ガールズ&パンツァー みほのお見合い大作戦   作:ジャーマンポテト

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 みなさん、おはようございます、こんにちは、こんばんは、お疲れ様です。


第5章 大洗戦車道チーム集結

「到着ぜよ!」

 

 香川県高松市高松港に足をつけた、大洗女子学園の戦車道カバさんチームの操縦手である、おりょうこと、野上武子が第一声を上げた。

 

「香川と、言えば!」

 

 大洗女子学園の戦車道カバさんチーム・リーダー兼装填手である、カエサルこと、鈴木貴子が続く。

 

「讃岐うどん!!」

 

 大洗女子学園の戦車道カバさんチームの車長兼通信手のエルヴィンこと、松本里子が、腕を組みながら、言う。

 

「いや、鬼八島で有名な、女木島だろう!」

 

 大洗女子学園の戦車道カバさんチームの砲手である左衛門佐こと杉山清美が言った。

 

「「「それだ!!」」」

 

「カバさんチームたち、遊びにきた訳じゃ無いよ。西住隊長の危機なんだから!」

 

 大洗女子学園の戦車道副隊長兼アヒルさんチーム・リーダーの磯部典子が、腰に手を当てて、注意した。

 

「そうです。西住隊長が、無理やり結婚させられるかもしれないのに、もっと、危機感を持って下さい!」

 

 大洗女子学園の戦車道副隊長兼ウサギさんチーム・リーダーの、澤梓も続く。

 

「おお、そうだったぜよ」

 

「私とした事が・・・」

 

「一生の不覚」

 

「ここは切腹して、詫びなければ」

 

 4人が、それぞれに反省の色を出した。

 

「いや、そこまでしなくても・・・」

 

「わかってくれればいいんです」

 

 典子も、梓も、相変わらずな対応に、やれやれといった感じで、対応した。

 

「でも、キャプテン。高松って、滅多に来れるところじゃないですよ。後で観光は、駄目ですか?」

 

 アヒルさんチーム砲手である、佐々木あけびが聞く。

 

「何でも、香川には、全国でも指折りの水族館があるそうです。香川を訪れたら、是非、一度、その水族館に足を運んでくださいと、書いてあります」

 

 アヒルさんチームの操縦手である、河西忍が提案する。

 

「他にも観光名所が、いくつもあるそうです。もっと、時間があれば香川だけでは無く、四国4県も、観光したいところです」

 

 アヒルさんチームの通信手である、近藤妙子が、四国の名所が記載されたパンフレットを見ながら、言う。

 

「以前、高知港には入港した事があったけど、高松港には、学園艦は入港した事がないから・・・色々な観光名所があるって!」

 

 ウサギさんチームの副砲手である、大野あやが、スマホのネット情報を検索しながら、つぶやく。

 

「どんなの?」

 

 ウサギさんチームの主砲手である、山郷あゆみが、興味津々と表情で聞く。

 

「やっぱり、うどんだ!」

 

 ウサギさんチームの操縦手である、阪口桂里奈が、叫ぶ。

 

「色々と、回りたいな・・・」

 

 ウサギさんチームの通信手兼主砲装填手の、宇津木優季が、嬉しそうに言う。

 

「四国八十八か所・・・」

 

 ウサギさんチームの副砲装填手である、丸山紗季が、ボソっとつぶやく。

 

「バッカモ~ン!!!」

 

「観光旅行じゃ、無いから!!」

 

 典子と梓の、怒号が響く。

 

「あははは・・・」

 

 そんな光景を見ていたみほが、乾いた笑みを浮かべる。

 

「どうして、こうなったんだろう・・・」

 

 みほが、大洗女子学園の戦車道受講生全員が、ここにいる事を確認して、つぶやく。

 

「どうしてでしょう・・・?」

 

 優花里が、答える。

 

 

 

 

 数日前、大洗女子学園。

 

「な、な、な、何、これ!!?」

 

 みほは、新聞部が出した校内新聞の記事を見て、絶叫した。

 

 記事には、『大洗女子学園戦車道隊長、西住みほ、政略結婚の危機!学校を廃校にしようとした文科省役人の陰謀か?』と、でかでかと書かれていた。

 

 みほは、いつものように沙織、華、優花里、麻子の4人と学校に登校すると、正門に副隊長の磯部典子と澤梓たち戦車道チームの面々が並んでいた。

 

「西住隊長!政略結婚させられるって、本当ですか!?」

 

