こんにちは。今日は遅くなって申し訳ありません。最近、体調を崩していまして、今回の投稿に遅れてしまいました。
確認をしていないので、足りないところがあり、少し修正もしていくかもしれません。
それでも読んでくださる方がいるならありがたいです。
遊廓での戦いが終わり、また数ヶ月が経った。上弦の参に続いて、上弦の陸が撃破されたことで私は柱合会議にまた呼ばれた。本来は七海と禰豆雄も行くはずだが、あの時の柱合会議でのことが頭に過ぎるらしく、二人を呼ぶのは止めたそうだ。
まあ、あの二人は呼ばれても炭華との時間が減ると不満に思うだろうし、私も七海と禰豆雄があの柱合会議で色々やってしまったのは分かっているため、その判断を当然だと思っている。
それと、上弦の鬼の頸を二人も斬ったということで、柱の数は足りているが、柱に就任しないかという誘いがあった。柱からの反対はなかった。柱になれる実力があると全員が認めてくれているのだと分かり、私はそれを嬉しいと感じていた。
だが、私はその誘いを断ることにした。理由は柱の仕事をしながら七海と禰豆雄の暴走を止めるのは難しいと考えたからである。柱は鬼殺隊の幹部になるというだけでなく、担当の地域とかそういうものがあり、前よりも仕事が増えてしまうのだ。
現在の私は鍛練したり薬の調合したりしながら、鎹鴉から七海と禰豆雄が起こした問題を聞いたら止めに行き、暴走しようとしたら落ち着かせるというようなことをしている。その上で、またやることを増やされると困る。最悪、過労死を覚悟しないといけない....。
私がそう言うと、それは仕方がないと思ったらしく、柱になるのは無くなり、私は階級が柱の一つ前の「甲」になった。
ちなみに、義勇さんが自分の代わりに柱をするのはどうかと言っていたが、それなら七海と禰豆雄の暴走は義勇さんが止められますかと聞いたら大人しくなった。正直で良い。
義勇さんの発言には周りも困惑していたし、これではまた同じことを繰り返すのではないかと思い、御館様に頼んで休みを貰い、みんなで狭霧山に帰ることにした。この「みんな」というのは私、七海、禰豆雄、炭華、義勇さんの五人である。狭霧山に帰ることから分かると思うが、里帰りのようなものである。
柱合会議の時の出来事で義勇さんが柱を辞めようとしていて、このままだと柱になるべきだと私に何度も言いに来そうなので、その前に手を打っておくことにした。
それが目的なら七海達は別に来なくても大丈夫だったが、放置したら後が怖いために一緒に連れて来た方がいいと考えた。
それで、鱗滝さんと一緒に義勇さんを諭した。何度も何度も言っていたら意固地になってしまうので、少し言い回しを変えたり、色々な方法を試してみたりと工夫を凝らしていたが、やはり義勇さんの意志は変わらなかった。
私はその凝り固まった考えに頭を悩ませることになった。義勇さんが何年も『自分は水柱に相応しくない』と思っていたから、それを変えるのは容易ではないと分かっていた。
だけど、それを短期戦にしたいと思ってここへ来たのだが、やはり長期戦になることを覚悟したままの方が良かったかもしれない。ただ色々なことがあり、私がそろそろ限界になっていてしまい、この問題の解決を早めようと行動したのだ。
狭霧山に行っても、義勇さんの説得は難しいままだ。懐かしい場所に帰ってきたり、恩師である鱗滝さんと久しぶりに出会えたりしたのだから、少しは気分が上がるのではないかと思ったが、全然変わらなかった。それほど暗い気持ちの方が強いのだと分かるが。
原作の義勇さんが暗くなった原因の一つが錆兎である。
義勇さんと錆兎は同い年でもあり、一緒に稽古に励んでいた親友だった。二人は同じ時の最終選別を受け、義勇さんは最初に襲いかかってきた鬼に怪我を負わされたが、錆兎に助けられた。その後、錆兎は他の助けを呼ぶ声の方に行ってしまい、ほとんどの鬼を錆兎が一人で他にいた受験者を助けながら倒し、手鬼との戦いで刀が折れてしまい、錆兎は亡くなった。義勇さんは最初に受けた怪我により気絶していて、その間に最終選別が終わり、目を覚ました義勇さんはその時に錆兎の死を伝えられる。その時から義勇さんは七日間生き抜いたが、鬼を一体も倒せなかった自分が柱になっていいわけがないと思い込むことになった。
