笹の葉の少女は幸せを願う   作:日々草

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笹の葉の少女は原作主要キャラと出会う(求婚される)

「.....次は...あの屋敷か....。」

「お兄ちゃん.....。」

「炭治郎......。」

 

 

私達は珠世さんと別れ、狐面をつけた状態で次の目的地に向かった。炭治郎は目的の屋敷が見えてくると切なそうに遠くに見えるあの屋敷を見ていた。禰豆子も私もそんな炭治郎の様子を心配そうに見ていた。何故あの屋敷を切なそうに見ているのか.......それはこの後の原作の話の流れとあの屋敷を見たらすぐに分かる。鬼舞辻無惨との接触と珠世さんと兪史郎さんとの出会い(いや、再会かな....?)も終わり、次は鼓屋敷に行く話だ。

 

この話は.....炭治郎の同期である我妻善逸と嘴平伊之助との最初の合同任務の場所...つまり、炭治郎と禰豆子にとっては思い出の場所の一つなのだが....今はあまり思い出したくないのかもしれない.......。善逸と伊之助がしたことを考えると、あの時は楽しかった.....それなのになんで....というのが炭治郎の心情かな......。実際に炭治郎がどう思っているのかは分からないが、明るい気持ちにはならないよね...。

 

 

「この屋敷だよ。」

「....そう。」

 

 

しばらく歩いて、私達は屋敷の前に着いた。原作では分からなかったけど......思ったよりも大きくて良い屋敷ね.....。

 

 

「炭治郎。この屋敷の中に鬼は何人くらいいる?」

「大体....四、五人かな...。」

 

 

私の質問に炭治郎は答えてくれた。私は炭治郎の言葉を聞いて考えた。

 

原作では鼓屋敷にいるのは三人だったはず.....。....そういえば.....伊之助は屋敷から出られなくて屋敷の中にいたんだよね.....。それなら....原作では伊之助が何人か鬼を斬っていて......それで最後にあの三人が残ったのかもね..。とりあえず、伊之助と善逸がいない今、増えた鬼の人数分をどう動くか考えようかな.....。......ってあれ?確か...この時、この屋敷の近くには........。

 

 

「「ひっ!?」」

 

 

私が辺りを見渡すと、木の影に隠れていた男の子と女の子と目が合った。その二人は私と目が合い、悲鳴のような声をあげた。

 

....二人の状況を考えると当たり前だが.....地味に傷つくな....。

 

 

「こんにちは。」

「「..........。」」

 

 

私が二人に近づき、視線を二人に合わして優しく挨拶するが、二人は警戒して黙ったままだった。まあ......この反応は予想していたので、別に気にしてない...。ただ、原作と話が違うのかもしれないし、確認はしておかないとね.....。そのために、二人を落ち着かせないと.......。

 

 

私は近くの葉を取り、狐のお面を外して葉を口につけた。そして、私は草笛を....アニメの鬼滅の刃のエンディング曲の『from the edge』を吹いた。吹き終わると、二人は吹く前よりも落ち着いていた。落ち着いたところを見計って、私は二人に屋敷のことを聞いた。二人のお兄さんが鬼を捕まって、この屋敷に連れて行かれたこと.....お兄さんは清という名で柿色の着物を着ていること....二人の名前が正一とてる子だということ...この屋敷まで来たのはいいけど、どうすればいいか分からずここにいたことなど.....原作と同じようなことを言っていた。私はここの話が原作とあまり変わってないことを知り、二人にここで待つように言って作っておいた藤の花のお守りを渡した。何かあっても、鬼の場合は藤の花でなんとかできるからね...。

 

 

「話はある程度聞いたから....そろそろ行こうかな......?」

「ああ....。」

「うん!」

 

 

私達はそうして鼓屋敷の中に入っていった。

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

........それで...私達が鼓屋敷の中に入って、禰豆子の箱がないから原作とは違って正一とてる子が屋敷に入って来なかったまでは良かったけど.....すっかり、そのことに気を取られていて.......私は屋敷に入ってすぐに炭治郎と禰豆子とはぐれました.....。...いや、ちゃんと気を配っていなかった私が悪いけど......タイミングが悪すぎるでしょ!だって、私が先に一歩前に出た瞬間に変わったんだよ!すぐ後ろには炭治郎と禰豆子がいたのに!確か、清が場所を入れ替える鼓を持っているんだよね?鬼が近づいてきたらそれで逃げてっていうことは鬼が近づいてきたから逃げたのだろうけど....タイミングが悪過ぎるよ!...ううっ.......仕方がないよね....。運が悪かったとしか言いようがないよね......。

 

 

私は落ち着くまで心の中で騒いだ後、気持ちを切り替えた。早く鬼の頸を斬って、炭治郎達と合流しないと!

