第1話「ルーベル・デスラー」
私は兄であるアベルトを心から尊敬している。私より7つ上の兄上。貴族たちは兄上より長兄のマティウスを褒め称えているが私は兄上の方が好きだ。私が遊びたいと言えばいつでも一緒に遊んでくれた。マティウスは忙しいとかでほとんど遊んでくれなかった。
だからだろう。マティウスが死んだと言われても悲しみはなかったし葬儀の中でも一度も泣かなかった。むしろ怒りを感じていた。兄上を無視し
……それが8年前の事。当時は6歳だった私も14となり兄上は21となった。兄上は亡きマティウスの後継者として内乱状態に陥ったガミラスを統一し大ガミラス帝国として再建国した。
まもなく、その兄上による演説が行われる。ああ、私が尊敬してやまない兄上。兄上が何を心に思っているのか、私には分からない。だが、私は決して兄上を裏切ったりはしません。我が心は、兄上と共に……。
「親愛なるガミラス帝国の臣民諸君。宇宙の恒久的平和を実現するには、イスカンダル主義の拡大と浸透が必要である。それは神の意志であり我らガミラス民族に課せられた崇高なる使命である!
可能な限り早く、可能な限り多くの惑星をガミラスの傘下に収めよ!マゼラン銀河の外にも目を向けよ!拡大せよ!」
『『『『『『『『『『
この日より、大ガミラス帝国はガミラス帝星を出て拡大していくことになる。私も将来兄上を支えられる逸材になるために勉学に励んでいる。戦術書、戦略書を片っ端から読み漁り知識として蓄えて行く。白兵戦闘の技術も学び、盗み取り込んでいく。全てはガミラスの為に、兄上の為に。
「……ルーベル、本当に軍に入るのか?」
「ええ、勿論です。兄上」
帝都バレラスの総統府の兄上の寝室にて私は兄上に呼び出されその様な事を聞かれた。態々深夜に呼び出して何かあったのかと警戒してしまった。最近は兄上を狙った暗殺が起きている。中には俺を新たな総統に祭り上げようと近づいてくる者もいるほどだ。勿論、近づいた者は全て天への片道切符を持たせている。二度と戻って来ることはないだろう。
「……ルーベル、君は私と違い自由だ。何でもできる。だから」
「だからこそ、ですよ。私はガミラス民族の一人としてガミラスの事を考えています。貢献するなら軍人となるのが手っ取り早いでしょう?」
「……そう言う事なら私たちは上司と部下になる」
「構いません。兄上に命令されるなら本望ですよ」
「……君は昔から変わらないな」
「兄上も昔と変わらず凛々しいですよ」
「嬉しい事を言ってくれる。……話は以上だ。今日は寝なさい」
「はい」
私は兄上の部屋を後にする。総統府の窓からは他惑星へと侵略する航宙艦隊の姿が見える。いずれは一軍人としてあれらに乗り込み大宇宙へと打って出るのだろう。……望むところだ。私は、いや俺は心の中でそう決心を固め自室へと向かっていくのだった。
ガトランティスは2022のままか方舟のような蛮族風がいいか
-
2022版で
-
星巡る方舟版(2199劇場版)で
-
作者におまかせ