私は別の説得方法を考えながらその錆兎に祈った。この狭霧山には錆兎がいるので、義勇さんの前に現れてくださいと。もう本人が出た方が早いと思っていたし、私はこれを最終手段にしていた。
ここまで来たのだから、駄目でしたという結果にしたくなかったし、おそらくこの時の私は疲れていたのだろう。死者に頼りたくなるくらいには。
私は一か八かのような感じだが、一番効果がありそうなので、とりあえず寝る前に心の中で話しかけてみた。
すると、その次の日に憑き物が落ちたように(いつもより)晴々した表情になった義勇さんを見て、錆兎の偉大さを実感すると同時に感謝した。その日の朝に鱗滝さんに聞いて、錆兎の好物を作って御供えした。
本当にありがとう。
その義勇さんの騒動が落ち着いてから月日が流れ、私は現在正座した禰豆雄と七海の前に立っていた。
「禰豆雄。刀は大切に扱おうよ」
「これでも丁寧に扱っているんだ。けど、それで逃がしたら意味がないだろう」
「七海。貴女も隣にいたのだから、ちゃんと止めないと駄目でしょう」
「それよりも禰豆雄の方が速かったのだから、仕方がないじゃない。アタシもちょっとやり過ぎだとは感じていたけど、流石にこんなことになるとは予想していなかったわ」
「それなら、絶対に目を離したら駄目だと分かっているでしょう!」
私は七海と禰豆雄を正座させ、説教していた。だが、禰豆雄も七海も開き直っていて、全く反省の気配はなかった。
どうして私が七海と禰豆雄に説教しているのかというと、それは最初に出た通りである。
「どうして刀を折ったの!」
禰豆雄の刀が折れたからである。普通ならそこまで説教することではないと思うかもしれませんが、禰豆雄の場合はまずかった。
禰豆雄は鬼殺隊へ入る前に斧を使っていた所為か、刀も投げてしまうのだ。斧を投げたり、刀を投げたりすることで相手の行動を阻み、鬼の頸を斬る。それが禰豆雄の戦い方だ。だが、刀は投げるための物ではないため、そんな使い方をしていたら刀が折れてしまう。
私はそのことに気づいて、何度もいつか刀が折れるから、もう少し丁寧に使った方がいいと言っていたのに、ついに刀を追ってしまった...。
「...鋼鐡塚さんに連絡は取ったの?」
「もう既に手紙を送ったらこれが返ってきた」
私が鋼鐡塚さんのことから尋ねると、禰豆雄がある一枚の紙を渡してきた。その紙を受け取って中を見ると、血のように赤い文字で『ふざけんな。絶対許さねぇ。お前にあげる刀なんてねぇ。呪ってやる』と書かれた手紙だった。確認してみたけど、その手紙は間違いなく鋼鐡塚さんの手紙であるため、私は禰豆雄を凝視した。
「....ちゃんと謝罪したよね」
「したよ。それと、斧も頼んだ」
「そうね。禰豆雄は斧が得意だし、刀を折らないためにも斧も用意しておいた方がいいかもしれないね」
私が禰豆雄に質問すると、禰豆雄は頷き、ついでに頼んだことも話した。私は禰豆雄の頼みに納得したし、刀を投げる回数が減るならいいとも思った。
ただ、鋼鐡塚さんからしたら、刀を折った挙句に刀以外に斧も欲しいと言われたので、それで怒ったのだろう。原作では短期間で刀を折ったり無くしたり刃こぼれしたりしていたから、気持ちは分かる。刀鍛冶からすると、折れる刀を作った鋼鐡塚さんが悪いかもしれないけど、せっかく作った物がすぐに壊されたらそれは怒りたくなると同情する。
今回もどちらかというと、刀を何度も投げていた禰豆雄が悪いと思うのだよね。でも、日輪刀がないと禰豆雄は日が昇るまで素手で戦い続けないといけなくなる。
まあ、禰豆雄なら一方的に殴りつけることは可能だと思うので、大丈夫そうな気もするが、効率が悪く今後のことも考えて、日輪刀は必要である。
なので、刀鍛冶の里に一緒に行って、鋼鐡塚さんに頼むことにした。
えっ?禰豆雄だけで大丈夫かって?
