笹の葉の少女は幸せを願う   作:日々草

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笹の葉の少女は修行する

「疲れただろう。着替えて、ゆっくり休みなさい。」

 

 

 

その言葉に私は喜んで甘えて、すぐに着替えて眠ってしまった。本当に疲れていたからね。当たって砕けろという精神で山を下りていくうちに勘が少し鋭くなって、他の五感も罠が見えたら避けてとか、何かが来るような音が聞こえたら避けてとか、嫌な予感がしたら避けてとかができるようになった。前世の時からドッジボールとかでボールを避けるのが何故か得意だったのよね.....。勘と視覚と聴覚と触覚を上手く使って、漸く山を下りることができた。日が登るぎりぎりの時間だったけど......。

 

 

まあ、そんなこんなで疲れが溜まっていた私はぐっすり眠ることができた。そして、起きた時には禰豆子はまだ寝ていたが、炭治郎の姿はなかった。炭治郎を探して、布団から出た私は日が高く登っていることに気づいた。

 

 

....あれ?今、何時くらい?

 

 

私は家の中を歩き回っているが、誰もいない。外にいるのかなと思って、家の戸を開けたら目の前に鱗滝さんがいて驚いた。

 

 

「ひゃあ!?....って、鱗滝さん?」

「起きていたのか...。」

 

 

鱗滝さんなら知っているかもと思い、薪を持って家の中に入った鱗滝さんの後を私は追いかけた。

 

 

「鱗滝さん。炭治郎は?」

「炭治郎はもう修行しておる。それより、聞きたいことがあるんだが......。」

「何でしょうか?」

 

 

私は気になっていた炭治郎のことを聞き、鱗滝さんは私の質問に答えると、私に聞きたいことがあると言って囲炉裏の前の座布団に座り、私も座布団に座り、鱗滝さんと向かい合った。

 

 

「何故、炭治郎と禰豆子について行こうと思った。他にも道があっただろうに。」

「それは........。」

 

 

鱗滝さんの質問に私は悩みながら眠っている禰豆子の方を見た。

 

 

.....うーん....。どうしよう......。原作と何故か違うので、その原因を探りに行きましたなんて言えないよ...。でも、鱗滝さんも鼻が効くから嘘は言えないし........。原作と変わってしまった原因を知りたいからっていうのが一番の理由だけど、他にも理由はあるから.....そっちを言えばいいかな...。

 

 

「....私が使ったのが本当に呼吸なのか知るためです。私自身、当たり前のように使っていた草笛と吹き矢の息継ぎが呼吸というものだったということが.....なんというか....納得がいかないというか...不思議な感じがするのです。」

 

 

これも私が気になっていることだ。だって、当たり前のように使っていた息継ぎが突然呼吸だって言われたら驚くし、信じがたいし、何かの間違いなんじゃと思うでしょ。本当に呼吸なのか、私は確かめたいよ。

 

 

「.....それだけか?」

「他にもありますが....ちょっと待ってください。」

 

 

私は周りを見渡し、禰豆子が眠っていることも確認した。

 

 

「.....実は...夢を見たのです。」

「夢とは?」

「炭治郎と禰豆子にそっくりの顔立ちの男の人と女の人が夢の中に現れて、炭治郎と禰豆子のことを頼むって言ったのです。多分...その男の人と女の人は炭治郎と禰豆子の両親だと思うのです。」

「........。」

 

 

多分じゃなくてそうなんだけどね.....。私にとって...これももう一つの理由だ。炭治郎と禰豆子の両親との約束....私が引き受けたのだから、ちゃんと守らないと.....。

 

 

「私は任せてくださいと言いました。だからこそ、よりついて行こうと思います。それに........。」

「それに?」

「私は炭治郎と禰豆子のことを友達だと思っているから...友達なら助けになりたいのです。」

 

 

これは.....本当に私の本心だ。私は炭治郎と禰豆子と友達になりたい。炭治郎と禰豆子が私のことをどう思っているのか分からないが...少なくとも、私は炭治郎と禰豆子を友達だと思っている。

 

 

「言っておくが....彩花の行こうとしている道は修羅の道だ。」

 

 

私に対して鱗滝さんはそう言った。きっとこれは鱗滝さんからの忠告だ。でも.........

