「よく無事に戻ってきた」
無事に合流を果たしたリカルドをナレインは温かく迎えた。
「彼等は」
「説得は失敗しました」
「そうか。わかっていたとはいえ、辛いな」
「…はい」
「また…少し減りましたね」
「位置も北に近づいてきたからな、寒さに飢え、この過酷な現状に脱落する者もいる。もはや彼等を手助けする余裕も無い」
「季節ももうすぐ冬ですか」
「そうだ。また犠牲に拍車をかけることとなるだろう、…調子はどうだ」
「暫くファフナー乗らなかったお陰で安定してます。先程も急な同化現象に襲われることはありませんでした」
「そうか。なら良かった。Dアイランドの人々が持って来てくれた拮抗薬も底を尽きた。なおさら君を乗せる訳にはいかないからな」
「…」
「ゆっくり休みたまえ。ここから更に過酷な旅路となるからな」
「わかりました」
部屋を後にしたリカルド。ふとパイロットスーツを着た少年少女達が目に入った。
「志願兵だ」
「ウォルターさん。あの子達が」
「あぁ。パイロットの中にも同化現象が末期になっていなくなる奴が出てきたからな、ナレイン将軍が募って志願してくれた子ども達だ」
「…彼等の未来の為に戦っているはずなのに。結局背負わせてしまったんですね」
「人間の一生で成せることには限界があるってことだな、俺達の時代で成し遂げることは恐らく不可能なんだろうな」
強く拳を握るリカルド。
「俺なリカルド。暉に話してきたよ」
「話すって何を」
「俺達の過ちを」
「…」
「あんな状態だから、正直迷ったよ。話すべきなのか…別の誰かに話した方が良かったのか。そしたら彼なんて言ったと思う」
「…Dアイランドに来てくれとか」
「流石察しがいいな。驚いたよ、あんなに疲弊した状態でも彼等は必要以上に憎しみを持たない。それどころか【一度何を滅ぼそうとしたのかその目で確かめて欲しい】って…言われた」
「そうですか」
「辿り着けるよな。俺達」
「はい。きっと」
「俺は見てみたい。Dアイランド…いや竜宮島を」
「俺もです」
ウォルターと語り合った後、リカルドはビリーのもとを訪れた。
「リカルド。兄さんは」
「案の定追って来てたよ。すまんダスティンを説得出来なかった」
「くそ、どうしちゃったんだよ兄さん」
「かなり思い詰めていた。余程ハワイのことが堪えたんだろう」
「だからって僕達を襲うなんて」
「もうあいつに俺の声は届かなかった。だからビリーお前が止めてやってくれ」
「出来るかな僕が兄さんに」
「自分を信じろ」
「…わかった」
(俺は結局君に変えてもらうことが出来たのに、守るべき人々も友ですら助けることが出来ない。なあセラ、俺はどうしたらいい。どうすれば…)
極限の旅路で限界を迎えるペルセウス中隊。希望の地を信じて進んだエスペラント達ですら諦めかけた時。
Dアイランドからのメッセージを運んだ鳥が舞い降りた。