第1話「ファフナーと言う名の守護神」
「本当。空が好きだよなリカルド」
少女との出逢いから数ヶ月。リカルドは奇跡的に助けられ人類軍のファフナー部隊に志願。適正を認められファフナーパイロットになっていた。
「カークスか。なんか落ち着くんだ」
「なあ聞いてるか、最近の研究で開発中の拮抗薬の話」
「『Dアイランド』から脱走した兵士の遺伝子情報を元に生まれた拮抗薬だろ」
「受けるかお前」
「…俺は強制だ」
「いやー、流石人類軍きってのエースパイロットは違うね。なんせ入隊数ヶ月でファフナー『グノーシス・モデル』で56体撃破。しかも被弾0だ。それは優先して投与されるわな」
「本来任意のはずなのにおかげでまだ未完成で危険きまわりない薬を打たれるんだけどな」
「それが力を持つものの特権なんだよきっと」
「たまたま運がいいだけだよ」
「謙遜するなよエースパイロットさんよ」
「カークス。無駄口叩いてないで持ち場に戻れ、第2種戦闘配備だろうが」
「大佐。すみません」
「自分も戻ります」
「ちょうどいい。リカルド話がある」
「自分にですか」
「ああ、辞令だ。行き先は南太平洋生存圏」
「そこは確か…」
「あぁ、配属先のトップはダッドリー・バーンズ。まあ部隊のエースだった『トリプルシックス』や大半が抜けたって話だからな。即戦力が欲しいんだろう。お前の成果は充分過ぎるからな」
「そんな。自分は大佐の元でもっと働きたいです」
「俺も出来ることならお前を自分の手元に置きたいが、軍の命令だ個人的な感情で規律を破るわけにはいかん」
「自分はまだ貴方に恩返し出来てません」
「…あの町でお前を助けてまだ半年も経ってないのか」
「はい。あの時大佐の率いるこの西ヨーロッパ方面第303守備隊に見つけてもらえなけらば、自分は死んでました」
「不思議な出会いだったよ、壊滅した町にそびえる高台に1人でいたんだもんな」
「何故自分だけ生き残れたのかいまだに不思議です」
「お前が俺に恩があると感じているのなら。恩返しの方法は一つだ」
「えっ」
「生き残れ。それがお前が俺に返せる唯一の恩返しだ」
「大佐…」
基地内アラートが鳴り響く。
「フェストゥムが出現総員持ち場についてください」
「最後の一仕事だ。頼んだぞ」
「了解」
リカルド他2名のファフナー部隊がフェストゥムの群れに遭遇する。
「リカルド。最後の仕事もしっかり頼むぜ」
「どういうこと」
「なんでもこの戦闘を最後に南太平洋生存圏に異動するんだとよ」
「そうなのか。リカルド」
「はい」
「それは残念だ。元気でな」
「気をつけてください。2人共フェストゥムは目の前です」
「リカルド。いつもみたいに頼むぜ」
「はい。…右のフェストゥムが攻撃してきます。左のフェストゥムは後方に回って攻撃をしかけようとして来ます」
「了解だ」
フェストゥムはリカルドの言う通りに動き。予想していたファフナー部隊は当たり前のように避け、撃退していった。
「今日も絶好調だなリカルド」
「たまたまですよ、そんな気配がするってだけです」
「私達にはそんな気配すら感じないからね。もっと自信を持ちな」
「よし最後の一体だ」
「…読めない」
「なに」
「コイツの動きは読めません。危険です」
「なこと言われたって、ぐわぁー」
「どういうこと、リカルド」
「わかりません。とにかく距離を取って通常通り戦いましょう」
「…なんなのこのスフィンクス型。あっいやぁー」
「そんな…ちくしょー」
牽制しながら隙を伺うリカルド。しかしそのフェストゥムはじっと動かない
(なんなんだ。このフェストゥム)
懐に潜り込みナイフを突き立てようと突撃するリカルドのファフナー。
(ダメ…)
リカルドの頭の中で響いた声が動きを止めた。
(今の声…あっ)
フェストゥムがワームスフィアを発生させる。
「まずい」
リカルドは辛うじて脱出した。
そのフェストゥムはワームスフィアに身を包み、姿を消した。
「初めて撃墜されたな」
「はい…」
「トドメを刺そうとした直前で止まってみえたが、何かあったのか」
「いえ…何も」
「そうか…後味の悪い結果だがお前の記録に傷がついたことで変に気負う必要は無くなった。ポジティブに捉えな」
「ありがとうございます。大佐」
「気持ちの整理が着いたら、異動の準備にかかれ。上には俺が引き延ばしてもらうよう掛け合うよ」
「大佐。今までお世話になりました」
噂の拮抗薬を投与したリカルドは予定より3日遅れで南太平洋生存圏へ異動した。