初めまして、かな?
ユニオンで指揮官をしているものだ
あの事件から10年の月日が経ち
俺達は大人になった
まぁ大人になる前から指揮官をやっていたので
何かあったかと言われると
KAN-SEN達とお酒が飲めるぐらいか
それよりも俺は今
現実の世界ではなく
電脳の世界にいる
・・・・・・
先に言っておくが頭がおかしくなったわけじゃない
あの事件で俺達は携帯端末にある地図や海図でセイレーンやKAN-SENの情報がわかった
だけど自分を中心に一定範囲の海域のみ
だから戦闘海域が遠い場合
有人艦に乗ってギリギリ安全の海域で指示をする
一応護衛の艦隊も用意する
それが俺達の戦い方だ
これはその副産物で
俺達8人は直接会わなくても会話できる事が分かった
それがここ『円卓』
集まれるのは俺達しかいないこと
命名者はロイヤルの指揮官だ
入り方は早く入るなら携帯端末などの電子機器に手を置くだけ
ただほぼ確実に会話が長く
現実では眠っている状態なので
手が端末から離れると回線が切れる
なので最近は端末を専用の機械に置き
頭にヘッドセットみたいなものを被って目をつむるだけ
この電脳空間では色々なことができる
景色を変えたり
何かを作ったりできる
本来は定期的にここで会議をしている
それぞれの国の動向とかね
後は他人の恋愛事情とか
それで当番制でそれぞれ会議室を作り
準備ができたら参加する
今回は重桜の指揮官の番だったはずだ
円卓に入ると
目の前に映ったのは
辺り一面のススキだった
視線を下に向けると木でできた床だった
おそらく廊下だな
俺は振り返ると
襖を開け中に入る
最初はこれには慣れなかったな
入ってまず目についたのは
畳がしかれ
長方形のテーブルと8枚の座布団
確か重桜の和室といったかな?
ご丁寧にどこに座ればいいか
机の上に名前が置かれていた
俺の所には『ジョン』と置かれた名札があった
当然だけど俺の名だ
現実では指揮官としか言われないから
だいたいここか現実で会った時くらいしか使わない
俺は名札が置かれている席に座る
すると奥から着物を着た女性が現れた
彼女は俺にお茶を置くと部屋を出ていった
彼女は人間ではなくこの電脳世界で重桜の指揮官が作った従者である
今回の彼の場合は着物を付けた従者で
俺の場合はまたいずれということで
しばらくすると続々とみんな入ってきて座っていく
ここで軽く紹介しよう
重桜の指揮官 『イソロク』
鉄血の指揮官 『カール』
サディアの指揮官『イニーゴ』
ロイヤルの指揮官『ルイス』
ユニオンの指揮官『ジョン』
アイリスの指揮官『シャルル』
北方連合の指揮官『ニコライ』
東煌の指揮官 『リー』
以上8名である
イソロク「じゃあ今日の会議始めようか」
「といってもいつもどおりだろ?」
イソロク「まぁね、昔みたいに重桜や鉄血、サディア、アイリスみたいに内戦一歩手前までのことはないさ」
これは何のことかというと
重桜、鉄血、サディアは少し前までアズールレーン陣営より脱退
新たな陣営を作りアズールレーン陣営と敵対する予定だったのだ
一方アイリスはある時のロイヤルの態度で
鉄血かロイヤルとユニオン、どちらにつくかで内部分裂が起きていた
まだアイリスはKAN-SENまで分裂の被害はなかったが
ロイヤルに海の主導権を取られていた鉄血
同じく地中海の主導権を取られたサディア
重桜では
アズレン残留の長門派閥
アズレン脱退の赤城派閥
に分かれていた
だが何故重桜や鉄血のKAN-SENまで影響が来たのか
答えは簡単だった
セイレーンの技術の横流し
そして上層部の人間の腐敗だった
重桜は長門派閥のイソロクとの言葉の戦争が起きていた時
セイレーンの進行を受け
急遽イソロクが全ての重桜のKAN-SENを指揮し勝利した
その結果により両派閥は和解KAN-SENは全てイソロクの指揮下に入り
軍によるKAN-SENの指揮はできなくなった
その代わりKAN-SENを使わない有人艦や無人艦が多く量産されたとか
鉄血やサディアに関してはカールとイニーゴ、ルイスの尽力で
一部の海域の主導権を鉄血が
