ガールズ&パンツァー みほのお見合い大作戦   作:ジャーマンポテト

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第18章 乙女たちの反省会

 佑真によって完膚なきまでに叩かれた大洗連合チームは、反省会を行っていた。

 

「やっぱり、今回の敗戦の原因は、無線等の通信機器が妨害された事が原因よね」

 

 ケイが、先陣を切った。

 

「確かに、それはある。しかし、私たちは、みほに頼り切っていた。大隊長の判断を常に仰ぐ体制を、佑真君は逆手にとった」

 

 まほが、意見を言う。

 

「確かに・・・それもあるが、佑真君の実力も、私たちの予想を遥かに超えるものだった。佑真君は、私たち1輌1輌の癖を細かく研究している。さらに私たちが、それぞれ得意としている戦法を、完全に把握している」

 

 アンチョビが、試合の結果を分析しながら、告げる。

 

「ですが!私たち知波単の新戦術は、まだ公開していません。それを完全に読む事が可能なのですか!?」

 

 西が質問する。

 

「知波単は確かに変わったけど、基本戦法である突撃と奇襲が、そのままでは、ある程度の予想は可能さ・・・」

 

 ポロンとカンテレを鳴らしながら、ミカがつぶやく。

 

「確かに知波単の新戦術は、侮れないものだけど、突撃戦法と奇襲戦法が、そのままで、それに一撃離脱が追加されただけ、それに相手は佑真君1人だけだと、その攻撃を予想する事が出来るわ」

 

 ケイの指摘に、西がしゅんとした。

 

「やっぱり、私たちの実力は、劣っているのでしょうか・・・」

 

 西がつぶやくと、突然立ち上がった。

 

「西住隊長!私が不甲斐ないばかりに、チームを敗北させてしまい。誠に申し訳ありません」

 

 西が、みほに頭を下げる。

 

「いえいえ。今回の敗戦原因は私にあります。佑真君の通信妨害作戦に、まともに対応出来なかったのです。ですから、頭を下げないで下さい。次も一撃離脱戦法を第一に突撃してください」

 

 みほが笑みを浮かべながら、告げる。

 

「はい、わかりました!」

 

 西が、挙手の敬礼をした。

 

「みほさん」

 

「はい?」

 

 ダージリンが、紅茶を優雅に飲みながら、みほに顔を向けた。

 

「みほさんは、今後、どうするおつもりですの?」

 

 ダージリンの質問に、みほは答えた。

 

「今回の敗因の原因は、通信妨害による連携が乱れた事と、私たちの行動が完全に把握されていた事です。そこで、通信妨害に対応した新しい連絡方法を研究し、対通信妨害対策を各通信手たちに、お願いしたいです」

 

「みほは、何か案があるのか?」

 

 まほが、質問する。

 

「うん。お姉ちゃん。1つだけどある。新しい通信手段として信号弾による交信があるの。信号弾の色による間隔差で、基本的な行動指示を出して、細かな交信はモールス信号で、指示を出す・・・というのはどうでしょう?」

 

「なるほど、確かに、その方法はいいです」

 

 西が、頷く。

 

「だけど、その方法では、相手側に解読される可能性があるわ」

 

 ケイが、指摘する。

 

「それだけでは無い。交信内容の予備があったとしても、それは通信手たちに負担を与える事になる」

 

 アンチョビが、指摘する。

 

「西住さん。貴女は、私たちが考える問題点も、予想の範囲内だろう」

 

 ミカがポロンと、カンテレを鳴らす。

 

「はい。あくまでも私の案は、通信態勢が回復するまでの間だけ使う交信手段です。信号弾の色で、どの作戦行動を行うか判断してくれればいいんです。作戦案については、事前に私たちが考えた予想案で、行動します」

 

「尚弥お兄様の、真似をするのか?」

 

 まほが、質問する。

 

「そうだよ。お姉ちゃん」

 

 みほが、頷く。

 

 

