「おおおォッ!」

 

 煙に遮られながら、お互いの視線が交錯した。僕は続けざまに概念技を、アンサーガも対応策を。

 

「“A・A(アンチ・アルテマ)”!」

 

「“B・B(バラスト・ブロック)”!」

 

 お互いに叫び、黒い球体が僕の攻撃を阻む。CCが多少入っているが、また防がれた、大きなダメージにはなっていない。

 ――ここからSBSに移行して、ノックバックをやり過ごし、稼いだコンボで一気に最上位技を叩き込む、という勝ち筋がある。

 アンサーガはHPが低いから、一発最上位技を当てれば倒せるだろう。

 

 しかし、まだ切らない。なぜなら、先程までの受動的なアンサーガと違い、今のアンサーガは非常に攻撃的。どういうことかと言えば、()()()()()()()()()()

 故にここはスルーだ。

 

「――“D・D(ディオライト・ダスト)”」

 

 強烈な爆風と、ノックバック! 僕の身体が宙を舞う。ああ、しかし――その高度は決して高くはなかった。

 さっき、食らってみて分かる。このノックバック、()()()()()()()()()()()()()()()()()()。だから、

 

「――――師匠ォ!!」

 

 

「言われなくとも、行っている!」

 

 

 そこに、師匠が飛び込んでくる。師匠はこの一瞬を狙っていたために、攻撃に参加していなかったのだ。

 

「“E・E(エレクトロニック・エクスポート)”ォ!」

 

 移動技、一気にアンサーガの懐に肉薄し、

 

「“P・P(フォトン・プラズマ)”!」

 

 タメてきたコンボで、一気に上級技を叩き込んだ。

 

「――っ、なぜ、なぜなぜ」

 

「おおおッ!」

 

「分析は完了している。君たちには勝ち目はない。ない、ない。なのに、分析を越えてきた? 計算が間違っている?」

 

 アンサーガの黒い影の腕、それを師匠は移動技で回避。そして周囲に迫る同胞を、無敵技で透かした。

 

「――それは! 君が我々を甘く見ているんだよ。人類は、対策に対策を重ねることで、前に進むんだ!」

 

「――理解不能」

 

 アンサーガが、苛立ち紛れに再び黒いドームを出現させる。攻撃をそれによって防がれる形になった師匠は、続くノックバックで大きく吹き飛ばされた。

 

 ――そこを今度は僕が突っ込む。

 

「対策が必要。そこは理解するけどねぇ――鬱陶しいなぁ、うっとううっとうううううううっとうしいなぁ!」

 

 叫ぶアンサーガの周囲に同胞たちが張り付く。先程の針モグラを筆頭に、遠距離攻撃を得意とする同胞たちだ。対空砲火というわけか、上を防ぎつつ、地上を這ってくるなら、ノックバックで吹き飛ばせばいい。

 なら――

 

「“B・B(ブレイク・バレット)”!」

 

 空中から遠距離攻撃を仕掛ける。

 

「そんな豆粒でどうしようっていうのさぁ。“G・G”」

 

 つぶやきながらも、移動技で飛び退く。そして置き土産のように残してきた対空用同胞が、一斉にこちらへ攻撃を仕掛けてきた。

 僕は、その一部を、()()()、地に向けて加速する。

 あの針モグラの他に、種子を飛ばしてくるカバとたんぽぽの間の子のような同胞がいたのだ。先程のBBはアンサーガを対空から引き剥がすため、そして僕がBBを放つモーションのために静止することで、敵の狙いをつけさせて、種子の飛んでくる場所を絞るため!

 

「“D・D”」

 

 ――加速!

 

「さっきから何なのさ、その曲芸はさぁ!」

 

 怒りに満ちた声を上げながら、揺らめく機動で逃げ回るアンサーガが、苛立ち紛れに叫ぶ。

 

「“R・R(ライオライト・ロード)”!」

 

 新しい概念技、効果は――影が浮き上がり、帯のような形を取って、うねりながら迫ってくる! 遠距離攻撃だ。

 

「“S・S”!」

 

 アンサーガのRRはムチのように振るわれる概念技だ。何度も繰り返し攻撃が襲ってくる。一回目をSSで躱すと、

 

「“D・D”!」

 

 二回目を空中に飛んで躱す。

 

「――――ああああああああああああああ!!!」

 

 怒り、叫ぶアンサーガ。

 ああ、けれどアンタ――後ろががら空きだぞ?

 

「“C・C(カレント・サーキット)”!!」

 

「――っ! ルエ!!」

 

 遠くから、狙いすましたように槍を構える師匠の一撃が、アンサーガの背を穿つ。気をそらし過ぎたな、完全に師匠のことを意識から外していただろう。

 

「……もう、もうもうもう、僕のことをそんなに嫌いなら! 僕を見なければいいじゃないか!! 醜いと思うなら、目をそらせばいいだろう!」

 

 いい加減、アンサーガは限界が近い。怒りのゲージも、HPも。後少しだ、ここまでは順調に削れている。しかし――

 

「――解ったよ、君たちのそのふざけた機動はよく見えた。見えて、見えて仕方がない! 見せつけてくれるじゃないか! ふざけてくれてさぁ!!」

 

 ――直後、

 

「“G・G”」

 

 アンサーガが飛び上がった。空に逃げた僕へと、迫ってくる――!

