ヒロインについて
この作品の主人公にもヒロインはいます。ただヒロイン候補(現在のところ5名)の中から正ヒロインを決めかねているところです。 場合によってはハーレム(全員か1部のみ)も視野にいれております。
ちなみに楯無と紫とすずかはヒロイン候補です。
あと二人は秘密。
千春のヒロイン? そんなのいるわけ無い。
1年3組
SHRが終わり、授業前の休憩時間。
零也と紫の側にシュテルが近づいていく。
「久しぶりですね零也、紫。元気でしたか?」
「「お久しぶりですシュテルさん。」」
零也と紫がシュテルに声を揃えて挨拶をかえす。
高町シュテル・・・自分達の叔母である高町なのはに似ている女性とは付き合いは長い。彼女もまた零也達と同じく複雑な生い立ちをしている、そして自分達の叔母なのだ。
「それにしてもシュテルさんが俺の護衛に就く事が認められるなんて意外でした。てっきり却下されてもう一人の方に回されるかと。」
「これも貴方が入学するための条件の1つでしたから。」
零也の疑問に答えるシュテル。そして
「ちなみにもう一人の方には紫堂涼子が就きました。」
「「紫堂涼子?」」
シュテルの告げた名前に何処かで聞いたような気もするのだが、思い出せずにいる零也と紫。
「アル・ザ・シャークと言えば解るかしら?」
その名前を聞いて流石に零也達も解った。
「アル・ザ・シャーク!! 彼女が来てるの!」
「そうか、紫堂涼子・・・・あの死神部隊の異名を持つ傭兵部隊をひきいていた紫堂貴広の娘か。どちらかと言えば、アルという愛称の方がメジャーなんで紫堂涼子と言われてもピンと来なかったよ。」
シュテルが告げた名前で涼子の素性を理解した零也達。 一般ではあまり知られていないものの、その筋の人間達にはその名前は知られていた。零也達もその名前だけは耳にしていたのだ。
仲良さそうに話をする3人を見て驚くクラスメイト達。てっきり初対面だと思っていたら実は顔見知りという展開についていけないのだった。
そうこうしているうちに始業を告げるチャイムが鳴りクラスメイト達は零也に話掛ける事が出来ないまま授業が始まるのだった。
同時刻 1年1組
千春は休憩時間になったものの、自分の知る原作の流れと違う事が起きたという事に混乱していた。
そんな千春のもとに幼馴染みの篠ノ之箒が近づく。
「久しぶりだな千春。それにしても先程の自己紹介は何だ情けない。」
箒は開口一番、再会の挨拶もそこそこに千春にダメ出しをする。
「いや、その、だってよ、この状況で緊張しちゃってさ。そ、それよりも元気そうだな箒。そ、そうだここだと落ち着いて話も出来ないし場所を変えないか?」
「そうしたいのは山々だが、始業まで時間があまりないし昼休みにでもゆっくり話そう。」
箒がそう言うと、千春は少し驚きながらも
「あ、あぁ、そうだな(あれっ? こんな展開じゃ無いんだけど? まぁ千冬姉の制裁を受けないですむのはありがたいけど・・・何か、原作の通りにいかない・・・大丈夫かな?)」
千春は不安を抱きながらも箒と近況報告をしようとするが、そこに涼子が近づき。
「少しいいですか?」
涼子に声をかけられたことで千春と箒は涼子に視線をやる。
「こんにちは、紫堂涼子です。貴方の護衛任務を請け負っています。何か問題が起きた時や困った時、そして外出する際には教えて下さい。」
「えーと、相談は兎も角として護衛は要らないんだけど?」
「残念ですが、護衛に関しては貴方の意見は通りませんので。これは貴方に課せられた義務です。」
そう言って涼子は席に戻るのだった。
そんな涼子の背中を見ながら千春は考えた。
(美人なんだけど、取り繕い隙も無いな。それにしても、原作に無い展開・・・・どうなっているんだ?それとも単に原作には書かれていないだけで、実際には起きていたのかな?)
