注)原作とは違う流れになってますのでご注意ください。
千春は試合開始直後から一方的に鈴に攻め立てられた。白鋼甲殻を発動して急場を凌いだものの、彼には打開策が無かった。
(どうする?白鋼甲殻で凌いだけど、攻め手が見つからない。)
白鋼甲殻を解除して夾竹刀を構えながら千春は、ふと自分の両腕に新たに装着されている【防守・小月】に気づく。
(そうだ、それがあった! よし!!)
千春はすぐさま、防守・小月を起動させる。 高速回転をする防守・小月、それを見て警戒する鈴。
「いけ! 小月」
白鋼の右腕に装着されている小月が鈴目掛けて放たれる。
鈴は自分に向かってくる小月を黒龍で弾こうとしたが、
(!! 違う、避けなきゃダメ!)
直感で、弾くのではなく回避することを選んだ鈴。 第6感ともいうべき直感に従う鈴、今までもこの直感に助けられた事もあり鈴はこの感覚を疑っていなかった。
小月を避けた鈴を見て、笑みを浮かべる千春。
(避けたってダメなんだぜ鈴!)
鈴の後方で大きく弧を描き背後から再び迫る小月。自動追尾機能のある小月は鈴をロックオンしていたのだ。
だがハイパーセンサーでその動きを捕らえていた鈴は慌てずに背後を振り返る事なく、黒龍を向けてトリガーを引くと黒龍から弾丸が絶え間なく放たれて、小月を弾き飛ばす。
無数の弾丸を浴びた小月は破損したようで、そのままアリーナの地面に落ちる。
小月に隠されていた機能があったのだが、どうやら弾丸の当たった場所が悪かったのか発動しなかった。 それを見て千春は舌打ちして
「くそっ! だがまだだ!」
拡張領域から右腕に予備の小月を呼び出して装置すると、今度は左右両方の小月を放つ。
自動追尾機能のある小月で牽制して、あわよくば隠された機能でダメージを与え、更にその隙に接近して夾竹刀で斬りつける。 千春が自分なりに考え出した必勝パターンだ。
しかし
「そんな見え透いた手には乗らないわよ。」
鈴は千春から距離を取り、ハイパーセンサーで小月の位置を把握しながら黒龍で弾丸を連射する。
弾丸が命中した小月は爆発して木っ端微塵となる。
(なるほど、私の勘は当たっていたのね。シールドブーメランと見せて実はミサイルなのね。)
そう鈴は判断したのだが、実は少し違った。
【防守・小月】白鋼に新しく装備されたバックラータイプの小型シールドだ。
両肩に装着されている防守は白鋼甲殼を発動するための重要な装置であるために、攻撃にあまり使えないという欠点があった。
そこで両腕に新たな攻撃にも使える盾、防守・小月が装備されたのだ。
しかし、これも当初は隠し刃を仕込んだ格闘武器、そした自動追尾装置を持つ単なるシールドブーメランの機能を持たせる予定だったのだが、千春がミサイルのように命中したら爆発する機能の追加を求めたのだ。
しかし、盾に火薬を仕込めば防御した時に誘爆する可能性もあり、また小月も消耗品として扱うには少し費用が高額となる事、盾を使い捨てする事に薫子が難色を示した。
その後、色々試し協議を重ねた結果、取り敢えず試験運用という事で、ミサイルとして使用する際には信管をセットし、ミサイル機能のスイッチを入れるという仕様にし、更にミサイルとして使用出来る小月の数も取り敢えず、3機迄と制限を設けた。
ミサイルとして使える小月を使い切った千春は
(クソッ! )
自分の思い通りにならない状況に苛ついていた。
転生している事には気づいてからIS学園に入学するまではある程度自分の思った通りに事が進んでいたのに、IS学園に入学してからというもの、思い通りに進まない事にかなりのストレスを感じていた。
何より自分の知る原作通りに事が進まない事に怒りを覚えていた。 自身が原作にいないイレギュラーな存在であるにもかかわらず。
(何なんだよ! 何で原作通りに進まないんだよ!)
