お久しぶりです。短いのですが更新しました。
IS学園のに制服を着て幾つもの荷物を持ったその少女を見た零也達が思った事はただ1つ
(・・・・・迷子?)
その少女·····鳳鈴音は、とてもついていなかった。
そもそもIS学園への入学も3日前に突然知らされて、慌てて荷造りしたのだ.。鈴には中国政府が何を思って自分を突然、IS学園に無理矢理入学させたのかは不本意ながらも理解してしまっていた。
ただ、鈴自身は納得はしていなかった。そもそもIS学園に入学するには正式な手順を踏んで、尚且つ自らの手で掴んでこそ資格があると鈴は思っている。それをねじ曲げての入学、鈴の中には確りとした蟠りを残した。
しかしながら、政府の強引な命令に鈴も逆らう事は出来ずに従ってしまうしかなかった。
何より今の鈴に日本にはいた頃と違い、千春に対しての恋心は殆ど失っており、単なる友人になっていた。
日本にいた頃は、あれだけ恋い焦がれていたはずなのに、中国でISに触れて代表候補生になってからはIS一筋となり、今では恋よりもIS操縦者として一流に······国家代表になることにしか頭になかった。
それ程までに鈴はISというものに、
そんな蟠りを持ったまま中国から日本に来たのだが、到着早々に空港で、バスターミナルの場所が分からず迷ってしまい、やっと見つけて発車直前のバスに飛び乗れば1つ手前の乗り場だった為に行き先が違い、到着した場所から調べて、バスを乗り継いで漸くIS学園に到着したのだ。
しかし、いざIS学園に到着したものの既に辺りは既に暗く、生徒の姿もなかった為に肝心の学生課の場所が分からずに彷徨い続けた結果、朝から殆ど何も食べてなかったのも災いし精魂尽き果てて現在に至っている。
「ここ何処? ······お腹空いたよ·····」
力なく呟く鈴に零也が
「おい大丈夫か?」
声をかけると、鈴は力なく顔を上げて零也を見ると
「男? ·······あぁでも、それよりも、何か食べさせて·····」
「とりあえず、これを。」
簪がポケットからエナジーバーを取り出して袋を開けて鈴に渡す。 チョコの甘い香りに鈴は反応し、手元にあるエナジーバーを見ると齧り付き2口で食べ終える。
糖分を補給した成果か、多少力と思考能力を取り戻した鈴。 ようやくそこで自分の周りにいる紫達と零也に気づくのだった。
「ほぇっ?! ········あ、ありがとう。おかげで少し力が戻ったわ。私は凰鈴音、中国代表候補生よ。え~と、たぶん間違っていなかったら2人目の男性操縦者の月村零也さんですよね?」
「あぁそうだ。で、こんなところで何してんだ?」
「えっと、IS学園に遅くなったけど入学することになったんで、今日中国から来たんだけど、色々あって遅くなって学園についたんだけど、暗くて学生課の場所がわかんなくなった途方にくれてたの。」
鈴の話に何とも言えない顔をする零也達。 それを見て不思議そうな表情になる鈴。
簪が代表して鈴の左後の壁を指差す。 簪の指差す方向を見て唖然とする鈴。 そこには
〔 学生課 → 〕
と書かれた看板と矢印の先には扉があるのだった。そう、鈴の探していた学生課は目と鼻の先にあったのだ。
「ちなみに学生課の業務は19:00まで。そして現在の時刻は18:55、急がないと受付終わるよ。」
簪の指摘に鈴は慌てて荷物を抱えて学生課に向かって行く。だが扉を開けて中に入る前に零也達に
「今日はありがとう、このお礼は必ずするから。」
そう言って手を振って中に入って行った。
「·········なかなか、面白い娘だね。」
「中国代表候補生序列第3位鳳鈴音、訓練生になって僅か半年で代表候補生になり、瞬く間に序列第3位にまで駆け上がった麒麟児の異名を持つ娘よ。」
鈴の事をそう評価した零也に簪が鈴の事を更に詳しく教える。
「へ~、それは凄いね。それにしても、遅れて入学という事は、元々4月に入学する予定がトラブルがあって遅れたという事か。専用機関連かな?」
「兄さん、とりあえず学食に行ってから続きを話そうよ。学生課じゃないけど、急がないと学食も閉まっちゃうよ。」
紫に急かされて学食に急ぐのだった。
翌日 朝
1年1組
「織斑くん、クラス対抗戦頑張ってね!」
「デザートフリーパスがかかっているだから!」
SHR前に、周囲のクラスメイト達と学年別クラス対抗戦の事を話しながら、千春は気持ちが落ち着かず少しそわそわしていた。色々と自分の知る原作とは違いが出ているものの、予定では今日辺りに、セカンド幼なじみである凰鈴音が転入してくるはずだからだ。
鈴との再会を今か今かと、心待ちにしていた。
