内気な少女がこのすば世界に行ったようです   作:心紅 凛莉

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episode 116 少女の変化

 

 

―紅魔の里・族長の家―

 

紅魔の里が無事であると分かった今、少女について色々と調べたい気持ちはとても強い。話が終わりすぐにでも調べたいと思い、私とゆんゆんは図書館に向かおうとした。のだけど…

 

『――アリスお姉ちゃん…私の為に色々してくれるのは…凄く嬉しい――、だけど…、今日はもう休んで欲しい…』

 

「…っ!?」

 

少女のこの言葉でこれ以上動く訳にも行かなくなってしまった。冷静になれば確かに二日間の歩き旅の後族長の話を聞いてからの今現在、私だけではない、ゆんゆんも少女も疲れているだろう。…それにしてもこの子は私を萌え殺すつもりなのだろうか。思わずきゅん死してしまうところだった。それほどまでに愛らしく、可愛らしい笑顔と私を心配してくれる様子にはそうは思わずにはいられなかった。というか一番のクリティカルヒットは今初めて名前で呼ばれた事、これに尽きる。反射的にぎゅっと抱きしめてしまった。

 

「…とりあえず俺はめぐみんの実家に行きたいから…ゆんゆん、案内頼むわ」

 

「あ、はい…」

 

これには私も同行しようと思ったけど今少女に休んでと言われたばかりなので動きにくさがあった。現状私にしか懐いてないので独りにする訳にも行かないし。

 

「それじゃ、カズマさんを送ってくるから、アリス達は家で休んでてね」

 

「分かりました、お願いしますね」

 

結局ゆんゆんを見送り、私と少女は家で待つことに…とはいえ、家主とは出逢ったばかり、その娘はカズマ君を送っていった、つまり気まずい。非常に気まずい。いくら自分の家のように寛いでいいとは言われても本当にそのように過ごす人はまずいないだろう。そんな強心臓は持ち合わせていない。

 

「…どうしましょう、ミツルギさん」

 

「そ、そうだね…ずっと家の前でゆんゆんを待つ訳にも行かないし、お言葉に甘えて中で待った方がいいとは思うけど…」

 

「あら、お客さんかしら?」

 

「…え?」

 

ふと振り返ればゆんゆんにそっくりなお姉さんが買い物籠を片手に立っていた。籠には野菜などの食材が見える。…だけど記憶違いでなければゆんゆんは一人っ子のはず。となると親戚の人とかだろうか?あまりにそっくりなので血縁者なのは間違いなさそうだ。

 

「えっと僕達は…」

 

「そうね、まずは名乗らなくちゃ…我が名は――…」

 

黒いマントを翻し、当たり前のように告げられた紅魔族の名乗りに私とミツルギさんは唖然としていた。何故ならこのお姉さんは当たり前のように名前の後に『族長の妻』と言ったのだから。つまりはゆんゆんのお母さんである。

 

「…ゆ、ゆんゆんのお母さんですか!?」

 

「ゆんゆんを知っているの?」

 

「え、えっと…わ、我が名はアリス、ゆんゆんの親友で、あ、蒼の賢者と呼ばれるもの……です…」

 

「僕はミツルギと言います、ゆんゆんとは同じパーティの仲間で、友人です」

 

無理矢理合わせたように返したけど気付いたらあれほど嫌だった異名を自分で名乗ってるよねこれ、そう思うと恥ずかしくて仕方ないのだけど。ミツルギさんみたいに普通に名乗れば良かったかもと思えば自分の顔が真っ赤なのを自覚できるくらい顔から熱を感じるのだけど。さっきはそんなことなかったのに。

 

「ゆ、ゆんゆんに親友…!?本当に!?そちらの方も!?」

 

私達の自己紹介を聞くなりゆんゆんのお母さんは衝撃のあまり涙を流してしまっている。そこまでのことなのだろうかと思うけど、初めて出逢った頃のめぐみんや先程出逢ったぶっころりーさん達の反応を思い出せばあながち有り得なくもないような気もしてきた。

 

「ご、ごめんなさいね…、まさかあの子に本当に友達ができてたなんて…手紙でもそんな事を書いてたけどてっきり娘の空想上の何かだとばかり…」

 

流石に空想上の何かは苦笑するしかできない。それからもその場でのゆんゆんママの話が止まらない、ようやく収まったのはゆんゆんがカズマ君を送り届けて帰ってきてからだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

「もう…信じられない…お母さんったらどこまでアリス達に話したの?」

 

「た、ただの世間話ですよ、ですよね?」

 

『――う、うん、世間話だったよ』

 

私と少女はゆんゆんの視線から逃れるように目をそらす。言えない。ミツルギさんと少女まで巻き込んで延々とゆんゆんの過去を聞いていたなんて言えるはずがない。これ聞いちゃまずいやつではと思いながらも興味津々で聞いてしまっていた。親友のことだもの、そりゃ知りたいですよ、うん。