 

 

「キシシシ!獲物が来たなあ!」

 

 

そう思っていたら、すぐに鬼が出てきた。.....この鬼は原作で出てきた三人の鬼とも全然違うな...。何をしてくるか分からないし、充分に気をつけないとね....。

 

 

「水の呼吸 参ノ型 流流舞い」

 

 

私はそう言って鬼の攻撃を避けて、鬼の頸を斬った。この鬼は異能の鬼ではなかったみたいなので、あまり苦戦することはなかった。

 

 

「おっと、いけない。忘れるところだった......。」

 

 

私はあることを思い出して懐から吹き矢を取り出した。薬を打ち込むのかというと違う。私は薬用の矢とは別の矢を吹き筒の中に入れて、鬼に向けて吹いた。すると、鬼の体に刺さった吹き矢は血を吸い上げ、中の透明だった部分が真っ赤に染まった。そう。この矢は兪史郎さんが私が吹き矢が得意と聞き、私用に吹き矢で血の採取ができるように改造し、吹き矢型の物を作ってくれた。

 

 

「.....これくらいかな?」

 

 

私は吹き矢の中がいっぱいになったのを確認して吹き矢を鬼の体から抜いた。十二鬼月じゃないし、異能の鬼でもないけど、たくさんの鬼の血が必要だからね....。私が周りを見渡していると、目の前に四角い箱を背負った猫が現れた。原作で見たから分かる。この三毛猫が珠世さんと兪史郎さんの遣いの茶々丸だ。私は茶々丸の背中にある四角い箱の中にさっき採取したばかりの鬼の血を入れた。私が鬼の血を入れると、茶々丸は歩き出してどこかに消えた。......本当に見えなくなったな....。さてと......

 

 

「美味そうな餓鬼がいるじゃないかぁ!」

 

 

私が立ち上がってすぐに別の鬼が現れた。次から次に.....。

 

 

「はあ...。まあ....ここは敵地の中なのだから、仕方ないけどね...。」

 

 

私はそう覚悟を決めて刀を抜き、鬼と対峙した。......うん?...この鬼って....原作で善逸が戦った舌の長い鬼じゃないかな?

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

 

私は原作で善逸が戦った鬼の頸を斬って血を採取した後、すぐにまた別の鬼と遭遇することになった。しかも、今度は原作で伊之助が戦った体の大きい鬼とだ。炭治郎が屋敷の中に四、五人くらいいると言っていたけど、そのうち三人と出会っている.....つまり、ほとんど遭遇しているということになるよね!もう!私、鬼との遭遇率高過ぎない!....まあ、どちらの鬼も華ノ舞いの水仙流舞でなんとかなったからね.......。舌の長い鬼は舌を斬ってから頸を斬り、体の大きい鬼は伸ばしてきた腕を避け、頸のところまで跳んで斬ったのだから、怪我一つなく終わった。水仙流舞は連続で斬れて回避もできるから使いやすいのよね....。

 

 

「餓鬼だがぁ、腹の足しにはなるなぁ......!」

「華ノ舞い 水ノ花 水仙流舞」

 

 

そして、私はまたもや鬼と遭遇してしまった。四人目の鬼が現れた時は、私はすぐに華ノ舞いを使って鬼の頸を斬った。私も四回目で流石に慣れた様子で動じずにその鬼の頸を斬って血を採取した。ちなみに、この鬼は原作では出て来なかった鬼だ。

 

 

「....茶々丸。ごめんね.....。また来てもらって......。」

「にゃあ。」

 

 

私は採取した鬼の血を再び茶々丸の背中にある箱に入れながら茶々丸に声をかけた。茶々丸は気にしないでと言うように鳴き声を上げた。二回目も三回目も勿論血を採取した。...それにしても、あの体の鬼は割と戦いやすかったな......。原作での伊之助の的が大きいから斬り甲斐があるとか言っていたのは、少し同意できたな....。吹き矢を当てるにはとても良い的だと私も思ったよ.....。

