影浦雅人の『兄貴』   作:瑠威

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静雅のイメージイラストが好評で私は凄く嬉しいです。きっと今までの本編を見ていて「静雅こいつ、嫌いやわ」って言う人もイラスト見て「どストライク!! 好き!!!」となった人がいるはず。
本当にガルダ様描いてくれてありがとうございます!!
本当に勘違いしないで欲しいのが、あのイケメンイラストは私が描いた訳ではなく、ガルダ様が描いてくださいました。本当に、素敵なイラストをありがとうございます!!!!


第25話

 

「おいおい風間! B級に負けたんだって!!」

 

 

 「しかもぽっと出の奴に!」と腹を抱えて笑う静雅。本当は風間は負けた訳ではなく24勝1引き分けである。が、しかし引き分けたことは事実。ここで訂正しようと次は引き分けで茶化されるだけなので放置しておくに限る。決して打ち合うのが面倒だとかそんなことを思っている訳では無い。

 

 

「…風間さん、いいんですか? なんか変にテンションあげてますけど」

「気にするな。勝手にテンションあげて自分で地獄の片道切符を買うことになる。放っておけ」

「放っておけって…」

 

 

 菊地原は風間に言われた通り完全にスルーすることに決めたらしいが、歌川はどうやら踏ん切りがつかないらしい。チラチラと静雅を見ては落ち着かせようと算段を立てているようだった。

 

 

「お、静雅さんやん! ちょうどええとこに。一緒にナスカレー食いに行かん?」

「ほんとだ。見事に地獄の片道切符買ったじゃん」

 

 

 右手を上げて「おーい!」と前方からやってくるのは生駒。静雅のストーカーみたいな男である。静雅は歩く足を止め、回れ右をすると走り出す。それを見た生駒が走り出した。

 

 

「なんで逃げんねん!! 一緒にご飯でも食べようや!!」

「死ね、こっち来んな!!死ね!!」

「あーあー、人に死ね言うたらいかんってお母さんに習わんかったんかー!」

「お願いだから死んでくれ。頼む、1万円あげるから!」

 

 

 結局、捕まってしまった静雅は生駒に引き摺られ食堂へと向かっていく。「たすけてくれ」みたいな目をして見つめてくる静雅を無視するように風間は踵を返した。そんな風間を見て歌川と菊地原は「あ、さっきのことやっぱり怒ってるんだ」と思った。

 

 

 

 * * *

 

「あ! しずかん先輩じゃん」

 

 

 「ランク戦するのー!?」と静雅の周りをうろちょろするのは緑川。元気そうに見えても実はあまり元気ではない緑川だ。

 

 

「あ、静雅先輩どもっす」

「おう。…どうした緑川。あんま元気無ェな」

「あ、分かっちゃう? さっきボコボコにやられたんだよねー」

「あのやられっぷりはいっそスカッとするもんがあったな」

 

 

 ランク戦ブースには緑川の他に米屋もいた。ボコボコにやられたらしい緑川は若干落ち込み気味で、そんな緑川を見て米屋は笑っている。

 

 

「へぇ、誰にやられた。太刀川か? 迅か?」

「ちがうちがう。遊真先輩にやられたの」

「遊真…? 迅の隠し子か?」

 

 

 『遊真』。一瞬、自分の身の回りにそんな名前がいなかったか考える静雅だが、多分いないはずだ。名前的に似てる迅の隠し子だったりしないかと首を傾げる。

 

 

「えー!? 遊真先輩って迅さんの隠し子なの!?」

「いや、絶対に違うだろ」

「ま、だろうな。年齢が合わねェし」

 

 

 「だよねだよね、迅さんに奥さんがいるんじゃないかってびっくりしちゃった」と胸を撫で下ろす緑川。…え、お前迅の女狙ってるの? と疑問に思った静雅だが、首を縦に振られるのも怖いので聞かなかった。なんなら先程の言葉も聞かなかったことにした。

 

 

