「ねー林檎―おなかすいたー」
カカオは林檎の部屋で1人騒いでいた。
「居候の虫のくせにうるさいな。」
「さっきから居候とか虫とか…私は妖精だーー!」
まぁ、たしかに食べ物は少なかった。
学生の1人暮らし、そこまでたくさんお金はなかった。
「な、なら林檎、お庭の林檎食べていーい?」
「いいよ。ただあんまり取りすぎないでね。」
「わーいっ」
カカオは満面の笑顔で部屋を出ていった。
カカオが目の前に現れた時は正直びっくりした。
なにしろ羽根の生えた少女が飛んでいたのだから。でもやっぱり顔には出なかったらしい。
私は笑う感情以外にもいろいろと足りないのかもしれない。
「おいしーい♪」
あたしは林檎の家のお庭で5つほど林檎を取ると玄関先で食べていた。
「おいしい物を食べると幸せ~おもわず笑顔になっちゃう…」
ん?笑顔に?
それだっ!林檎だっておいしい物をいっぱい食べたらきっと笑うはず!
そうと決まればさっそく有言実行、だよね!
「…遅い」
カカオが出ていってからもう30分以上立っていた。
それなのに戻ってくる気配は全くといっていいほどなかった。
「そろそろ探しに行くかな…」
そう思い立ちあがってドアに手を掛けた。
「林檎~」
「あがっ」
「あれ?林檎?」
「痛ぁー下だよ下。」
「どしたのそんなに怒った声出して。」
カカオが突然ドアをあけたので私は思いっきりドアで鼻をぶったのだった。
カカオの方を見るとお菓子のようなものを持っていた。
「…カカオそれどうしたの。」
「ん?ケーキだよ。おいしいもの食べたら幸せで笑うかな~って。
名付けて!おいしい物で笑顔作戦!」
「そのままだな…そうじゃなくてそれどこから持ってきた?」
私の家にケーキなんてなかった。
そんなん買うお金あるならもっと別のもの買うし。
「そ、それは…えっと…」
カカオの頬を冷や汗がつたった。
「家にあるもので作ったんだよー?」
「生クリームなんか家にない。正直に言って。」
「ないしょだよっ」
ぴゅーっと飛んで棚の影に隠れてしまった。
仕方がないのでとりあえずケーキは冷蔵庫にしまっておいた。
そして宿題をしようと――――
「ねぇ。」
「なっ何かな?」
「文房具ないんだけど。」
「し、シラナイナー」
カカオが目を逸らす。
その逸らした目をじっと見て、一つ一つ言葉を発した。
「ねぇ 文房具 どこ」
「れ、冷蔵庫?」
「は?」
「だから冷蔵庫!」
「え、ケーキ?」
カカオはケーキを取って来るとにっこりと笑った。
「魔法でちょちょいと。でも味は悪くないもんっ!」
そういうとカカオはそのケーキをかじった。
「あっ私の文房具が…」
「まずっ!なんか固い」
「…元に戻せ。」
「え―でも…」
「じゃあ明日からご飯なし…」
「戻させていただきます!」
カカオをその気にさせるのはいいんだけど、彼女もまた、私を笑わそうとする。
私を笑わせても得はないのに。
そんなことより文房具…
眠る前、カカオにそれを聞いてみた。
するとこういう答えが返ってきた。
「私はね、天使になりたいの。
で、天使になるならやっぱり人を幸せにできなきゃね。始まらないのよ。」
「ふうん…」
まだ疑問は残っていたがそれはまた今度聞く事にしよう。
いろいろと、考えているうちに私は眠っていた。
思ったより早く投稿できました。
タグはまあ少しずつ増やしていこうと思います。