頭の中にあるもの適当にさらします   作:ドドロさん

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熱い

 

 熱い。

 

 季節は夏になって気温はどんどん高くなっていく頃、7月上旬。俺は熱くて死にそうだ。

 

 死ぬほど熱くて、Tシャツ、短パンと言う男子小学生スタイルで公園のベンチに座ってポカリスエットを1.5Lがぶ飲みし、アイスをもう五個は食べたがいまだに汗は止まらず直ぐに喉が乾く。

 

 なぜ自宅でエアコンの冷風にあたらないかと聞かれれば話は単純で気温が高すぎてエアコンがぶっ壊れてしまった。

 

 聞いたこともない現象だが実際に起きているのだから仕方ない、俺は機械には疎いもんで兄貴の話を聞いても良く理解は出来なかったが一日中エアコンをつけていたせいでエアコン自体の温度が高くなった事と、ここ連日の猛暑が重なってオーバーヒートしたらしい。

 

 それが現実に起こりうることなのか、兄貴の適当な見解なのかはわからないがエアコンもたまには休暇が欲しいと言うメッセージなのかもしれない。

 

 なのでエアコンに対しては何ら文句は言わない。奴はいつも我が家をヒンヤリとした天国の用な空間にしてくれていたのだ。そしてエアコンと言う便利家電があると言う知識を得てしまった俺はさしずめ知恵の果実だかを食べて楽園を追放されたアダムとイブなのだろう、イブは何処にも見当たらないが。

 

 俺が文句を言いたいのはこの気温の事だ。

 

 もう夕方をすぎて夜の8時、辺りは真っ暗になった頃だ。

 

 真っ暗になったと言うのに一行に気温が下がっている気配がない、これっぽっちも涼しくならない。近年は地球温暖化が加速している影響で気温が高くなってしまっていてホッキョクグマの住みかが無くなってきている。君らはホッキョクグマの赤ちゃん見たことある? あいつらスゲー可愛いんだよ? もうね、ぬいぐるみって言われても馬鹿だったら信じてしまうほど可愛い。

 

 もしわかりずらかったら自分の推しているキャラがちびキャラ化したりしてぬいぐるみになった姿を思い浮かべてみると良い。もしそれでもわからなかったら嫁のプリントがされてる抱き枕でも思い浮かべろ。

 

 さらに事態が深刻化すればいずれ海水の表面がどんどん高くなってきて日本は水没すると言われているが我が国日本はあまり重く事を受け取っていないような気がする。

 

 自分達の生活にすら危機が直面しているのに未だに節電やらをしない日本人にはそろそろ嫌気が差してきた頃なんだ。……俺もエアコンずっと使ってるけど。

 

 まぁでも実際にここ数年で上がった気温は1℃未満だったみたいな話をどこかで聞いたような事が無いような気がしないでも無いし、加えて俺一人程度が節電をしたところで削減できるCO2はたいした量にはならないだろう。

 

 そんな事をボーと、考えていていつの間にか夜の8時20分程になるが未だに熱さが収まんないのが俺の気力を削いでいくのを感じる。

 

 まぁあまりこんな所で油を売っていても生産性の欠片もない。

 

 もういい加減に家に帰ってエアコンの修理を手伝うなりして涼めば良いんだ。なんならもう修理は終わっているかもしれない。

 

 もう6本目になるアイスを食べてから家に帰る決意をしたところで俺の目の前に数人の人影が現れた。

 

 人影といってもドラクエのシャドーのような黒い影のような者でも、不定形の生物でもない。公園の街灯のおかげで姿ははっきり見えている。

 

 

 この場合でも人影と表現するのは昔から、具体的には小学4年生の8月15日ぐらいから疑問に思っていることだ。だって俺の目の前にはやけにダボダボした服装をして、にやけずらで俺を見てる金髪やら緑色やら派手な髪の毛をした連中が5人ほどで俺を取り囲んでいるのが俺にははっきり見えている。

 

「お兄ちゃんちょっと暇かなー?」

 

 暇かと聞かれれば暇ではない。アイスを食べた後に家に直帰するつもりだったから。

 

 でもここは社交的に相手をしよう。何事も穏便に済ませるのが一番なのを俺は知っている。

 

「まぁそれなりには暇ですね」

 

 俺が答えると回りの奴らがクスクスと笑い始める。そんなにおかしいことを言ったか? 