 

『…お姉ちゃん、なんだか嬉しそう――…』

 

「えっ!?…そ、その…よく考えたらこんな風に自分の部屋にお友達を入れたのは初めてだったから…」

 

ゆんゆんが言うように今私達はゆんゆんの部屋にいた。部屋は桜色が基調になった女の子らしい可愛い部屋だった。広さもそこそこあってこれなら布団を敷けば私と少女も問題なく寝れそうだ。

 

『…私も、ゆんゆんお姉ちゃんの、お友達――?』

 

「え?…う、うん、だ、駄目かな…?」

 

『――ううん、嬉しい――…』

 

おそるおそる聞くゆんゆんに、単調だけど幼さ故に出せる仕草で少女はとても嬉しそうにしていた。やっぱり私の思った通り、この子とゆんゆんなら仲良くなれると思っていたから私は特に驚かない。だけど少女が出逢ってから少しずつ、少しずつだけど私達に心を許してくれてきているのがよく分かる瞬間でもあった。これには私も思わず笑みが零れる、仲睦ましい様子をずっと眺めていたくなる。

 

「……うーん…まずは服ですね…」

 

「…そうだね……あ、ちょっと待ってて!」

 

そんな中私が気になったのは少女の服装だ。お世辞にも綺麗とは言えないボロボロの白いワンピース姿。白い色故に余計に汚れが目立つ。そんな呟きをすればゆんゆんは何を思い出したのか部屋を出て行ってしまった。少女は不思議そうに首を傾げて私を見つめ出す始末。可愛い。

 

「…これ…家の倉庫にしまってあった私の小さい頃の服なんだけど…」

 

数分して慌ただしく戻ってきた。ゆんゆんも私と同じ事を思ったようで、抱えながらも持ってきたのは葛篭のような木の蔓で編み込まれた箱。その中には小さな服がいくつも入っている。紅魔族故に黒を基調とした服ばかりだけどとりあえずは今のままより幾分かマシではあるだろう。

 

「それにしてもよく残ってましたね」

 

「う、うん。…私の場合一人っ子だし…近所にお下がりをあげるような子とかいなかったし…」

 

「…そ、そうですか」

 

何故かゆんゆんが哀愁漂い始めたのだけど地雷だったのかもしれない。別にたまたま近所にあげる相手がいなかったってだけの話だろうけど何故かそれ以上踏み込めない。

私はごまかすように箱の中の服を物色し、取り出しては少女の身体に合わせるように重ねてみる。ゆんゆんもまた、違う服を取り出してサイズが合うか確認の為におそるおそる少女へと当ててみていた。そんな中、少女はゆんゆんに向けて仄かに微笑んでいた。

 

『――ありがとう…ゆんゆんお姉ちゃん――…』

 

「……っ!?……う、うん」

 

あ、ゆんゆんの母性にクリティカルヒットしたらしい。ようやく私以外に笑顔を向けてくれたのは私としては嬉しくもある。そんな不意打ちの笑顔にゆんゆんは堪らず少女を抱きしめた。その様子は少し危ない。

 

…なるほど、さっきまで私はこんな感じだったのか、これは少し恥ずかしいかもしれない。これからは自重しようと思った瞬間である。多分3歩歩いたら忘れるだろうけど。

 

「ところでアリス、この子にいつまでも名前がないのは不便じゃないかな?」

 

「名前…ですか…言われてみればそうですね…」

 

『――?』

 

正に言われてみればその通りだ。呼ぶ時も不便ではあるし今の少女は記憶が欠落しているらしく、本当の名前を覚えていない。

なら名前を付けてあげればいいのかもしれないけど名前は大事なものだ、下手したらその人に一生ついてまわるものだ、安易に決める訳にも行かない。

 

「安楽少女だったんだから『アン』ちゃんとかどうかな?」

 

「…うーん、可愛らしいですが流石にモンスター名からとるのは…」

 

「あ、そっか…ご、ごめん」

 

『――ううん…だいじょぶ…』

 

ショックを受けるかと思いきや少女は嬉しそうに笑っていた。それは今までのようなぎこちないものではなく、心から笑ってくれているように見えて私達も思わず笑顔になる。

 

「ちゃんとした名前を考えてあげたいので…もう少し待っていてくださいね、それにもしかしたら名前を思い出すかもしれませんし」

 

『…――うん』

 

短めな返事、それだけだったけど今までとは違って感じたのは、多分少女が気遣いからの返事ではなくなったからだと思えた。

 

そしてそんな彼女の変化は――、それだけではなかった。

 

『…あのね、アリスお姉ちゃん――、ゆんゆんお姉ちゃん――…我儘…言ってもいい――…?』

 

