ガールズ&パンツァー みほのお見合い大作戦   作:ジャーマンポテト

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みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れ様です。


第9章 みほの衝撃の過去

「なになに?」

 

 沙織が、興味津々と言った顔つきで、虎次郎に迫る。

 

「ん?みほの友達なのに、知らないのか?」

 

 虎次郎が、みほの友達たちに聞く。

 

「まったく知りません!!」

 

 西が、挙手の敬礼をしながら叫ぶ。

 

「そうか・・・それなら・・・」

 

「ワー!!!ワー!!!」

 

 みほが、顔を真っ赤にしながら叫ぶ。

 

「言わないで、虎次郎お兄ちゃん!!!」

 

 みほが叫びながら、止めに入るが・・・大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちが、獲物を見つけた獣のように、みほに襲い掛かった。

 

「うぐっ!?ム~!!ム~!!!」

 

 口を塞がれた状態で、ジタバタと抵抗するみほだったが、多勢に無勢では、どうにもならない。

 

「あ~!!西住隊長~!!」

 

 梓が、みほを救出しようとしたが・・・

 

「梓。させないよ!」

 

 ウサギさんチームを代表して、あゆみが梓に襲い掛かる。

 

 ウサギさんチームに襲い掛かれた梓は、あっけなく拘束された。

 

「ム~!!ム~!!」

 

 梓も抵抗するが、みほと同じく、多勢に無勢では、どうにもならない。

 

「それで、西住ちゃんの従兄さん。ムカデって、なんの話?」

 

 杏が、わずかな抵抗を排除した事を確認して、虎次郎に向き直った。

 

「みほが幼い時、男子戦車道の試合で優勝したお祝いにと、紙袋に入った箱をプレゼントしてくれた。「お部屋で開けてね」と言われて、部屋で開けると・・・」

 

「・・・開けると?」

 

 沙織が、みほを押さえながら聞く。

 

「ムガッ!!ムガッ!!」

 

 みほが、口を押えられながら何かを叫ぶ。

 

「・・・中から、大きなムカデが、数匹出て来た・・・」

 

「うわぁ・・・」

 

 桃が、足をガタガタと震わせながら、声を上げる。

 

「そのムカデが俺の腕を這いずり回って・・・今、思い出しただけでも、ゾッとするよ・・・」

 

「・・・もしかして、悲鳴を上げました?」

 

 みほを押さえている、優花里が聞く。

 

「それは、もちろん。この世のものとは思えないぐらいの悲鳴を上げたよ。そのおかげで、俺は、現在までも、事ある事に、そのことについて、弄られる始末だ・・・」

 

「・・・それは、とんでもない経験でしたね!」

 

 西が叫ぶ。

 

「それにしても、西隊長!」

 

「ん?何だ?福田」

 

 西が福田に、顔を向ける。

 

「自分は西住隊長が、とても上品で礼儀正しく、おとなしい人だと思っていました!」

 

「そうか。それは、私も思っていた」

 

「ム~!ム~!」

 

 みほが力尽きたように、地面に座り込む。

 

「あら?抵抗の意思は、もう無いようですね」

 

 華が押さえていた、みほの口から手を離す。

 

 沙織や優花里も、手を離す。

 

「礼儀正しくって、おとなしいのは、中学生になった頃くらいからだな」

 

 虎次郎が、捕捉する。

 

「中学生くらいからなのか?」

 

 麻子が、聞く。

 

「そう。昔は、活発で無邪気で、まるで少年のような、行動をしていた。昆虫類や両生類を捕まえては、人にプレゼントして、驚かせたり、どこかに黙ってフラフラと出て行って、西住流家元を騒がせたり等、さまざまな悪事を働いたものだよ・・・」

 

「お・・・お・・・お兄ちゃんの・・・」

 

 みほが、身体を震わせる。

 

「バカァァァ!!!」

 

 みほが、虎次郎の腹部に拳をめり込ませる。

 

「うぐぅ!!?」

 

 強烈なパンチを受けて、虎次郎が地面に倒れ込む。

 

「みぽりん!?」

 

「みほさん!?」

 

「西住殿!?」

 

「西住さん!?」

 

 みほの、思いもよらない行動に、沙織、華、優花里、麻子の4人が目を丸くする。

 

「そうそう。すぐに殴る。どうやら、それも変わってないようだな」

 

 虎次郎の言葉に、みほは叫ぶ。

 

「そんな事はありません!虎次郎お兄ちゃんが、色々とみんなに知って欲しくない情報を教えたりするからです!!」

 

 みほは、肩を震わせる。

 

 

 

 

「家元から話を聞いたが、みほは、昔のまま何も変わっていない、というのは本当だったな」

 

 虎次郎が、お腹をさすりながら、つぶやく。

 

「ちゃんと変わりました!昔の私よりも、おしとやかで礼儀正しく、素直な子になりました!」

 

(((自分で言うんだ!!)))

