影浦雅人の『兄貴』   作:瑠威

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タグに捏造過多を増やしました。なんか話が合わなかったらあ、こいつまた捏造放り込みやがった…と思ってください。
分からないことがあれば、優しめに聞いてもらえるとありがたいです


第13話

 

 

 ボーダー内の自販機前のちょっとした広場に風間、菊地原、歌川、宇佐美の4人がいた。つい先程、風間が菊地原にスカウトを打診し、それを承諾してもらったという場面である。

 

 

「菊地原のスカウトも終わったことだ。うちのエースを拾いに行くぞ」

「…エース?」

 

 

 菊地原も歌川もまだC級で、ボーダーに入ったばかりだ。故に、ボーダー内にどんな人がいるのか知らないし、なんなら先程の風間の言葉を聞くまではこれでチームは完成していたと思っていた。

 そう思ったのは2人だけではなく、風間隊のオペレーターを務める宇佐美もだった。風間隊の中では一番最初にスカウトをされた宇佐美だったが、エースの話など一度も聞いたことがなかったし、なんならそんな影さえ見えなかった。流石に幻覚が見えてるんじゃない?とまではいかないが、不安なのには変わりない。

 

 

「少々気性が荒いが悪いやつじゃない。嫌わないでやってくれ」

「…何それすごい不安なんですけど」

 

 

 菊地原の言葉に歌川と宇佐美は静かに頷く。自分達の不安を代弁してくれる菊地原が神に見えてくるぐらいには本当に不安だったりする。

 

 

「…あの、この先って…」

「ああ。ロビーだ」

 

 

 次を左折したらランク戦などをするロビーに出る。ロビーに来たということは、4人の探し人はどうやらロビーにいるらしい。

 ロビー内にいけば、いつもよりも騒がしかった。騒がしい理由は案外すぐに分かり、ボーダー内でもトップの力を持つと言われている太刀川と暗殺者のような鋭い目付きのストレート男がロビー内の中央モニターの中で派手に戦っていたからだ。タイミングがいいのか悪いのか、モニターではちょうど決着が着く場面が映し出されており、あまり派手な試合を見たことの無いC級ならトラウマになりかねない映像が映し出された。

 

 「死ね」そう嗤って言い放った暗殺者(仮)は容赦なく迅によって新開発されたスコーピオンで太刀川の首を撥ねる。盛大に首を飛ばした太刀川は数秒もしないうちに緊急脱出(ベイルアウト)した。

 

 モニターに映し出された結果には影浦と書かれた男が全て白星を勝ち取っていた。その結果を見て「うわあ」と菊地原が顔を歪ませ、歌川は静かに冷や汗を流す。宇佐美はただじっともう何も映し出されていないモニターを見つめていた。

 

 

「あれ、風間さんじゃん」

「…迅か」

 

 

 ゴーグルに水色のジャージを着た男、その名も迅悠一。少し前にS級になってしまったが、先程使われていたスコーピオンの開発者であり、実力のある男である。

 

 

「…さっきのはなんだ」

「ん? ああ、アレね。なんかちょっと前に外で静雅さんがヤンキーに絡まれたらしくてさ、ボコボコにしてやったみたいなんだけど、あまりにも骨がなかったもんだから骨のある奴と戦いたいって太刀川さんの顔を見るなり首根っこ掴んでそのまま…」

「…アイツは自重というものを覚えんのか」

「まあまあ。そんなに怒らないでやってよ。あれでも丸くなった方でしょ?」

 

 

 ヤンキー、ボコボコと聞き逃せない単語を聞いてとんでもない人がボーダーにはいるものだなと菊地原と歌川は思った。あれで「丸くなった」なのだから、一体過去に何を仕出かして来たのだろう。

 

 

「ん? ボーダーに来て間もない根付さんの顔面ボコボコにしたことあったよね」

 

 

