IS 月華の剣士   作:雷狼輝刃

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 短めです。

 それからお知らせですが、12月と1月ですが、仕事の方が多忙になるため更新ができない場合がありますので、何卒御容赦くださいませ。


 何分、このコロナの影響で例年とは全く違う体制となっており、仕事の方も中々思うように進まない状況になっております。スケジュールもまともにたてられない状況で悪戦苦闘しております。
 なるべく、余裕をみつけてはアップしていこうとは思っております。

 しばしの御猶予をお願いいたします。
 


第13話  from 中国

 

 

 中国   ISトレーニングセンター

 

 建物の入口から事務所へと通じる通路を渋い顔をしながら歩く女性・・・中国代表候補生管理官の楊麗々。

 そんな楊の正面に一人の女性が姿を現した。中国IS国家代表の李走影だ。

 

 「楊!ちょうどよかったわ。凰代表候補生が訓練の時間になっても来ないのよ。彼女が何処にいるか知らないかしら?」

 

 李が楊に尋ねると楊が苦虫を噛み潰したような顔になる。 その顔を見て李が訊ねた。

 

 「何かあったの?」

 

 「・・・・・・凰代表候補生は今朝、日本に向けて旅立ったわIS学園に入学するために。」

  

 「?! ちょっと待って!凰代表候補生はIS学園の入学試験を受けていないわよ!それなのに入学なんて・・・・まさか特別枠で?!」

 

 「そうよ上層部のジジイ達が特別入学枠を使用して入学させたのよ。」

 

 

 特別入学枠・・・・本来なら国際IS委員会特別推薦枠というもので、各国(特に発展途上国)から推薦された代表候補生や才能がある少女に審査の上で、学費並びに渡航費と生活費を支援してIS学園に入学させるという制度だ。

 

 

 しかし中国はチャイナマネーを背景にして、独自にIS委員会の事務方と内々に交渉し、かなりの金額と引き換えに中国優先枠というのを秘密裏に用意させた。 

 

 そこに自国又は親しい国、若しくは頼ってきた国の代表候補生にその枠を与えさせるというものだ(代わりに本来なら国際IS委員会からの負担する費用を中国が秘密裏に支払っている)

 

 過去に自国の為に2度利用されており(2度とも金で代表候補生の地位を手に入れた政府高官の娘の入学のために)、その為に楊と李は特別入学枠の事を知っていた。 二人は上層部のその恥知らずな行動を何時も苦々しく思っていた。

 

 「なんて事を・・・・・いったい何でそんな事を・・・もしかして男性操縦者の?」

 

 「そうみたいよ。今のIS学園には中国の代表候補生は一人も在学していない。だからこそ焦って、こんな馬鹿な行動に走った。」

 

 入学試験が行われた時点では中国と親交の深い国の代表候補生の為に使用される予定だったが男性操縦者の出現により急遽予定を変更して自国の代表候補生に使用することになったのだ。

 

 

 「でも何で凰代表候補生なの?確かに彼女は日本での生活経験があるから語学面では問題ないけど、ただ性格・性質、そして何より彼女の体形は・・・・こういっては何だけど、その手の任務には向かないわよ。」

 

 鈴のスレンダーすぎる体形を思い浮かべて告げる李。

 

 「実は凰代表候補生は一人目の男性操縦者である織斑千春と面識があるようなの。それが彼女が選ばれた最大の理由よ。」

 

 楊の答えに漸く納得する。

 

 「なるほど、知らない誰かより知人の方が接触しやすく打ち解け易いと判断した訳ね。」

 

 そう言いながらも李は不安を口にする。

 

 

 「ただ・・・・・彼女、IS学園で問題を起こさなきゃいいけど・・・・・楊も知っての通り、彼女はIS操縦者としての資質はかなりのものよ。もっともまだまだそれを開花させるまでには至っていないわ。 それに彼女には欠点がある、精神面という。 彼女は自らの感情をコントロールして自ら律するという事が出来ていないわ。」

 

 その事は楊も承知の上だ。これまで二人は鈴のその欠点を克服するために、ここ2ヶ月はISの操縦や肉体トレーニングではなく精神修養を中心に行っていた。 

 ただ、その成果は未だに表れていない。

 

 「・・・・・・・彼女の始末書を書くなんて真っ平よ。」

 

 「その辺りは大丈夫だ。今回の一件で何か彼女が問題を起こした場合は上層部のジジイ達の責任になるように確約を貰っている。しかも口頭での確約ではなく書面でな。」

 

 それを聞いて少し安心する李。

 

 「それにしても、何でタイミングが遅れ・・・・・そう言えばあの娘、甲龍を壊したんだったわね。」

 

 「そうなのよ。無茶な使い方して衝撃砲を壊したのよ。」

 

 李が鈴の入学が遅れた理由に気づき楊が補足する。

 

