ガールズ&パンツァー みほのお見合い大作戦 作:ジャーマンポテト
3ヵ月ぶりの投稿になります。
のんびりと書いていこうと思っています。
よろしくお願いします。
「それでさぁ~・・・西住ちゃん」
「はい?」
杏が、みほに振り返る。
「天満流家元って、どんな人?」
「どんな人って・・・」
みほは、どう説明するかで悩む。
「蝶野教官に、聞いたんだけどさぁ。西住ちゃんの、お母さんの西住流家元さんや、島田流家元さんでも頭が上がらない程、すごい人って、本当?」
「みぽりん。それって、本当!?」
「本当なのですか!?」
「あの2人よりも、すごい人なんですか!?」
「西住さんの、お母さんや島田流家元も、すごい人だったが、それを上回るのか!?」
沙織、華、優花里、麻子の4人が驚愕の声を上げる。
「それって・・・」
「とても厳しい人なんじゃ・・・」
典子と梓が、つぶやく。
「やばいって、みぽりん!顔を合わせただけで、殺されるかも!」
沙織が、顔を青ざめさせながら、絶叫する。
「そんなに、やばい人なのですか!?」
優花里が、叫ぶ。
「家元ですし、ある程度の厳しさは、必要かと思います・・・」
華が、落ち着いた口調で述べる。
「て、言うか・・・誰も、そんな事を考えなかったのか?」
麻子が冷静な口調で、告げる。
「お前等!それが、どうした!!西住の危機なんだぞ!!相手が、どんな厳しい人でも所詮は年増に過ぎん!!どんと構えろ!!」
桃が、喝を入れる。
「それで・・・どうなの、西住ちゃん?」
杏が、周りの意見に惑わされず、みほに聞く。
「そんなに厳しい人では無いですよ。どちらかと言うと、とっても優しい人と言うか・・・まあ・・・嵐みたいな人です」
「へぇ~嵐みたいな人って、どういう事?」
杏が、みほの説明を受けながら、疑問が思い浮かんだため、疑問部分を聞いた。
「みほさん!」
「愛里寿ちゃん?あっ!」
みほは自分を呼ぶ声に振り向くと、大学選抜チーム大隊長の島田愛里寿が、ポコのぬいぐるみを抱いた状態で、駆け寄って来た。
愛里寿の後ろから歩いて来る1人の女性と、随行者に気付いたみほは、それが誰なのかわかった。
「あらあら、お久しぶり~みほちゃん。大きくなったわね~」
その女性は、むぎゅ~!とみほを抱きしめる。
「!?」
みほは、ものすごい力で締め付けられて、息が出来なくなった。
「みほちゃん。元気~?おいしいご飯食べている~?きちんと栄養をとって、規則正しい食事をしている~?」
その女性は、みほを抱きしめた状態で、みほをブンブンと振り回す。
「む~!!む~!!」
みほが、もがく。
「うんうん。きちんと規則正しい食生活を送っているのね~!」
女性が、うんうんと頷く。
「さつきおばさん。みほさんが死んじゃう」
愛里寿が、止める。
「あら、ごめんなさい~」
女性が、みほを解放する。
「ゲホッ!!ゲホッ!!ゲホッ!!」
みほが激しく咳き込む。
「大丈夫。みぽりん?」
沙織が、背中をさする。
「大丈夫ですか、みほさん?」
華が駆け寄る。
「西住殿。お水をどうぞ」
優花里が水筒のコップに水を淹れる。
「しんどいのなら、近くのベンチで休むか?」
麻子がベンチを探しながら、告げる。
「え~と。島田ちゃん。この人は?」
杏が、愛里寿に聞く。
「天満流家元の天満さつきおばさん」
愛里寿が、短く説明する。
「そうなの~天満流家元をやっている、天満さつきよ~」
「「「・・・・・・」」」
大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生たちが、言葉を失う。
「しほちゃんから、話を聞いているわ~うちの息子に話があるって~?」
「はい、そうなんです」
復活した、みほが答える。
「でもぉ~・・・その前に~・・・」
さつきが、桃を睨む。
「ひぃぃぃぃ~、柚子ちゃ~ん!」
桃が泣きながら、柚子に抱き着く。
「桃ちゃんが悪いよ・・・」
柚子が嗜める。
