いつもの帰り道。
私――高橋林檎はぼーっと帰り道をてこてこ歩いていた。
「りぃーんーごぉー」
後ろを振り返ると同級生の三矢椿が猛ダッシュで走ってきていた。
椿はクラスのリーダー的存在で1年の頃から何故か私に構ってきた。
「はぁーはぁー…林檎ぉ何で先行くの…?」
「待っている理由がないから。」
「あんたって本当冷たいわね。そういえばね…」
私が椿の話をいやいや聞いているとまた後ろで声がした。
「お姉さまーっ」
1つ後輩の木下あけびが手を振って来るところだった。
「よーあけびっち今日もかわいいねー」
「椿先輩ありがとうございますっ」
あけびはとびきりの笑顔で微笑んだ。
確かにあけびはアイドルかと思うぐらいかわいかった。が…
「その呼び方マジでやめてくんない?」
「もうっお姉さまっ照れちゃって―」
性格が残念だった。
「そーだ椿先輩、私お姉さまを笑わせるギャグを考えてきましたよー」
「おおっどんなのどんなの?」
「えっと…ふとんがふっとんだ!!」
「……。」
「あれぇっ?おかしいなー」
これは誰も笑わないと思うが…
私は確かに笑わなかった。3年くらい前からずっと、ずっとだ。
だから2人は私を笑わせるのに必死だった。
でも私にはそれが不思議だった。
なぜクラスの中心にいる椿と学年のアイドルあけびは私に構ってくるのかと。
私に構わなくても楽しく過ごせるのに、と。
「……。」
「どうしました?」
「あけびっちのギャグが寒すぎて硬直しちゃったんじゃない?」
「ええっあ、あけびのせいですか!?お姉さま?」
「…あ、もう帰るわ。」
「林檎、今帰っている途中だぞ?」
椿に言われて自分が変な事を言ってしまったことに気付き、口を押さえる。
「そうだお姉さま!お姉さまもっと可愛い服を着ません?」
「は?」
「あけびみたいなふりふりの服を着たら幸せな気分になりますよ。
さあ今すぐあけびの家に行きましょう!」
「お、いいな!私も林檎のふりふり見たいぞ」
二人がぎゅっと制服の裾をつかむ。
「え…」
「さあ!」
「はやく!」
すごく嫌な予感がした。
私は走った。後ろから2人が走ってきたので急いで近くの公園に飛び込んだ。
「はぁ…はぁ…」
運動オンチの私は少し走っただけなのに肩で息をした。
「林檎ー!」
向こうの方から椿とあけびの声がしたのでとっさに木の後ろに隠れた。
「なにやってんのー?」
「逃げてんのわかんないの?」
「なんでー?」
「うるさいなー…ってえ?」
そういえば私は誰と話しているのだろう。
ここに人がいる感じはなかったのに。
「やっほー♪」
目の前に現れたのは…
「虫?」
「違ーう!!あたしは妖精!妖精のカカオよ。」
小さな人っぽい羽根のついた何かが頬を膨らませていた。
そいつは腰に手をあてると胸をそらせた。
「あたしはね、あんたを笑わせるために来たの。」
「私を笑わせる?それは無理。」
私は顔をしかめた。
「なんでよー!やってみないとわかんないよ!
とにかく、あんたを笑わせるために今日からあんたの家に住むから。」
「えー迷惑。」
「とにかくそういうことだから。」
―――というわけで私の家に虫が住むことになりました。
こいつ何食べるんだろ。
「だ・か・ら!虫じゃなーーーい!!!」
初めまして。
ここまで読んでくださった方、ありがとうございます。
タグがどんなものをつけるべきなのかよくわかりません。
あと続きの話などあまり考えてないので投稿ペースは遅いと思います。
そしてこんな話を読んでくれる人はいるのでしょうか?
まあ9割自己満足です。