 

 大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちが、心中でつぶやく。

 

「何?何か私の言った事に、間違いがある?」

 

 みほが、ギロリと目を光らせて、大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちを見回す。

 

「「「全然、間違っていません!!西住みほ様!」」」

 

 大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちの背中に、冷たい汗が流れる。

 

(怖い!怖い!)

 

(お母さまよりも、怖いですわ・・・)

 

(お母さん、お父さん。私は、とんでもない光景を、見ていますぅ~)

 

(この世は広いな・・・まさか、おばあよりも怖い人種が、いるとは・・・)

 

 沙織、華、優花里、麻子の4人は、足をブルブルと震わせる。

 

「沙織さん・・・華さん・・・優花里さん・・・麻子さん・・・」

 

 みほが、にっこりと微笑む。

 

「「「はひぃ!?な、な・・・何でしょうか?」」」

 

 4人が怯えながら、返事をする。

 

「みんなが思っている事、理解したかな。そんな風に思っていたの?」

 

「「「す、すみません!!お許し下さい!!」」」

 

 4人の声が、重なる。

 

「それに他の面々も、同じ事を思っているの?」

 

 みほが、にっこりと大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちと西、福田を見る。

 

「「「いえ、そのような事は、何も思っていません!!」」」

 

 大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちが、声を揃えて言う。

 

「はい!西住隊長殿が実は、とても怖い存在である等、微塵も思っていま・・・ムガッ!ムガッ!」

 

 西が挙手の敬礼をしながら、余計な部分まで説明していると桃、お銀、福田の3人が、西を抑える。

 

「バカ知波単!死にたいのか!?ここは、そんな事を思っても、嘘をつけ!嘘を!!」

 

「桃さん!貴女も余計な一言が、多いです!」

 

「そうなんだ・・・」

 

 みほの声がした瞬間、4人はゾクッとした。

 

「そんな風に、思っていたんですね・・・」

 

 みほは、にっこり笑いながらゆっくりと4人に近付いて来る。

 

「待て!西住。私は、そんな事を、微塵も思っていないぞ!!!」

 

「・・・もう・・・遅いです」

 

 お銀が回れ右をして、みほの視界から撤退する。

 

「フフフ・・・」

 

 みほの形相は、ホラー映画に出て来るゾンビも裸足ですっ飛んで逃げる程、鬼気迫るものがある。

 

「ぎゃあああ!!ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

 桃が、涙を流す。

 

「誰か、助けてくれ!!!」

 

 桃が、他のメンバーに、助けを求める。

 

 しかし・・・

 

 プイ!と、全員が顔を逸らす。

 

 一方の虎次郎は・・・

 

「うんうん。昔のみほだ。やっぱり、高校生になっても、みほはみほだな。安心、安心」

 

 と、何度も頷いていた。

 

「待って、西住さん。話せばわかる、話せば・・・」

 

「フフフ・・・」

 

「ミャアァァァ!」

 

「「「?」」」

 

 みほの足が、止まった。

 

「おや美緒。お前の飼い主は、仕事が終わったのか?」

 

「ミャ、ミャ」

 

 美緒と呼ばれたキジトラの猫が、「そうだよ」と言うように鳴く。

 

「あ、ミーちゃん!」

 

 亜美が、美緒に近付く。

 

「ミャ」

 

 美緒が、亜美の肩に乗る。

 

 その後、頬をスリスリとする。

 

「あ~かわいい~うちの子にしたい!」

 

 亜美が嬉しそうに、肩に乗った猫を撫でる。

 

「それは、困るな・・・」

 

 隊舎の出入口から、1人の男が出て来た。

 

「あ!尚弥お兄ちゃん!」

 

 みほが、駆け寄る。

 

「助かった・・・」

 

「助かりました・・・」

 

 桃と西が、深いため息をする。

 

 

 

 

「美緒」

 