彼は間違いを犯していた。
自分が今、生きているこの世界を、原作小説という作品の中での出来事で、現実世界だとキチンと捉えていない。
つまり、まるで仮想空間での出来事で、ゲームと同じで主人公である自分以外は全てNPCで、どうなろうとも構わない。
ヒロイン達も自分のヒロインになるという役割を与えられたキャラクターだと。
それ以外は全てモブ、自分を引き立てる為の役割を与えられたキャラクター達だと。
この世界は全て自分を中心に回っている、自分の為の都合の良い世界だと。
傲慢で不遜で歪んだ考えの持ち主、それが織斑千春という人間なのだ。
さて、IS限らず格闘系の試合というのは余計な考え事、雑念を持ちながら戦えるようなものではない。
並列思考でもない限りは、そんな状態で戦えばどうなるかと言えば
「グフッ?! な、何が? ガァフ!」
腹部に衝撃を受けたかと思えば、今度は顎に衝撃を受けた。千春は何が起きたかわからなかった。
考え事をしていた千春は隙だらけだった、そこに鈴は瞬時加速を使い接近。
黒龍で腹部を殴打し、次は顎を殴打したのだ。
顎を殴打された事で、その衝撃で意識が飛びそうになった。
そして千春は鈴に無防備な姿を晒している。
(悪いけど、これ以上手の内を明かしたくないから)
鈴は黒龍の銃口を千春の腹部に向けるとトリガーを引く。
「ガァァァァァァァ!!!!」
千春の絶叫が響き渡る。黒龍から放たれた銃弾は全て外れることなく命中し続ける。
「これで終わりね!」
黒龍が弾切れを起こしたので、鈴はとどめとばかりに体を大きく回転させて勢いをつけた黒龍を頭部に叩きつけるのだった。
「···········」
叫ぶ気力すら失っていたのか千春は何も言わずにそれを受けて、その衝撃でアリーナの地面に叩きつけられるのだった。
その瞬間
『白鋼、SEエンプティー。 学年別クラス対抗代表戦第1試合、試合終了。 勝者、1年2組代表鳳鈴音!』
試合終了と勝者を告げるアナウンスがアリーナにこだました。
日本で運用されているパワードスーツ
以下の物が作品内で登場予定(名前のみの場合もあり)第1世代はIS登場前に作られた物で、第2世代はIS登場後に作られた物。 なお第1世代型に関しては海外への輸出は認められているが、第2世代型は機体数と技術流出の関係から現状国内のみの流通となっている。
オールオバー 第1世代型パワードスーツ(出典:銀河漂流バイファム)
磐梯社が開発した多目的型パワードスーツ。 現在は既に生産を中止している。 EOSより性能は上だが、単体で使われる事を想定して作られた為か、アタッチメントのバリエーションが少なく、レコンに競べて見劣りしてしまい第2世代型の登場と共に日本国内では姿を消す。
アスカ 第2世代型パワードスーツ(出典:パトレイバー)
磐梯社が満を持して送り出した多目的型パワードスーツ。しかし、万能型を目指した結果として短所も無ければ特筆すべき長所も無い機体となった。警察の機体性能比較テストに出したが書類審査で落ちる。
レコン 第1世代型パワードスーツ (出典:特装機兵ドルバック)
グンゼ産業が開発した多目的型パワードスーツ。 第2世代型パワードスーツが出回っている現在、既に生産は中止されているが、それでもEOSを上回る性能を持っており、さらにアタッチメントが豊富な為に、今も建築現場では活躍している。 その性能故に中古品としても海外では人気があり、広く流通している。
ハーク 第2世代型パワードスーツ (出典:特装機兵ドルバック)
グンゼ産業が開発したレコンの後継機。 様々なアタッチメントユニットを装着することで、主に建設現場や災害救助に使用されている。グラスキャノピーからカメラアイに変更して装着者の安全性を高めてある。
バイソン 第2世代型パワードスーツ (出典:パトレイバー)
篠原重工が開発した警備用パワードスーツ。 日本警察が新型パワードスーツを採用する為に行われた、機体性能比較テストを隔て正式採用され配備されている。 ハークやレコンに競べてスマートなフォルムをしている。 だが警備を目的としているので防御能力は確りしてる。
ヘルダイバー 第2世代型パワードスーツ (出典:パトレイバー)
篠原重工が開発した軍用パワードスーツ。 此方はバイソンの性能を知った自衛隊から開発を以来されて作られた物で、その為にバイソンと競べてもかなりの高性能を誇る。 また、アタッチメントユニットを装着することで長距離飛行や長時間潜水も可能となっている。
ヘラクレス 第2世代型パワードスーツ (出典:パトレイバー)
菱井インダストリーが日本警察の機体性能比較テストに出した機体。パワーと重装甲を全面に押し出した機体。機動性が低いのがネックとなり採用が見送られた。 その後、一部の民間警備会社や建築土木会社に採用された。
アデル 第2世代型パワードスーツ(出典:ガンダムAGE)
月村重工が開発した第2世代型パワードスーツ。月村ホールディング傘下の警備会社の為に開発された機体で一般には出回っていない。 他社の第2世代型と競べて一線を画す程の高性能を誇る。
仮に警察の性能比較テストに出していたら、此方が採用され自衛隊からの専用機体の開発も月村重工になっていただろう。
海外のパワードスーツ
日本と比べ開発が遅かった事とIS登場により、その開発が一度停止した事もあり開発と配備が遅れている。 現状、市場に出回っているのは、日本から輸出された第1世代型がほとんど(中古もあり)。
現在アメリカ・ドイツ・中国が独自に開発した物を軍で使用(試験運用)している。
ファッティー (出典:ボトムズ)
ドイツがバララント社と開発した警備用(軍用)パワードスーツ。性能面ではハークと同等。ただし操作性という部分ではレコン以下(某IS部隊隊長評価)。
ゲバイ (出典:ドラグナー)
アメリカのギガノス社が開発した軍用パワードスーツ。こちらは性能面・操作性はハークと同等。陸軍に試験配備されている。
リーオー (出典:ガンダムW)
アメリカのOZ社が開発した軍用パワードスーツ。性能面ではゲバイと同等。 こちらは気密性能の高さから空軍と海軍に試験配備されている。
マッケレル (出典:ダグラム)
中国の新華社が開発した軍用パワードスーツ。性能面ではレコン以上ハーク以下だが、ハーク以上と公表している。