「へぇー。カークスを弔ってる時に」
「はい。それから意気投合して今に至ります」
ウォルターと合流したリカルドは彼女との出会いを簡潔に話した。
「彼女。カークスの知り合いなのか」
「…昔助けてもらったそうです」
「そうか。そうなると心苦しいな、知らないんだろカークスの死んだ真相」
「…はい」
「別にお前を責めてる訳じゃない。あのお陰で俺はまだ生きてる」
「…後悔はしてません。俺の恩師ヘンケン大佐がフェストゥムに襲われるよう仕向けたのがカークスだってことが、軍を抜けた間に調べてわかりましたから」
「そうなのか、ヘンケン・グラウブロ大佐。穏健派の有力者だったな噂で聞いたことあったよ」
「俺の命を救って短い間でしたが育ててくれた偉大な方でした」
「カークスってヘンケン大佐の部下だったんだろ」
「ヘブンズドア作戦後。フェストゥムに対して静観路線を取っていた大佐に、カークスが自分がのしあがる為に造反疑惑があるとデマを流し激戦地に左遷させ、大佐に反感を抱いていた一部の将校と結託してどさくさ紛れに暗殺したそうです」
「あの男そこまで屑だったのか」
「一緒に部隊に所属していた頃は、陽気なムードメーカーでした。日々の激戦によるストレスや人類軍全般に広がる過激な思想が。カークスを変えてしまったんだと思います」
「それであの時『祝福』なんて言ったのか、ガチガチに縛られて身動きの取れない奴の心を開放する為に」
「…そうですね。でも俺は同時に彼の『可能性』を勝手に奪ってしまった。定期的にあの海に行くのはそれに対する『贖罪』です」
「リカルド…」
「すみません。用件から随分話題がそれてしまいましたね。それで用件の返事ですが。受けさせて頂きます」
「そうか、それは良かった。すぐに将軍に報告せねば」
「それよりも、ナレイン将軍とウォルターさんが一緒とは驚きました」
「ハワイの時に交戦規定aに造反して降格とサジタリウス隊から外されたよ。今はお前と同じ大尉だ」
「そうでしたか」
「ちょっと前からサジタリウス隊の方針に疑問を感じていたんだ。だから清々したよ、これもお前の影響か」
「俺は何もしてませんよ、それより1つ条件があります」
「どうした。かしこまって」
「ミライを一緒に連れて行きたいんです」
「いいのか、彼女民間人だろ」
「この書類の内容通りならこの辺よりも、『エリアシュリーナガル』の方が余程安全だ」
「確かにそうだな。わかった掛け合おう」
「ありがとうございます。ウォルターさん」
こうしてリカルドはミライを連れて数日後『エリアシュリーナガル』にで活動する部隊『ペルセウス中隊』に合流した。