 

 

「分かっています。けど、.....それでも私はついて行きます。もう決めています。」

「.........。」

 

 

そんな私のことを鱗滝さんは無言で見ていた。

 

 

「.......一つだけ言わせてほしい。」

 

 

鱗滝さんが静かに口を開いた。

 

 

「炭治郎と禰豆子を絶対に裏切らないでほしい。炭治郎と禰豆子は信頼していた人達から裏切られた。再び誰かを信用し始めたのに....また裏切られてしまったら、炭治郎と禰豆子の心は壊れてしまう。」

 

 

鱗滝さんの悲痛の声に私は目を見開きながら言っていたことを頭の中で必死に整理していた。

 

 

....えっ?

 

ちょっと待って!?......裏切られたってどういうこと!?

 

 

私、そんな話を原作で聞いたことがなかったけど...一体どの時期に....どこで......誰が.......。というか、なんで鱗滝さんがそんなことを知っているの?もしかして、原作よりかなり前から炭治郎達と知り合っているのかな...?

 

 

「.....炭治郎達が信頼していた人って....鱗滝さんにとっても信頼できる人だったのですか?」

「.......ああ...。知らない奴がいたが....その中には儂の弟子.....つまり、お前達にとっては兄弟子もいたからな........。」

 

 

炭治郎の兄弟子で思い当たるのは一人だけ.....冨岡義勇さんだけしかいないよね......。じゃあ.......炭治郎と禰豆子を裏切ったのって鬼殺隊!?.....でも、それならあの時の炭治郎の体が震えていたことに納得がいく。鬼殺隊の中で一体誰が炭治郎と禰豆子を裏切ったのだろう?鱗滝さんの話から....まさか......柱?それとも善逸達同期組?.......あるいは、全員が裏切ったの......?私はあんまり信じたくないけどね....。だって、善逸達同期組は炭治郎と禰豆子と仲が良かったし、柱の人達も炭治郎と禰豆子のことを認めていったし......だから.....裏切ったなんて信じたくない。だってあんなに.........あんなに信頼し合っていたのに......。だからこそ、炭治郎も禰豆子も裏切られたことがショックだったのかな...。私はその時のことが分からないから、何とも言えないけど....。でも、そういうことにすると.....なんで炭治郎と禰豆子を裏切ったのだろう......?原作とはかなり変わっているし、炭治郎と禰豆子の年齢を聞いてないから.....全くもう分からないけど...裏切ったタイミングはどの時期だったのだろう....?分かれば分かるほど、謎が増えていくな.....。でも、まだ鬼殺隊の人達が裏切ったと確定したわけじゃないから...少しは希望を持っておこう....。

 

 

「.......大丈夫か?」

「....はい。大丈夫です。」

 

 

私が黙って下を向いたまま座っているのを見て、鱗滝さんが心配していたので、私は前を向いて大丈夫だと返した。

 

 

「.....そろそろ炭治郎が帰ってくる。昼飯の用意をしよう。」

「私には朝食になりますね。手伝います。」

 

 

鱗滝さんが昼飯の用意をし始め、私もそう言いながら鱗滝さんを手伝うことにした。その後、炭治郎が帰ってきてから三人で昼飯を食べたが、禰豆子は起きてこなかった。

 

 

 

 

 

 

 

 

「.......彩花。これから修行を始めよう。」

「はい!」

 

 

昼飯を食べた後、私も修行を始めた。私は今、鱗滝さんと向き合っている。炭治郎も禰豆子の様子を見た後、自分の修行に戻った。

 

 

「その前に伝えたいことがある。あれから考えたが、修行とは別に草笛と吹き矢を必ずしなさい。」

「えっ?」

「型は分からぬようだが、呼吸の可能性がある。剣術と水の呼吸の修行とは別にやっていても損はないだろう。」

「はい!」

 

 

鱗滝さんの話に私は納得しながら頷いた。確かに、草笛と吹き矢の息継ぎが呼吸かどうかは定かじゃないけど、呼吸の可能性があるものをやっても損はないよね.....。って、私は水の呼吸を習得するのは確定なのですね......。まあ水の呼吸は変幻自在だし、派生とかがよくできる呼吸だから、例え水の呼吸が合わなくてもこれも損はないし、むしろプラスになる。

 

 

「鬼に関しては知っているな。」

「はい。ある程度は知っています。」

 

 

...えーと.......始めはまだ夜明けまでやったレベルの山下りだよね....。次第に罠の難易度がどんどん高くなるんだよね.....。しかも、体力とか身体能力が上がってきたら刀が飛んでくるわ、落とし穴の中に刀がいっぱいあるわ....と殺意があるんじゃないか、恨みでもあるのという感じの罠になるんだよね...。...........。

 

 

 

私、死なないよね!!?