「…えっ?」

 

それは、少女が私達に出逢って初めての――、『お願い』だったのだから――。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

そんなこんなで翌朝――。

 

私とゆんゆん、そして少女の三人は紅魔の里の入口にあるグリフォン像の前に来ていた。言うまでもなく目的は少女の願いを叶える為。

少女の服装はゆんゆんのお下がりの黒と桃色が特徴的なローブ。着せてみれば案外似合う。色合いは完全にゆんゆんとお揃いである。羨ましい。

 

「でも……本当に大丈夫なの…?」

 

『――うん、自分の目で…確かめたいから…』

 

「……貴女がそれを望むのでしたら…私達は協力しますけど…」

 

「…まさか故郷の里に行きたい、だなんて…」

 

昨日少女に言われたのは少女の故郷を探してその場所に行きたいというものだった。とはいえこれは八方塞がり。推測では少女と出逢ったあの場所の付近の可能性がある、その程度のヒントしかない。それに移動にも時間がかかるはずなのだけど…それはゆんゆんが解決してくれていた。

 

「それにしてもいつの間に登録してたのですか、かなり驚きましたよ」

 

「実はミツルギさんの指示なんだけどね…少女のいた場所をテレポート登録しておいてほしいって…、多分ミツルギさんとしては連れて行って何か弊害があった時に送り返そうと思っていたんだと思うけど」

 

「結果的に助かりましたよ、これからは『便利な女』ではなく『できる女』ゆんゆんですね♪」

 

「だからそれ嬉しくないから!!」

 

ゆんゆんは少女と出逢ったあの場所にテレポート登録をしていたのだ。移動が最も時間がかかると思われていたのでこれは非常に有難い。後は紅魔の里にテレポート登録さえすれば行き来は簡単なものになる。

 

「更には族長さんから戴いたこの地図ですね…」

 

「随分古い地図だから紅魔の里以外にも集落の目印がある…あの森がここだとして…お父さんの話だとこの辺の可能性が高いって話だけど…」

 

ご都合主義とはこういう事を言うのだろうか。朝になってゆんゆんのお父さんである族長さんが私にこの地図をくれたのだ。どうやら昨晩のうちに調べておいてくれたらしい。

二人で古い地図と現在の地図を照らし合わせて調べると、しっかり一致する場所も見つけられたのだ。これなら集落をすぐ見つけられてすぐに帰ってこられる可能性が高い。

 

だからこそ今はミツルギさんはこの場にいない。直ぐに戻るつもりだし優勢ではあるものの、魔王軍の幹部が近くにいることは警戒しなくてはいけないのでミツルギさんには一時的にカズマ君達と里に残ってもらうことにした。カズマ君に話はしていないがそこはミツルギさんから伝えてもらえば済む話だろう。

 

「どこへ行くつもりですか?」

 

「…めぐみん?」

 

いざテレポート、そんな場面で登場したのは眠そうに目を擦るめぐみん。服装こそいつもの服なのだけど目に隈ができているしあまり良く眠れなかったのだろうか。

 

「…大丈夫ですか?顔色があまり良くないですけど」

 

「…そうですね…昨夜は寝ずに里の中をぶらぶらしていたので」

 

「え…?」

 

何がどうなってそんな事になるのか全く理解できないのだけどどうしてそうなった。昨日はカズマ君達のパーティは全員めぐみんの実家でお世話になったと聞いている。

 

「事情は後で話します、私も連れていってください」

 

「…めぐみん、流石に帰って寝た方がいいと思いますよ?」

 

「家で寝る訳にはいかないのです!!お願いします、私を助けると思って!」

 

思わず私とゆんゆんは顔を見合わせてしまう。何があったのかわからないが只事ではないような気もする。それに何よりこの様子だと無理にでも着いてきそうだし大人しくこちらの言う事を聞くとも思えない。

だけど…、今のこの状態のめぐみんを連れていく訳にもいかない。今から行く場所は森の中だ。決して安全な場所ではないし安心して休める場所などはなさそうだし。

 

「…それでしたらアクセルの屋敷で休んではどうですか?今から行く場所に休める場所はないと思いますし、ゆんゆんにテレポートで送ってもらって後ほど迎えに行きますから」

 

初めはゆんゆんの部屋でと思ったのだけどテレポートがあるのだから自分の普段寝慣れている場所の方がいいだろうと思い進言すれば、めぐみんは納得するように頷き始める。

 

「…なるほど、それならカズマも追っては来れませんね、それでいきましょう」

 

「…なんでカズマさん?」

 

これには私も首を傾げてしまう。それではまるでカズマ君を避けているようではないか。…いや、明らかに避けている。一体あの後何があったのだろう?