「さて、遊びはここまでにしといて~」
さつきが、笑みを浮かべる。
「尚弥は、今は日本原演習場にいるから~そこまで行ってね。もちろん、送り迎えのバスは用意しているよ~」
さつきが指差す方向に、大型バス1台とバスガイドが、2人立っていた。
ガイドさんの手には、『大洗女子学園戦車道御一行様』と書かれたプラカードが掲げられている。
「あの、どうして2人も、バスガイドさんがいるのですか?」
みほが、質問する。
「う~んとね。それは、香川県と岡山県の2県の観光案内を、するからだよ~・・・だから、バスガイドさんも、香川県担当と岡山県担当のバスガイドさんを用意したの~・・・後~運転手さんも、同じく~」
「JRか・・・」
麻子が、突っ込む。
「はぁ~・・・」
みほは、さつきからの説明を聞き、ため息を吐く。
「あの~私たちは、そんなにゆっくりと過ごす余裕は、無いのですが・・・」
桃が怯えた口調で、告げる。
「みほちゃんたち、春休みでしょう。なら、大丈夫!少しぐらい観光旅行をしても問題無い~・・・うんうん」
さつきは、何度も頷く。
「もちろん、旅費や着替え代は、全額、私が負担するから~・・・」
さつきが、胸を叩く。
「でも、引率者も無い状態で学校の許可無く、私たちだけで、お泊りというのは・・・」
華が生徒会長として、危惧を述べる。
「大丈夫~!ちゃんと、引率者を用意しているから~!」
さつきが、手を振る。
「みんな!香川県は見るところがいっぱいあるから!こういう時に羽目を外さないと損よ!」
大洗女子学園戦車道教官である蝶野亜美1等陸尉が手を振りながら、叫ぶ。
「何で、私まで・・・」
元文科省の役人が、沈んだ様子で、ボソボソとつぶやく。
「あ~!貴方は!?」
「「「文科省の役人!!」」」
大洗女子学園戦車道受講生及び卒業生が、声を上げる。
「よく、私たちの前に顔が出せたね!」
杏が刺すような口調で、文科省役人に告げた。
「大洗女子学園を廃校に出来なかったからといって、今度は、西住隊長を勝手に結婚させるなんて、ひどいです!」
梓が怒りを露わにして、叫ぶ。
「いささか誤報が飛び交っているようですが、私が西住みほさんを無理やり結婚させる訳ではありません。これは双方の親御さんが合意した結果です。それに、西住みほさんには、拒否権も当然ながらあります。もちろん、大学を卒業してからの話です」
「大学卒業?」
杏が、反応する。
「ちょっと聞きたいんだけど?」
杏が、役人に質問する。
「何でしょう?」
「西住ちゃんの結婚は、大学を卒業してから?」
「そう言いました」
杏の質問に、役人が頷いた。
「・・・武部ちゃん」
杏が、ニッコリする。
「ひぃぃぃ~!!」
沙織が、怯える。
「私たち、その話は聞いてないよ。それどころか、高校を卒業したら、即、結婚をさせられるって、聞いたけど・・・」
「そ、それは、新聞部が、勝手に・・・」
沙織が、狼狽える。
「「「・・・・・・・」」」
卒業生からの刺すような視線が、沙織に集中する。
「ご、ごめんなさい・・・」
沙織が、頭を下げる。
「みなさん!沙織さんも悪気があった訳ではないです。アンコウ踊りで、罰を受けますから、許してあげてください。お願いします!」
みほが、頭を下げる。
さすがにみほに頭を下げられては、杏たちも許すしか無い。
「うんうん。みほちゃんも立派になったね~感心、感心~」
さつきが、うんうんと頷く。
「あっ!おばさん!忘れていました。これ、大洗のお土産です」
みほが思い出したかのように、お土産が入った紙袋を渡す。
「あらあら。何~?また、ネズミ~?」
「違います!」
さつきが、からかうような口調で言うと、みほが叫ぶ。
「もう!おばさん!忘れていたのに。どうして、思い出させるんですか!?」
みほが、プンプンと怒る。
「あははは~ごめん、ごめん、みほちゃん。でも、それが物凄く印象に残っているから~」
さつきが、笑顔で爆弾を投下する。
(((ネズミ!!?)))