「おっと、そろそろ授業が始まるな。それでは千春、昼休みにゆっくりと話そう。」
そう言って箒も自分の席に戻っていく。
1年3組 3時間目
1時間目と2時間目の授業は何事もなく終わりむかえた3時間目。教壇にたつスコールが
「さて3時間目の授業のIS法規の授業を始める前に今月末に行われる学年別クラス対抗代表戦のクラス代表兼クラスの委員長をする人物を決めたいと思うわ。」
スコールがそう言うと生徒達は少しざわめく。
「IS学園では学期毎に様々なイベントが行われます。その1つが学年別クラス対抗代表戦です。これは各クラスの代表者が総当たりで戦うイベントです。ちなみに優勝したクラスには半年間の学食のデザートフリーパスがクラス全員に渡されます。」
それを聞き女子生徒達は騒ぎ出す。
「ほら、静かに! 先ず最初に選ぶ参考として、このクラスには国家代表候補生はおりません。企業専属操縦者の月村紫さんがいます。そして専用機所持者が月村零也くん、月村紫さん、高町シュテルさんがいます。ただし、高町シュテルさんは護衛任務の関係上、クラス代表にはなれませんので除外してください。 それでは、とりあえず自薦他薦は問いませんのでどうぞ。」
「スコール先生。私、月村紫はクラス代表に自薦します。その上で代表補佐役に兄の月村零也を据えたいと思います。自薦理由として、私は月村工業の企業専属操縦者としてIS操縦者として代表者候補生に引けを取らないと自負しております。このクラスに確実な勝利をもたらすには最善の選択だと思います。みなさんいかがでしょうか?」
紫は零也の名前が真っ先に挙がる事を予想し先手を打った。 零也の名前を挙げようとしていた生徒達も紫の説明を聞き、実力未知数の零也ではなく紫を選ぶことでデザートフリーパスが手に入る確率が上がるという方に心が傾いてゆく。
「他に自薦他薦が無いのなら月村紫さんにクラス代表を任せたいと思います。異論はありませんか?」
スコールの問い掛けにクラスの生徒達は拍手で応じる。 それを見てスコールは満足そうに頷き
「それでは1年3組のクラス代表者は月村紫さんに、そして代表補佐役に月村零也くんにお願いします。」
その決定にクラス全員が拍手を贈るのだった。
昼休み
学食に向かう零也と紫とシュテル。そこに背後から声がかけられる
「零也、紫!」
零也達が振り返ると、そこには零也達の幼馴染みである更識簪と布仏本音がいた、
「簪、本音!」
二人とハイタッチを交わす紫。
「久し振りだね簪、本音。元気にしてたか?」
「酷いよれいれい、春休みに遊べると思ってかんちゃんと一緒に待ってたのに。」
「本音! しょうがないでしょ、こんな事態になったんだから。零也さん、私は気にしてませんし。」
「ゴメンね簪、本音。 色々あって自由に使える時間が殆ど無かったんだよ・・・・」
「そうだね・・・・ハハハハハッ~・・・・ハァ~」
何処か遠い目をしながら答える零也。 同じく遠い目をして乾いた笑いをする紫。 何があったか知っているシュテルは苦笑する。
「詳しい話は学食でしましょうか。あっ、初めましてだね、更識簪さんに布仏本音さん。私は高町シュテル、零也くんの護衛任務の為に特別入学をした者よ。」
シュテルの姓を聞き、直ぐにその素性に気づいた簪と本音は慌てて頭を下げる。
「は、初めまして。よろしくお願いします。」
「そんなに畏まらなくて良いわよ。年上だけど同級生だし。何より身内に近い存在だし。 さあさあ学食に急ぎましょう、混んじゃうわよ。」
5人は学食へ足を速めた。
「・・・・・・・・・という感じかな。」
学食の一画を陣取り、それぞれ目の前の料理(零也と紫は大盛り炒飯に焼豚麺に焼売に唐揚げ、シュテルは大盛りカルボナーラに海老ピラフにコーンスープ、簪は天ぷらそばにレタス巻き、本音は親子丼)入学までの出来事を大まかに語った零也。 その内容に声を失う簪と本音。
「美沙斗さんも美由希さんも容赦無かったのよね。」
「というか、戻って直ぐの虚さんの参考書の叩き込みに楯無さんのISトレーニングのダブルスパルタもキツかった。」
再び遠い目をする零也と紫。カルボナーラを食べながらシュテルが
「それにしても美由希姉さんは、二人の事に構うのは良いのですが、いい加減自分の事も考えて欲しいものです。」