「つか、風間さんから話聞いてんじゃないんですか?」

「話? そのユーマってやつの? …聞いてねぇ」

「あ、そっすか」

 

 

 確実に風間は話しているであろうが、多分聞き流していたのか、それとも聞いたことを忘れていたのか。そのどちらかだろうなと米屋は見当をつける。

 

 緑川と戦ったという遊真。彼は空閑遊真という名前で、つい先日三輪隊と交戦したネイバーである。迅とA級四部隊が交戦したあの後、「静雅さんはネイバーが居ることを知ってるよ。知ってて来なかったんだ」と言っていたので、静雅はネイバーがこちらにいることには気づいているらしい。それが遊真という名前だと知らないだけで。

 

 

「そういや、近々大規模ネイバー侵攻があるらしいっスね」

 

 

 迅の未来視により報告された大規模ネイバー侵攻。そのことについては、風間から無断行動だなんだと口酸っぱく言われていたので、静雅の頭に残っていた。

 

 

「あー、それ聞いた。けどウチ隊長たちがいなくてさー。どうするんだろ」

「どうにかして自宅待機になんねーかな。エフェクトがキツいんだよ」

「いやいや、風間隊って連携の部隊でしょ。静雅さんだけ休みとかにはなんないですよ」

「連携とか菊地原いればどーにかなるンだよ。それに俺はアイツらの隙間に射撃するだけだし」

 

 

 3人の連携の隙間に射撃を入れる技術はそう簡単にできるものでは無い。それこそ、できるのは東ぐらいだろう。

 

 

「それが凄いんじゃん! だってアレ秒単位で合わせてるんでしょ?? もう変態じゃん」

「アン? 慣れれば米屋でもできる」

「…奈良坂に殺される未来見えたわー」

「けちょんけちょんにやらされそうだね」

 

 

 そもそも米屋がスナイパーに転向すると言っても「は? お前がスナイパー? 戯言も大概にしろ」と一蹴されるだけで終わりそうな気もする。

 

 

「そもそもスナイパーって頭使いそうだし無理だな」

「風向きとか考えないとなんでしょ? 槍バカじゃダメだよねー」

「おい、誰が槍バカだ」

 

 

 キャッキャと走り回っていた緑川と米屋だったが、急にピタリと動きを止めると静雅にこう言った。

 

 

「「静雅さん、ランク戦しよう!!」」

 

 

 もちろん静雅が全勝してやった。




 
Q.風間さんの24勝1引き分け?
 件のメガネの主人公ですね。詳しくは単行本5巻ぐらいを見てください(てきとう)

Q.地獄の片道切符?
 大して好きじゃないナスカレーを食べた

Q.どうして緑川はボコボコにやられたの?
 一言で言えば「調子に乗っていたから」。遊真にボコボコにされた後「くそー、またしずかん先輩に稽古つけてもらうかー」と緑川が言ったため、静雅は知らないうちに遊真にロックオンされた模様

Q.迅さんはいつA級三部隊にあの言葉を言ったの?
 A.ブラックトリガー『風刃』を手放したと教えた時についでみたいな形で言っていました。風間はブチ切れてましたが「そんなに怒んないでやってよ」と迅の一声で何とか収まった。もちろん、静雅はそんなこと知らない

Q.静雅は遊真について知ってるの?
 A.知らない。この世界にネイバーがいることには気づいているが、それが『空閑遊真』とは知らないし、なんならそのネイバーが三輪隊と交戦したネイバーだとも知らない。米屋の推理は残念ながら間違っており、風間は迅の「静雅さんはネイバーがいることを知っているよ」を「静雅はネイバーのことについて全て知っている」と解釈したため、何も教えていない。静雅がちゃんと遊真を認識する日はいつになるのだろうか…。

Q.もうすぐ大規模ネイバー侵攻来ちゃう?
 A.来ちゃう。6巻から大規模ネイバー侵攻来ててびっくりした。久しぶりに原作見るとこういう誤差あるから心臓に悪い。つか、全然プロット練れてない。ヤバい

 

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