 

 

「......ここまで鬼しか会ってないよー。会いたいのは炭治郎と禰豆子なのに....なんで鬼に四回も遭遇しないといけないのよ.....。本当に鬼との遭遇率が高すぎではないですか...。」

 

 

私がそう言いながら歩いていると、どこからか音が聞こえてきた。誰かが戦っている音だ。....この屋敷には四、五人の鬼がいて......私がそのうちの四人の鬼と遭遇したから、残りは一人...。その中で原作の話と合わせると.....残る鬼は鼓を体中に生やした鬼の響凱ね......。....つまり、炭治郎が戦っているのかな?...このまま行くと、炭治郎と響凱の戦いのど真ん中に出るよね.......。首を突っ込んでいいのかな.........あっ!騒がしかった音が聞こえなくなっている!戦いが終わったのかも.....。

 

 

私はそう考えて炭治郎達がいると思われる部屋の襖を開けることにした。襖を開けると、私が思った通りに炭治郎が響凱に小型の注射器を投げ、血を採取していた。響凱は元とはいえ下弦の陸だったわけだから、他の普通の鬼よりも血は濃いと思う。

 

 

「炭治郎!やっと会えた!」

「彩花!?無事だったか?」

「大丈夫。怪我もしてないよ。鬼との遭遇率が高くて、もう四回も会ったよ...。とりあえず襲ってきた鬼の頸を斬って血を採取したから、多分ここはもう鬼がいないと思う。」

「そうか。.......確かにもう鬼はいないようだな。」

 

 

私と炭治郎は互いに無事を確認し合った。私がこの屋敷にいるはずの鬼の頸をほとんど斬ったことを話し、炭治郎が匂いで鬼の気配を探し、鬼を全員倒したことを確信した。私はそれにほっとした時、近くに禰豆子がいなかったことに気づいた。

 

 

「.....禰豆子は?」

「禰豆子は家の前にいた二人のお兄さんの清を見つけて、禰豆子に清を任せてから俺が鬼と戦ったんだ。どこにいるかは分からないが、無事だと思う。」

 

 

炭治郎の話を聞いて、響凱の血鬼術で離れたところにいるのね....。まあ、あれはどこに行ったのか分からないし、禰豆子も清も無事なら良かったよ。早く合流しないとね.......。

 

私はそう思いながら炭治郎が茶々丸に鬼の血を渡す様子を見たり、辺りを見渡したりしていたその時、ふと畳の上に落ちている原稿用紙に気づいた。

 

 

......確か、響凱は小説を書いていたのよね...。そういえば、原作ではそこまで詳しく書かれていなかったから分からなかったけど、一体どんな話が書かれているのかな?

 

 

「....最初は.......これかな。」

 

 

私は好奇心に負けて畳の上に散らばる原稿用紙を集め、その内容を読み始めた。

 

 

「......い。おい。」

「.....うん?」

 

 

私が何枚か読み終えた時、響凱から声をかけられた。....どうしたのかな?

 

 

「...小生の書いたものは.....面白いか?」

 

 

感想を聞かれて、私は困った。何て言えばいいのかが分からないからだ。だって........

 

 

「......うーん...。まだ全部読み終えてないから、はっきりとは言えないけど.....話の設定は面白そうだと思ったよ。これから先の話を読むのが楽しみだよ。」

 

 

まだ読み終えてなかった私はそう言った。だって、私が今読んでいるところは話の序盤だから、これから先の話がどうなるか分からないもん。だから、どうなるか楽しみなのよね。

 

 

「......小僧....。答えろ...。小生の血鬼術は凄いか?」

 

 

私の話を聞いた後、響凱は今度は炭治郎に血鬼術のことを聞いた。

 

 

「.....凄かった...。....でも、人を殺したことは許さない。」

「....そうか........。」

 

 

炭治郎の話も聞いた後、私と炭治郎を交互に見るように視線を動かした。

 

 

「......彩花。禰豆子達が待っている。」

「うん。分かってる。ただ....ちょっと待っててね。」

 

 