 最初の一声は、典子だった。

 

「え?えっ?」

 

 みほの目が、白黒する。

 

「嫌です!西住先輩。先輩がいなくなったら、私たち、どうなるんですか!!?」

 

 梓が、目を真っ赤にして泣きながら、みほの手をとる。

 

「え、どうしたの?皆?政略結婚って?何?」

 

 みほには、まったく状況が飲み込めない。

 

「学校新聞です!!西住隊長、見てください!!」

 

 忍が、新聞を見せる。

 

 沙織、華、優花里、麻子の4人も覗き込む。

 

「「「・・・・・・」」」

 

 麻子は、先ほどまで眠っていたが、騒動で目が覚め、新聞を確認した。

 

「これは、どういうことぜよ?」

 

 おりょうが、質問する。

 

「詳しい話を、聞かせてくれ」

 

 左衛門佐も続く。

 

「何で、お見合いが政略結婚になっているの?まあ、政略結婚と言われれば、それに近いかも・・・」

 

 みほは、新聞の記事を見ながら、冷静に分析する。

 

「おい、沙織」

 

 麻子が、ジトーと沙織を見る。

 

「わ、私、悪くないもん!」

 

 沙織が、叫ぶ。

 

「え?沙織さん?」

 

「もしかして、この騒動の張本人は、武部殿だったですか?」

 

「気持ちもわかりますが、みほさん本人の了承なしで、言いふらすのは、よくないと思います」

 

「すまん、西住さん。あの時、止めるべきだった」

 

 みほが、きょとんとした顔で沙織を見る。

 

 事の発端を悟った、優花里と華が沙織を見る。

 

 沙織の代わりに、麻子がみほに頭を下げる。

 

「ごめん、みぽりん。事実だけを言ったつもりが、こんな事態になるなんて思わなかったよ・・・」

 

 沙織が、頭を下げる。

 

「事実?ほとんど沙織の私情が入って、盛って盛りまくった内容だったぞ」

 

 麻子が呆れた顔で肩を竦める。

 

「みんな、ごめ~ん」

 

 沙織が他の戦車道チームの面々に頭を下げる。

 

「え?先輩?」

 

「どうしたんですか、盛り盛りって?」

 

 代表して、梓と典子が質問する。

 

 みほ、沙織、華、優花里、麻子の5人は、他の戦車道チームの面々に、詳しい事を伝える。

 

 事実を知った一同は、胸を撫でおろしたようにため息をついた。

 

「つまり、ここに書かれているのは、武部さんによって、捏造された内容だったという事?」

 

 サメさんチームのチーム・リーダーである、竜巻のお銀が、一同を代表して再確認をする。

 

「でも、お見合いと言っても、政略結婚させられる可能性も、あるにゃ」

 

 アリクイさんチームのチーム・リーダーである猫田さんこと、ねこにゃーが、つぶやいた。

 

「そうかもしれない・・・」

 

 みほも、頭を悩めながら、つぶやいた。

 

 それを聞いた典子が、声を上げる。

 

「明日からの春休み、全員で突撃しましょう!そして、相手の天満流後継者の男子に根性で、断りましょう!」

 

「そうです!知波単の吶喊精神です!!!」

 

「「「吶喊!!吶喊!!吶喊!!」」」

 

 典子の言葉に、他の面々も声を上げる。

 

「はい!行きましょう、先輩!」

 

 梓も、乗る。

 

「ちょっと、みんな・・・」

 

 みほが、困る。

 

「おい、沙織。みんなが、とんでもない方向に行こうとしているぞ」

 

「うぅ~・・・こんな事になるなんて、思わなかったよ・・・」

 

 

 

 

「やぁ、西住ちゃん。ようやく来たね」

 

「お前ら、遅いぞ!どんなに待たせるんだ!」

 

「桃ちゃんが、早く来すぎたんだよ」

 

 みほたち一行を出迎えたのは、今月に大洗女子学園を卒業した、3年生たちだった。

 

 最初に声をかけたのは、大洗女子学園前生徒会長であり、元カメさんチームのチーム・リーダーである角谷杏、前生徒会広報である、元カメさんチームの砲手兼装填手の河島桃、前生徒会副会長、元カメさんチームの操縦手である、小山柚子の3人だった。

 

「会長たちが、どうしてこちらに?」

 

 みほが、大学への入学準備等で忙しいであろう、杏たちに質問した。

 

