総統の弟   作:鈴木颯手

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第11話「無題」

 プラード(冥王星)沖のテロン艦隊との海戦に勝利したものの、敵の本命らしき小型船を取り逃がしてしまった。あれが一体なんなのか、それを把握するのは今からでは不可能だ。そもそもあれがテロンのものなのか、それ以外のものなのか、最悪の想定とする裏切り者によるものなのかさえ分からない。そうである以上あれの考察は止めた方が良いな。時間の無駄だ。

 

「シュルツ、例の残骸はどうだった?」

「はっ! 司令の読み通り偽装船でした。あの船は生きています」

「ふむ……」

 

 数日前に見つけた古い船の残骸らしきもの。船体の形は整っている事からもしやと思ったがやはり偽装船だったか。となるとあれは敵に残された数少ない艦と言う事になる。早めに叩き潰すのが吉か。

 

「ロングレンジで叩く。惑星間弾道弾を用意しろ」

「了解しました。バラン星のゲール司令に報告はした方がいいでしょうか?」

「必要ないだろ。破壊できたならそれでよし。いつも通りだ。だが、あれが惑星間弾道弾を回避、若しくは迎撃出来る様なら報告は必要だろう」

 

 つまりこの一撃を以て敵の戦力を図る。この状況でテロンが普通の雑魚艦艇を造るとは思えない。何か特別な艦の可能性が高い。例えば、()()()()()()()()()()()()()()()

 

「俺はアイン・デウスーラの様子を見てくる。研究者たちに提案することがあるからな。結果が出たら連絡してくれ」

「ザーベルク!」

 

 よし、後の事は任せてアイン・デウスーラの様子を見に行くか。主武装以外の武装に補助艦艇など、載せたい案はたくさんあるからな。

 

 

 

 

 

 

 

「……行ったか」

「司令がこれほどのめり込むアイン・デウスーラ。一体どれほどの艦艇なのでしょうか」

 

 冥王星基地のシュルツ副指令はルーベル・デスラー司令が出て言った扉の方を見ながら一言呟いた。シュルツにとってはゲールなど比べ物にならない最高の上官と言えるルーベルは冥王星基地を離れることが最近は多くなっている。それもアイン・デウスーラに意識が割かれているからであり基地の業務をシュルツに丸投げしている事が多い。

 それでも今回のように敵の些細な事に気付くなど凡愚と言う訳ではなく、ドメルとは違った戦術眼を持っていると思っていた。

 

「分からない。だが、総統の名を付けるだけの艦艇だ。ゼルグート級並みのスペックを誇る艦艇になるだろう。それに、アイン・デウスーラは我々(ザルツ人)にとっては無関係な艦艇ではないからな」

「仰る通りですね」

 

 アイン・デウスーラの建造は設計段階からルーベルを除けば担当しているのは全てザルツ人を含む二等ガミラス臣民たちである。彼らにとってはまさに千載一遇のチャンスと言えた。自分たちの実力を買ってくれたルーベルへの恩返しに始まりガミラスが誇るゼルグート級を超える艦艇を自分たちが作り上げる。一等ガミラス臣民が悔しがる姿が見られると誰もが注目をしている艦艇だ。

 

「そうである以上我々は我々の仕事を完璧にこなし、司令が自由に動ける時間を作るぞ。ガンツ、惑星間弾道弾の用意を急がせろ!」

「ザーベルク!」

 

 自らの副官であるゲルフ・ガンツに指示を出したシュルツは赤き大地となったテロンにある残骸に艤装された船の映像を見る。あの船がテロン人にとって何を意味するのか今のシュルツには分からないものの自らの上官と自分たち(ザルツ人)の為に破壊させてもらうぞと心の中で呟いた。

 

 

 

 

 しかし、惑星間弾道弾を迎撃し、たった一隻で広い宇宙に飛び出してくるその船と長い付き合いになる事は今のシュルツはおろかルーベルにも分からないのであった。

 




次話の前に外伝として他のキャラクターとルーベルの絡みを書く予定(現状だと大分キャラクター同士の接点が薄いので)

ガトランティスは2022のままか方舟のような蛮族風がいいか

  • 2022版で
  • 星巡る方舟版(2199劇場版)で
  • 作者におまかせ
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