勿論、私達もついて行きます。禰豆雄一人で行かせたら何をするか分からない。炭華がいないので、炭華不足で暴走する可能性があるからね。だけど、禰豆雄と一緒に炭華を行かせたらその代わりに七海が不機嫌になるのだよね。
いや、仮に禰豆雄に炭華をつけても暴走する可能性があるから、どっちでも駄目なんだけどね。それなら、もう私達全員が刀鍛冶の里に行った方が良いと思うので、私は御館様に頼み込み、刀鍛冶の里へ行くことができた。
刀鍛冶の里は鬼殺隊にとって日輪刀という重要な武器を作っている大切な場所であるため、何かあったら困ると考えたのだろう。事情を説明したらすぐに許可が貰えた。
だが、少し問題が起きたのは私達も一緒に刀鍛冶の里に行くのだと行った時だった。七海は刀鍛冶の里に行くのを反対していなかったので、禰豆雄に少し怪しまれた。いつもなら炭華と一緒に居られる機会があればそれに乗り、時間が短縮させてしまうのだと分かれば反対する七海が今回だけ賛成していることに疑問を持たれた。
あの時は私も七海も凄くひやひやした。
私が刀鍛冶の里へ行くと決めたのはもう一つ理由がある。それはもうすぐ上弦の鬼が刀鍛冶の里を襲撃する時期であったからだ。七海も前の時に童磨の目から私達のことを見ていたため、刀鍛冶の里の襲撃の時期が分かっていた。
なので、私が禰豆雄と一緒に行くと言えばその襲撃に備えるためだと察した。それに、その襲撃が起きる場所に禰豆雄が行くのを心配したのもあるだろう。
七海はよく禰豆雄と喧嘩するが、それは炭華と一緒にいる時間を削りたくないためであり、それ以外では普通に話が合うし、緊急事態の時なんて息ぴったりである。まさに、喧嘩するほど仲が良いという感じだ。
なんとか私が刀鍛冶の里には温泉があるから、それが楽しみなのではないかと話を振った。それに七海が頷きながら炭華のためにもいいと思うからと付け加え、禰豆雄は納得した。その上、炭華をさらに輝かせられるかもしれないと上機嫌だった。
私も七海も誤魔化せたことに安堵した。それに、嘘ではないからね。私も七海も温泉に入るのは楽しみである。
そうして、私達は刀鍛冶の里へ行き、刀鍛冶の里の里長である鉄地河原さんと面会したら鋼鐡塚さんが行方不明と分かり、温泉に入った後に探すことにした。鉄地河原さんから勧められたし、私達の目的の一つのようにもなっているので、最初に向かったのは温泉である。その道中で甘露寺さんと出会った。
無限列車の一件から柱と交流のある私は甘露寺さんと少し最近のことなどを話していると、外に出ていた炭華も加わった。すると、甘露寺さんは炭華の頭を撫で、炭華は撫でられることに照れていて、私はそれにほっこりした。
甘露寺さんも炭華も天然気質なところがあって、二人ともにこにこ笑っているし、全体的に雰囲気がホワホワしているのだ。なんというか癒されるのだよね。
私がそう感じているのだから、七海と禰豆雄はどうなっているのかというと、尊いと言いながら昇天しようとしていたので、すぐに正気に戻した。それから甘露寺さんとしばらく会話をし、温泉に入った後にまた会うことを約束して一度分かれた。
温泉に着いた後、何かが飛んできたが、禰豆雄によって受け止められ、それが歯であると分かり、私も原作で玄弥の抜けた歯が飛んできたということが起きたような...とここで思い出した。
だが、それよりもあの二人が動くのは早かった。特に七海は覚えていたようで、何かが飛んできた瞬間には温泉の方へ走り出していた。禰豆雄もすぐに向かい、私はその一拍遅れで追いかけた。
....私が着いた時には既に玄弥の姿がなく、その前でバシャバシャという音が聞こえていたので、七海と禰豆雄が来て慌てて逃げたのだと察した。
ごめんね、玄弥。
その後で、私達はゆっくり温泉に入った後、甘露寺さんと食事をしていた。ただ、予想外の人物もいたけどね.....。
「美味しいわね!何杯でもいけちゃうわ!」
「凄いですね。どこまで茶碗を重ねられるか気になります。....ところで、こうすればいいですか」
「そう。こうクルクルっていう感じで、もっとビョーンっていう感じなの!」
「...なるほど。それなら、これでよろしいですか」
「うん!完璧よ!」
「いや、何で通じるんだ」
甘露寺さんの食べ終わった皿で天井につきそうなくらいの山となっているのを見た後に、まだ食べ続ける甘露寺を見ると、私は苦笑いを浮かべていた。私は甘露寺さんより食べないので、もう既に食べ終わっている。