 

 

「みなさん」

 

 ダージリンが、声を上げる。

 

「会議も結構ですが、ここは一旦、休憩いたしましょう。紅茶とスコーンを、用意いたしますわ」

 

 ダージリンが、オレンジペコに顔を向けた。

 

「かしこまりました」

 

 オレンジペコが、立ち上がる。

 

 まほが、時計を確認する。

 

「もう、こんな時間か?」

 

「おやつタイムには、丁度いい時間帯だな」

 

 アンチョビも時計を確認しながら、つぶやく。

 

「みほ。おやつタイムで、リフレッシュしましょう」

 

 ケイが、告げる。

 

「はい、ここで話を続けたとしても、これだという案が出る訳では無いでしょう。甘い物を食べて、気分をリフレッシュしましょう」

 

 みほが嬉しそうな顔をしながら、おやつタイムを許可した。

 

「紅茶には気分を晴らす作用があるからな。それに、スコーン等の甘い物を食べると、さらに疲れをとる事が出来るからな」

 

 杏が懐から干し芋を取り出し、それを口に咥えながら、持論を言う。

 

「イギリスでは議会が熱気を帯びたら、一旦は冷ますためにティータイムを行う場合がありますわ」

 

 ダージリンが、説明を付け加える。

 

「大日本帝国軍でも、行軍中に行軍の疲れをとるために、氷砂糖を舐めていました。それに昔の日本では、農業を生業とする者は、昼食の代りに饅頭等の甘い物と緑茶を飲んでいました。身体を動かす人は、甘い物を食べて疲れを癒すようにしていました」

 

 西が、おやつタイムの重要性を説明する。

 

「西隊長。身体を動かす人もそうですが、頭を使う人も甘い物を食べます。将棋をする人は、とんでもないエネルギーを消費します。そのため、昼食の量も多いですが、おやつタイムもあります」

 

 福田が、西の説明に追加する。

 

「皆様~!お紅茶とスコーンの準備が出来ましてよ~!豪快にいただきましょう!」

 

 ローズヒップが、ティーポットを持ちながら叫ぶ。

 

「ローズヒップ。落ち着きなさい」

 

 ダージリンは、オレンジペコが淹れている紅茶を、優雅に眺めながら諭す。

 

「豪快に食べて飲む!これこそが、アメリカンね!」

 

 ケイが叫びながら、ティーカップに淹れられた紅茶を、豪快に飲む。

 

「ケイ。ここは郷に入っては、郷に従えだよ。紅茶は優雅に、おしとやかに飲む物だ」

 

 ナオミが、ティーカップを上品に持って、紅茶を飲む。

 

「面倒臭いわね!こんなの口に入れば、上品も下品も無いわよ!」

 

 アリサがスコーンを持って、それを割らずに丸ごと口の中に放り込む(マナー違反)。

 

「アリサさん。それですよぉ~」

 

 優季が、指摘する。

 

「そんなんだから、タカシに振られるんですよ~」

 

「告白もしていないのに、振られる訳ないでしょう!」

 

「告白!?」

 

 アリサと優季の会話を聞きながら、告白という言葉に、沙織が敏感に反応する。

 

「恋愛の話だったら、私に聞いて!私が的確なアドバイスをするから!!」

 

 沙織の言葉に、アリサと優季が冷めた目つきで、応じた。

 

「佑真に、あんな冷たくされて、どんなにアピールしても、簡単にあしらわれているのに、アドバイスが出来るとは、良く言えたものね」

 

「佑真さんは冷たいですが、武部先輩の恋愛知識は間違っているって、気付けないんですか?」

 

「ガーン!」

 

 沙織が、わざとらしく叫んだ。

 

「沙織・・・諦めろ。知らない時の彼女たちなら、お前の話に乗っただろうが・・・今回は、そういう訳にはいかない」

 

 麻子が、沙織の肩を叩く。

 

「武部殿には、いい薬ですね」

 

