エロゲみたいな少女と変態みたいな男   作:風峰 虹晴

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感想もらえないかな?と思ったけど貰えたので続いた。


変態の妻は変態

 2人が歩き続けて十数分程度。途中警察に職務質問されたり正義感が強い男に突然殴りかかられたりしたが、特に何事もなかった(大本営発表)。

 

「あ゛〜つ゛い゛た゛〜」

 

「………」

 

 2人が着いたのは二階建てのハイツ。見た目は割と新しく、白をベースとした色が清潔感を漂わせる。

 

 スキンヘッドの男はあからさまに疲れている。特に道中に何もなかったのに。情けない男だ。

 

 少女も一見無表情に見えるが、少し疲れが見え、息も荒くなっている。

 

「ほら、入って入って」

 

 ハイツの最も右側の玄関のドアを開けて、少女に入るように促す。少女は素直にそれに従い、中に入っていく。

 

 中にはまず階段があり、二階へと続いている。一階にあるのは玄関だけ。

 

「ただいまー!!」

 

 男は玄関で靴を脱ぎながら、叫ぶように言った。

 

 すると、奥からドタドタと足音が聞こえて来る。

 

「おかえりー!!」

 

 階段を降りてきたのは、下着姿の女性だった。

 

 日本人らしく黒髪黒目だが、下着も黒。美人でどこかとは言わないが大きい。

 

 その女性は少女を見ると動きをピタッと停止させ、ゆっくりと男の方を向いた。

 

「……見損なったぞロリコンの変態め。通報するわ」

 

「ちゃんと連絡入れたから許して」

 

「許す。離婚は免れたな」

 

「離婚のハードル神社の段差か?」

 

「私はこけるぞ」

 

「俺も」

 

 えへへ、とお互い顔を見合わせて笑う。その会話を聞いていた少女はよくわからないといった表情で首を傾げた。

 

「それじゃ上がれ上がれい!ロリコンか変態かの判断はそれからだ!」

 

「後者だな」

 

「第3の選択肢を選ばない辺りやさしい」

 

 女はシャッと素早い動きで階段を上がり、男は少女の手を引いて上がっていく。

 

「あ゛い゛た゛っ!」

 

 階段を踏み外して小指を強打した。情けない変態だ。

 

 

 

 リビングで3人はテーブルを挟んで座っている。大人の2人組と少女が向き合う形で座っている。

 

 ちなみに女性は服を着た。かなりラフだが。

 

「それでは自己紹介の時間だ」

 

 男が2人に向かって言った。

 

「してなかったの?」

 

「纏めてやった方が60Fの短縮になる」

 

「そっか、じゃあ私からイクゾー」

 

 女は元気よく声を上げ、自己紹介を始める。

 

「私の名前は安藤椎野!趣味はこの人のやらかす事に付き合うこと!椎野でもしーちゃんでも好きに呼んでいいよ!」

 

「しぃしぃ!?」

 

「DA違う!」

 

 仲が良いことはワカル。

 

「次は俺だな。俺は安藤駿喜。趣味はコロコロ変わる。運が良い」

 

「は?」

 

「ゆるして。こいつは一応奥さん」

 

「あー!奥さんには優しくしないといけないんだー!」

 

「はいはいよしよしえらいえらい」

 

「わーい」

 

 駿喜は椎野の頭を撫でる。多分この状況をSNSに投稿するとリプ欄は「爆発しろ」で埋まる。

 

「…………」

 

 少女はそんな様子をじっと見つめている。表情は一切変わっていない。

 

 しかしどことなく緊張している様子はない。ちなみにまだ駿喜は椎野を撫で続けてる。

 

「んー、お名前教えてもらえる?」

 

 椎野が動いた。流石椎野、頼れる奥さんである。これには夫の駿喜もサムズアップ。

 

「………………ぁ」

 

「「!!」」

 

「……わかんない……」

 

 少女、初めて声を出す。これは心中東京ドームで歓声が起こったであろう。

 

 掠れた、細々しい声。すぐに消え入る声。けど高く、中は澄み切っている声だった。

 

 しかし直後のクソ重設定により震度7の地震が起こり阿鼻叫喚の図になる。各所の皆さんごめんなさい。

 

 椎野は重い雰囲気が苦手である。ハピシュガを見て夫婦共に撃沈していた。

 

「私に良い考えがある」

 

「却下」

 

「OK実行するわ」

 

 そう言って駿喜はスマホで電話を掛け始める。ハナから同意を求めるつもりは毛頭ない。毛もない。

 

『はい』

 

 電話は繋がった。聞こえる声は男の声であり、駿喜よりも低い声で、特徴のある声だった。

 

「よおじぃじ、頼みたいことがあるんだけど」

 

『やだ』

 

「幼女引き取ったから戸籍作って」

 

『ほう…kwsk』

 

「LINEで送るわ」

 

『了解。義によって助太刀致す』

 

 そう言って電話は切れた。

 

「よし、今日から養子だ!」

 

「まって」

 

「ヒャア待てねぇ!」

 

「待ちなさい」

 

「ハイ」

 

 ハイテンションになって少し頭のおかしくなった駿喜は、かなり冷えた声を発した椎野によって一気に縮こまった。液体窒素より冷てぇや。

 

「せめて、私に、一言話しなさい」

 

「ハイ」

 

「はぁ…全く…じぃじにも迷惑かけて…」

 

「スイマセン」

 

 すっかり場が冷え切ってしまった。ダジャレでも言ったかな?フリ○ジアに乗せて言わなきゃ(使命感)。

 

「ん。まぁ私も賛成だから別に全然いいんだけどね」

 

「やったぜ。」

 

「じゃあ、そういう訳なんだけど…いい?」

 

 椎野は少女に目線を送る。少女は出されていたオレンジジュースをストローで吸って飲んでいる。

 

「…………」コクコク

 

 少女はストローを咥えながら首を縦に振る。それを見た2人はニヤリと笑みを浮かべた。夫が変態なら妻も変態だと証明された瞬間である。

 

「よし!名前決めるべ!」

 

「おうよっしゃあ!私に任せろー(バリバリ)」

 

「何の音だよ」

 

「んー……」

 

 椎野は少女の顔をジッと見つめる。少女は出されているクッキーを口の中に含み頬張っている。可愛い。

 

「………よし、ましろちゃんだね」

 

「駄目です」

 

「なんで?」

 

「パクリ、ダメ、絶対」

 

 会話を聞いていると最近の作者の流行りが伺えたりします。

 

「んー……」

 

「私より悪い案だったら許さん」

 

「おうさ〜……」

 

 駿喜は頭を抱える。手が滑りそう。あとフケが膜みたいになってそう。

 

「……カンナ、甘菜だ」

 

「採用」

 

「Foooo↑それでいいか?」

 

 駿喜は少女に声を掛ける。少女は首を縦に振る。

 

「…あ、りがとう」

 

「「!」」

 

 少女の表情が、大きく変化した。

 今まで無表情だった少女の顔は、笑顔に包まれていた。

 それは、年相応の女の子の笑顔として、よく似合っていた。

 

「いいってことよ」




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