なので、私は炭華の髪を結んでいた。炭華は先程から甘露寺さんと同じ髪型にしてみたいとお願いされ、甘露寺さんと会話しながら髪を結び、時々助言を貰い、結ぶことができたのだ。
甘露寺さんは炭治郎と同じくらい説明する時に擬音語がよく出るが、私は前の時に炭治郎の説明を理解しようとしていたので、大体は分かるようになっている。
甘露寺さんにはお墨付きをもらったし、炭華も喜んでいる様子なので、私は満足して二人のことを見ていた。
だが、その光景に納得できなかった人物がいた。目の前からそのツッコミの声が聞こえ、私は苦笑いしながら目の前にいる人物を見た。
「獪岳さん、巻き込んで申し訳ありません」
「...別に構わねぇよ。それよりアイツらが無言なのは何でだ?」
「ただ、炭華の可愛さに夢中になって、話すのを忘れてしまっているだけです。ですので、あまり気にしすぎない方が良いと思いますよ」
私が目の前で食事している獪岳に頭を下げると、獪岳は顔を背けながら七海と禰豆雄のことを聞いてくるので、私は二人を様子を見てすぐに察し、それをそのまま説明した。
なんで獪岳がここにいるのかと疑問に思う人がいるでしょう。獪岳が刀鍛冶の里にいたのは偶然だそうです。私も会った時には驚きましたよ。
まあ、何故ここにという疑問を持っている方はいると思いますが、それ以上に獪岳がどうして鬼殺隊にいるのか、人間のままなのかという疑問を持つ人の方が多いでしょう。
言っておきますけど、私は何もしていませんよ。行動する前に終わったようなので。
どういうことかと思いますので、詳しく説明しますよ。
前の時に言った通り、原作での獪岳は上弦の壱と遭遇し、その圧倒的な強さに命乞いして鬼になり、堕姫と妓夫太郎の後に上弦の陸になったのだ。前の時は鬼になる気がなく、人間のままでいるために上弦の壱と戦い、その戦いに私も巻き込まれた。結果、私も獪岳も生き残ったが、命の危険しか感じなかったあの時のことを忘れられず、正確な日時も覚えたままである。
なので、私は獪岳と上弦の壱の遭遇する時期にその場所へ行ってみた。命知らずだと思われるが、今の獪岳と接点が無くても前の時にはお世話になった人だ。今は他人であっても、その人の危機を知っていて、それを無視することはできなかった。
それで、その場所に行ってみて様子を見ていたのだけど.....獪岳は来なかったんだよね.......。
上弦の壱は来ていたけど、獪岳の姿は全然見えなくて、それどころか他の隊士の姿も見えなかった。私はそれを不自然に思っていたが、そのままそこで上弦の壱を見ていた。
そして、朝日が昇っても獪岳は現れず、上弦の壱は無限城に帰っていった。
私は日にちが間違えたかと思ったが、その日以降で上弦の壱の姿を見ることはなかった。その所為で、私は何が起きているのか見当もつかなかった。
だが、ここで獪岳と出会えて、漸くその理由が分かった。
何せ.....。
『げっ。テメェらは....』
『.....七海。禰豆雄。この人に何をしたの』
獪岳が七海と禰豆雄を見た瞬間の反応で色々察した。私は死んだ目になっているのだろうと思いながら二人に静かに聞いた。
七海と禰豆雄は全く覚えていない様子だが、獪岳の話によると、たまたま私が別の任務に行っている時に合同任務へ参加することになり、その任務に獪岳もいたらしい。その時の七海と禰豆雄は炭華とお月見する気満々だったのに、任務で邪魔されたため、さっさとその鬼の頸を斬って解散したようだ。
そういえば、あの時は少し離れたところに任務があり、上弦の壱が現れる前に私も終わらせ、その帰りに上弦の壱の方へ行ってそのままだったし、あの時に近くで合同任務があり、その鬼も早く討伐できたため、私も休んで大丈夫だとか言われたような。
だけど、私は藤の花の家紋の屋敷で休むふりをして、こっそり外に出ていたんだよね....。
........今はその話を置いておこう。それよりも獪岳の話だ。獪岳が言うにはあの時の二人は周りに遠巻きにされながら無事に任務は終わった。遠巻きにする理由は分かると思うが、二人から黒い空気がだだ漏れだったからである。さらに、鬼が目の前に現れた瞬間、あの二人はさっさと鬼の頸を斬ったり、弾き飛ばしたりということをしていて、おかげで獪岳を含めた他の隊士達は無傷だったようだ。だが、その二人の暴れる様子を見て、全員が青ざめたそうだ。
下手したら自分達に矛先が向かないかと。そう思いながら早くこの任務が終わることを祈っていたらしい。
終わった瞬間はすぐに解散という風で、全員が二人から逃げるような感じで去ったということだそうだ。
