ガールズ&パンツァー みほのお見合い大作戦 作:ジャーマンポテト
「聖グロリアーナ・フラッグ車!走行不能!」
会場が、静まり返る。
「大洗女子学園の勝利!!」
審判長の言葉に、会場から歓声の声が上がる。
「やったぞ!!」
「無限軌道杯も優勝だ!!」
等々と、観客たちが歓声を上げる。
「すばらしい試合でしたね」
「かなり苦戦したが・・・」
そんな決勝戦を、特等席で眺める2人の男性がいた。
「さすがは、お前の従妹だな」
「西住流とは、まったく異なるものですが・・・確かに、さすがです」
「良い仲間に恵まれただけでは無く、自分自身の戦車道を見つけた。従兄として誇らしいのでは無いか?」
「それは貴方の方ではありませんか、隊長?」
20代後半の男性は、自分と同じ歳の男性の横顔に、顔を向けながら告げた。
「ふん」
その表情は、とても嬉しそうだった。
まったく、知らない人が見れば、喜んでいる?と思われるが、20年以上の付き合いがある彼にとっては親友であり、兄弟のような絆がある彼の表情を間違えるはずが無い。
「彼女が大洗女子学園戦車道の隊長に就任してからは、ずっと彼女の試合を遠くから見たではありませんか?」
そう、2人はこれまでの大洗女子学園戦車道の試合を、観戦してきた。
初めて、聖グロリアーナ女学院との練習試合をした時から、全国大会の決勝戦、大学選抜戦、そして冬季無限軌道杯の決勝戦まで、すべての試合を観戦した。
「彼女が幼い時から、ずっと成長を見てきたのだ。成長した姿を喜ぶのは当然の事だ」
隊長と呼ばれた男は、少し照れたような口ぶりで言う。
「あら、男子戦車道の隊長殿と副隊長殿が揃って、浮かない顔をして、何か不満でもありましたか?」
2人に声をかけた女性の顔を確認もせず、2人は、その人物が誰なのか理解した。
幼少期から、ずっと顔を合わせていれば誰でもわかる。
「お久しぶりです。島田流家元、そして西住流家元」
隊長と呼ばれた男性が、立ち上がる。
同じく副隊長と呼ばれた男も続く。
「愛里寿さん。元気だったかい?」
ポコのぬいぐるみを抱いた少女に、話し掛けた。
「うん。尚弥お兄様、虎次郎お兄様」
島田流家元・島田千代の娘である島田愛里寿は、隊長と呼ばれた男に、元気よく返答した。
「そちらの家元は、お元気?」
西住流家元・西住しほが、不愛想な口調で聞いた。
「はい。元気過ぎるぐらいで、困っているぐらいです」
隊長と呼ばれた男性が答えると、しほは、「チッ!」と舌打ちした。
2人の男性は、苦笑した。
「まだ、私の質問に、答えてくれていませんけれど・・・?」
千代が、膨れた顔で告げた。
「これは失礼しました。西住流家元の御息女の試合に、不満はありません。大変いい試合を見せてもらいました」
隊長と呼ばれた男が、答える。
「そう・・・貴方は、みほを甘やかすから、本心としては受け取らないわ」
しほが、相変わらず不愛想に告げた。
「あらあら。素直に喜べばいいのに・・・」
千代が、からかうように告げる。
「みほさんだけでは、ありません」
「そうね。まほも、甘やかすわね」
しほが、付け加える。
「この機会だから、伝えておくわ」
しほが、口を開いた。
「後で天満流家元にも伝えておくけど、みほの件、承知しました。そのまま話を進めていきます」
「わかりました。こちらも、そう伝えておきます。西住流家元」
隊長と呼ばれた男が、うなずく。
「わぁ!それは楽しみだわ。当然、私も出席させてもらえるわね?」
千代が、はしゃぐ。
「お母さま。みほさんの件とは、何の事?」
愛里寿が、聞く。
「大人の秘密~・・・」
「・・・・・・」
千代の回答に愛里寿が膨れる。
しほと、千代が話していたのは、男子戦車道の天満流家元の子息である天満尚弥(あまみたかや)と、西住家分家の子息である西住虎次郎(にしずみこじろう)である。
誤字脱字があったと思いますが、ご了承ください。