大洗女子学園戦車道受講生と、卒業生たちの心中に疑問符が浮かぶ。
「あら?貴女たちは、知らないの~?みほちゃんの昔話~?」
「知らないです。ネズミって、何ですか?」
沙織が、手を挙げる。
「それはね~・・・」
「ワー!ワー!言わないで、おばさん!」
みほが、顔を真っ赤にしながら叫ぶ。
「どうしようかな~・・・でも、みほちゃんのお友達や先輩、後輩たちは、聞きたいようだけど~」
「お願い!おば・・・ムグゥ!ムガ、ムガッ!!」
沙織、華、優花里、麻子の4人が、みほを押さえる。
「みぽりん。ちょっとだけ、おとなしくしてね」
「みほさん。私たちは、もっとみほさんと仲良くなりたいんです」
「西住殿。助けてあげたい気持ちもありますが、私たちの知らない西住殿を知れるという、誘惑には勝てません」
「諦めろ」
沙織、華、優花里、麻子の順番で、みほに味方がいない事を教える。
「ム~!ム~!」
みほが、杏に助けを求める。
「残念だけど、西住ちゃんの行動を見て、私も、知りたくなった。西住ちゃんの昔話」
杏も、味方にならない。
みほは、典子に顔を向ける。
「西住隊長!根性です!」
典子の意味のわからない回答に、味方では無いと悟る。
梓に、顔を向ける。
「みなさ・・・ムグ!」
梓が、みほの味方になろうとしたが、うさぎさんチームに押さえ込まれる。
「梓。おとなしくしていてね」
あゆみが、梓の耳元に囁く。
「拘束!」
桂里奈が、叫ぶ。
みほは、1人を除いて、味方がいない事を悟る。
「それでは、お願いします~!!」
沙織が、叫ぶ。
「みほちゃんが、幼い時にね。うちに遊びに来たの~今も飼っているけど、当時、猫ちゃんをたくさん飼っていたの~そしたら、みほちゃんが、ネズミを一杯入れた箱を、私に渡したの~お土産だよ~って、言って~・・・」
さつきは、面白そうに笑いながら、説明する。
「みほちゃんは、おばさんのお部屋で開けてねって、言ったの~」
「あ~」
麻子が、察したように声を漏らす。
「・・・だいたい想像が、ついたね」
杏が、つぶやく。
「地獄絵図・・・」
桃が、足をガクガク震わせながら、想像する。
「みほちゃんに貰ったお土産をお部屋で開けると、ネズミの大軍が部屋を駆け回ったの~そしたら、飼い猫ちゃんたちが、ネズミを追いかけて駆け回り、私の部屋が地獄絵図になったの~!あ~懐かしい、懐かしい~」
「うわぁ~・・・」
沙織が、その時の光景を想像しながら、顔を青褪めさせる。
「凄まじい光景ですね・・・」
優花里も、想像する。
「私の予想を、遥かに超えましたわ」
華も、つぶやく。
「うぅ~」
みほが顔を真っ赤しながら、うつむく。
「私も、みほさんの幼い頃を家元に聞いた事がありますから、ある程度に想像が出来ました」
亜美が、頷く。
「とんでもない地獄絵図ですね・・・」
文科省の役人が、顔を青褪めさせながら、つぶやく。
「その悪戯は、何が目的だった?」
お銀が、首を傾げる。
「恐らく、家元のギャーが目的だった・・・」
カトラスが、つぶやく。
「・・・くすん、くすん・・・」
隅の方で、みほが小さくなっていた。
「・・・泣いちゃったよ」
沙織が、みほの後ろ姿を見ながら、つぶやく。
「少し、調子に乗り過ぎてしまいました・・・」
華が口元に手を置いて、反省した表情で、つぶやいた。
「西住殿~」
優花里が、駆け寄る。