 

 

 

 

 

 

 

どうも。あれから結構月日が経ちました。

 

 

修行中のことをまず一言で言うと......炭治郎は凄いな...。

 

毎日毎日、始めは山を下っていたよ。私は炭治郎と違ってほぼ勘を使っていたけど、体力がついて身体能力も上がって、罠の動きを目でとらえることができるようになって、罠が発動する時の音を聞き取れるくらい耳もよくなってきて.....さらに、落とし穴を掘った時のものであろう土の匂いが嗅ぎ取れるようになっていた....。でも...その中でも一番成長したのは勘の鋭さが増したことかな.....。とにかく、修行の成果が出ていることが実感できた。......けど、だんだん避けれるようになってきたので...遂に刀が飛んできました。原作の炭治郎と同じような何か恨みをかいましたかと言いたいくらいの罠....。この修行、私はもう怖い!本当に落とし穴の中に刀が隙間なくあったのを見て、背筋が凍ったよ!.....ちなみに、このことを炭治郎に話すと、分かると言って背中を撫でてくれた。

 

 

 

 

その危険な山下りを何度もやっていると、今度は刀を持って走ることになった。原作の炭治郎の言っていた通り、刀って結構邪魔になるんだよね......。おそらく炭治郎以上に罠にかかりやすくなっていたと思う。私はすぐに罠にかかった。あと、刀を持つようになってから、素振りを毎日し始めた。本当に千回振った後に五百回追加されて....肩が壊れそうなくらい素振りをさせられる。一時期、前世で剣道を習ってたことがあったけど、やっぱり竹刀と刀じゃ重さが違う。それに、この世界では全く刀も棒も振っていなかったからね.....。剣士になる気はなかったから、やらなかったよ.......。

 

 

 

 

 

「刀は弱くて脆い。」

 

 

私は鱗滝さんに刀について教えられ、刀の使い方も教わった。特に私は女の子だから、非力をなんとかしないといけないということで努力した。あと、転がし祭りもした。受け身を取れるようにと言われて、泥だらけになることが毎日だ。鱗滝さんに斬りかかるんだけど、毎回私は投げ飛ばされる。鱗滝さん、強い.....。

 

 

 

 

刀を使い始めて、その次に呼吸法と型を習い始めた。元吹奏楽部の肺活量が今世でも残っていたことと草笛を吹き続けていたことが良かったのか、ここは多少何か言われることはあったが、原作の炭治郎のようにお腹を強く叩かれることはなかった。まあ、それよりも全集中の呼吸を覚えるのと型を習うのは大変だったけど......滝に落とされたことと滝に打たれたことはもっと大変...というよりきつかった。前世で水泳を習っていたことがあって、溺れないようにどうすればいいかも分かっていたので、滝に落とされて溺れることはなかったが....それでも滝に落とされた時と滝に打たれ続けるのは本当にきつかった。滝に落とされた時は普通に痛かったし、滝に打たれ続けるのは炭治郎のように声は出さなかったが、私は水だと心の中で叫んでいた。それくらいやらないと心が耐えきれない。そういえば.....水泳も息継ぎするから、前世の時の私って結構肺が鍛えられていたのかも.......。ちなみに、この滝の修行のことも炭治郎に話すと、炭治郎は遠く見つめていたよ.....。

 

 

 

それと、禰豆子はあれからずっと眠っている。一日の修行を終えた夜に禰豆子の近くで草笛を吹いているが、全然起きる気配すらない。ここは原作と同じなのかな?原作通りにいって、二年経ったら目覚めるかどうか分からなくて不安だ。....というか、最近はもう原作のどの時期か分からなくなってきたので、時期に関しては何も考えないことにした。ちなみに、吹き矢も草笛同様に夜に吹いている。その結果、狙撃できる距離が広がり、夜目が効くようになった。

 

 

 

 

山下りがもっと厳しくなってきた。空気の薄い頂上の近くまで行き、険しい道を下った。原作の炭治郎の言った通り、死ぬかもしれないって何度も思った。それでも毎日頑張って、刀で罠を対処できるようになってきた。

 

 

 

 

 

修行を始めて一年.....私も原作の炭治郎と同じようにもう教えることはないと言われた。そして.......原作の炭治郎の時のように岩を斬れと言われた....。思ったより大きかった.......。近くで炭治郎が修行していたので、炭治郎にあの岩って斬れるものなの、刀が折れる予感しかしないと言うと、炭治郎が......

 

 

「その気持ちは分かる。だが、頑張るしかない!彩花ならできる!」

 

 

そう励ましてくれた。...うん。分かってる....。頑張るしかないよね!