「シュテルさん、美由希さんの場合は自分だけの問題では済まないと思いますよ。考えてください、お祖父さんとうちの父に美沙斗さんという3人の難関を乗り越えないといけないんですよ。」
零也の指摘にシュテルは思わず納得してしまった。口では美由希の結婚の事を気にしていながらも、実際に相手を連れてくれば間違いなく不機嫌になり、相手をとことん観察し、重箱の隅をつつくように粗を探して、難癖をつけるのが目に見えた。子離れ妹離れ出来ない面々であった。
「ところで簪と本音のクラスの代表は誰になったんだ。うちは紫に決まったんだけど。」
これ以上考えると気が重くなると思い話題を変えようと炒飯を食べながら零也が聞く。
「4組は私がクラス代表者になりました。」
そう簪が答える。そして本音が
「うちのクラスは来週の月曜にクラス代表決定戦をして決める事になったよ。」
そう言った。
「えっと、何が起きたの?」
紫が本音に聞く。
「えっとねぇ~・・・・・・・・・」
◆◆◆◆ 回想 ◆◆◆◆
1年1組 3時間目
「さて、授業を始める前にクラス代表を決めなければならない。これは今月末に行われる学年別クラス対抗代表戦のクラス代表者と共にクラス委員を兼任してもらう。ちなみに選ばれたら特殊な事情が無い限り1年間勤めてもらう事になる。ちなみに自薦他薦問わない。」
千冬がそう言うとクラスの姓達は
「織斑君がいいと思います。」
「私も織斑君!」
「私も!」
と千春の名前だけをあげていく。そんな中、当の千春といえば
(・・・・・とりあえず、ここは原作通りの流れなんだけど・・・)
自分の名前が上がるのだが、不安要素があった。
というのも、
時は遡り、1時間目の授業
「織斑君、何処かわからない場所はありますか?」
原作通りに真耶が聞いてきたので千春は
「全部わかりません!」
「ぜ、全部ですか?!」
驚いて手にしていた参考書を床に落とす真耶。教室の後ろにいた千冬が千春に近づき
「織斑、幾つか尋ねるぞ。入学前に制服と一緒に事前に予習してもらう為に参考書が渡されたはずだが受け取っているな。」
「は、はい(えっ?!こんな質問されたっけ?)」
「そうか、受け取っているか。ならば、それを開いて予習はしたか?」
「(一応したんだけど、ここは知らない振りをしないといかないから・・・)・・・してません。」
「・・・・・そうか、してないか・・・・・・・さて、最後から質問だが、その参考書はどうした?見たところ机の上に無いようだが?」
千冬の問い掛けに千春は、自分を襲う衝撃に備えながら用意していた台詞を口にするのだった。
「・・・・・・電話帳と間違えて捨ててしまいました!」
次の瞬間だった
ズバァァァァーーーーン!!!
「グッべっ&β%☆〒#¥∀!!!!」
身構えていたにもかかわらず、想像を絶する衝撃が千春を襲った。
「こ、この愚か者!!! 山田先生、直ぐに手配を!」
千冬は千春に一撃を加えた直後、慌てて真耶に命じる。真耶も千冬の言わんとすることを直ぐに理解して教室を出て行くのだった。
千冬の出席簿の一撃を脳天で受けて、床に踞り悶絶する千春を一瞥すると千冬は、千春を無理矢理起こして座らせると
「さて織斑、お前には色々と言いたい事があるが、これ以上お前の事で時間を取る訳にはいかないので放課後に生徒指導室でゆっくりと話をすることにするが、その前にお前を始めクラス全員に言っておくことがある。まず、お前が捨てたという参考書には外部には漏らしてはならない機密事項が幾つも掲載されている。だからこそ、参考書は卒業並びに退学時に必ず回収するようなものだ。」
そこまで言うとクラス全員は驚いた。まさかそこまで重要な物だとは思っていなかったのである。
「つまりまかり間違って捨てていいものではない。それを心しておけ。それから替わりの参考書を今日中に渡す。3日で覚えろ!」
「えっ?! ちょっ、ちょっと待ってくれ千冬姉、いくら何でも3日じゃ、グベッ!!」
「織斑先生だ!公私混同するなと言っただろうが!」
再び千春に振り下ろされた出席簿。
「全く、それでは授業の続きは私が行う!」
◆◆◆◆◆◆◆
(・・・・・あんな展開無かったはずなんだけど。それに・・・)
千春は離れた席に座る少女、セシリア・オルコットを見る。
(休み時間にセシリアが絡んで来なかったな? 何でだ?)
