「誰も助けられませんでした。すみません」
撤収したリカルドはすぐにナレインに報告をした。
「そうか…そう自分を責めるなリカルド。生き残った皆が同じ気持ちだ」
「はい。俺達を追って来ているフェストゥムはこれまでと違う気がします」
「というと」
「人間の弱点を理解し、そこを突いてきている感じです」
「Dアイランドまで追ってきた『ウォーカー』も高い学習能力を有していた」
「フェストゥムもここまで進化しているんですね」
「だからこそ、『アルタイル』を我々の【良い】面…対話の道へと導かねばならない」
「そうですね」
「…例の件はどうかね」
「…確かにこの中にいる感じはします。だけど我々が分散して配置している分。どこにいるか確証が掴めません」
「そうか…。また気になることがあれば報告してほしい。君の感性を頼りにしている」
「エスペラントに比べてたら全然ですがね」
「別のアプローチという点で君の力は貴重だよ」
「ありがとうございます。失礼します」
スフィンクス型をなぶり殺しにしていたDアイランドのファフナーパイロットが心配で気になっていたリカルドはDアイランドの派兵用超大型輸送機『凰』のもとを訪れた。
「リカルドさん。どうされました」
「遠見さん。どうも、あの彼は大丈夫ですか」
「彼とは」
「西尾くんでしたっけ。長距離支援型に乗っていたのは」
「だいぶ落ち込んでいますね。目の前で同化されたと言ってましたから心配しに来てくれたんですね」
「はい。あまりに危ない感じがしたものですから」
「今は大丈夫です。広登くんが支えてますし」
「そうですか。それなら良かったです。あとカズキ・マカベと話したいのですが」
「一騎くんですか。呼んできますね」
そこへ偶然一騎と総士がやってきた。
「呼んだか遠見」
「一騎くんちょうどよかった。この方人類軍のリカルド大尉。一騎くんに用があるんだって」
「貴方がカズキ・マカベ…。ありがとう」
「えっと、俺なにかしましたっけ」
「ロードランナーとの戦いで俺は同化されたが、貴方の力でここに戻ることが出来た。あの力強い想い。凄く助けられた。ありがとう」
「もしかして貴方がその人ですか」
「…というと」
「昨夜。たまたま連れが助けられたという女性にも貴方を助けれたことを感謝されました」
「…そうでしたか。何か粗相は無かったですか。あいつ人付き合いが苦手で」
「不思議な方でした。何かを学ぼうとする貪欲なまでの姿勢はひしひしと伝わりました」
「リカルドさん凄いんだよ。蒼穹作戦に参加してたんだって」
「そうなんですか」
「はい。貴方と遠見さんらしきファフナーも見かけました」
「…身体の方は大丈夫ですか」
「どうした総士」
「…まだ大丈夫ですよ、なんとか」
「…そうですか。それは良かった」
「真壁さん…」
一騎が手を差し出していた。
「まだまだ先は長いですが、共に生き残りましょう。必ず」
「はい。必ず」
握手を交わす2人。
英雄達との邂逅。それは失意の念で自分を責め続けていたリカルドにとって、励みとなった。