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できるわけ! ないじゃない!
アタックって何! どうやってやるものなの! どういう手順を踏んで行うものなのかしら!?
宿に戻り布団に顔をうずめ脚をばたばたしていると
「どうしたんですか叢雲さん……」
と同室の咲音さんが怪訝な声で話しかけてきた。
部屋割はくじ引きで決まっており、私は咲音さんと同じ部屋になったのだった。希留耶さん曰く、これも交流の一環らしい。
「何か困ったことでもありました?」
そこまで言われて気づく。そうだ、咲音さんは年下といえど芸能界に身を置いていた人、色恋沙汰にはとても聡そう! ここは一つ助言をお願いしてみよう。
「ええっと……」
かくかくしかじか。
「それでね、真理花さんに言われたの、もっとアタックしたらどうですかって」
話し終えると咲音さんはなんとも形容しがたい微妙な表情を浮かべていた。
「いや、アタックって……。これ以上ないアタックしてるじゃないですか。押し倒してキスしてるんですから」
物凄く冷静に返答された。流石芸能界出身、やはりその辺の十五歳とは落ち着き具合が全然違う。
「いや、それはその場の勢いというか、なんというか……」
「でもまあ、叢雲さんの心労は察します。銀河の相手をするのは骨が折れそうです。叢雲さんは銀河にどうしてほしいんですか?」
「どうって、その、こう、女性として意識してほしいというか、彼氏らしい振る舞いも見たいというか……」
ああ、私は年下の女の子に何を漏らしているのだろう。顔が熱くなってきた。
「普通に接触する回数を増やせばいいんじゃないですか? よく二人っきりで話してるんですから手を繋いだりする機会も多いと思いますけど」
「そ、そうなんだけど、気が付いたらすごく時間が経ってていつもタイミングを逃すというか……」
「え、惚気?」
「違うの! あいつ今日あったこととかをずーっと一人で喋って気が済んだらじゃあな! って出ていくのよ!」
「……」
一転、咲音さんが眉根を寄せて何か考え込む素振りを見せ、私の方を向いた。
「やっぱり私、叢雲さんと銀河はお似合いだと思います」
「ええ!?」
今の話でどこからそういう結論が出てきたの!?
「うーん、そっか、なるほど」
「ちょ、ちょっとどういうこと? 何がなるほどなの」
「いや、面白いので言わないでおきます。それに自分で気づけると思いますし」
「そうなの……?」
「はい。だから叢雲さんはいつも通り接したらいいと思いますよ。もちろん一歩踏み込むのもいいと思います」
いつも通りの自信を浮かべた笑みで彼女はそう言ってくれた。
「はあ……、でもまあここまでアプローチしてもレスポンスがないとか、私ならもう
「や、
突然の爆弾発言が飛び出してきた。最近の十五歳進みすぎじゃないだろうか!?
「ええ、もう私なら我慢できませんね。だって(ストレス)溜まりません?」
「いや、そのわかるけど、咲音ちゃんって思ってたよりすごく積極的なのね……」
「そうですか? 多分神神子さんもこういうタイプですけど」
「そうなの!?」
そうなのか。でも確かに神神子さんもどちらかというと肉食系な感じはする。
「まあ実際にはしないですけど。でもそれくらいの心持ちじゃないと銀河の心を動かすのは難しそうな気がします」
「それは……そうかも」
あの鈍感野郎に意識改革をさせるには、文字通り私が一肌脱ぐ必要があるのかもしれない。
「どうですか? 少しはお役に立てました?」
「うん、ありがとう、参考にするね」