「そうですね。沙織さんは痛い目に遭って、自省してもらわないと・・・これは、良い薬です」

 

 優花里と華が紅茶を飲みながら、囁き合う。

 

 

 

 

 ティータイムを楽しんでいると、あっと言う間に時間に過ぎ、夕食の時間になった。

 

「ヤッホー~、反省会は、すんだ?」

 

 薫子が、とぼけた口調で、会議室に入った。

 

「姉さん。すでに終わっているかと。皆、ティータイムですし・・・」

 

「え~、どうして、私を呼んでくれないの~、ティータイムだったら、私、喜んで来たのに~」

 

「すみません。そこまで気が回りませんでした」

 

「いいの、いいの。みほさん、ティータイムと言っても戦術論の議論と今後、どのような行動をするか等の議論を、していたんでしょう?」

 

「ええ、まあ・・・」

 

 紫子の言葉に、みほが頷いた。

 

「それでもティータイムは楽しい時間でしょう~、私も戦車道の先輩として、男子戦車道を知る者として、色々とアドバイスが出来るもの~」

 

「それは、そうですが・・・姉さん、わかっている?ティータイムだから、ただ紅茶とスコーンが出るだけで、お酒は出ないのよ」

 

 紫子の言葉に、薫子が懐からブランデーを取り出し、それを見せながら告げた。

 

「それなら、大丈夫。紅茶にブランデーを淹れたら、いいだけだから~、結構、美味しいよ~」

 

「やっぱり、それですか!」

 

「紫子。固い事を言わないの~、紫子もブランデーを淹れた紅茶は好きでしょう。私、知っているんだから、夜遅くに1人で紅茶とブランデーを用意して、飲んでいるの~」

 

「確かに好きだけど・・・って、何で知っているの!?」

 

「夜中、胃の中の物を吐き出そうとして、トイレに起きたら、紅茶とブランデーを飲んでいる紫子の姿を見たの。私も誘ってくれたらいいのに~」

 

「姉さんを誘ってしまうと、私が介抱しなければならないでしょう。だいたい、私が飲む時には、姉さんは、かなり飲んでいるでしょう。それも嘔吐するまで飲んでいるだから・・・」

 

「固い事、言わないの~」

 

「あははは・・・」

 

 みほは、乾いた笑みを浮かべている。

 

「お詫びと言って何ですが・・・まだ、紅茶が残っています。夕食の準備が出来るまでティータイムと、いきませんか?」

 

「そう?じゃあ、お言葉に甘えて~・・・」

 

「姉さん!これから夕食なんですから、ティータイムで悪酔いして、どうするんですか!?どうせ、夕食でも、お酒を飲むんでしょう?」

 

「もっちろ~ん!」

 

「あははは・・・」

 

 みほは、乾いた笑みを再び浮かべるのであった。

 

「それで、みほちゃん。今夜の夕食は、どこの学校が担当なの?」

 

「それは・・・」

 

「今夜は、私たちが担当よ!」

 

 カチューシャが、叫んだ。

 

「ロシア料理を、大量に用意するわ!もちろん、お酒もね」

 

「ロシアという事は・・・ワインにウォッカかな?」

 

「そうよ!」

 

「イエ~イ!」

 

 薫子が、叫んだ。

 

「ウォッカなら、当然、ロシア人のように、ラッパ飲みしなければならないわねぇ~」

 

「姉さん!?」

 

 紫子が、叫んだ。

 

「そんな事をしたら、また、リバースしてしまうでしょう!昨日だって、ビールにワインを何本も空けて、結局、リバースしたじゃないですか!」

 

「前にも言ったでしょう。紫子、リバースするまで飲まないと損よ。だって、お酒は美味しいもの!」

 

「理由に、なっていない!!」

 

 紫子が、青筋を浮かべながら、叫んだ。

 

「あははは・・・」

 

 みほは、乾いた笑みを浮かべるしかなかった・・・

 

 

 

