2回にわたる、コロナのワクチン接種の副反応での体調不良で更新が遅くなりました。
試合終了後に突如として現れた乱入者。観客席の生徒達が避難するまで時間を稼ぐ事になった鈴。
その鈴は目の前の2体のロボット相手に苦戦していた。
3本爪のロボット(今後、ズゴックと表記)が鈴に左腕を向けると、3本爪の中央の穴からレーザーが放たれる。
「クソッ!」
鈴がレーザーを躱すと、いつの間にか5本爪のロボット(ゴッグと表記)が接近して、振り上げた右腕を鈴目掛けて振り下ろす。それも紙一重で躱す。
先程から2体の絶妙なコンビネーションに苦戦する鈴。
再び、同じような攻撃を仕掛けてくるズゴックとゴッグ。 ゴッグの爪を上空に飛び上がり躱した鈴は、ゴッグ目掛けて衝撃砲を撃とうとした。 だが、
「?! えっ? キャァァァーーー!!!」
右脚に2本の紐状のものが巻き付いていた。そしてそのまま鈴はアリーナの地面に叩きつけられる。
「一体何で?」
鈴が右脚に巻き付いていている紐状のものの元を見れば、コンテナから大きな1つ目が特徴の3体目のロボット(アッグガイ)が姿を現していたのだ。その右腕から伸びるワイヤーロープが右脚に巻き付いていたのだ。
「ウソ、もう1体いたの?」
アッグガイは左腕のワイヤーロープを射出すると鈴の首に巻きつけて締め上げる。
(クッ····まさか3体目がいたなんて、油断したわ。)
首に巻き付いていたワイヤーロープを解こうとするも、締め上げるパワーが強く、上手く解けない。
しかもズゴックが左腕のレーザーを鈴に向けて撃とうとしていた。
「グッ、な、何とか····しないと·····」
流石にこの状態でレーザーをまともに受けると不味いと、鈴は必死になって抜け出そうとするが、ワイヤーロープの締め上げるパワーが強く抜け出せない。
そしてズゴックがレーザーを放とうとした
その瞬間だった。
ズゴックの左腕が突然爆発し、更に鈴の首を締め上げていたワイヤーロープが力を失い解ける。
「悪い、少し遅くなった。」
2本の小太刀でアッグガイのワイヤーロープを断ち切った零也が鈴の前に立ち、秘匿通信で問い掛けてきた。
「ゲッホ、ゲッホゲッホ、た、助かったわ。」
鈴の横には右手に小太刀、左手に飛針を持った紫が、立っていた。
ズゴックの左腕が爆発したのは紫が投げた飛針がレーザーの発射口に刺さり暴発したからだ。
それだけに留まらず、ゴッグも零也がピットから飛び出した時に放った、飛針に結ばれたワイヤーによりアリーナの地面に縫い付けられていた。
「援軍か、しかし無駄な事。下僕はそれだけでは無いのですから。」
そう言って女性はフラッグの柄でコンテナを叩くと
コンテナの中からゴッグが3体現れた。 そしてワイヤーロープを切断されたアッグガイは、ワイヤーロープの変わりにズゴックと同じような3本爪を出現させた。
「さぁ行きなさい下僕達よ!」
女性が指示するとアッグガイは瞬時加速のような爆発的加速で紫に近付き爪を閉じた状態の右腕を突きだす。
3体のゴッグは零也に向かって爪を振り上げて迫る。
左腕を失ったズゴックはワイヤーで拘束されているゴッグに向かって行く。
女性には下僕のロボット達が、自分達に逆らう愚か者達を殲滅するという自信があった。
だが、その自信も直ぐに打ち砕かれるのだった。
紫に向かって突進するアッグガイ。その加速による攻撃を避ける事は出来ないと思われた。
しかし、アッグガイの右腕の爪は紫を貫く事は無かった。 紫が右手の紅鏡でアッグガイの右肘部分を斬り飛ばしたのだ。
クルクルと回りながら宙を舞うアッグガイの右腕。
御神流 貫
紫は、そのままアッグガイ頭部の1つ目をまるで豆腐に突き刺すように、音も無く紅鏡で容易く貫いていた。 それと同時に動かなくなるアッグガイ。
ゴッグを拘束しているワイヤーを切ろうと右腕の爪を振るおうとしていたズゴック。 だが、その右腕は突然爆発する。
「やらせないわよ!」
体勢を立て直した鈴が衝撃砲で右腕を吹き飛ばしたのだ。更に方天雷牙を投擲し、そのままズゴックの頭部に突き刺さる。
ズゴックはそのまま後方に音をたてて倒れ動かなくなる。
鈴は方天雷牙を投げて直ぐに剛撃錘を呼び出して両手で握り、瞬時加速で一気に拘束されているゴッグに近づくと
「ぶっ飛んでいけ!」
剛撃錘を野球バットのようにフルスイングでゴッグに撃ち込む。
剛撃錘が命中したインパクトと共に超振動がゴッグに伝わり、ひしゃげた音と共に命中した部分は陥没。
ゴッグを拘束していたワイヤーは剛撃錘によって与えられた衝撃に耐えきれずに引き千切れ、ゴッグはそのままアリーナの壁まで飛ばされめり込み動かなくなのだった。
「やられたら、やり返す、倍返しよ!」
零也と対峙する3体のゴッグ。 3体のゴッグは爪を振り上げて零也の3方向から襲いかかる。