早く禰豆子の元に向かおうとする炭治郎に少し待つように言い、私は周りを見渡しながら響凱が書いたであろう小説が他にもないか探した。どこか話が抜けているのは嫌だからね...。私は小説の書いてある原稿用紙を集めて順番通りに重ね、全部あるかを確認した後、背中にある背負い箱の中に入れた。薬の匂いがつきそうだけど....まあ、いいか。

 

 

「成仏してください。」

「あの世でもっとたくさんのお話を書いてくださいね。この小説は私が最後まで読みますから。」

 

 

炭治郎と私は部屋を出る前に響凱にそう声をかけ、廊下を走った。私は響凱に背を向ける時に響凱が泣いていたように見えたが、炭治郎が先を行ってしまいそうなので、炭治郎を追いかけることにした。また迷子になるのは嫌だからね。最後の方にいきなり出てきて.....消えるところを最後まで見届けられなくて申し訳ないが、あの世でも小説を書いて楽しんでください。

 

 

「禰豆子!」

「お兄ちゃん!」

 

 

私と炭治郎はしばらく走り続けた後、炭治郎がどこかの部屋の襖を開けると、禰豆子が炭治郎に抱きついた。.......炭治郎のおかげで、禰豆子に無事会うことができたよ。炭治郎の鼻....凄すぎだよ......。私もその鼻のようなものがあったら、もっと早く炭治郎と禰豆子と合流できたのかな...?

 

 

「.....こ、こんにちは....。」

「........あっ。こんにちは。足を怪我しているね........。」

 

 

清がおそるおそる挨拶して、私はその声で清のことを思い出し、清に声をかけて、清が足を怪我していることに気づいた。私はすぐに傷の手当てをするために薬を塗り、包帯を巻いた。清の足の怪我の処置を終えたその時、呻き声が聞こえた気がして、その声が聞こえた方の襖を開けると、血だらけの男性が倒れていた。私は慌ててその男性に近づいた。耳を澄ますと、心臓は動いているし、息も僅かにだがしていた。私は急いで止血剤や傷薬で傷の手当てをした。幸いなことに怪我をしてから時間がそこまで経っていなかったのか、処置が早かったのかどうかは分からないが、心臓の音も息も安定した。とりあえず応急処置はしたから、早く近くの病院に運ばないと.....。

 

 

「彩花....。その人は大丈夫か?」

 

 

気がつくと、いつの間にか炭治郎と禰豆子が抱きつくのを止めて、心配そうにこっちを見ていた。清も足を引きずりながらこっちに近づいていた。集中していて全く気がつかなかった...。

 

 

「応急処置はしたよ。今は大丈夫だけど......いつ容態が急変するか分からないから、早く病院に運ばないと.......。」

 

 

私はそこまで言った後、あることに悩んだ。

 

どうやって運ぼう.......?足を怪我している清も運ばないといけないし、炭治郎は他の人に触れられないから....私と禰豆子で運ばないといけないよね...。禰豆子はともかく....問題は私が運べるかどうかなのよね.....。頑張って体を鍛えたけど、人を運べるくらいの力がついたかどうかが微妙なんですよね....。それに、この男性は重傷だから丁寧に運びたいし、どうすれば.........あっ!

 

 

私はどうやって男性を運ぶかを考えて、前世の知識の中からあることを思いついた。

 

 

「炭治郎。棒が二本ある?この屋敷の何処かにあるといいんだけど....。」

「棒?」

「この部屋の中ならあるかもしれません。」

 

 

私が炭治郎に聞くと、清の言葉で炭治郎達が部屋の中で棒を探してくれた。私はその間に背負い箱から大きな布を出して確認した。村の人達から貰った物の中に何故かあった大きな布を持ってきていて良かった.....。あとは..........。

 

 

「彩花!あったよ。」

「ありがとう。」

 

 

炭治郎は棒を二本持ってきてくれた。私はそれを受け取ってすぐに長さを確認した。

 

......このくらいの長さなら使えるね。よし。

 

 

私は大きな布を横向きに敷いて、布の左から三分の一に棒を一本置いて折り返した。その後に折り返した辺の端に十分な余裕をとって、棒をもう一本置いて右側も折り返し、右側から折り返した布を左の棒にかけて折り返した。.....うん!これで担架の完成。

 

 

「禰豆子。この人をこれに乗せるから手伝ってくれる?私が上半身を持つから、禰豆子は足を持ってくれる?」

「うん、いいよ。」

 

 

私が禰豆子に頼むと、禰豆子は快く引き受けてくれた。

 

 

「せーの。」

 

 

私と禰豆子は私の掛け声に合わせ、男性を持ち上げて担架に乗せた。その時に私は男性の顔を見て気がついた。

 

...あれ?この人.....原作で炭治郎と善逸が鼓屋敷に入る前に、血だらけで屋敷から放り出され、地面に落ちて外に出れたのに亡くなってしまった男性じゃないかな....?