 

 

 

 

私は頑張って鍛練をしながら岩を斬ろうとした。岩がすぐに斬れるとは思えないので、まずは一回岩が斬れるかどうか試して、その後に鍛練して...夕方になってから岩を斬ろうとまた頑張る。夜になったら草笛を吹いたり、吹き矢で遠くに的を置いて矢を当てたりする。これを繰り返していたが、なかなか岩を斬ることができない。なんか心が折れそう....。死ぬほど鍛えると原作ではあったが、確かにそれくらい鍛えないと無理だね、これは.......。私の場合は力が足りないのもあるかもしれないけど、やっぱり全集中の呼吸を完璧に使えていないのかもしれない...。全集中の呼吸を炭治郎に見てもらったんだけど、炭治郎の説明は擬音語が多くてよく分からなかった。ただ...何かが違うということはなんとなく分かった。私は素振りを増やしたり、力を鍛えたり、肺を鍛えたりしてみた。その鍛練の中で、力を鍛えようと岩を持ち上げようとしたり、肺を鍛えようと水の中に顔を突っ込んで長い間息を止めたりしていたら、炭治郎に見つかって驚かせてしまった。特に顔を水の中に入れていたのは心臓に悪いと言われてしまった.....。.......ごめんなさい。

 

 

 

 

 

 

 

 

「.....やっぱり私にも何か無駄な動きがあったり癖があったり....足りないものがあるのかな.......。」

 

 

私は原作の中で炭治郎が無駄な動きとか癖を指摘されていたことを岩を見ながら思い出し、そう呟いた。でも、私には無駄な動きがあるのか癖があるのか分からない...。炭治郎に見てもらう?いや....炭治郎の説明じゃ駄目だ。最近なんとなく理解できるようになったが、なんとなくではなく、はっきりとした指摘が.....できることならもっと細かく詳しい指摘がほしい!もう!炭治郎の何を言っているか分からない説明は漫画では笑えたけど、今は笑えないよ!

 

 

「炭治郎の説明がもっと分かりやすかったら......!頑張れ、私!負けるな!弱音を吐くな!」

「うるさい。」

 

 

私が必死に頰を叩きながら喝を入れていると、突然上から声が聞こえた。その声は炭治郎の声でも鱗滝さんの声でもなかった。

 

まさか........

 

 

「......えーと.......こんにちは.....。」

 

 

私は見上げてすぐにその人が見えて、挨拶してしまった。やっぱり狐面で顔が見えない少年、錆兎がいた。原作のように木刀を手に持ち、岩の上に座った錆兎がいる。

 

 

「......挨拶をしなくてもいい。」

「あ、すみません。つい、挨拶してしまいました。」

 

 

挨拶した私に錆兎はそう言った。すみません.....。すぐに挨拶するような人...私ぐらいですよね....。

 

 

「いつまで刀を仕舞ってる。」

「あっ。」

 

 

錆兎に言われて、私は原作の炭治郎と同じことをするのかと思いながら刀を抜いた。すると、錆兎は岩から飛び降り、地面に足をつけた。

 

 

「さあ、かかって来い。」

「...失礼します!」

 

 

錆兎に原作のように言われて、私はやるしかないっていうことは分かっているが、なんか何も言わないでいきなり斬りかかるのはと思い、一言だけ言ってから斬りかかった。しかし、錆兎に何度斬りかかっても全て防がれてしまった。......やっぱり何かが足りないんだ。....でも、一体何が........。

 

 

「知識で呼吸法を覚えていても体は何も覚えていない。呼吸法を骨の髄まで叩き込まないと意味がない。刀を振っている時、お前は呼吸を使えていない。草笛や吹き矢の時の方がマシだ。」

 

 

体が覚えていないって....私だって体に覚えさせようとしているけど、どうすればいいのか分からないの!草笛と吹き矢は呼吸ができていたのだっては初耳なんだけど!

 

 

「どうすればいいの!」

「ここで草笛や吹き矢を吹く時は呼吸ができていた!体には染みついている!それと同じことをしろ!」

 

 

錆兎はそう言うと、私の首に木刀を叩き込み、私は気絶して地面に倒れてしまった。

 

 

「...後は任せたぞ。」

「錆兎。少しやり過ぎてない?」

「でも、錆兎は彩花が女の子だから、手加減してくれていたよ。」

 

 

私が気絶した後、そんな会話があったことを地面に倒れ伏せた私は知らない.....。

 

 

 

 

 

 

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