 尚弥が呼ぶと、美緒は亜美の肩から、尚弥の肩に飛び移った。

 

「ミャ、ミャ」

 

 美緒がゴロゴロと喉を鳴らしながら、頬をスリスリとする。

 

「かわいい!!」

 

 沙織が叫ぶ。

 

「とても心が和みます」

 

 華が飼い主に甘えるキジトラの猫を見ながら、つぶやく。

 

「尚弥お兄ちゃん。この子の名前、美緒って言うんですか?」

 

 みほが、尚弥の肩に乗った美緒に手を出しながら、聞く。

 

「そうだよ。美緒だ」

 

「美緒ちゃん。おいで」

 

 みほが手を差し出すと、美緒が飛んだ。

 

 そのまま、みほの腕を伝って、肩に乗った。

 

「かわいい・・・」

 

 みほが顎を撫でると、美緒はゴロゴロと喉を鳴らしながら、頬をスリスリする。

 

「くすぐったい~」

 

「あ~ずるいです。西住殿、私も肩に乗せたいです」

 

 優花里が、手を差し出す。

 

「いいよ」

 

 みほが、優花里の差し出した手に肩を近付る。

 

「ミャアァァァ」

 

 美緒が一鳴きしてから、優花里の肩に乗った。

 

「うへへへ」

 

 優花里が、美緒の頬を撫でる。

 

 美緒もみほの時と同じくゴロゴロと喉を鳴らしながら、優花里の頬にスリスリする。

 

「ゆかりん!次、私!」

 

 沙織が、手を挙げる。

 

「それなら、次は私ですわ!」

 

 華が、手を挙げる。

 

「その次は私だ」

 

 麻子も、手を挙げる。

 

 すると、大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちが、次々と手を挙げる。

 

「美緒。モテモテだな」

 

「甘えるのが好きだから、いい機会だ」

 

 虎次郎と尚弥が、微笑みながら、その様子を眺めている。

 

「ん~・・・かわいいね~」

 

 杏が美緒を肩に乗せながら、目を細める。

 

 美緒も他の面々と同じく、頬をスリスリする。

 

「前会長。次は私です!」

 

 桃が手を差し出すと・・・

 

「シャアァァァ!!」

 

「え?」

 

 美緒が毛を逆立てて、威嚇の声を上げる。

 

「おや?」

 

「さすがに、全員に撫でられるのは疲れたか?」

 

 虎次郎が首を傾げて、尚弥が納得したように頷く。

 

「み、美緒ちゃん。どうしたの?そんなに怖い顔をして・・・」

 

 桃が、引きつった笑みを浮かべる。

 

 そのまま手を差し出すと・・・

 

「シャアァァァ!!」

 

 先程よりも、声を大きくした。

 

「ひいぃぃぃぃ!!」

 

 桃が怯える。

 

「ゆ、柚子ちゃん~・・・」

 

「桃ちゃん。残念だね。さすがに、この数だと、美緒ちゃんも疲れるよね」

 

「いや~もしかしたら、美緒ちゃん。河島の腹黒い性格を見抜いたじゃ無いかな・・・」

 

「前会長~」

 

 桃が、泣きそうな顔をする。

 

「そうだよね。美緒ちゃん」

 

「ミャアァァァ」

 

「み、美緒ちゃん。私は、そんなに腹黒くないぞ」

 

 桃は、再び手を差し出す。

 

「シャアァァァ!」

 

 美緒が毛を逆立てて、威嚇の声を上げる。

 

「美緒。戻ってこい」

 

「ミャ!ミャ!」

 

 美緒は、杏の肩から飛び降りて、そのまま尚弥の肩に登る。

 

「しくしく・・・」

 

 桃が、泣き出す。

 

「桃ちゃん。元気出して」

 

 柚子が、桃の頭を撫でる。

 

「あ!尚弥お兄ちゃん」

 

「ん?」

 

「これ、お土産」

 

 みほが、紙袋を手渡す。

 

「何だ?また死にかけのカエルか?」

 

「違います!」

 

「じゃあ、死にかけのカマキリか?」

 

「違います!」

 

「それなら食用虫が入った、おにぎりか?」

 

「全然、違います!!」

 

 みほが叫ぶ。

 

「お兄ちゃんの、バカァァァ!!」

 

 みほの拳が、尚弥の腹部に炸裂する。

 

「うぐぅ!?」

 

「なっ。すぐに殴るし、すぐに怒るだろう?」

 