自分の知る原作とは違う事が幾つか起きた事で不安になる千春。それでも今は原作通りの流れなので、直ぐにセシリアが声を挙げると待ち構えていた。すると
「先生、及ばすながら私、日本代表候補生序列10位篠ノ之箒はクラス代表に自薦させていただきます。そしてイギリス代表候補生序列5位のセシリア・オルコットを他薦させていただきます。」
箒の突然の宣言に驚き声を失う千春
(へっ? 何で箒が・・・・というか日本代表候補生?!何で! それに何で箒がセシリアを??)
「ほう・・・・時に篠ノ之、理由を聞いてもいいか?」
千冬の問い掛けに
「クラスの者が物珍しさだけを理由に千、織斑を他薦するのが、あまりにも愚かしかったので。キチンとクラスの事を考えれば経験者を挙げるのが正しいかと。故に日本代表候補生である私が自薦で名乗りあげ、さらにイギリス代表候補生のオルコットの名前を挙げさせてもらいました。」
そう答えた箒の正論に千春を挙げたクラスの生徒達は気まずい顔をする。
「タイミングが遅くなりましたが私セシリア・オルコットも改めて自薦させていただきます。そして同じ理由から篠ノ之さんを他薦いたします。」
セシリアが席をたち名乗り挙げる。 それを見て千冬は
「そうだな、ならば来週の月曜日の放課後に代表決定戦を行う。その結果をクラス代表の判断材料としよう。」
またまた自分の知る原作とは違う展開に困惑する千春、そんな千春に追い討ちをかけるかのように
「そうだ織斑、お前に伝えておくことがあった。日本政府よりお前に専用機が与えられる事になった。既に完成しており明日搬入される。明日の放課後は専用機の受取りと起動試験を行うので時間を空けておくように。」
千冬の言葉は千春を更なる混乱へと導いた。
◆◆◆◆◆ 回想終了 ◆◆◆◆◆
「・・・・・・という事があったんだよ。」
「なんというか、その織斑だっけ? バカなの?」
紫が辛辣な評価を口にする。口にはしないものの全員が同じ事を感じた。
「それにしても専用機か、確か倉持技研が作ったんだよな。」
倉持技研が男性操縦者用の機体を作っているのは、既にこの場にいる全員は知っていた。 ただし、どんな機体かは知らない。
「そういや、楯無が言っていたけど簪にも倉持から専用機の話が来ていたらしいな?」
「そうだよ、更識ISラボがかんちゃんの専用機を開発すると決めたら話が来てね、でもかんちゃんは更識ISラボの方が先に決まったからと言って断ったんだよね。」
「その後聞いたんだけど、篠ノ之さんにその話がいったみたい。」
本音の後を簪が引き継いで話す。
「その篠ノ之さんの実力は?」
シュテルが尋ねる。
「接近戦・・・特に刀の腕前はピカイチ、私では勝てない。でも銃火器はイマイチ、総合力では私が上。」
簪がそう箒の事を評価する。ちなみに簪は日本代表候補生序列5位だ。
「ふーん、でも何で篠ノ之さん何だろう?専用機を持っていない代表候補生は他にもいるのに。」
紫の疑問に簪が答える。
「倉持が持ってきた機体のコンセプトが近接戦闘がメインの機体だった。おそらくある程度の近接戦闘の腕が欲しかったんだと思う。」
「という事は1組の代表決定戦は全員が専用機持ちという訳か。・・・・本命がイギリス代表候補生に対抗馬で篠ノ之さん。大穴というかほぼ外れで織斑か。」
零也の評価は全員共通のものだった。