...その時のことは全員がはっきり覚えていて(むしろ、忘れられるわけがないと言っている)、獪岳もヤバイ奴だという印象が残っているらしく、関わりたくないと考えていたそうだが、そこに甘露寺さんが来て、みんなで食べようと誘われたことで、逃げることはできなかったようだ。
甘露寺さんは柱であるため、真面目なところのある獪岳は断ることができなかったのだ。
一方で、私はその件の話に安堵した。獪岳のあの件に関しては私に何も心当たりがなく、本当に解決したという確証がなかった。だから、私は時期が過ぎようとずっとそのことが気がかりだった。
だけど、このような形でそれを知ることになるとは思わなかった。
そういうことがあったが、今では穏やか?に食事の時間を過ごしている。食事の場に集まったので、炭華も参加したかったようで、周りを気にせずに炭華が外に出てしまい、獪岳が驚いた。鬼が現れたということで反射的に刀を握ったが、七海と禰豆雄の殺気を感じた瞬間、すぐにその場から離れた。炭華が認められているとはいえ、鬼殺隊としては獪岳の対応が正しいので、すぐに間に入って暴走を止めた。
その瞬間、獪岳は炭華に手を出したら命がないと悟ったらしく、私が二人の暴走を止めた後に『あの鬼に手を出したらヤベェのか』と聞いていた。私が無言で頷いたらそれ以上は何も聞かず、炭華を受け入れた。
....いや、あれは受け入れたというより、これ以上は駄目だという本能みたいなものが動いたのだと思う。
獪岳は炭華に近寄ろうとしないし。
七海と禰豆雄が静かなこともあるだろうけど....そろそろ現実に戻した方が良さそうだ。炭華と甘露寺さんを見て、なんだか浄化されているし、そのまま天に昇ろうとしているから、もう現実に戻さないと大変なことになる。
獪岳のことはあったが、刀鍛冶の里に来た初日は七海と禰豆雄を正気に戻すくらいで終わった。
...久々に休暇という感じがしたよ。
次の日は甘露寺さんの話に出てきた刀を探すため、刀鍛冶の里を歩き回った。
何故その刀を探すのかというと、甘露寺さんの話に興味を持ったというのもあるが、一番の理由は甘露寺さんからその話を聞いた時に炭華がとても興味津々で聞いていて、炭華を喜ばせるためにその刀を見つけようという話になったからである。
はりきっているのは七海と禰豆雄に、背負い箱の中にいる炭華で、私はあの二人が目的を忘れているようなので、代わりに動くことにしたのだ。
何が目的だったのかって?
日輪刀だよ。甘露寺さんの話に出てきた凄い日輪刀ではなく、禰豆雄の日輪刀を作ってもらわないといけないのである。
まあ、原作の通りに進むならどちらも解決できそうだが、禰豆雄が原作の炭治郎と全く同じことが起きるというわけではないから、念には念を入れて鋼鐡塚さんを探そうと思っている。
獪岳も一緒にいるけど....獪岳は巻き添えを食っただけである。たまたま向かっている途中で獪岳と偶然に出会い、獪岳はすぐに私達から離れようとしたのだが、その前に二人に捕まっていた。
おかげで獪岳は私の隣で不機嫌そうな顔をしているのだ。
「ごめんなさい.....」
「...なら、アイツらの暴走を止めてくれ。それと、殺気を俺に向けないように言ってくれ」
「私もできる範囲でやっていますけど、一人で二人を止めるのは限界がありますから....」
私が謝ると、獪岳はため息を吐きながらそう言った。昨日だけで獪岳に七海と禰豆雄の世話係のようなものだと認識したようで、途中から七海と禰豆雄に対しての愚痴などを全部私に話すようになった。
私は獪岳の言葉に頭を押さえながら苦笑いを浮かべる。
私もあれこれ行動しているのだけど、あの二人は一人の時でも問題を起こす(二人揃っている時よりはマシだが)ので、二人が別々に行動した時のことも考えている。それでも二対一のような状況であるため、私では抑えきれないところがある。
特に、あの二人が物理的に力で行動する時はもう大変である。速さなどの方ではあの二人に勝てるのだけど、力ではどうしても勝てない。
なので、あの二人が暴走した時に私は追いつくのだけど、引き摺られていってしまうのだ。というか、あの二人は逃げ切る方が難しいと考え、私を引き摺ってでも行こうとするようになったので、私は二人にしがみつきながら少しでも遅くなるように押さえたり、説得しようとしたりと色々やっている。
力で押せば通るとあの二人は分かっているので、どんどん力をつけていって、私が苦労しているのである。
その所為で麻酔を作らないといけなくなったんだよね...。