 虎次郎が大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちに顔を向けて、告げる。

 

「さすがに高校生になっただけあって、拳の力も強いな・・・」

 

 尚弥がお腹をさすりながら、つぶやく。

 

 

 

 

「死にかけのカエル!?何それ?聞きたい!」

 

 沙織が叫ぶ。

 

「死にかけのカマキリも、気になります」

 

 華が、興味津々と言った顔でつぶやく。

 

「お二人とも、さすがに3度目は、西住殿がキレるかもしれません」

 

 優花里が怯えながら、2人を止める。

 

「何?ゆかりん。怖気づいたの?今更?」

 

「優花里さん。毒を食らわば皿まで、という言葉があります。今は、そんな状況です」

 

 華の言葉に、優花里も決心したように、頷いた。

 

「わかりました。私も、食用虫が入ったおにぎりが、気になります」

 

「とか何とか言って、秋山さんも聞きたいんじゃないか?」

 

 麻子が優花里の表情を見ながら、つぶやく。

 

「ええ、まあ。私の知らない西住殿の過去を知る事ができますから、これは願っても無い機会です」

 

 優花里の言葉を聞きながら、みほは、深いため息を吐く。

 

「はぁ~もう、止めってと言っても、みんな聞くんでしょう?」

 

「うん!当然!」

 

 杏が、頷く。

 

「みんな、西住さんの事が大好きだから、もっと深く知りたいんだよね!」

 

 ナカジマが、うんうんと頷きながら、つぶやく。

 

「私たちは大学に行くけど、西住さんの存在は、永遠だから・・・」

 

 そど子が、頷く。

 

「みなさん」

 

「さあ、西住さんの昔話を聞きましょう!」

 

 柚子が、手を合わせて、告げる。

 

「・・・・・・」

 

 みほは、言葉を失う。

 

「梓。もう止めないの?」

 

 あゆみが、聞く。

 

「どうせ止めようとしても、私は拘束されるのよね」

 

「当然!」

 

 紗季が、頷く。

 

「紗季が喋った!?」

 

 あやが、わざとらしく驚く。

 

「大丈夫です!西住隊長。私、どんなに西住隊長の悪い話を聞いても、隊長を尊敬する気持ちは変わりません!」

 

 梓が叫ぶ。

 

「澤さん。それは、逆に止めだ・・・」

 

 麻子が、呆れたように、告げる。

 

「澤さん。後で、ゆっくり話をしようか。2人だけで・・・」

 

 みほが、にっこりと笑みを浮かべる。

 

「ひぃぃぃぃ!?ごめんなさい!ごめんなさい!」

 

 梓が、泣き叫ぶ。

 

「こらこら、みほさん。健気な後輩を、いじめてはいけない」

 

 尚弥が、みほの頭を撫でながら、語りかける。

 

「誰のせいですか?」

 

 みほが、ギロリと睨む。

 

「さあ・・・誰だろうな・・・」

 

 尚弥が、まったく怯む事も無くみほの頭を撫でる。

 

「ミャアァァァ」

 

 美緒がみほの肩に乗り、みほの頭をペチペチと叩く。

 

「痛い、痛い。美緒ちゃん、やめて」

 

 みほが、痛がる。

 

「痛いのみぽりん?」

 

「痛くは無いけど・・・心がね・・・」

 

「それで天満尚弥さん。みほさんの昔話をお願いします」

 

「ああ、そうだったな」

 

 尚弥は、懐かしく思いながら、死にかけのカエルの話をする。

 

「みほが物心がついた時、西住師範とまほさんと、一緒に家に来た事があった。その時、みほさんが太陽のような眩しい笑顔で、紙袋を渡した。だが、その時は、まほさんとみほさんが遊びたいと言い出して、紙袋を放置していたんだ」

 

「うわぁぁぁ」

 

 沙織が、口に手を当てる。

 

「カエルさん、可哀想です・・・」

 

 華が、つぶやく。

 

「一通り遊んだ後、まほさんとみほさんが疲れたのか、座敷で横になって寝ている時に、紙袋を開けた。すると小さな箱があった」

 

「あ~だいたい、わかった」

 

 麻子が、察した。

 

「箱を開けると、死にかけのカエルがいた、という事だ」

 

「カエルは、災難だったね」

 

 杏が、つぶやく。

 

「慌てて、水槽の中に入れて、蘇生させたよ。あの時は苦労した」

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