 

「カズマ君と喧嘩でもしたのですか?でしたら一緒に行きますから、仲直りした方が…」

 

「そんな単純なものではありませんよ、カズマに寝込みを襲われたのですから」

 

「……は?」

 

一瞬何を言っているのか分からなかった。ただめぐみんの言う事が本当なら普通にパーティ解散の危機と呼べるレベルの事件なのだけど。だけど以前にもそんな話はあった、あの時は完全にめぐみんの誤解であったらしいしそんな事にはならなかった。だけど今のめぐみんは一夜明けても逃げるくらい嫌がっている。これは只事ではないとも思えた。何よりもめぐみんを落ち着かせたい。

 

「詳しくは屋敷に飛んでから聞きましょう、ゆんゆん」

 

「う、うん…」

 

『――襲われたって…、あのお兄ちゃんは人を襲うの――?』

 

何が何だかわからない少女は純粋に恐怖している。あながち間違ってはいないのだけどどう説明したらいいか判断に困ってしまう。

 

「そうですよ、覚えておいてください。男は狼ですからね、簡単に気を許してはいけませんよ?」

 

「――う、うん…」

 

めぐみんの真顔の説明に少女は震えながら頷いていた。それも間違ってはいないけど何かが違う。純粋なこの子は本当に狼男のようなものを想像してそうだ。とりあえず少女に変なことを教える訳にもいかないので今はこれでいいかとも思えた。そしてミツルギさんに少女が懐く可能性が激減した瞬間でもある、とんだとばっちりだった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

―アクセルの街・カズマ君の屋敷―

 

屋敷の入口に飛んだ私達は鍵を空けてすぐに屋敷に入れば、めぐみんは力なくリビングのソファに寝転んでいた。そりゃ二日間徒歩での旅の後に一夜を寝ずに外で過ごしていたとなればそうなるのも当然だ。

 

「どうして家に来なかったのよ?めぐみん一人くらいならなんとかできたのに」

 

「私も最初はそのつもりでした、カズマにもゆんゆんの家に泊まると言って逃げてきましたから。ですがその時は時間もかなり遅かったので皆寝ていたようですね、訪ねたものの、誰も気付かなかったようですから」

 

「それで…どうしてそんな事に…」

 

「おそらく母が元凶でしょう、扉は魔法により封印されてましたからね、あんな事が出来るのは母しかいません。私は疲れから一番に自分の部屋で寝ていたのですがふと気付いたら私の布団の中にカズマがいましたので私は窓から逃げ出した訳です」

 

なにそれこわい。どうしてめぐみんのお母さんがそんなことを助力したのか。出逢った事がないのでどんな人かも分からないし想像もできないのだけど。

 

「めぐみんのお母さんって確か…」

 

「一言で言えば守銭奴です、昨夜はカズマに熱心に色々と聞いていたようですからね、ここからは推測ですが母がカズマの財産を知って無理矢理私と既成事実を作ろうとしたんだと思います」

 

「えぇ……」

 

逞しさもそこまで行けば恐ろしさしかない。とりあえず事情は分かったし、流石に即座にここに来る事はないだろう。可能性として考えられるのはカズマ君にはテレポートの魔晶石があることだけどそれを使ってまで襲いかかるとかなれば私はカズマ君を許すつもりはない。何よりそこまでする事はないだろうと信じたい。

 

「…流石にこのままめぐみんが行方不明になればカズマ君やめぐみんのお母さんも心配して反省するでしょうし、めぐみんがここに居ることはしばらく黙っておいた方がいいかもしれませんね」

 

「なるほど、それはいい案ですね。それで行きましょう……ではすみません、私は流石に限界なので…」

 

言葉の途中でめぐみんはその場で眠りについてしまった。いくら誰もいないとはいえそのままリビングのソファに寝かせる訳にも行かないので運ぶしかないだろう。思わず溜息が出てしまう。

 

「…私はめぐみんをめぐみんの部屋に運んでおきますから、ゆんゆんは軽食を作っておいてもらえますか?めぐみんが起きた時にお腹をすかせていると思いますし」

 

『――アリスお姉ちゃん、私は…?』

 

「ではゆんゆんを手伝ってあげてください、終わり次第貴女の故郷を探しに行きますからね」

 

『――うん…!』

 

少女を優しく撫でてあげると楽しそうにゆんゆんの手を取って着いていく。私はめぐみんを肩で抱えて連れて行く。

 

それにしてもようやく悪魔から解放されてのんびりできるかと思えば全くそんなことは無かった。どうやらこの世界では私に退屈という概念を許すつもりはないらしい。

 

紅魔の里への魔王軍幹部の襲撃、少女の問題、そして新たに生まれたのはめぐみんの問題。

 

ふと溜息をつきながらも、だけどそれでも…、私はこの世界の生活に、確かな充実感を得ることができていた――。

 

 

 

 

 

 

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