 

「“S・S”!」

 

「“O・O”!」

 

 ――しまった、一瞬こちらの方が早かった。無敵時間に攻撃をすかされ、そこにアンサーガのオールドオブシディアンが突き刺さる!

 

「大丈夫か!?」

 

「まだまだ――!」

 

 多少吹き飛ばされながら、培養ポッドに足をつけると、再びDDを起動、地を滑るように着地、

 

「“G・G”」

 

 ――アンサーガが追いかけてくる。こちらも培養ポッドに足をかけ、迂回するようにしながら滑る。空中でもあの揺らめく機動は健在なのか、弧を描き、接近してくるのだ!

 

「――そこまでだ! “E・E(エレクトロニック・エクスポート)”!」

 

 そこに、師匠が移動技で着弾した。

 二人が僕の目の前で激突し、弾けた。

 

「――それはっ、私達の目的の途中に、君がいるからだ! 第一、私は君を醜いとは思っていない! 歪ではあるが、可愛らしいものじゃないか!」

 

「そういうおべっかは、気持ち悪いんだよなぁ。たとえルエだって、僕を可愛いなんて言って、信じると思うの? バカバカバカ、そんなもの僕が一番期待してない言葉だよ」

 

 二人が、同時に移動技で僕の前からかき消え、同時に僕も走り出した。

 

「師匠、このまま一気に決めに行きましょう! これ以上はあちらを学習させるだけです!」

 

「解っているが――! まだこの子には言いたいことがだな!」

 

「だったらぶつければいいじゃないですか! 言葉でも、拳でも!」

 

「そういうのは男の子の流儀だろぉ!!」

 

 僕は周囲の同胞を切りつけながら、引き寄せていく。STを稼ぐことと、決着をつけるならば、取れる選択肢が一つあるためだ。

 

「期待されていないことでしか成果を残せない無能、だったか。アンサーガ、それは確かに不憫だろうね」

 

「憐憫は関心しないなぁ。歩み寄るのに、憐憫って一番ふさわしくない感情だと思うよぉ」

 

 同胞たちの攻撃は、可能な限り無敵時間を使わずに回避していく。先程まででSTを使いすぎた。今現在、僕に最上位技までコンボを繋ぐSTがない。

 加えて、あまり無敵時間を使うことで、()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「まぁ聞け、たしかに君に私が感じているのは同情だ。上から目線は否定しない!」

 

「――そもそも、同胞かと見間違うほどにボロボロだった君を、縫い直して上げたのは誰だよ。ああ、そこの男なんていうなよぉ? きっかけがなければ、ずっとこのままだった甲斐性なしなんだから!」

 

 ――ここまで、僕たちは同胞を一匹も倒していない、ある意味それは、アンサーガが何かを失っていないことを表す。

 歩み寄るとしたら、そこは非常に重要な部分だと感じたのと、

 

「君だっていいたいんだろ? そのとおりだ、そして、私が同情を感じる最大の理由はそこに在る」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()というゲーマー志向。今更何を、と思うかも知れないが、案外僕のモチベに、こういうのは大事だったりするのだ。

 

「――()()()()()()()()。私の心を見つめ直すきっかけをくれてな!」

 

「どこまでも上から目線だなぁ!」

 

 さて、あっちの口喧嘩も、だいぶ温まってきたようだ。僕の方もSTを溜め終わった。そして、周囲の同胞をひとまとめにして――

 

「さぁ、始めるぞ……“C・C(クロウ・クラッシュ)”!」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「――お前!!」

 

 それにアンサーガが気付く、けれど遅かったな。アンタの同胞多数は、培養ポッドから溢れ出た培養液で押し流されたぞ!

 

「――決めるぞ!」

 

「はい!」

 

 即座に、移動技で師匠たちの元へと急ぐ。途中、押し流されなかった同胞に概念技を叩きつけて――ここまで遠慮してきた分、あちらにはまだ体力的な余裕があった――コンボを稼ぎつつ、接近する。

 

「ああああッ! “D・D(ディオライト・ダスト)”!」

 

 ――広範囲ノックバック。焦れたアンサーガは、それを師匠に叩きつけたのだ。しかし、

 

「――“C・C”!」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()。それにより、師匠の身体はノックバックから解き放たれ、逆に僕の概念技のノックバックでアンサーガの方へと吹き飛ばされる。

 

「なっ――」

 

「悪いな!」

 

 ――僕は、その後襲ってきた衝撃をSSで透かす、しかし、一秒では足りない。

 

「――“B・B”!」

 

 だから、

 

「――ッ“S・S”!」

 

 SBS、更に時間をかせぐ!