筋肉がつきにくい体質だとはいえ、毎日筋トレしているのに、効果が全然ないんだよ....。
...いや、一応効果はある。だけど、七海と禰豆雄がその倍くらいの力をつけるため、七海と禰豆雄の暴走を止める時に物理的な力で止められない。それでも、もしかしたらと思って続けているんだけど.........。
.......止めよう。これ以上は私が落ち込むだけだ。無駄にはなっていないから、それで良いでしょう。
まだその後のことも残っているので。
原作の展開を知っている人がいたら察すると思いますが、私達が歩いていた時に誰かの言い争う声が聞こえ、その方向に向かったら小鉄君と時透君がいた。
小鉄君は刀鍛冶の里でからくり人形の「縁壱零式」を扱うところの人なのだ。縁壱零式は六本の腕を持つ訓練用のからくり人形のことで、時透君はその人形を使って鍛練がしたいのだが、縁壱零式が壊れかけているために小鉄君は断った。時透君は縁壱零式を使おうと暴力を振るい、小鉄君の持つ鍵を奪ったところであった。
私がそれを見た瞬間、反射的に間に入った。流石に暴力問題は見過ごすことができなかった。私は時透君の前に立って、言葉で説得しようとしたが、全然聞く耳を持ってくれなかった。
だけど.....。
「君達は.......祟り神?」
私の説得は無視していたが、七海と禰豆雄の存在は無視できなかったみたいだ。この時の時透君は記憶喪失で、新しいものを覚えていることもままならない状態だったのに、記憶に残っているということなので、どれだけ強力な印象を与えたのかというのがよく分かった。
そういうことがあったが、原作の通りに小鉄君の縁壱零式を使った訓練が始まった。
壊れても直すからと言ったので、七海と禰豆雄は木っ端微塵にしても大丈夫だと言い出し、私は本気だと察してそれを止めるようにと言おうと思ったが、小鉄君は斜め上の方向に進んでいった。
興奮した七海と禰豆雄を見て、本気だと察したらしく、小鉄君ができる限りのことをして、縁壱零式を直していた。
さらに、時透君の壊された一本の腕を直した後に改造までしたようで、原作や前の時のものより頑丈になったようだし、強さも倍になっているのではないかと思っている。だけど、それがちょうどいいのかもしれない。
禰豆雄もやる気になっているが、それ以上にノリ気なのは七海である。七海は禰豆雄と違って知っているからね。その縁壱零式に目的の一つであった刀が入っていることを。
なので、七海は訓練もできるうえに目的のものも手に入れられる機会を逃したくないと思い、かなり張り切っている様子だ。
というか、七海は元から縁壱零式を壊す気でいたので、許可を貰えたということで堂々と縁壱零式を壊せると思い、遠慮がなくなったようだ。あの縁壱零式は小鉄君の先祖から受け継いでいった大切なものであったため、七海も刀があると分かっていながら壊すことを躊躇しているところがあった。
そのため、直すという言葉を聞いて、その心配はないのだと安心したのだろう。
そうして、小鉄君の縁壱零式を使った訓練をした。
私と獪岳も巻き込まれる形で参加することになったが、前の時の私よりはマシである。少なくとも私の訓練はそうだった。今回は休む時間を設けることができた。前の時は小鉄君の指摘が非常に為になるものであったが、小鉄君はどのくらいが限界かと考えないため、縁壱零式に攻撃を当てるまで食べたり飲んだり寝たりすることができなかった。
だが、私は前の時で縁壱零式の行動を理解したため、すぐに縁壱零式に一発当てた。
前の時の感覚が完全に思い出せず、少し苦戦したけどね。
でも、当てただけだよ。壊していない。
ただ、私が早く縁壱零式に一発当てたのが原因で少し変わってしまったんだよね。
最初は前の時のような感じで飲み食いできず、寝ることも許されなかったのだが、今ではそれがない。
何が起きたのかと聞かれると、私も詳しくは知らない。さっき縁壱零式に一発を当てたことが原因だと言っていたのに、知らないのはおかしいと言われるかもしれないが、この詳細を知っているのは本人の他に七海と禰豆雄だろう。
正確に言うと、きっかけは私なのだろう。私が早く縁壱零式に一発当てたことで他の人もと思ったようで、七海と禰豆雄をよく観察していた。
その所為か七海と禰豆雄の影響を受けたらしく、小鉄君がなんだか変な方向へと進んでいったらしい。
七海と禰豆雄に触発されて、縁壱零式に色々な改造を定期的にしているため、その間に私達はご飯を食べたり寝たり休憩できる時間ができた。おかげで、餓死とかそういう意味での命の危機は無くなった。
