IS 月華の剣士   作:雷狼輝刃

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 短めです。


第6話  青い雫VS赤鋼

 

 

 1週間後 1年1組のクラス代表決定戦当日

 

 IS学園の第1アリーナには、試合開始を待ちわびる生徒達が詰めかけて満席となっていた。

 本来なら1年1組の生徒のみが観戦する予定だったのだが、決定戦後に関係者のみの立合いで非公開で行われるはずだった月村零也と織斑千春の男性操縦者同士のエキシビション戦の話がどういう訳か学園内にあっという間に広がり、観戦希望者が殺到してしまったのだ。

 もっとも観戦に来た生徒達はクラス代表決定戦が終了後に退場を命じられるのだが、その事に未だに気づいた者はいない。

 公開模擬戦とはなっているものの、それはあくまで国際IS委員会と各国のトップと学園の関係者に公開されるものであり、一般の生徒は除外されているのだ。

 

 

 そんな中、零也はアリーナのBピットで待機していた。側には紫とシュテルがおり、零也を見守っていた。

 ピット内には内部を区切るように、パーテーションが設置してあり零也達のいる場所と同じピットを使用するセシリアのいる場所は仕切られており、互いのプライバシーが保たれるようになっている。

 

 そのセシリアも試合開始時間がきたのでアリーナに出ていったようだ。 今回は試合の公平性を期すために、他の試合を観戦出来ないように、ピット内に設置してあるアリーナを映し出すモニターとスピーカーは切られており、アリーナの様子を伺う事は出来なかった。

 

 「確か最初はオルコットさんと篠ノ之さんの試合だったね?」

 

 「そうだよ兄さん、その後がオルコットさんと織斑の試合、その次が織斑と篠ノ之さん。」

 

 「零也はどちらが勝つと思う?」

 

 「専用機の性能と二人の実力が両方ともはっきりしていないから断言は出来ないけど、遠距離射撃型のオルコットさん、近接格闘戦型の篠ノ之さん、この相性だとオルコットさん有利かな。もっとも銃撃の中を掻い潜り懐に潜り込めれば篠ノ之さんにも勝機はあるけどね。」

 

 

 

 

 

  

  一方アリーナでは

 

 専用機【ブルーティアーズ】を纏ったセシリアと完全装甲型の鎧武者を彷彿とさせる専用機【赤鋼(アカガネ)】を纏った箒が対峙していた。

 セシリアは右手にレーザーライフル【スターライトmKⅢ】を構え、箒も右手にマシンガン【火岸華(ヒガンバナ)】を構え、試合開始の合図を待っていた。

 

 (今の私の実力では真正面から戦ったら到底及ばないだろう。悪いが策を労させてもらうぞ)

 

 箒はマシンガンのグリップを握りしめて待つ。箒は代表決定戦が決まってからというもの、ずっと戦い方を模索していた。近接格闘にほぼ特化している自分が格上のセシリアに勝つ為には正面から挑む正攻法では無理と判断した。

 そのための策を色々と考え、様々な準備をしてきた。

 

 そして今、それを実行しようとしている。

 

 

 

 対するセシリアは、本人は油断も慢心もしていないつもりだった。そして自分の勝利を1ミリたりとも疑っていなかった。

 

 (篠ノ之さんには悪いのですが、この勝負は貰いました。いくら近接格闘戦に長けているとはいえ、私との相性は最悪です。近づくことすらさせずに勝たせてもらいます)

 

 

       やがて

 

 

 『1年1組クラス代表決定戦、第1試合セシリア・オルコット対篠ノ之箒。』

 

     ブーーーーー

 

  アナウンスと共に試合開始を告げるブザーが鳴る。

 

 箒とセシリアが銃器を同時に相手に向ける。そしてセシリアのスターライトmKⅢからはレーザーが、箒の火岸華からは銃弾ではなく、火岸華に取り付けられたアタッチメントから砲弾らしきものが放たれる。

 レーザーと砲弾がぶつかりあった瞬間だった、凄まじい閃光がアリーナを覆い尽くす。

 そう、箒が撃ったのは閃光弾だったのだ。競技用の閃光弾故に威力は抑えられているが、その凄まじい閃光はアリーナの観客は勿論のこと、管制室の職員、そして対戦相手のセシリアの視力を奪うには十分な威力だった。

 

 無論、箒は自分が閃光弾を使う以上は対策はしていた。フェイスガードの目の部分にはいつの間にか遮光グラスが装着されており閃光から目を護っていた。

 

 そして箒はまだ光が満ちている間に、セシリアに向かって行きながら火岸華を射つ。 

 

 「きゃあぁぁぁぁーー!!」

 

 未だに閃光により視界を奪われたままのセシリアに銃弾を避ける事は出来ずに食らい続ける。 

 箒は火岸華を収納すると、今度は両手に手榴弾を取り出して、セシリアに向けて放り投げるとそのまま上昇する。 手榴弾はセシリアの側で爆発する。

 

 「きゃあぁぁぁぁーー!!、何ですの?何が?」

 

 漸く光が消えたものの、セシリアは未だに閃光の影響で視力が戻らず、周囲で何が起きているのかが確認出来ないでいた。ハイパーセンサーも視力が戻らなければ使う事も出来ないので、セシリアには視力が戻るのを待つしかなかった。