 「確かにあの娘の衝撃砲の使い方がなっていなかったわね。 衝撃砲の使い方が遠距離攻撃の手段に限定していてワンパターン。他にも利用方法が色々とあるのに、その事に気づかないし、気づこうとしない。それからあの娘、遠距離攻撃の手段を衝撃砲に頼りきって、それ以外の選択肢を持たない・・・持とうとしない。だから甲龍には銃火器の類いを搭載してないのよ。」

 

 李の言葉に呆れる楊。 

 

 「それでも序列3位なのよね・・・・潜在能力の高さと適応力がそれをなし得ているのだけれど・・・・・・それを許している他の代表候補生達の質の低さが問題を大きくしているのよね。頭が痛いわ。」

 

 楊が額を押さえながら言う。 二人にとって頭痛の種は鈴だけではなかったのだ。 それでも一番の問題児が自分達の手から離れたことで少しは楽になると思っていた。

 

 しかし、彼女達の予想はあっさりと裏切られるのだった。 

 

 IS学園に行った鈴が幾つかの問題を起こし、その後始末が回り回って自分達の元にくるとは。

 そう、責任はとらなくてもいいが、後始末はしなくてはならないということに。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

   

  

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

  IS学園  クラス代表決定戦の翌日

 

 1年1組 

 

 「ということで、1組のクラス代表は織斑千春君になりました。」

 

 朝のSHRが始まるなり突然、真耶が言い出す。 その言葉にクラスの生徒達は呆気にとられる。

 

 「・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・」

 

 説明が無いままに、結論だけを告げられて全員が戸惑い何も言えないでいた。  そんな真耶に呆れながら千冬が補足するために口を開く

 

 「当初は、昨日のクラス代表決定戦での篠ノ之とオルコットの試合と、その後に非公開で行われた男性操縦者同士の模擬戦での内容を踏まえてクラス代表を決定する予定だったのだが、国際IS委員会からの指示で織斑千春のクラス代表就任が決定された。無論これには幾つかの理由があるが、最大の理由が織斑が私の弟であるということだ。」

 

 千冬は千春をクラス代表に就任させる本当の理由を知らされていたが、あえてここでは語らず、千春が自分の弟であるために注目を集めており、どうしても千春の立場を確立する必要があり、その為には存在を強く内外にアピールする必要を考慮した故の処遇だと話す。

 

 「だが、織斑の操縦者としての腕前はまだまだ未熟だ。そこで学園上層部との協議の結果、IS学園に在学している各国の代表候補生達の指導を交代で受けてもらうことになった。日程は追って知らせるので準備だけは怠らぬように。」

 

 そこまで千冬が話すと、一人の女子生徒が挙手をして千冬に質問する。

 

 「織斑先生。それだと3組に在席している月村君も、同じような処遇になるのでしょうか?」

 

 「3組の月村に関しては、この処遇の対象にはならなかった。元々彼は実家である月村重工の企業専属操縦者という立場にあり、無所属の織斑と違い様々な形で表に出る機会も多く、態々クラス代表にする必要もないと判断された。それからコーチの件も既に彼にはコーチがいるために学園側が用意する必要なしと判断された。」

 

 そう千冬に言われ女子生徒は納得する。

 

 一方、クラス代表を指名された千春は、クラス代表に任命されたものの、原作とは違う流れに又々混乱していた。

 

 (どうなっているんだ本当に? クラス代表になれたのはいいけど、こんな展開じゃないだろ! )

 

 そんな千春の混乱をよそにSHRは進むのであった。

 

 

 

 

 

 

 同日放課後  

 

 アリーナでの訓練を終えて、寮に戻ろうとする零也達。

この日は零也と紫とシュテルと簪の四人での訓練となった。 コーチ役の楯無と虚は生徒会の仕事が立て込んでおり不在だったが、確りとトレーニングメニューを課していた。

 

 「今日もハードなトレーニングだったな。」

 

 零也の言葉に紫は

 

 「もうおなかぺこぺこだよ。今日は何を食べようかな?」

 

 そう紫が言った瞬間だった。

 

 

 グル、グル、キュルル~~~!

 

 盛大な腹の音が鳴り響く。

 

 「・・・・・・紫、少しはしたない。」

 

 簪が指摘する。慌てて否定する紫。

 

 「ち、違う! 私じゃないよ!」

 

 「でもタイミング的には紫かと。」

 

 シュテルも紫の音だと指摘する。

 

 グルグルキュルルーーー!!

 

  更に大きい音が鳴り響く。 今度は発生源がハッキリとわかった。

 しかもそれは、紫の後ろにある垣根の裏側からだった。

 

 零也達がそこを覗くと、そこにはボストンバッグを地面に置き、背中にリュックを背負いキャリーケースに座り込むツインテールの少女の姿があった。

 

 「もう歩けない、ここ何処よ? 学生課って何処にあるの? おなかすいた~~。」

 

 道に迷って力尽きたらしい少女が弱々しく呟いていた。

 

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