ただ、その代わりに縁壱零式がどんどん強化されていき、訓練も厳しくなってきている。
しかも、小鉄君は縁壱零式を強化していくうちにその楽しさを覚えてしまったらしく、もう実験のようになっている。
「よし!これでどうですか!当ててみてください!」
「ヤル...」
「フフフッ。今度はどのくらい保つのか試させてもらうわよ」
小鉄君がさらに改造した縁壱零式を禰豆雄と七海が睨みつけていた。このような日々がずっと続き、禰豆雄はなんだか別の生き物のようになっていて、七海は小鉄君と同様に楽しくなってしまったようで、笑い声を上げながら刀を振っている。少なくとも、禰豆雄よりはマシな方だと思っていたけど、
気になるとしたら、何やら黒いものが出ているところだけど、誰の害にもなっていないし、禰豆雄からも大量に出ているので、それを深く考えない方がいいと思う。
「......なあ。俺はお前達にいつまで付き合えばいいんだ」
「....たぶん、あの人達が納得できるまで、もうしばらく続くと思いますよ」
獪岳が死んだ目で尋ねてくるが、私は自分の予想を伝えた。これはあの二人とずっと一緒にいる私の勘なのだけど、もうしばらくは続くということをなんとなく確信している。
私はこれが現代でいう、スポ根というものなのかと現実逃避していた。だが、縁壱零式はそんな私達にも攻撃してくるため、私は刀を握り締めながらその攻撃に備えた。
それからまた数日が経ち、七海と禰豆雄が遂に縁壱零式を壊し、その中から刀が出てきた。その刀は錆びていたために使えないのだが、筋肉が凄くなった鋼鐡塚さんにより、その刀は研がれることになった。
ちなみに、縁壱零式を壊したのは禰豆雄なので(七海が凄く悔しがっていた)、禰豆雄がこの刀を使うことになった。
それで、現在は縁壱零式が直るまでの間、私達は個人で鍛練している。ただ、七海と禰豆雄が対人戦でやりたいと言うので、対人戦をしているのだが....。
「獪岳。元の場所に戻してあげて」
「...対人戦なら人数の多い方がいいだろ.....」
「それは獪岳の番にしたくないだけでしょう。いきなり巻き込んで、ごめんなさいね。確か....玄弥だよね」
「あ、ああ......。...お、俺、もう帰ってもいいか」
「ダメだ。アイツらの相手なんて命が幾つあっても足りねぇんだよ!」
私と七海が対人戦をしている間に、獪岳が誰かを連れて来たようで、私の稽古が終わった後に獪岳の方へ行って、私は口を開けることになった。
獪岳が連れて来たのはなんと玄弥だった。私は頭の中が混乱したが、すぐに冷静になって獪岳の意図に気づいた。
そして、玄弥を元の場所へ戻すようにと言うが、獪岳はそれ以上に命の危機がある七海と禰豆雄の対戦相手になる確率を少しでも減らしたいのだろうけど、何も知らないで連れてこられた玄弥が可哀想だと思うから。
気持ちは分かるけど、玄弥は巻き込まないであげて。玄弥も帰りたがっているから。
ちなみに、獪岳は先日ついに胃薬を処方することになった。ここに来る時にほとんど義勇さんに作っていた胃薬を渡していたが、幾つか持って来ておいて良かったよ...。
私が獪岳を説得していると、時透君が来て自分の担当の刀鍛冶の職人の鉄穴森さんを探していて、私達に尋ねてきた。
私は場所を知っているため、案内すると言ったら時透君にそんなことをして意味があるのかと聞かれた。私がそれに思ったことを伝えてみたら時透君にもう一回言ってほしいと頼まれる。私はそれに既視感を覚え、原作の内容を思い出し、原作の炭治郎と似たようなことを言ったのだと分かり、どう対応するべきかと悩んだ。
そういう風に大騒ぎをしていたら、突然何だか嫌な予感がして、その方角を見た。周りのみんなが私の様子を疑問に思っていたが、その方向から出てきたものを見て、驚いていた。
現れたのが上弦の肆の半天狗だったからだ。上弦の肆がいきなり目の前に現れたのだから、それは当然だろう。だが、そういった意味で驚いているのは禰豆雄と炭華と玄弥と獪岳で、私と七海は別の意味でだ。
私も七海も半天狗がこの時に現れるのは予想外だったのである。前の時よりも時期が早まっている。
私と七海は動揺を見せないようにしながら顔を見合わせた。
おそらく思っていることは同じだろう。何が起こるか分からないから、その時その時で対応するしかないと。
私と七海がそうしている間に、時透君が半天狗の頸を斬った。獪岳は頸を斬れたことに驚きながらも怪しいと考え、少し近づいていたし、私も勘で玄弥を後ろに下がらせていたためにその近くにいた。なので、私達も巻き込まれた。
