人類軍のペルセウス中隊とDアイランドの派遣部隊。2つの勢力は長く過酷な旅路を共に過ごす中で、想いが1つとなりいつしかその【垣根】を越え1つの勢力となっていた。
料理を協力し作る者。子どもと遊ぶ者。技術指南をする者…各々が自分に出来る精一杯の【文化】をこの集団に伝えていた。
(Dアイランドの人々は、このような苦難な道にいる時でも相手を思いやり。人の持つ温かさを伝えてゆくのか…)
「どうした」
「ミライか、こんなにも苦しい時でも彼等は人の持つ温かさを忘れない…そのことに感心しているんだ」
「人の持つ温かさか」
「そうだ。俺とお前が目指す『共生』にとても大切なことだ」
「『共生』…」
「お前には『共存』と言った方がわかりやすいかな」
「共に存在することに必要な事…人の温かさ」
「そうだ。…私に持てるだろうか」
「お前が本当に彼女との『約束』を果たそうとするなら、きっと出来るさ」
「リカルド大尉いますか」
「堂馬くん。どうした」
「また大尉の武勇伝聞かせてくださいよ」
「武勇伝…」
「その人の生き様みたいなモノだ」
「私も聞きたい」
「…ほとんど知ってるだろ」
「そうだな…」
「どこまで話したかな」
「えっと…」
話しながら広登と共に傍を離れたリカルド。
(…1人になってしまった。…誰かいないか)
辺りを散策すると1人の少年に出会した。
「お前は皆と遊ばないのか」
「お姉さん誰」
「ミライ。お前は」
「…アトム」
「何故アトムは皆と一緒に遊ばないんだ」
「1人が好きだから」
「仲間を持つと良いと聞いた。仲間はいないのか」
「…別に」
「作らないのか」
「1人で充分」
「私が仲間になってやろうか」
「…仲間ってそんなんじゃない」
「何が違うんだ」
「『なってやる』じゃない自然と『なる』んだと思う」
「そうなのか」
「別に仲間になってほしいなんて思わないし、そんな安っぽい仲間いらない」
「そうか…仲間は良いモノだと聞いたんだが」
「仲間はそんな簡単に出来るモノじゃないと思う。あんたに『仲間』を教えてくれた人もそう思ってるんじゃない」
「そうか…再び問うとしよう」
「変なお姉さん」
「そうか」
「うん。なんか変」
「こんなところにいたのかアトム」
声のする方から1人の男が走ってきた。
「げっ。またあいつ」
「嫌いなのか」
「好きとか嫌いとかじゃなくて、しつこくてうっとおしい」
「その割りにはお前の顔は嬉しそうだ」
「うっ、うるさい」
「アトムあっちでお前を誘ってくれてる子ども達がいるぞ」
「わかった。わかった自分で行くから」
「アトムの面倒見てくださって、ありがとうございました」
「いや、私が彼に興味を持っただけだ。気にするな」
ドクン・ドクン
(なんだ…こいつ…私が恐れている。人間を)
「どうかしましたか」
「いや…なんでもない失礼する」
「ありがとうございました。あのお名前…行っちゃった」
「嫌われたんじゃないの亮一。面倒くさ過ぎて」
「なにげない会話をしたつもりだったんだけどな…って面倒くさいってどういうことだ」
「自覚無しかよ…嫌われるぞ奥さんに」
「なっ、待てアトム」
「嫌なこった。しょうがないから遊んできてやるよ」
「どうした。ミライ」
急ぎその場を立ち去ったミライはリカルドを探し腕を掴んだ。
「…ミライ」
初めて見るミライのひきつった表情にリカルドはただならぬモノを感じた。