 一方、アリーナの観客席の生徒達や管制室の職員達は閃光弾が爆発した瞬間の最初の光に一瞬目が眩んだものの、すぐに視力は回復して何事もなかったかのように試合を見ている。

 

 アリーナを保護するシールドバリアには熱や光を緩和する役目もあり、またアリーナを管理するコンピューターが瞬時にアリーナ内部の状況を判断してシールドバリアの強度を部分的に上げたり、熱や光をより遮断するようにしている。

 

 

  アリーナの天井近くまで上昇した箒は背中に装着されている大太刀【天海(テンカイ)】を抜いた。

 これこそ赤鋼の第3世代型兵装なのだ。そしてその能力とは

 

 「いくぞ!」

 

 箒は八相の型で天海を構えセシリアに瞬時加速で向かっていく。 

 未だに視力が戻らないセシリアは頭上から迫る箒に気づかない。 そして

 

 「天海、疑似零落白夜起動! 篠ノ之流剣技、胡蝶双刃!」

 

 箒が天海に搭載されている第3世代兵装【疑似零落白夜】を起動させると天海の刀身が青白い光に覆われる。

 そして箒は天海をセシリアの右腕とライフル目掛けて振りおろすのであった。

 

 「きゃあ?! い、いつの間に!」

 

 箒の振るった天海はセシリアのライフルを寸断し、更に絶対防御を切り裂き右腕の装甲を斬る。

 箒は更にそこから、刃を返して横一文字に振るい、右脚部の装甲を斬る。そこで刀身の青白い光が消えた。

 

 篠ノ之流剣技【胡蝶双刃】

 篠ノ之流には2つの剣がある。1つは千冬が得意とする一撃必殺を主体とする剛の剣、もう1つが箒が修めている返し技や連撃を主体とする柔の剣。

 胡蝶双刃は箒が得意とする連撃の1つで、上段から振り下ろした刀の刃を返して横一文字薙ぐ技である。

 

 見事に決まった胡蝶双刃は、ライフルを爆発させ右腕と右脚の装甲も破損箇所から放電をはじめる。

 

 

 

 

     そして

 

 『ブルー・ティアーズ、SEエンプティー。1年1組クラス代表決定戦第1試合、試合終了。 勝者、篠ノ之箒!』

 

 

 

 

 

 

 




 
 
 


 第3世代型IS【赤鋼】(外見:FAマガツキ)


 倉持技研が開発した完全装甲型の第3世代型IS
 千冬の代名詞ともいえる零落白夜野再現を目標として作られた機体。試行錯誤の末に擬似的な再現に留まり、完全再現には至らなかった。
 また搭載する武器が武器だけに操縦者の安全を考慮して完全装甲型になった。だからといって、決して鈍重ではなく、装甲の素材やスラスターの出力upにより打鉄より機動性能は良い。
 紆余曲折を経て、箒の専用機となる。


 武装

 戦術迫撃刀【天海】
 倉持技研が技術の推移を集めて、何とか再現した疑似零落白夜を搭載した第3世代兵装の大太刀。
 自機のSEを消費して攻撃力に変えるという零落白夜のデメリットを無くすために試行錯誤した末に、太刀本体にエネルギーパックを内蔵し、そのエネルギーで発動する使用にした。ただし、エネルギーの消耗が激しく15秒しか発動出来ず、エネルギーの再チャージには専用の補給機を使用して30分掛かる。
 当初は簡単に交換可能なカートリッジ方式にしようとしていたが、肝心のカートリッジが意外と大型となり、鐔や柄の部分に装着するとバランスが悪くなることが判明。 
 現在、発動時間を伸ばす為にエネルギー消費量の効率化と、交換式にするためにカートリッジの小型軽量化を研究中。 
  

 戦術要撃刀【刹牙(さつが)】
 天海の予備の刀として装備されている。特段の能力は備えていない。


 小型機関銃【火岸華】
 射撃があまり得意としていない箒でも使いやすいように作られた機関銃。射撃補正システムにより更に使いやすくなっている。アタッチメントを装備することで閃光弾や煙幕弾を撃つことが出来る。


 大型散弾銃【砲閃華(ほうせんか)】
 同じ箒でも使いやすく作られた散弾銃。射程は短いが威力はある。


 手榴弾
 手投げ爆弾

 
 
 

 篠ノ之箒について
 
 原作とは違い姉束の事を多少なりとも理解している。
そのために、何時の日か束の夢の力になりたいと思いISの勉強を始めた結果、代表候補生となった。
 ちなみに千春に関しては、別れる前までは好きだったが心身の成長と共に徐々に薄れていき、今は恋心は抱いておらず単なる友人という認識。
 その為に束縛的な言動や暴力行為はみられる事はない(初日の出来事で好感度は更に絶賛降下中)




 セシリア・オルコットについて

 原作とは違い両親は存命で夫婦中は円満。その為に女尊男卑の思想に染まる事もなく育つ。
 ただ生来のお嬢様気質の性か、本人は意図していないものの、発言や態度が高飛車・傲慢に見られてしまうところがある。
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