 

 

「私と炭治郎は担架でこの男性を運んで、禰豆子は清を背負ってあげて。」

「分かった。」

「うん。」

 

 

私と炭治郎は担架を持ち上げ、禰豆子は清を背負った。これなら、炭治郎も運ぶことができるし、担架で運んだ方が安定して運ぶことができるからね。

 

 

「炭治郎。なるべく水平に。それと、足の方向から進んだ方がいいから、炭治郎から進んで。」

 

 

私は炭治郎にそう言い、炭治郎はその通りに動いてくれた。何かあっても禰豆子が足技でどうにかしてしまうので、私は大丈夫そうだと思い、運んでいる男性の方を見て、容態が悪化しないかどうか見ていた。男性の容態も悪化せず、もうそろそろ外に出られるかなと思った時、突然炭治郎が止まってしまい、私は慌てて立ち止まった。どうしたのかと思って前を見ると、炭治郎の体が震えていた。隣では禰豆子が警戒している.....いや、殺気を放っている様子だったので、何か起きたのかなと思った。

 

 

「.......炭治郎。一旦、担架を下ろそう?禰豆子も落ち着いてから清を背中から下ろして。」

「.....ああ...。」

 

 

私は周りの様子から何かが起きると思った私は炭治郎に担架を下ろすように言った。炭治郎も私の言葉に反応し、タイミングを合わせて下ろした。禰豆子も清を背中からゆっくり下ろした。

 

 

「......炭治郎。どうしたの?」

 

 

私は男性の容態を確認した後、炭治郎に近づいて聞いた。炭治郎は体を震わせたまま口を開いた。

 

 

「....あいつらが.....あの二人が......来る....!」

「あの二人......?....あっ!」

 

 

炭治郎のあの二人という言葉に私は誰だろうと一瞬思ったが、原作の鼓屋敷の話を思い出してはっとした。

 

原作では炭治郎は鼓屋敷での任務で二人と出会った。それがおそらく、炭治郎の言う二人なんだと思う。それにしても.....あの二人は厄介だな......。炭治郎の鼻のように聴覚や触覚で相手のことが分かるからね...。

 

 

「炭治郎。その二人は私達のことに気がついた?」

「あ、ああ....。俺のことに気がついて、今、こっちに向かってくる...。」

 

 

あー、やっぱり来たか。でも.....今、炭治郎と禰豆子と会うのはまずいよね....。炭治郎は体が震えているし、禰豆子は今にも唸り声を上げそうだし、すぐにここから離れたい......。けど、こっちには重傷の人がいるし、清も怪我しているからほっとけないよね....。こうなったら........。

 

 

「...炭治郎。禰豆子。二人に会わないように迂回して遠くへ行って。」

「彩花は?」

「私は大丈夫よ。あの二人は私のことを知らないし、時間稼ぎもできる。それに、怪我をしている人達をこのまま放置しておけないよ。」

「.....分かった。気をつけてな。」

「うん。そっちもね。」

 

 

炭治郎と禰豆子は私の言葉に頷き、鼓屋敷の奥に走っていった。もう移動してしまう原因の鼓はないから、屋敷から出られなくなることはない。原作では表の玄関からの出入りと二階の部屋から落ちることでしか外に出れなかったけど、こんなに大きな屋敷なのだから、何処か別の場所からも出られるはず。

 

私は狐面を外しながら玄関の方を真っ直ぐ見た。もう数メートルくらいまで来たけど、一人で運べそうもないな......。....うーん......。背負い箱を下ろせば、清だけなら背負うことができるかも....。せめて、清を外に連れて行こう。外で正一とてる子が待っているからね...。早く安心させておきたい.....。

 

 