 

「出来たわよ!」

 

「皆さん、準備が出来ました」

 

 カチューシャとノンナが、夕食の準備が出来た事を知らせに来た。

 

「今日のお酒は何?」

 

 亜美が、興味津々と言った顏で、カチューシャに聞いた。

 

「もちろん、ロシア料理だから、ロシアのビールにウォッカ、ワインよ!」

 

「「イエ~イ!!」」

 

 薫子と亜美が、ハイタッチした。

 

「姉さんは、知っているでしょう!!?」

 

「だって~、出来るまで、ワクワクしていたんだもの~新鮮な気持ちになりたいじゃない?」

 

「私も知っていたけど、出来るまでの期待の時間というのもあるから!」

 

「2人共、飲み過ぎないようにしてくださいね。昨日みたいに、2人でトイレに行ってリバースしないでください!」

 

「え~!昨日もさっきも言ったけど、こんなに料理とお酒がたくさん並べられているのなら、リバースするまで飲み食いしないと損よ!」

 

「そうよ、紫子さん。お酒と食事は人生の最良の友!リバースするまで飲み食いしないと、お酒と料理に失礼よ!」

 

「理由が、おかしい!!」

 

 紫子が、青筋を浮かべながら、叫ぶ。

 

「人生の最良の友なら、リバースして、どうするんですか!?それは人生の最良の友に対して失礼でしょう!!」

 

「紫子。それは間違いよ~、お酒や料理の気持ちになって考えて見て、自分たちをリバースするまで飲み食いしてくれた、という事は、それだけ美味しく食べてくれたって事、お酒も料理もリバースしてくれて、ありがとうって、思うんじゃないかしら~」

 

「そうよ、紫子さん。料理と酒は、バーンと飲んで、食べて、バーンとリバースするのが、料理に対するお礼よ!」

 

「貴女たち、2人の認識がおかしい!どう考えたら、そういう理論になるんですか!料理と酒は気持ちよく飲み食いするのが常識でしょう!」

 

「だって、それじゃ、つまらないもの~」

 

「そう、つまらない」

 

 2人は、顔を見合わせて・・・

 

「「ねぇ~」」

 

「ねぇ~、じゃ、ねぇよ!バカコンビ!」

 

 薫子と亜美の理論に、ぎゃあぎゃあと騒いでいる紫子を横目に、文科省の元役人が難しい顔をしながら考え込んだ。

 

「やっぱり、大人がいるとは言え・・・未成年者がいる食事の席に酒が出るのは、問題があると思うような・・・どうでしょう?」

 

「なあに、辛気臭い顔をしてんだよ。文科省をクビになった奴、俺たち大人がしっかりと監督しているんだから、別にいいんだよ」

 

「ですが・・・」

 

「まったく、お前は頭が固い・・・だから、文科省の切り捨て要員に、されるんだよ。こんな時は何も考えず、ただ、飲んで食う!これが一番だ!」

 

「私は切り捨て要員でも文科省をクビになった訳ではありません!ただ、防衛省に左遷されただけです!」

 

 彼の主張に、周りの反応が、「あっ、左遷って認めた」であった。

 

「ごほん!」

 

 文科省の元役人が、咳払いをする。

 

「あ~!」

 

 突然、薫子が叫んだ。

 

「何ですか?姉さん」

 

「ロシア料理なんだから、ロシアの法律が適用されるのよね!」

 

「はぁ~!?」

 

 薫子の意味のわからない理論に、紫子は声を上げる。

 

「ロシアでは、ビールは、お酒じゃないから、みほさんたちも飲めるわね!」

 

「姉さん!!ここは、日本です!ロシアではありません!よって、ロシアの法律は適用外です!」

 

「え~!!?」

 

「それに、ロシアもその件に関しては、法律を改正中です!」

 

 平常運転と言えば、平常運転ではある・・・薫子ではあるが、さすがに常識人の紫子が、全力で待ったをかける。

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