地中海はサディアがとる形で脱退を回避したらしい
一応地中海はこの後サディアとアイリスが協議し半分ずつ両国で見ることになったとの事
そのアイリスはとうとうKAN-SEN達が分裂して
鉄血に賛同するヴィシアと
ロイヤルに賛同するアイリスに分かれた
シャルルはどちらにもつかず
ひたすら交渉した
ただこちらは鉄血の脱退回避と
シャルルがKAN-SEN達に神の誓いをもって終結したそうだ
内容は黙秘権を行使され聞けなかったが
そのおかげかこの4人は今や英雄である
まぁ国の危機を救ったんだからな
そんなこんなで今に至るわけだが……………
「今度の問題はユニオンなんだよなぁ」
ニコライ「残念だが北方もだ」
リー「同じく東煌も」
イソロク「重桜もある意味手遅れだけどね」
「KAN-SEN以外による軍事力増強計画、ねぇ」
そう、ユニオンではKAN-SENの艤装から得た兵器を
有人艦や無人艦に乗せセイレーンに対抗すること
重桜は先の説明した通りだが
ここでユニオンは重桜と東煌、北方に技術を提供
その結果両国は無駄に艦の数を増やした
特に酷いのは東煌と北方だ
この2つの国は人口が多いため
艦数にあまり制限がない
最近だとジェット戦闘機まで開発、実践投入も始まっている
ユニオンのKAN-SENは所属は全員
俺の指揮下で基地はハワイにある
(他の国のKAN-SENも例外なくそれぞれの国の指揮官の指揮下にある)
交代でパナマ運河と大西洋の基地で警備についている
よって他にKAN-SENを指揮に置く者はいない
今じゃあ、あちこちの基地に有人艦や無人艦が多い
「昨日ユニオンの艦隊がハワイに寄港してきて『エンタープライズⅡ』を見せられた瞬間、要塞砲の射撃命令出すところだったわ」
イソロク「その気持ちわかるわ、俺も『これが最新鋭空母『赤城』だ!』って同期が言ってたから殴り飛ばしたわ」
「殴ったんだ」
イソロク「殴ったよ」
「あっそう」
カール「なぁ気になったんだが、もしかして大西洋で見た空母はユニオンのか?」
「多分な、確か最近無人艦管制システムを入れた原子力空母『ニミッツ』がロイヤルに向かったと思うけど」
イニーゴ「原子力ってあの原爆のか!?」
「そうだけど、そこまで驚く?」
イニーゴ「サディアは発電所としての開発は終わったけど小型化して船に乗せる技術はないよ」
ルイス「そもそもロイヤル、鉄血、サディア、アイリスは有人艦や無人艦の建造に賛同していないからな」
「むしろ反対してくれ、あれは資源の無駄だ」
イソロク「だけどこの前行った時、すごい数の無人艦いなかったか?」
「ああ、あれは一部さ、残りは地下にある」
イソロク「資源はどうしているのさ?」
「マグマってすごいな」
全員『えっ』
「饅頭印の機材と建築専門の饅頭達がマグマからの資源精錬とか建造してくれてる」
ルイス「……………なぁジョン、1ついいか?」
「なんだ?」
ルイス「お前まさかユニオンと戦争する気じゃないよな?」
「しないよ、少なくとも
ルイス「今は、か、もし戦争するなら俺にも言えよ手伝うから」
「はっ!?いいのかよ?」
ルイス「それぐらいの覚悟があるってことさ」
「そうか、まぁ考えとくよ」
正直俺はユニオンは嫌いじゃないが
政府は大嫌いだ
特に俺の頭にアレを入れたやつは許さない
当時の記憶だと研究者は重桜の人間だったが
医療関係者はユニオンの人間だったそうだ
あいつらは俺達やKAN-SENの皆を道具と言っていた
ならもしかしたらアレをやるかもしれない
最初はよくわからなかったが
これは別世界の出来事
少なくとも俺達は思った
だってこの世界で大戦なんてものは起きてないからだ
その世界では2回、世界大戦が起きていた
それも人と人の殺し合いだ
そして第二次大戦が終わった後
アメリカという国が軍艦であった彼女達に
別にそこは指摘しないこちらとあちらは違うのだから
ただもしユニオンがそれをしたら
俺はユニオンを許さないだろう
結局会議という名の愚痴会と
近況報告がこの先数時間続いた
まぁ電脳空間だとあまり時間はかからないんだけどね
俺は手元のお茶を飲みながらふとススキ畑を見ていた