その一方でここまで彼の知る原作とは色々と違いが生まれ困惑していた。
ファースト幼なじみである箒はもとより、自分に惚れてくるはずのセシリアも、自分に対して距離をおいており積極的に関わってこないのである。
原作なら自分に対して様々なアピールをしてくるはずなのに、その素振りがない。かといって、自分から接触してアピールするのも何か違うと思い、行動をおこせないでいた。
千春は鈴の存在が、それらの状況を変える何かしらの切欠になればと願っていた。
「ちょっと悪いけど、織斑千春はいる?」
クラスの入り口で聴こえてきた声に千春は即座に反応する。
「その声は鈴、鈴じゃないか!久しぶりだな!」
待ってましたとばかりに立ち上がり、鈴に近づいてい。
「久しぶりね千春、元気みたいね。」
「あぁ、それにしても鈴がIS学園に来るなんて驚いたよ。」
「色々あってね、それよりこのクラスには日本とイギリスの代表候補生がいるって聞いたけど?」
「箒とオルコットの事かい?今、ちょうど教室に入ってきたよ。」
自分との会話もそこそこに、箒とセシリアの事を聞いてきた鈴に違和感を感じる千春。
タイミングよく反対側の入り口から2人が入ってきたので教えるのだった。
「そう、ありがとう千春。もうSHRが始まるから。」
そう言って鈴はそそくさと千春の前髪元を立ち去るのだった。
そんなあっさりとした鈴の態度を不思議に思いながら、後ろ姿を見送った。
(えらくあっさりだな? まあ昼休みや放課後もあるし、その時にゆっくり話せるか)
そう思っていた千春だったが、昼休みは千冬から呼び出しを受けて一緒に食事を取ることは勿論、話す事も出来なかった。
更に、千冬から放課後は修理と改修に出されていた白鋼が戻って来るのでアリーナを貸し切りにして稼働試験をすると言われてします放課後の予定も埋まってしまったのだった。
放課後
零也達は、ISを使った訓練をするためにアリーナに向かっていた。 しかも今日は一行の中に楯無と虚の姿があった。
普段は生徒会の仕事で忙しいのだが、やはりIS学園に属する以上はISを使った訓練を怠る事は出来ない。
そこで週に2回、生徒会は優先的にアリーナを貸し切り訓練することが出来るのだ。
もっとも使用出来るのは、IS学園にある10面のアリーナの中でも小さい第8アリーナだが、観客席がなくフィールドが競技正式規格より少し狭いだけで、模擬戦や訓練は十分に出来るスペースはある。
零也達がアリーナ事務所に近づくとそこには、箒・セシリア・鈴の三人が何やら困り顔でいた。
「珍しい組み合わせだね、どうしたの?」
声をかけられた事で零也達に気づいたセシリア達、
「あ、月村さん! 昨日はありがとうございました、お陰で受付に間に合い助かりました。」
「間に合ったのならよかったよ。」
鈴がいち早く、零也達に近づき昨夜の礼をのべるのだった。
それを見てセシリアが鈴に質問する。
「あら?鈴さんは零也さんと既にお知り合いだったのですか?」
「昨日、学園にきて道に迷っていたのを助けてくれたのよ。」
「なるほど、確かにこの学園は無駄に広いからな、初めてきたら案内なしには迷うな。」
鈴の答えに入学した当初、剣道部の部室や道場の場所がわからずに苦労した事のある箒は激しく同意する。
「それで1組のセシリアと箒、2組の凰さんが一緒にいるのは?」
まだ合同授業もないのに、今日入学したばかりの鈴と顔見知りになっているのを疑問に思い零也は尋ねるのだった。
3人が一緒にいるのは、鈴が同学年の代表候補生の実力が気になり、昼休みにクラス代表になっていない2人に学食で声をかけて手合わせをすることになったそうだ。
「ですが、肝心のアリーナが第1アリーナと第2アリーナは改修工事中、第8アリーナは生徒会が、第9アリーナは織斑先生が、第10アリーナは教員訓練で貸し切りで使用出来ないそうで、本日は空いておりませんでしたので…」
そうセシリアがこれまでの経緯と現状を説明するのだった。
「今から生徒会の貸し切りのアリーナで私達は訓練するだけど、良ければ一緒にどう? まあ模擬戦もちゃんとしたものじゃなくて短時間でフィールド限定のものだけど、手合わせには十分じゃない?」
楯無の提案にセシリア・箒・鈴は顔を見合わせて
「「「よろしくお願いします。」」」
何と言いますか、コロナの影響で仕事や生活の流れが大きく変わり、思った以上に心身に負担をかけていたようで、思うようにアイデアが纏まらず苦戦しておりました。
また、年末に追突事故にあい右手に右肩を痛めてしまい、ようやく仕事に復帰出来るようになりました。
こういった事情があり、なかなか更新出来ずに申し訳ありませんでした。