だが、爪が零也を切り裂こうとした瞬間、零也の姿がぶれて消える。
見ればいつの間にか零也は襲いかかってきた3体のゴッグの内、正面にいたゴッグの背後に立っていた。
小太刀二刀御神流 虎乱 三連撃
零也が両手の紅月を軽く振ると、3体のゴッグの両腕は肩から切断されて地面に落ち、同時に両足も膝から切断されて、胴体が滑り地面に倒れる。
落ちた衝撃を受けると、今度は胴体は頭部から真っ二つに割れるのだった。
零也は一瞬にして3体のゴッグの両肩・両膝を断ち斬り、胴体も頭部から真っ二つに斬り裂いたのだった。
瞬く間に5体のロボットは鎮圧された。
その光景を見ていた人達の殆どが何が起きたのか理解、いや認識出来なかった。
特に零也と紫のした事は、本当に目にも止まらぬ早技で気がつけば敵対していたロボットが倒されていたのだから。
だからこそ、コンテナの上に立つ女性は信じられ無かった。
ほんの僅かな時間で、自分が自信満々に送り出した下僕のロボットが無効化された事実に。
「ば、馬鹿な。あの組織から密かに手に入れた兵器が、一瞬で·····あ、ありえない。」
だからこそ、自分の背後にいつの間にか零也がいる事に気がついていなかった。
小太刀二刀御神流 徹
零也が女性の背中に放った紅月の斬撃、その衝撃はISの装甲、絶対防御に阻まれる事なく女性の肺に届いた。
「ガフッ!!」
その衝撃に肺に溜め込んであった酸素は一気に吐き出され、呼吸困難に陥る。 そして酸素不足により貧血が起り意識が遠退いていく。
零也達は小太刀二刀御神流の技の1つ[徹]とその類型の技をIS競技の試合では使わない[禁じ手]にしていた。
それはこの[徹]という技の特異性にあった。内部に衝撃を徹すという性質を持つ技。
入学前に楯無達と行った訓練の中で、ISの装甲を傷つける事なく、絶対防御を発動させる事なく、その衝撃を操縦者に与える事を確認したのだった。
零也達は試合でこの技を使うと色々と面倒な事になる場合があることを考えて、IS競技の試合では使わない事に決めたのだった。
だが、今回の相手はテロリスト。 無傷で捕らえる事が出来れば、その後の段取りがスムーズに進むと考えて零也は使用する事にしたのだ。
女性は何が起きたのかわからないままに、コンテナの上に倒れ込み意識を失うのだった。
零也は倒れた女性から視線を外さないまま構えを解かず
「管制室聞こえますか?此方、月村です。対象の無力化に成功しました。」
『聞えてるわ、月村君。ご苦労様。外のロボット達も無力化したと連絡が入っていたわ。間もなく教員が数名来るから、それまでにその女性が暴れたり逃げたりしないように注意していてください。』
管制室のスコールが零也に答える。
「わかりました。」
女性は意識を失った事でISが自動解除されていた。
「お見事です。おかげで私の出番がありませんでした。」
零也の隣にレイスタ改・星光を装着し紅炎を構えたシュテルが近づいてきた。
「悪いねシュテル。」
シュテルはイレギュラーな事態が起きても直ぐに対応出来るように、あえてアリーナには出ずにゲートの側に身を潜めていたのだ。
「出番が無いに越したことはありませんし。」
そう言ってシュテルは紅炎を収納すると、しゃがみ込み女性からラファールの待機形態である指輪を外して零也に投げ渡すと、今度は指枷・手枷・足枷を取り出して女性を拘束していく。
「この手の人達は、自分が負けて捕まるなんて考えて無いから、自殺用の毒薬を口内に仕込んだり、爆薬を隠し持ったりしてないから、これで良いわ。」
シュテルが拘束を終えたところに打鉄を装着した数名の教員がアリーナに入ってきた。
零也達は女性を教員達に引き渡すとスコールから通信が入る。
『月村君、月村さん、高町さん、凰さんはこれより事情聴取がありますのでピットに戻り着替えてから学園長室に集合してください。』
「「「「わかりました。」」」」
ここで少しだけ補足を
作中にて、小太刀二刀御神流の[徹]という技がISの装甲のみならず、絶対防御を発動させる事なく装着者にダメージを与えるというシーンがあります。
他の2次作品等においても攻撃された時に絶対防御が発動して怪我はしないけど、衝撃は装着者を襲うという表現はよくあります。
徹という技は、それをより特化した技故に絶対防御を発動させる事なく、装着者にダメージを与えるという設定にさせていただきました。
ちなみに、アルミ袴さんが書かれている『魔法青年リリカル恭也Joker』においても、恭也がバリアジャケットを纏っているヴィータ相手に、[雷徹]や徹を使用した[射抜]でダメージを与え、圧倒し倒すシーンとフェイトと模擬戦した際もダメージを与え、気絶シーンがあります。
何方も恭也はデバイスすら持たずに生身で戦い圧倒しております。