「悪かった・・・」
麻子が謝罪する。
「少し、悪ノリをし過ぎた。沙織が、調子に乗るから・・・」
「え、私のせい?」
麻子の言葉に、沙織が驚く。
「すみません~西住隊長。武部さんの隠れお願いに勝てなくて、乗ってしましました・・・」
典子が、駆け寄る。
「もう~みんな!」
拘束を解かれた梓が、腕組みをして睨む。
「ごめ~ん。梓」
あやが、手を合わせる。
「武部先輩に頼まれたら、どうしても断れなかって」
あゆみが、手を合わせる。
「悪ノリしちゃった!」
桂利奈が、テンション高めに叫ぶ。
「これだと、またカレシに振られちゃう~・・・」
優季が、つぶやく。
「・・・・・・」
紗季が、いつの間にか、みほのすぐ側で優しく頭を撫でている。
「あぁ!?ずる~い!!紗季!!」
梓が、叫ぶ。
「ど・・・どうして、みんな、私のせいにするの?」
理不尽と言えば、理不尽だ。
すべて自分のせいにされている沙織が、不満顔で反論する。
「あら、違うのですか?」
華が、首を傾げる。
「違うわよ!」
「そうですか?武部殿?」
優花里が、沙織の言葉を追及する。
「潔く認めるのも、モテ道だ」
麻子が、さりげなく棘のような口調で言い放つ。
「うぅ~確かに・・・私が、最初に乗ったような、乗らなかったような・・・」
「そう!全部、武部ちゃんが悪いで、解決!」
杏が、干し芋をかじる。
「ごめ~ん。みぽりん、私が悪かったよ~」
沙織が、みほの元に駆け寄って頭を下げる。
「うんうん。いい友達ね。みほちゃん、とっても幸せ、幸せ~」
その光景を見ながら、さつきが、うんうんと頷く。
「家元」
随行の黒のスーツに黒のサングラスをかけた、強面の男が自分の腕時計を、つんつんと突きながら、さつきに声をかけた。
「えぇ~!!もう少し、みほちゃんと、みほちゃんのお友達と、お話がしたい~」
さつきが、駄々をこねる。
「ダメです。そろそろ行きませんと、約束のお時間に遅れます」
「ケチ!!」
男の言葉に、さつきはムスッとする。
「ご子息様の尚弥様は、きちんと約束をお守りするのに、母親の家元様が約束を守らないとなれば、よそ様に顔向け出来ません」
「わかった、わかった。今、行くから~」
さつきが観念したように、手を挙げる。
「みほちゃん。じゃあ、私は、約束があるから、ついては行けないけど、後は、亜美ちゃんに任せているから~後は宜しく~」
「はい、任せてください!」
亜美が、胸を張る。
「あの・・・私は・・・?」
元文科省の役人が、オズオズと問いかけてくる。
「あ~・・・どうでもいい~」
「・・・・・・」
「じゃあねぇ~バイバイ~」
さつきが手を振り、随行者と共に黒い車に乗る。
「いや~さすがに、ある意味、嵐のような人だったね~」
杏が、次の干し芋を食べながら、つぶやく。
「嵐というより・・・」
桃の後に柚子が、その続きを告げる。
「台風のような人でした」
「そうでしょう、そうでしょう」
亜美が、頷く。
「でも、西住家元、島田家元が、すごく尊敬して信頼している人なの。その2人の家元を引っ張っていくのが天満家元なの」
亜美の説明に、杏が頷く。
「あれだけ、凄い人だったら、それも納得だね」
「さあ、みなさん。行きましょう」
いつの間にか復活したみほが、みんなを引っ張る。
「おぅ!西住ちゃん。復活だね。安心、安心」
杏が、うんうんと頷く。