「とりあえず、先に清を外に連れて行くね。外で正一とてる子が待っているから、早く二人を安心させないとね....。ほら、乗って。」

「は、はい...。ありがとうございます.......。」

 

 

私が背負い箱を下ろしてからそう言って屈むと、清はおそるおそる私の背中に乗った。

 

....なんとか背負えたけど.....長時間は無理ね...。玄関までならぎりぎり大丈夫かも....。

 

 

私は少し足元がふらふらになりそうにながらもなんとか玄関まで辿り着いた。ほんの数メートルのはずだが......遠く感じたよ....。

 

 

「.....ごめんね。扉を開けるから、少し体勢が....。」

「い、いえ...。大丈夫です。」

 

 

扉を開けるのも苦労したよ......。清に悪くて謝ったけど....気遣ってくれて優しいよ...。

 

あれこれしてやっと扉を開けることができた私は外の光景を見て、固まった。清からもえっ!?という声が聞こえた。だって、目の前の光景が........。

 

 

「おい!」

「きゃあああ!!」

「伊之助!怖がらせちゃ駄目だろっ!あー!もう!正一君!俺を助けてくれよぉぉ!」

「な、何ですか!?」

「何してるの!」

 

 

猪の被り物をしている少年がてる子を驚かし、黄色い髪の少年が猪の被り物の少年を注意しながら正一に抱きついて助けを求め、正一は突然のことに困惑していた。私はその状況を見て、大声で叫んでしまった。

 

 

猪の被り物の少年...嘴平伊之助。黄色い髪の少年.....我妻善逸。この二人のことは原作を見ているから知っていたけど...女の子を驚かす猪の被り物の少年と年下に助けを求めて縋る黄色い髪の少年として改めて見ると...凄く衝撃的だな....。

 

 

「お兄ちゃん!」

「正一!てる子!」

 

 

私の声で正一とてる子の二人が私達に気づいて近づいてくる。私は清を背中から下ろし、正一とてる子は清に抱きついた。互いに無事を確認して涙が出ている。そうだよね...。凄く心配していたからね......。

 

 

「足を怪我しているけど、すぐに良くなるから。」

「お姉ちゃん!ありがとう。」

「ありがとうございます。」

 

 

私が三人に近づくと、三人からお礼を何度も言われた。

 

....うーん.....。と言っても...清を見つけたのも根本的な原因の響凱を倒したのも、炭治郎と禰豆子なんだよね....。私は清と男性の怪我の治療とその他の鬼の頸を斬ることぐらいしかやってないのよね...。

 

 

「おい!」

「はい?」

 

 

私が三人の方を見ていると、突然後ろから声をかけられて振り向いた。すると、いきなりの猪の被り物が目の前にあって内心凄く驚いたが、叫ぶのは踏み止まり、顔が少しひきつるくらいで止まった。

 

 

「お前!俺と勝負しろ!」

「......丁寧にお断りします!」

「なんだと!」

 

 

私は伊之助に勝負を仕掛けられたが、戦う気は一切ないことと伊之助に勝てると思えないということで断った。伊之助は誘いにのらなかった私に文句を言い、私はそれを笑って誤魔化していた。まあ、伊之助は原作で見たのと同じ態度だね....。なんか安心した...けど..........。

 

 

「.........。」

「あの.....。」

 

 

私は騒いでいる伊之助とは正反対に黙ったままこっちを見ている善逸に声をかけた。

 

....だって...私は善逸がよく騒いでいるイメージがあるのだけど......今は本当に何も喋らないから、凄く心配なんだよね...。まさか....炭治郎と禰豆子のことがバレたとか......。

 

 

「どうしましたか?」

「あの!」

「はい!?」

 

 

私が善逸に近づいて手を伸ばすと、善逸が突然私の伸ばしていた手を掴み、私は驚きながら反射的に返事をしてしまった。

 

....いきなり、何!?

 

 

「あの!」

「うん.....。」

「結婚してくれ!」

「....へっ?」

 

 

善逸の唯ならない様子に私はどうなるか分からなかったので、様子を見ていたが、善逸の言葉に私は変な声を出した後、固まってしまった。

 

 

......あー。そういえば、善逸って女の子が大好きだから、女の子に出会うと求婚してくるんだよね...。すっかり忘れてたよ.....。

 

 

 

 

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