 どんな理由で静雅が怒ったのかは全く覚えていないが、馬乗りになって顔面を重点的に殴っていたのだけは覚えていると迅は言う。慌てて迅と忍田が止めに入ったが、あの後の後処理が凄く大変だったらしい。話を聞いたのが忍田本部長であったことと、迅が未来を予知できるサイドエフェクトを持っていたおかげで、静雅は3ヶ月の謹慎で済んだ。その場に居合わせたのが忍田本部長ではなく、城戸司令官だったのであればきっと迅が何を進言しても静雅はボーダーに居られなかっただろう。

 

 

「…ボーダーの壁に穴を開けていたこともあったな」

 

 

 これまた根付絡みではあったのだが、静雅は根付に向かって全く萌えない壁ドン(物理)をしていた。その時はちょうど、鬼怒田がボーダー本部基地をトリオンで壁をコーティングさせようと話をしていたところで、まだそれは実行されていなかった。そんな時の物理的壁ドンである。パラパラと生身で壁を崩壊させた静雅は、また謹慎を食らっていた。

 

 

「…影浦さんと根付さんの間に一体何が…」

「さあ。でもどっちもお互いを嫌ってるし、今では会うことすら許されてないから大丈夫だと思うよ? それに静雅さんは会わないでおこうと思えば一生会わないようにだってできるからね」

「…物理で、とか言わないですよね?」

「違う違う。サイドエフェクトでだよ」

「「「「「…サイドエフェクト?」」」」」

「え、風間さんまで?」

 

 

 何やら不穏な空気になってきたところにタイミングよくブースから太刀川と静雅が出てきた。どうやら一度も勝てなかったのが悔しいのか、太刀川はもう一戦を頼み込んでいるようだが、静雅は全く相手にしていない。

 

 

「おい静雅」

「アン? ンだよ風間じゃねぇか」

「風間じゃねぇか、じゃない。それよりもサイドエフェクトのこと、何故黙ってた」

「「サイドエフェクト?」」

 

 

 風間にサイドエフェクトのことを問い詰められた静雅は小さく首を傾げた。頭のいい静雅に会話が通じないのは非常に珍しいことである。

 

 

「あ?」

「は?」

「え?」

「ん?」

「…なんか面倒な展開になってきたんですけど」

 

 

 上から静雅、風間、迅、太刀川、そして菊地原である。最早、この場はカオスと化しており、何がなんだかさっぱり分からない状態だ。とにかく場の整理をしようと、迅が声を上げた。

 

 

「え、静雅さんってサイドエフェクトあるよね?」

「ねぇよそんなモン」

「…あれ、あのさ、上層部からなんか検査の報告的な奴のメール来てなかったりする?」

 

 

 メールと言われて、静雅は携帯をだし、メールのフォルダを開く。フォルダの中には堂々と一番上に「サイドエフェクトについて」という見出しでボーダーから送られてきていた。もちろん既読はついていない。その事実を見た迅は「あちゃー、見逃してた」と小さく呟く。この状況を見るに、どうやら静雅本人も自分がサイドエフェクトを持っているとは知らなかったらしい。

 

 唯一未来視で静雅のサイドエフェクトの詳細を知っている迅が説明する。迅曰く静雅のサイドエフェクトは『特殊体質』のBのランクに当てはまる『強化空間認識能力』というものらしい。

 

 

「逆に今までそれなんだと思ってたの?」

「皆も使えンのかと思ってた」

「あー、風間さんとか静雅さんや太刀川さん見つけんの上手いもんね」

 

 

 静雅のサイドエフェクト『強化空間認識能力』とは分かりやすく言うと視野が広い。静雅は普通に目から見えている視野とは別に、真上から見下ろす感じで視野が広がっている。簡単に言うと、静雅が模型の中身を見ている感じだ。その模型の中にボーダー本部基地があったり、三門市が広がっているという感じか。歳をとるにつれ、静雅の能力の精度は上がっていき、今では三門市全体を見ようと思えば見える。ただし、かなり疲れるので日頃は半径1km圏内に抑えている。それ以上は抑えられない。

 

 