半天狗は切断すれば分裂する鬼である。なので、本体でも分身の頸を斬ったことで、その分身が二人になったのである。そして、その分裂した鬼の一人に可楽という突風を起こす血鬼術を使える鬼がいる。
その鬼の手によって、私と獪岳と時透君は吹き飛ばされたのだった。
姿が見えなくなる前に七海の方を見ると、七海が口を動かしていた。
こっちはアタシ達がなんとかするから、目の前のことをなんとかしなさいと。
私は七海ならなんとかするだろうという安心感が出てきた。なので、私はこの後の着地をどうするのかを考えることにした。
私と獪岳は里の外れ辺りにまで吹き飛ばされた。時透君はどうやら私達とは別の場所に吹き飛ばされたみたいだ。私は獪岳に怪我がないことを確認し、七海達のところへ戻ろうとした時、途轍もない殺気を感じた。今回はこれ以上に強いものを受けたことがなかった。
「獪岳!」
「チッ!」
獪岳をその殺気を感じ取っていたらしいが、どうやらその威圧に呑まれているようで、その場から動けなくなっていた。私が獪岳の名前を呼ぶと、獪岳は舌打ちしながら動き出した。
そのおかげで地面までも切り裂く斬撃を避けることができた。
私はその斬撃を放ったであろう鬼に視線を向けた。その鬼は紫色の着物に黒い袴、長い黒髪を一つに束ねている。額や首元から頰にかけて炎の様な痣があり、 金色の瞳を持つ真っ赤な三対の目には上弦の壱という文字があった。
それは目の前にいるのが上弦の壱の黒死牟であるということを強く認識させた。
私はどうして上弦の壱の黒死牟がいるのかと思いながら獪岳を見て気づいた。
これ、獪岳が鬼になるあの場面だ。
七海と禰豆雄がきっかけを無くしたため、それが今になってしまったのだと分かった。
獪岳は刀を強く握り締めながら黒死牟を見ていた。目の前の存在に圧倒されながらも生き残るために戦おうとしていた。それを見て、私も戦うことを決意した。
獪岳を鬼にさせないために。
戦いの結果をいうと、私達は無事に生き残った。それは刀鍛冶の里での縁壱零式と小鉄君の正確な指摘があったからであり、私が髪を結ぶ紐についている片方の耳飾りのおかげでもあった。
この耳飾りを持っているで日の呼吸だと思われ、咄嗟に日の呼吸を使ってしまった。もう既に煉獄家でも同じことをやったのに。その時は私がつい反応して....色々起きたけど、落ち着かすことができた。
ただ.....今回は少し難しいかな...。
「ヒノカミ神楽 日暈の龍・頭舞い」
「月の呼吸 漆ノ型 厄鏡・月映え」
「ヒノカミ神楽 輝輝恩光」
「....違う」
文句が多いです!縁壱さんのようには行かないし、私は正式な継承者と言えないから、そんなに期待しないでよ。
こういう風に不満が大きかったらしい。ただ、そんな調子であっても何のブレもない。いや、少し怒っているところがあるし、強くなっているのかな?
....それにしても、私に集中しすぎていない。幾ら何でも私に飛ばす斬撃の方が圧倒的に多いのだけど!
「華ノ舞い 紅ノ葉 陽日紅葉」
「違う」
私が華ノ舞いを使って応戦し出すと、先程よりも大きな声でそう言ってきた。
確かに貴方からしたらこれは日の呼吸じゃないから違うのでしょうけど、戦っているのは私です!
なんだかんだ言って、弟のことが本当に好きなのでしょうね!でも、それに私を巻き込まないでほしいですし、期待もしないでほしい!
その後、私は透き通る世界を使いながら日の呼吸と時々華ノ舞いの陽日紅葉で戦っていた。獪岳も手助けしてくれているので、なんとか持ち堪えることができた。黒死牟は私の方に集中していて、獪岳のことをあまり気にしなかったからね。
いや、私もそれに気づいて日の呼吸を何度も使っていたわけだけどね。
そうやって、朝日が昇って鳴女の能力で黒死牟が無限城に戻るまで、私と獪岳は戦い続けた。
流石に上弦の壱と戦って無傷では済まないため、私も獪岳も蝶屋敷で治療を受けて入院した。
これは入院中に聞いた話だが、上弦の肆と伍は原作通りに倒されたらしい。それと、炭華も太陽を克服できて、目の前で日光を浴びながら洗濯物を干している。
それを見て、私は喜ぶと同時に不安もあった。
何を不安しているのかというと.......原作の刀鍛冶の里と最終決戦って、禰豆子はどのくらい出ていたか分かる?
後は察してください。
今回の話も読んでくださり、ありがとうございます。楽しんでもらえたらありがたいです。
体調がまだ悪く、次回の投稿に時間がかかるかもしれません。気長に待ってくださるとありがたいです。