 

 先ほどと同じ金髪がまた代表して話しかけてくる。

 

「そっかそっか。じゃあさ、ちょっと俺達に金かしてくれねえかな?」

 

 ……それはなぜ? お金を貸すと言う行為はそれなりに信頼が無ければいけないし。むしろ信頼がある相手だからこそしては行けない行為だと俺は認知している。

 

 それを見ず知らずの今日あった他人に、返済能力がとても有るとは思えない他人になぜ貸せると言えるのだろう? 

 

「それはまた何故ゆえに?」

 

「いやーほら、今日猛暑日で()()()()っしょ? それでアイスとか買ったらさ交通費が無くなっちまったからさ。道行く他人に頼ってた訳よ」

 

「成る程、確かに今日は()()()()()

 

「だろ? だからよう……」

 

「だけど貸すことは出来ないな」

 

「あぁ?」

 

 金髪が顔を歪めて威嚇するようにして睨み付けて来る。だがそんな事をしても意味がない事を相手は知らない。

 

「交通費が無くなることを考慮しないで自分の娯楽のために金を使い込んでしまうやからに返済能力が有るとは思えないからな」

 

「てめぇー調子に乗んなよ」

 

 何処が調子に乗ってるの言うのだろうか? 至極真っ当な事をいっているじゃあないか。

 

 こいつらは将来はパチンコにはまりこんで次は勝てるからと負け続ける人種になるだろう。……独断と偏見だが。

 

 そんなやからにお金を貸すなんて事は出来ない。なにせ信頼性が何処にも見当たらないからだな。

 

「おい」

 

 その一言だけで他の四人は俺を逃がさないように近づいて来る。その統率力を他にはいかせないのだろうか? 

 

「覚悟は出来てるんだろうな」

 

「覚悟とはあの覚悟のことか? つまりジャンプの主人公がラスボスを前に気合いを入れるあれか? それなら出来ていないな別にお前らには覚悟入らない。今日の俺は熱いからな」

 

「なに言ってんだ?」

 

「今日の俺は()()()()()()仕方ないってことだ」

 

 そこまで俺が言うと金髪どもがプッと笑い出す。こいつ頭イカれんてんじゃね? とでも言いたげだ。

 

 プッと笑われたからには言い返してやりたい気持ちがしゃしゃり出てくるが実を言うと俺は別に喧嘩は強くない。なんならしたことも無いのでビビって何も言えなかった。

 

 だが今日()()日なのでとても負ける気はしなかったのだ。だから調子に乗ってしまった。

 

「その頭のネジ今からはめ直してやるから感謝しろよ。まあちっとばっか怪我するけどな」

 

 そう言うと金髪どもが殴りかかってきた。

 

「まぁ普通はそうなるよな」

 

 俺の手は既にパチパチと音をたてて煙が立っていた。

 

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 辺りは焦げ臭い匂いが充満しているが不快な気分ではなかった。むしろ焼き肉ぽい匂いなのでお腹が空いてきた所だ。

 

 今日の晩飯はなんだったか、兄貴が用意してくれているのは覚えているのだがそれ以上はとんと思い出せない。

 

「こいつらはどうしようか」

 

 見渡せば五人の黒こげの人間、彼らの分別のための特徴の髪の色まで黒くなってしまっていてもう誰が誰だかわからない。

 

 なぜ俺自身は全く無事なのかさっぱりわからないが、たいして気にする様なことでも無いだろう。死ななきゃそれでいいさ。

 

「いつかは解き明かさなきゃいけないけどな」

 

 そう思いながら手に残っていた火を振り払い何処かに飛ばす。あの炎がどこに飛んで行くのかは知らないが何時かは消えるだろう……多分。

 

 いまだに感じる熱さを気にしない様にして、俺は自宅に帰る。

 

 彼らが生きているのかは微妙なラインだけれどもしかしたら誰かに見つけてもらって助かるかもしれない。黒こげになった体が夜に紛れなければ。




こんな感じの能力バトル物でも書こうとしてましたが特に理由もなく断念してました。なにもやることが無くて暇でしたら良ければ感想お待ちしてます
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