「はあ!? んなのスナイパー殺しじゃねぇか!!」

「東さんとか知れば落ち込むだろうね」

 

 

 そう、太刀川が言うように基本的に姿を隠して戦うスナイパーと静雅の相性はすこぶるいい。相手は隠れたつもりでも、静雅には丸見えだ。

 

 

「おいおいおいおい…こりゃチームでも組まれたら俺たちやべぇな…」

「いや、太刀川さんのチームってスナイパーいないでしょ」

「いやそうだけどよ。気持ち的な問題あるじゃねえか」

「…チーム」

 

 

 風間が小さくそう呟くとハッとした顔になる。そういえばここに来た目的を完全に忘れていた。

 

 

「おい静雅」

「ンだから何だよ」

「俺のチームに入れ」

 

 

 元々静雅をチームに入れるつもりであった風間だが、いつも一緒にいるのでスカウトはいつでも出来ると後回しにしていた。静雅の風貌が風貌なので、風間の他にはS級の迅や既にチームを組んでいる太刀川、東などしか近寄らず、取られてしまうなんて言う心配もなかったからだ。それに、他のチームに入ったところで宝の持ち腐れになるのは見えていたというのもある。静雅を一番上手く操れるのは風間だけだ。

 

 

「なんだそれ。ガンダムみたいだな」

「誰がアムロ・レイだ」

「あ、分かっちゃうの? いや最近、国近がガンダム無双にハマり始めてよ。ずっとアムロばっか使ってから「俺がガンダムを一番上手く扱えるんだ」しか聞いてねぇんだよ」

「どうでもいい」

「ひでぇな風間さん」

 

 

 実際問題どうでも良かった。風間としては早く返事が聞きたいし、菊地原と歌川は不安で気が気じゃないし、迅は宇佐美を見て何やらニヤニヤ笑っているし、宇佐美は何故か真剣な顔で静雅を見つめている。

 

 

「…別に退屈しねぇならどこでもいいや」

 

 

 「それにお前がいねぇと俺、忍田に拒否られるかもだし」と言った。問題児筆頭である静雅の手網を握れる風間とセットにしたいと上層部が思っても仕方の無いことだった。

 

 

「げぇ、マジか…」

「…これから賑やかになりそうだな」

「……かっこいい」

「え」「は」

 

 

 まさかのOK返事でげんなりする菊地原と歌川だったが、最後に聞こえた宇佐美の呟きに勢いよく2人は宇佐美の顔を見た。どうやら宇佐美の呟きが聞こえていたのは2人だけだったらしく、迅を除く大学生組は何やら話し込んでいる。

 

 

「絶対やめといた方がいいと思うけど」

「…人の恋路にとやかく言うつもりはないけど…あの人はあの……」

「まあまあ。時が流れるまま身を預けてみようよ3人とも。案外、楽しかったりするかもよ?」

「ちょっと急に割り込んで来ないでくれる?」

「…キミ、冷たいな」

 

 

 そんな話のタネにされていると静雅は気付かず、話はトントン拍子で決まっていき──数日後、菊地原と歌川がB級に上がったことにより風間隊が結成された。




 
PROFILE
  年齢  :19歳(原作開始時21歳)
  身長  :180cm
 誕生日  :12月25日
  星座  :かぎ座
 血液型  :A型
  職業  :大学生
 好きな物 :家族、チーム、喧嘩、ランク戦

FAMILY
父、母、兄、弟

PARAMETAR
︎︎ トリオン :10
  攻撃   :10
防御・援護 :8
  機動  :9
  技術  :7
  射程  :10
  指揮  :4
 特殊戦術 :1
 トータル :59

RELATION
静雅→風間
昔馴染みの親友
静雅→太刀川
ポイント稼ぎのカモ
静雅→迅
予知予知ゴーグル
静雅→宇佐美
元チームメイト

裏表紙風を描いてみました。
下手なのは見逃して頂けると嬉しいです
※上下左右にスライドさせながら見てください

【挿絵表示】

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  • 宇佐美栞
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