「会長は、よしてよ。もう、卒業生だし、会長は五十鈴ちゃんだから」

 

 杏が、鼻を掻きながら、笑った。

 

「おぉ~そど子。会いたかったぞ~」

 

 麻子が、元風紀委員である、元カモさんチームのチーム・リーダーの、園みどり子に抱き着いた。

 

「ちょっと!離しなさいよ!」

 

 そど子が、抱き着いてきた麻子をはがす。

 

「久しぶりだぴよ」

 

「おお、久しぶりだにゃ~」

 

「久しぶりナリ」

 

 元アリクイさんチームの砲手兼装填手のぴよたんが、卒業後、一度も顔を合わせていない2人のネットゲーム仲間であり、チームメイトと再会を果たす。

 

 ねこにゃーと、アリクイさんチームの操縦手である、ももがーが、喜ぶ。

 

「僕たちも、いるよ」

 

 大洗女子学園自動車部兼戦車道チームの、元レオポンさんチームの3人もいる。

 

「何て言うか、西住ちゃんが、文科省の役人の策略で、政略結婚させられるって話を聞いて、みんな、居ても立っても居られず、ここに来ちゃったんだよね」

 

 杏が代表して、言った。

 

「そ、そうですか・・・」

 

 みほが、苦笑する。

 

「おい、沙織!」

 

「沙織さん!」

 

「武部殿!」

 

 麻子、華、優花里が、ジトーと沙織を見る。

 

 沙織とみほ以外のアンコウチームだけでは無く、他の戦車道チーム(3年生以外)からの視線も痛い。

 

「わ、私、悪くないもん!話を勝手に盛り上げた、新聞部が悪いだもん!」

 

 沙織が、釈明する。

 

「他人のせいにするな!!」

 

 麻子が、一喝する。

 

「そもそも、自分の私情を盛り込んで、余計な事まで言った、沙織さんが悪いんです」

 

 華が、続く。

 

「武部殿が発端です。責任は、取るべきでは無いかと・・・」

 

 優花里も、続いた。

 

「み、みんな。沙織さんだって、悪気があった訳じゃないし、私がちゃんと説明しなかったのも、悪いんだから・・・」

 

 みほが、庇うように、沙織の前に出る。

 

「うぅ~・・・ありがとう、みぽりん」

 

「ふ~ん。つまり、私たちが聞いた話は、武部ちゃんが勝手に盛り上げたって内容って事?」

 

 杏が、つぶやく。

 

「おい!詳しく話を聞かせろ、武部!私たちは、昨日の朝から、ここにいるんだぞ!」

 

 桃が、手を腰に当てて、叫ぶ。

 

「それは、桃ちゃんのせいだよ」

 

 柚子が、にっこりと嗜める。

 

「柚子ちゃ~ん」

 

 桃が、泣く。

 

「それは・・・その」

 

 沙織が、しぶしぶと、事の次第を説明する。

 

 説明を聞いた卒業生たちは、一斉にため息をついた。

 

「そうか、そうか・・・ほとんど武部ちゃんが、事実を捏造して話を大きくしたんだ・・・」

 

 杏がうんうんと、うなずきながら、つぶやく。

 

「ごめんない。まさか、こんな事になるなんて、思わなかったんです」

 

 沙織が、頭を下げる。

 

「それは仕方ないよ。誰も、そんな大事になるとは思わないよ・・・」

 

「会長~・・・」

 

「でもね」

 

 杏の笑顔が、消えた。

 

「きちんと、落とし前は付けないと」

 

「え~と、それはどういう・・・」

 

「帰ったら、アンコウ踊りね」

 

 杏が、にっこりと笑う。

 

「なっ!?」

 

「もちろん、1人で・・・」

 

 杏の言葉が、死刑宣告のように響く。

 

「1人で、アンコウ踊りなんて!一生、恋愛出来ない!!」

 

 沙織が、この世の終わりのような叫び声を上げる。

 

「みぽりん。一緒に踊ろ~」

 

「それは・・・嫌かな」

 

「華~」

 

「責任は、1人でとって下さい」

 

「ゆかり~ん」

 

「嫌ですよ」

 

「麻子~」

 

「自分のしでかした事ぐらい、自分で解決しろ」

 

 沙織は、4人に助けを求めるが、誰も承諾しない。

 

「誰か~」

 

 沙織が他の戦車道チームの面々に助けを求めるが・・・

 

「・・・・・・」

 

