「やめろー」
リカルドの願いも虚しく一直線に進む無慈悲な炎を生むミサイル。
「なっなんだ」
紫の禍々しいファフナーからスフィンクス型が1体現れミサイルの前に立ち塞がる。
「あのファフナーはまさかフェストゥムに奪われたと言われているマーク・ニヒトか」
「あのスフィンクス型まさかミサイルを受け止める気か」
「フェストゥムがDアイランドを守る…だと」
スフィンクス型に包み込まれ爆発するミサイル。
「近くのフェストゥムやあのエウロス型まで」
フェストゥムが1ヵ所に集まり爆発のエネルギーからDアイランドの守ると壁となった。
しかし、爆発のエネルギーは尚更もDアイランドを襲う。
「Dアイランドがエネルギーシールドを展開。Dアイランドは健在です」
「なんだと」
「なんだ、なにが起きているんだ」
(生まれよう)
(この声はあの時の…)
厚く覆われた雲から光が射し込む。
「空母ボレアリオス。この海域から離れようとしています」
「司令部に報告。どちらを追撃するか指示を仰げ」
「来ました。ボレアリオスを追撃せよです」
「よし、ボレアリオスを追撃する」
「ですが特佐。今回の作戦は、当初爆撃で殲滅して任務が完了する予定だったのでファフナーどころか、フェストゥムを殲滅出来る武装はもうありません」
「今逃がせば、次にいつ脅威になるかわからないんだ。残存火器を徹底的に撃ち込みぞ、リカルド奴にはどこを攻撃すれば効果的だ」
「もうやめよう。カークス」
「はっ、何を言ってる」
「俺達の作戦は失敗したんだ。今の俺達で追撃したところで返り討ちにあうだけだ」
「奴らとて今の作戦で疲弊しているんだ。やるなら今しかない」
「指揮官を務めるなら、冷静に状況を判断しろ」
「黙れ。さっきから楯突きやがって、今は俺がお前より上で俺がこの作戦の指揮官なんだ。黙って命令に従え」
「カークス」
「特佐。前方にスフィンクス型が1体現れました」
そのスフィンクス型は全く動く気配を見せなかった。爆撃部隊の火力がスフィンクス型を襲うスフィンクス型はただじっとそこにいるだけであった。
「なんだこのフェストゥム。気持ち悪い」
「…」
「特佐。後続の者達が次々と撃墜されています」
「なに」
気がつけば残ったのは、リカルド達が乗る爆撃機1機…しかしスフィンクス型は変わらず動く気配を見せなかった。
「なんなんだ。あいつはなにがしたいんだよ」
「カークス撤退しよう。今のうちに」
「黙れ」
「特佐。流石にここは撤退した方がいいだろう」
「ウォルター。貴様も逆らうか」
再び銃を構えるカークス。
ダーン
「リカルド…お前」
「…安らかに眠れ友よ。ウォルターさん撤退しましょう」
「あぁ…そうだな」
撤退する爆撃機。リカルドは窓からそのスフィンクス型をじっと見つめていた。
「どうするんだ。上官殺しなんて即銃殺刑だぞ」
「あのままでは、俺達は死んでました。ああするしかなかった」
「それに彼はお前の…」
「カークスは人類軍の思想に染まって狂ってしまった。これが俺に出来るせめてもの祝福です」
「祝福…」
「バーンズ将軍には、作戦中に同化されたで報告してみますけど、ダメならダメでそれまでです」
「すまん。お前に全てを背負わせる形になる」
戻ったリカルドはバーンズに報告し処分が下るまで謹慎となる。長い謹慎期間を経て出た処分は
『除隊』
その処分を受けたリカルドの表情は晴れやかであった。長い謹慎期間中に自分の進む道を見出だしたリカルドは、荷物を片手に混沌とする世界の中に消えて行った。
爆撃機をじっと見つめるスフィンクス型
視界から爆撃機がいなくなると地面のある場所に瞬間移動した。
ま・た・ね
その女性は再び瞬間移動し何処かに消え去った。