 

「…………今の、なにかなぁ?」

 

「答える義理はない!」

 

 先にアンサーガへと接近していた師匠が、斬りかかる。

 

「“C・C(カレント・サーキット)”!」

 

「……“O・O(オールド・オブシディアン)”」

 

 遠距離技、無敵時間で透かしつつ、アンサーガは反撃を仕掛けるが、

 

「“T・T(サンダー・トルネード)”!」

 

 先出しの近距離攻撃は、無敵時間ですかされるのが定めだ。しかし、反撃に振るわれた槍は、アンサーガに当たらない。

 

「“G・G”」

 

 移動技。アンサーガが師匠から逃れて後方に下がる。ああけれど――

 

「――“S・S(スロウ・スラッシュ)”!」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「――ッ、“B・B(バサルト・ブロック)”!」

 

 間一髪、アンサーガの防御が間に合った。そしてこの位置、状況、コンボ。()()()()()()()使()()()()()()()

 その場合、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

「何だ――!? ――――“G・G”」

 

 アンサーガはノックバックを使わなかった。移動技で再び距離を取る。僕も移動技でそれを追う。チェックメイトは避けられた。ゴリ押しにも程がある連続王手は、けれども実らず、追いかけっこが続くのだ。

 

 ああ、しかし。

 これで準備は整った。移動した先で、二度、三度。刃を交え、概念技を叩きつけ合う。アンサーガにはBBがあり、こちらの攻撃はほとんど通らない。逆にアンサーガは攻撃を何度もぶつけるが、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 師匠も加わり、三者三様、ひたすらに刃をぶつけ合う。

 激しく火花が飛び散って、僕らは幾度となく交錯した。

 

 ――やがて、それぞれのコンボが完成する。

 

「――――ッッ! ルエ!!」

 

「アンサーガッッ!!」

 

 少女が互いの名を呼んで、

 

「君はそんな不確かな救いに縋るべきじゃない。また何時壊れるかわからない、君の心は砂の城だ」

 

「それがなんだ! 私には、地獄の河原で繰り返す砂遊びに、付き合ってくれる奴がいるんだよ」

 

「そんなものより、僕の方がいいと言っている! また同胞に戻れ、ルエ!」

 

「――お断りだ! 来るなら君の方から来い、アンサーガ!」

 

 ああ、随分とお互いに感情的で。

 アンサーガも、これならば救いが在るかと、願わずにはいられない。

 けれど、今は彼女に勝利することだ。

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

 SBSであれば、強引にノックバックを乗り越えて、更には最上位技でアンサーガを倒せるかもしれない。けれど、それは僕としても分の悪い賭けだ。

 ()()()()()()()使()()()。先にSBSという不可解な現象を見せることで、創造者として優秀なアンサーガは、その答え(アンサー)を推察する。

 そうなれば、ノックバックを僕が無視してくる可能性も、推察してしまう。

 

 無敵の必殺技が、致命的な隙になってしまうのだ。

 

 先に同胞たちを水に流したことで、これでもはやアンサーガは、()()()()()使()()()()()()()()。なら後は、僕らが彼女を上回るだけだ。

 

「――――ああ。もういいよ」

 

 アンサーガが、おろしていたぬいぐるみを抱え直し。

 

 ()()()()()()()()()()()()

 

「全部ぜんブ、呑まれテ消えてシマエ」

 

「――来る!」

 

 師匠が叫び、そして。

 僕が前に出る。

 

「無駄だよ、僕の最上位技は、()()なんだから――」

 

「――やってみせなよ、アンサーガ!」

 

 互いに、構え、

 

 

「“L・L(ルーザーズ・リアトリス)”!」

 

 

「“I・I(イミテーション・イリュージョニスト)”」

 

 

 僕が剣を巨大化し、振り抜いた。

 

()()()()()

 

 それが、()()()()()()()()()()()()()()()()()

 ――そう、アンサーガの最上位技、イミテーション・イリュージョニスト。これには、()()()()()()が存在する。同時に最上位技を放った場合、間違いなくこちらの攻撃がすり抜けるほどに!

 

 ああ、けれど。

 

 

()()()()()()()()()()()()()ォォ!!」

 

 

 僕は構わず剣を振り抜いて、()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()

 

 

「――――」

 

 それは、

 

 ポカンと呆けたアンサーガごと、僕らを飲み込んで。

 

 ――アンサーガの最上位技の効果が続く。その効果は非常にシンプルで、非常に範囲の広いオールドオブシディアンだ。移動技一つでは逃げ切れないほどの。

 

 故に、僕はその影に呑まれる。けれど――

 

「――――“E・E(エレクトロニック・エクスポート)”ッ!」

 

 ()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()()のだ。

 

 そして、

 

 師匠の最上位技は、

 

 

「“L・L(ラストッ・ライトニング)”ッッ――――!!」

 

 

 ()()()()()()()()()()()()()! この培養液の海も、アンサーガの攻撃も関係ない。

 

「ル、エ――――」

 

 寸分違わず、アンサーガへと、突き刺さり――

 

 

 ――アンサーガは、概念崩壊するのだった。


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