 全員が無言で、プイと顔をそらす。

 

「え~と・・・」

 

「どうしようか・・・」

 

「私たちの先輩だし・・・」

 

「ここで見捨てたら・・・」

 

「後が悪くなるかも・・・」

 

 新しいメンバーたちが、困惑した顔で、お互いの顔を見合わせる。

 

 無限軌道杯の優勝の後、文科省が各学園・・・特に、一定数の戦車を保有していない学園戦車道又は戦車道が無い学園で戦車道を始める学園に、戦車の無償提供を行った。

 

 大洗女子学園にも、6輌の中戦車及び軽戦車、快速戦車が無償提供された。

 

 しかし、戦車だけあっても、それを運用できる人員がいないため、みほたちは新たに戦車道受講生を募った。

 

 特に3年生が卒業した戦車に、優先的に人員を配置したが、さらに5人の1年生(来月の4月で2年生)たちが、戦車道の受講を希望してきた。

 

 そのため、文科省から無償提供された戦車6輌のうち、1輌の中戦車であるⅢ号戦車に、その人員を配置した。

 

 沙織のお願いに、オロオロしているのは、Ⅲ号戦車の搭乗員たちである、イノシシさんチームである。

 

 イノシシさんチームの編成は、以下の通りだ。

 

 リーダー兼車長の干川麻希(ほしかわまき)。

 

 装填手の須藤美咲(すどうみさき)

 

 砲手の辻並紬(つじなみつむぎ)

 

 通信手の堀唯花(ほりゆいか)

 

 操縦手の久藤亞美(くどうつぐみ)

 

「大丈夫。先輩が、自分で蒔いた種なんだから・・・」

 

 梓が、声をかける。

 

「澤副隊長」

 

 同じ1年生であるが、麻希は、梓との面識は無い。

 

 戦車道の受講を希望した理由も、単に同じ1年生である梓たちが、すごくかっこよかったからだ。

 

「貴女たちも、先輩の尻拭いをしようと考える必要は無いよ」

 

 梓が、優しく語りかける。

 

「そうだよ。これは武部さんが勝手に話を盛り上げた結果だから、干川さんたちも、責任を感じる必要は無いよ」

 

「磯部副隊長・・・」

 

 典子が優しく声をかけると、干川たちが目を丸くした。

 

「どうしたの?」

 

 典子が、首を傾げる。

 

「いえ、その・・・磯部副隊長が、私たちに優しく接してくれるなんて、無かったですから・・・」

 

 美咲が、告げる。

 

「ちょっと、美咲!」

 

 亞美が叫び、紬と唯花が美咲の口と鼻を押さえる。

 

「うぐっ!?む~!?む~!?」

 

「貴女は、いつも一言余計なのよ!」

 

 亞美が、叱る。

 

「すいません。副隊長!後で言っておきますから」

 

 干川が、頭を下げた。

 

「あははは」

 

 典子が、笑った。

 

「別に気にしてないよ。厳しくしているのは、私が副隊長だから」

 

「え?でも、澤副隊長は・・・」

 

「澤さんは、次期隊長だからね。汚れ役を引き受ける必要は、無いだけよ」

 

「「「磯部副隊長・・・」」」

 

 典子の言葉に、イノシシさんチーム一同は、キラキラと尊敬の眼差しを向ける。

 

 それは、さておき・・・

 

「嫌だぁぁぁ!!アンコウ踊りは、嫌だぁぁぁ!!」

 

 沙織の叫び声で、場の空気が掻き消された。

 

「まあ、連帯責任という事で、当然、アンコウチーム全員でね」

 

 杏の言葉に、沙織以外のアンコウチームが凍り付いた。

 

「そんな!?」

 

 みほが、叫ぶ。

 

「私たちも、ですか!?」

 

 優花里が、叫ぶ。

 

「横暴です!」

 

 華が、叫ぶ。

 

「何でだ!?」

 

 麻子が、叫ぶ。

 

「イエ~イ!!!」

 

 沙織が、ガッツポーズをする。

 

「待って下さい!」

 

 典子が、叫ぶ。

 

「西住隊長が、躍るなら!」

 

 梓が言おうとした時、全員が叫んだ(話についていけないイノシシさんチームは除く)。

 

「「「私たちも全員で、踊ります!」」」

 

「何、この差は・・・」

 

 その光景を見た沙織が、凹むのであった。




 次回の投稿は9月末を予定しています。
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